私、魔女さんに拾われました。   作:バスタオル

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第28話 リールと魔女さんの魔法

私の名前はリール。

私は今、アンナとスカーレットの3人で外にいます。

さっきまで箒に乗ってて休憩のためにある広場に降りました。

すると少し時間が経って、急に赤い雷が落ちてきました。

スカーレットが言うには雷属性魔法なんだそうです。

周囲を探しましたが誰もおらず、アンナが空にいた2人の人物を指しました。

そのうち1人が赤い雷を落としたそうです。

私が感じた中では魔女さんの魔力が1番強かったんですが、この赤い雷も相当な魔力でした。

危険だと感じた私は杖を手に取り、あの人たちと戦う決断をしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リール「…私たちが戦うしかないのかもしれません」

アンナ&スカーレット「…」

 

アンナとスカーレットは目を合わせ、リールの意見に賛成することにした。

 

アンナ「うん。そうかもね」

スカーレット「私たちが止めないともっと酷くなるわね」

 

スッ…

アンナとスカーレットも杖を取り出した。

 

ゴーラ「お?殺る気になったか?」

マーモ「そのようだな」

ゴーラ「じゃあ回収するか。あいつを」

マーモ「足引っ張るなよゴーラ」

ゴーラ「へっ…マーモこそ」

リール「…」

 

リールたちは相手の様子を見ている。

 

ゴーラ「…何もしてこないぞ」

マーモ「様子を見てるんだろうね」

ゴーラ「そうか。ならこっちからやってやる」

 

ジジジ…バリバリバリ!

ゴーラは雷を集めた。

 

ゴーラ「雷槌(メディエス)!」

 

ピカッ!ドゴォォォン!

雷は一直線に飛んだ。

 

リール「来るよ!」

アンナ「ここは任せて」

 

ジリッ…

アンナが一歩前に出た。

 

スカーレット「待ってアンナ!水属性じゃ雷属性には…」

アンナ「大丈夫」

スカーレット「!」

 

スカーレットは以前のアンナには無かったものを感じた。

 

スカーレット「アンナ…」

 

ビリビリビリビリ!

雷は一直線に飛んでくる。

 

アンナ (スカーレットに勝ったあの人…あの人は雷属性魔法のスカーレットに水属性で勝った。私はあの時、水の使い方を学んだ。もうこれ以上迷惑かけられない)

 

ビリビリビリ!

雷が迫ってくる。

 

スカーレット「アンナ!」

アンナ (…ここ!)

アンナ「流水(メロア)!」

 

ザバァァァァン!

アンナは水属性魔法で道を作った。

 

ドゴォォォン!ビリビリビリ!

雷はその水に当たり、一瞬にして周囲に広がった。

 

アンナ「ぐっ…」

 

アンナはダメージを受けた。

 

スカーレット「アンナ!」

アンナ (でもこれで…)

 

ビリビリビリ!ビューン!

雷はアンナが作った水の道を伝ってマーモのところに飛んだ。

 

マーモ「な!」

 

ビューン!ドゴォォォン!

 

マーモ「ぐぁぁぁぁぁぁ!」

 

マーモはまともに攻撃を受けてしまった。

 

ゴーラ「マーモ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ビリビリ…ビリビリ…

マーモは身体中に電気を帯びてしまった。

 

マーモ「ぐぁっ…体が…」

 

マーモの体はまともに動かなかった。

 

スカーレット「凄いわアンナ!」

アンナ「えへへ…」

リール「すごいですよアンナ!」

アンナ (よかった…リールに褒めてもらえた…)

ゴーラ (チッ…あいつ…水属性魔法なのに雷属性魔法を弾いただと…)

 

ゴーラはアンナを見た。

 

ゴーラ (だが、弾いたあいつももう限界だろ。次の一発で終わらせてやる)

 

ジジジ…ゴゴゴゴゴゴ…

ゴーラは周囲に電気を放散させた。

 

ゴーラ (これなら避けれねぇだろ)

 

ビリビリビリ…フワフワ…フワフワ…

ゴーラが雷を放散させると、周囲の瓦礫や岩石が浮き始めた。

 

ゴーラ「これでどうだ!」

 

ビュン!

ゴーラは浮かせた瓦礫や岩石をアンナに向けて飛ばした。

 

スカーレット「アンナ!」

アンナ「!」

 

アンナはそれに気づかなかった。気づいた時にはもう岩石は目の前にあった。

 

リール「光爆(エレノア)ー!」

 

キィン!バゴォォォォン!パラパラパラパラ…

リールが光属性魔法でその岩石や瓦礫を粉砕した。

 

アンナ「あ…ありがとう…リール」

リール「どういたしまして!」

ゴーラ「チッ…光属性魔法か…マーモ!まだ治らねぇのか!」

マーモ「もう…少し…」

 

マーモの体はまだ麻痺していた。

 

ゴーラ「チッ…」

スカーレット「雷砲(サンダー・キャノン)!」

 

ジジジ…ドゴォォォン!

