私の名前はリール。
今アンナとスカーレットの3人で外にいます。
これからアンナとスカーレットにこの街を案内してもらおうと思っています。
私はエレナ学院にいながらこの街のことはあまり知りません。
1人で出かけられるくらいにはなりたいものです。
なので今日はずっと外にいると思います。
ですがひとつ気がかりなことが…
さっきから私の後ろから視線を感じるんです。
私は光属性魔法の適性者なので周囲の探知能力には長けています。
今のところ悪い人はいませんがどうなるでしょうか…
場所…スペルビア王国 街中
アンナ「ねぇリール」
リール「何ですか?」
アンナ「リールって箒に乗れるよね?」
リール「はい。乗れますよ」
アンナ「じゃあ乗り方教えて!」
リール「箒の乗り方ですか?」
アンナ「うん!」
スカーレット「あ、私もお願いしたいわ」
リール「え、2人はまだ箒に乗ったことが無いんですか?」
アンナ「うん」
スカーレット「まぁ、箒の授業の前に変な人が来たからね」
リール「あーなるほど…」
アンナ「お願いリール!乗り方教えて!」
リール「いいですよ。2人にはこの街を案内してもらってるので」
アンナ「ありがとう!」
スカーレット「私もこれを機に箒に乗れるようにしないと…」
リール「じゃあ広い場所に行きましょうか」
アンナ「あ!ならこの近くに公園があるよ!」
スカーレット「そうね。あそこなら広いから邪魔にならないわ」
リール「じゃあそこに行きましょうか」
アンナ「うん!」
3人は公園に向かった。
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場所…公園
アンナ「ほら!着いたよ!」
リール「おぉ…」
その公園はリールが思っていたよりも広かった。
リール「こんなに広い空間があるなんて…」
スカーレット「ここはこの街唯一の広い場所なの。だからこんなに広いの」
リール「へぇそうなんですね」
アンナ「じゃあ始めよ!」
スカーレット「そうね」
リール「その前に2人は疲れてませんか?」
スカーレット「え?」
アンナ「疲れてないよ!」
スカーレット「私も大丈夫よ」
リール「ならやりましょう!」
リールとアンナとスカーレットは公園の隅っこに移動した。
リール「じゃあまず箒を出してみましょう。やり方は前に教えた通りですよ」
アンナ「…来て」
シュゥゥゥゥゥゥ…
アンナがそう言うと箒が現れた。
スカーレット「来なさい」
シュゥゥゥゥゥゥ…
スカーレットもアンナと同じように言うと箒が現れた。
リール「上出来ですね!じゃあ箒に乗ってください」
アンナとスカーレットは箒に腰掛けた。
リール「今2人の周りにはマナがたくさんいます。それを箒に纏わせることで箒を飛ばすことができます」
アンナ「纏わす?どうすれば…」
リール「自分の箒に魔力を送ってください。そうすれば周囲にいるマナがくっつきますので」
アンナとスカーレットは言われるがまま魔力を送った。
シュゥゥゥゥゥゥ!
アンナ「!!」
スカーレット「!!」
すると周囲のマナが一斉に箒にくっついた。
アンナ「わ、わわわ!」
スカーレット「す、すごいわね…」
リール「あとはマナに飛ぶよう命令するだけですよ。やってみてください」
アンナ (マナに命令する…飛んで…とか?)
ヒュゥゥゥゥゥゥ…
アンナの箒が浮き始めた。
アンナ「え、わ、わわわ!」
アンナは突然浮き始めた箒に驚いていた。
スカーレット (なるほど…あぁなるのね。なら私も…飛べ。…とかでいいのかしら)
ヒュゥゥゥゥゥゥ…
スカーレットの箒も浮き始めた。
スカーレット「わっとと…なるほど…」
リール「2人とも上手ですよ!」
アンナ「リールもおいでよ!一緒に飛ぼ!」
リール「はい!」
リールは手を出した。
リール (…来てください)
ヒュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!
リールは箒を取り出した。
リール (飛べ…)
ヒュゥゥゥゥゥゥ!