スカーレットはマーモに向かって雷属性魔法を放った。

 

マーモ「な…」

 

ドゴォォォン!

スカーレットの攻撃は命中した。

 

リール「すごい!すごいですよスカーレット!」

スカーレット「当たり前よ」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

煙が晴れた。

 

スカーレット「!」

リール「!」

アンナ「!」

 

スカーレットの攻撃は命中していた。だが、命中していたのはマーモではなくゴーラだった。

 

ゴーラ「…いい雷だ」

スカーレット「そんな…」

ゴーラ「お前、雷属性魔法か」

スカーレット「…」

ゴーラ「なら、お前にいいものをくれてやる」

 

ジジジジジジジジジ

ゴーラは力を込めた。

 

ゴーラ「雷属性魔法にはな…こういう使い方もあるんだ」

 

ジジジ…ゴゴゴゴゴゴ!

 

ゴーラ「雷撃(ゴラ・モーア)!」

 

ギュォォォォォ!ドゴォォォン!

ゴーラは雷で作った気弾をスカーレットに向けて放った。

 

スカーレット「な…」

リール「スカーレット!」

スカーレット「インドラの矢(サディエライト・アーツ)!」

 

キィン!バゴォォォォン!

両者の魔法がぶつかる。

 

スカーレット「はぁぁぁぁぁぁ!」

 

ギュォォォォォ!

 

スカーレット「!」

 

スカーレットは途中で異変に気づいた。

 

スカーレット「ま…魔力が…」

ゴーラ「はっ…ようやく気づいたか」

 

ゴーラが放った雷撃(ゴラ・モーア)はスカーレットのインドラの矢(サディエライト・アーツ)の魔力を吸収していた。

 

ギュォォォォォ!

スカーレットの魔力はどんどん吸収されていく。

 

スカーレット「このままじゃ…」

 

ドゴォォォン!

両者の魔法が力に耐えきれず消滅した。

 

スカーレット「はぁ…はぁ…よかっ…」

 

ビューン!

 

スカーレット「!?」

 

だがゴーラの雷撃(ゴラ・モーア)は消滅していなかった。

 

スカーレット「しまっ…」

リール「スカーレット!」

 

バゴォォォォン!

ゴーラの魔法はスカーレットに命中した。

 

スカーレット「…」

 

ドサッ…

スカーレットは力なくその場に倒れた。

 

リール「スカーレット!」

スカーレット「…」

 

スカーレットはピクリとも動かなかった。

 

リール「スカー…レット…」

 

ビリビリ…ビリビリ…

スカーレットの体には雷が走っていた。

 

ゴーラ「はっはっはっ!」

リール「!」

ゴーラ「バカなやつだ。あれに攻撃するとはな」

リール「…」

ゴーラ「あれは相手の魔力を吸収して攻撃力を上げる魔法だ。雷属性魔法を吸収すればさらに強くなる。この女が雷属性魔法だと分かったからこの魔法が使えた。それを知らなかったこいつはまんまと罠にかかったんだ」

リール「スカーレット…」

ゴーラ「さ、ここで展開しようか。俺の領域を」

 

ヒュッ

ゴーラは杖を高く上げた。

 

ゴーラ「雷の領域(ホライゾン)

 

ジジジ…バリバリバリ!

周囲に雷属性魔法の領域が展開された。

 

アンナ「な…なに…これ…」

ゴーラ「これは俺を強くするための領域。この領域内にいる水属性魔法は持続ダメージを負っていずれ死に至る」

アンナ「え…」

 

ビリビリビリビリ!

アンナがそれを聞いた瞬間、アンナの体に電気が流れた。

 

アンナ「あぁぁぁぁぁぁぁ!」

リール「アンナ!」

アンナ「あぁぁぁぁぁぁぁ!」

ゴーラ「さぁて、お前は何秒持つだろうなぁ」

リール「くっ…」

オード「ちょっと待てーーーい!」

 

ザザッ!

すると近くの物陰からオードとディア、ノーラが姿を現した。

 

オード「今すぐこの領域を閉じろ!クソジジイ!」

ゴーラ「…やっと出てきたのか。さっきからそこで隠れてた腰抜け共が」

リール「オード君!?」

ディア「やるぞオード!」

オード「当たり前だ!女の子を守るのが男の仕事だ!」

ゴーラ「…はぁ?何言ってんだよ」

オード「炎流(ファイアロード)!」

 

ゴォォォォォォォ!