リールの箒も宙に浮いた。
アンナ「すごいリール!手際いいね!」
リール「まぁ、慣れてますから」
スカーレット「この後はどうするの?」
リール「そうですねぇ、どこか目的地があるならそこに行くよう命令するか、自分で操作しますね」
アンナ「私自由に飛んでみたい!」
スカーレット「私も」
リール「でしたら一緒に飛んでみましょう」
アンナ「どうやるの?」
リール「簡単ですよ。進行方向に箒を傾けるだけです」
アンナ「へぇ!」
3人は前に箒を傾けた。
ヒュゥゥゥゥゥゥ
すると箒は前に進んだ。
アンナ「すごいすごい!」
スカーレット「えぇ…これはいいわね…」
リール「曲がりたい時は体を倒してください。止まりたい時は箒の先端を持ち上げてくださいね」
アンナ「うん!」
3人は箒に乗って色々な所へ飛んだ。
オード「な、なるほど…あんな感じになるのか…」
その様子を見ていたオード。
???「なぁオード…」
オード「ん?」
???「今日も今日とてリールの観察か?」
オード「観察じゃねぇよ!危険が無いよう見守ってるだけだ!」
???「あーはいはい」
オード「てかノーラもしっかり見張ってろよ」
ノーラ「分かってるって…」
???「今日も最後までいるのか?」
オード「当たり前だろ?いつ危険な目に遭うか分かったもんじゃない」
???「まぁ、分からんでもないが…」
ノーラ「まぁディア。ここで俺たちが颯爽と現れてあの3人を守ることができたらカッコイイと思わないか?」
ディア「あー…まぁ、そうだな」
オード「そういうことだ。行くぞ!」
ノーラ「おう!」
オードたちはリールたちの後を追う。
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場所…広場
アンナ「あ!ここで降りよ!」
リール「はい!」
3人は広場に降りた。
リール「あれ、ここさっきの場所と似てますね」
スカーレット「えぇ。ここはさっきの公園を小さくした感じよ」
リール「へぇ、そうなんですね」
アンナ「ちょっと一休みしよ!」
リール、アンナ、スカーレットは少し休むことにした。
リール「どうですか?アンナ、スカーレット」
アンナ&スカーレット「?」
リール「箒に乗った感想は」
アンナ「楽しかった!」
スカーレット「そうね。いい体験だったと思うわ」
アンナ「これで箒の実技は簡単になったよ!」
リール「ですね」
その様子を見ていた3つの影…
オード「…」
ディア「箒って便利だなオード」
オード「あぁ…無理に走らなくても良さそうだ…」
ノーラ「俺たちはまだ箒に乗る練習してないからなぁ…」
オード「いつかリールに乗り方聞くぞ」
ディア「え?俺たちでやるんじゃないのか?」
オード「俺たちだけだと一向に乗れる気がせんからな。誰かに聞くのが手っ取り早いだろ?」
ノーラ「ごもっとも」
ディア「…だな」
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場所…広場上空
???「さて、準備はできたか?ゴーラ」
ゴーラ「当たり前だ。そっちもいけるか?マーモ」
マーモ「あぁ。いけるぜ」
ゴーラ「じゃあ…始めるか…」
ヒュゥゥゥゥゥゥ…ゴゴゴゴゴゴゴ!
ゴーラは魔力を溜めた。
ゴーラ「万雷よ…この地に降誕しろ…」
ゴゴゴゴゴゴゴ!
ゴーラの魔力が更に増加した。
ゴーラ「
ピカッ!ドゴォォォォォン!
溜めた魔力が雷となり地面に落ちた。
ドゴォォォォォン!
リール「!!」
アンナ「!!」
スカーレット「!!」
オード「!!」
ディア「!!」
ノーラ「!!」
激しい轟音とともに雷が落ちた。
リール「な、何があったんでしょうか…」
アンナ「びっくりしたぁ…」
スカーレット「…」
スカーレットは雷が落ちた場所を見た。
スカーレット (まさか…これって…)
オード「ぐぁぁ…耳が痛てぇ…」
ディア「いきなりなんだよ…」
ノーラ「こんな天気のいい日に雷だと…」
スカーレット「!」
スカーレットは魔力を感じ取った。
スカーレット「リール!」
リール「はい!」
スカーレット「これ…雷属性魔法よ!」
リール「え…魔法…」
スカーレット「この感じ…魔力も相当なものだと思うわ…」
リール「じゃあ誰が…」
スカーレット「…」
スカーレットは周囲を見渡した。
スカーレット (魔法を放った形跡が無い…誰がこんなことを…)
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場所…広場上空
ゴーラ「はっ。この程度で騒ぐのかよ」
マーモ「そりゃ騒ぐだろ…今の魔法、ゴーラ自作の魔法だろ?」
ゴーラ「それがどうした」
マーモ「お前の作る魔法はどれも攻撃力が高すぎるんだよ。俺たちでも当たったら致命傷だ」
ゴーラ「そうか」
マーモ「まぁ、そうでなくても驚くだろ普通」
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場所…広場
スカーレットは未だに魔力の発信源を特定できない。
リール「スカーレット!どこにいるか分かりませんか?」
スカーレット「…分からないわ」
リール「!」
スカーレット「雷属性魔法って特定の電磁を感じることが出来るの。でもそれが感じ取れない…どこから魔法を使ったのかもさっぱり分からない」
リール「じゃあ…」
スカーレット「…せめてあと一回攻撃が来れば分かると思うわ」
アンナ「スカーレット!リール!上を見て!」
リールとスカーレットは上を見た。
リール「あれは…」
スカーレット「…」
そこには2人の人物が見下ろしていた。
アンナ「もしかしたらあの人たちかも…」
リール「あの人たち…箒に乗ってないのに空を飛んでます…」
スカーレット「…只者じゃないわね」
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場所…広場上空
ゴーラ「お、ようやく気づいたらしいな」
マーモ「あぁ。そうらしいな」
ゴーラ「降りるか」
マーモ「いいのか?近くにもう3人いるけど」
ゴーラ「6人程度なら造作もないわ。まとめて蹴散らしてやる。それで、光属性魔法の適性者はあいつでいいんだな?」
マーモ「あぁ。こいつが反応してるからな」
ゴーラ「なら行くぞ」
マーモ「はいよ」
ゴーラとマーモは地上に降りた。
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場所…広場
アンナ「2人…こっちは3人…」
リール「アンナ!」
アンナ「!」
リール「戦っちゃダメです!先生のところに戻りましょう!」
スカーレット「リール」
リール「何?」
スカーレット「…逃げられないわよ」
リール「え…何で…」
スカーレット「…2人のうちどちらかが雷属性魔法の適性者よ…逃げても追いつかれるわ」
リール「じゃあ…」
スカーレット「ここで戦うしかないわ」
リール「でもここで戦ったら先生の防御が得られない…」
アンナ「うん…でも…」
スカーレット「やるしかない」
リール「で、でも…私…魔法が…」
現在リールはレヴィ学院長から魔法の使用を禁止されている。もしこれを破ればリールは退学処分となってしまうため、リールは躊躇っていた。
リール「でも…私…」
スカーレット「…降りてきたわ」
ゴーラとマーモが降りてきた。
ゴーラ「ふん。なんだこの程度でビビってるのか」
マーモ「3人か…」
ゴーラ「いや、6人だ」
リール「!」
リールは光属性魔法の特性を発動した。周囲に4人ほど人がいる。
リール (まさか…この人たちを攻撃する気じゃ…)
ゴーラ「まずはその後ろにいるやつからだ」
ピシッ…ジジジ…
ゴーラは雷を溜め始めた。
リール「!」
ゴーラ「まずは一人」
バリバリバリ!ビューン!ビリビリビリ!
ゴーラの雷はリールの後ろにいる人に向かって一直線に飛んだ。
リール (マズイ!
ピュン!
リールは光速で移動した。
スタッ!
その人の前に着いたリールは急いで結界を展開した。
リール「はぁっ!」
パキパキパキ…キィィィィン!
リールの結界は攻撃が当たる寸前のところで展開された。
ゴーラ「…ほう。さすがに速いな」
マーモ「あぁ。そうだな」
ギリギリギリ…
リールはゴーラの雷と対峙している。
リール「はぁ…はぁ…はぁ…」
???「あ、あの…」
リール「逃げてください!」
???「は、はい!」
タッタッタッ
???は逃げた。
ゴーラ「…逃がしたか」
マーモ「まぁいいだろ。あんなやつ」
ゴーラ「そうだな」
リール (このままだと誰かが怪我をします。それを防ぐためには…)
ギギギ…ギギギギギ…
結界が軋み始めた。
リール (結界が…お願い…耐えて…)
ギリギリギリ…パリィィン!
リール「!!」
リールの結界は完全に破壊された。だがそれと同時にゴーラの雷も消えていた。
リール「や、やった…」
ゴーラ「ふん。止められたか」
マーモ「やるな。あいつ」
ジリッ…スタスタスタ
リールは一歩ずつゴーラとマーモのところに近づいた。
スッ…
リールは杖を取り出した。
リール「アンナ。スカーレット」
アンナ「?」
スカーレット「?」
リール「…私たちが戦うしかないのかもしれません」
〜物語メモ〜
初登場人物
ディア
オードの友達。
火属性魔法の適性者。
いつもオードとノーラの3人で一緒にいる。
結構仲良し。
ノーラ
オードの友達。
水属性魔法の適性者。
いつもオードとディアの3人で一緒にいる。
いつもオードの無茶ぶりに振り回されている。
ゴーラ
雷を落とした張本人。
マーモと一緒に行動することが多い。
マーモ
ゴーラと一緒に行動する人物。
突発的に行動するゴーラと相反してしっかり物事を見定めてから行動するタイプ。
ゴーラとは昔から一緒に過ごしてきたため、一番仲がいい。
登場した魔法
赤雷(ダイナラ)
ゴーラが放った魔法。
ゴーラ自作の魔法で雷ではあるが色は赤。
マーモが名付けた。
地面に落ちれば指定の範囲に雷が広がる魔法。
今回はただ落としただけで周囲には広がらなかった。