オードの杖から炎が出てきた。

 

ディア「炎化(バーン)!」

 

ゴォォォォォォォ!

ディアの杖から炎が出てきてディアを包み、そのままディアは突進した。

 

ノーラ「渦潮(ロウェナ)!」

 

ザバァァァァン!

ノーラは渦潮を展開した。

 

ゴーラ「火属性が2人と水属性が1人。水属性はどうせ死ぬから残りの2人をどうにかするか」

 

ドゴォォォン!

3人の魔法は直撃した。

 

オード「…どうだ」

ノーラ「…」

 

スタッ

突進していたディアが戻ってきた。

 

オード「どうだディア。手応えはあったか?」

ディア「いや…なかった…」

オード「なに…」

ゴーラ「今この領域がある限り、そこの水属性のやつは時間経過で死ぬ。その前の水属性の女はもう倒れてる。見ておけよ。じきにお前もあぁなる」

ノーラ「…」

ゴーラ「さ、死ぬ覚悟はできたか?ガキが」

オード「へっ…おっさんこそ。俺たちに殺される覚悟はできたか?」

ゴーラ「はっ…ほざけ」

 

ジジジ…ゴゴゴゴゴゴ…

ゴーラは魔力を溜めた。

 

マーモ「すまないゴーラ。今治った」

ゴーラ「そうか。今からこいつらを潰す。お前も手伝えモーア」

モーア「あぁ。任せな」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ!

モーアの周りに風が発生した。

 

モーア「ゴーラ。相手の属性魔法は」

ゴーラ「1人は水属性魔法だ。残りの2人は火属性魔法だ」

モーア「…俺の弱点属性が2人もいるのか…」

ゴーラ「心配すんな。弱い」

モーア「そうか。ならやってみよう」

 

ビリビリビリ!

ヒュゥゥゥゥゥゥ!

ゴーラとマーモは魔力を溜めている。

 

ディア「いくぞオード!ノーラ!」

オード「おう!」

ノーラ「せめて一撃だけでも」

 

オードたちも魔力を溜めた。

 

オード「核爆発(デューリ)!」

ディア「火柱(メルサガ)!」

ノーラ「水ノ舞(アモール)!」

 

ゴーラ「赤雷(ダイナラ)

マーモ「風ノ陣(ヴィドア)

 

キィン!バゴォォォォン!

5人の魔法は互いに直撃し、爆発した。

 

オード「…ふぅ」

マーモ「斬り風(ザンバ)!」

オード「な!」

 

ズシャシャシャシャ!

オード、ディア、ノーラはマーモの魔法を受けてしまった。

 

オード「ぐぁぁぁぁ!」

ディア「ぐぁっ…」

ノーラ「これは…」

 

3人はマーモの魔法で体の至る所に斬り傷がついた。

 

マーモ「…油断したね」

オード「こいつ…」

ディア「オード…大丈夫か…」

ノーラ「あの人…風属性魔法…だからディアとオードならまだなんとかなる…」

オード「あぁ。いくぞディア」

ディア「あぁ…やるか」

ノーラ (俺はもう…限界だ…)

 

ドサッ…

ノーラはその場に倒れた。

 

オード「ノーラ!」

ゴーラ「ようやく死んだか。さっきの女よりかは長かったな」

マーモ「…だな」

オード「くそぉぉぉぉぉ!」

 

オードは魔法を使った。

 

オード「これでどうだぁぁぁぁぁ!」

マーモ「…遅い」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ!ズシャシャシャシャ!

 

オード「がぁぁぁぁぁぁ!」

ディア「な…ぐっ…」

 

オードとディアはマーモの魔法を受けてしまった。

 

リール「オード君!」

オード「はぁ…はぁ…」

ゴーラ「まだ立つか」

マーモ「しぶといねぇ」

オード「当たり前…だろうが…女の子が困ってるんだ…盾になるのが男の役目…」

ゴーラ「そうか。ならその盾を壊さないとな」

マーモ「あぁ。そうだな」

オード「はぁ…はぁ…」

マーモ「次で潰してあげる」

 

ヒュォォォォォォ!

マーモは風を集めた。

 

マーモ「風玉(ブレイズ)!」

 

バババババババババ!

マーモは玉型の風属性魔法をオードに向けて放った。

 

ドドドドドドドドド!

 

オード「ぐぁっ…ぐっ…がっ…」

 

オードはリールの前に立ってリールを守った。

 

リール「オード君!」

オード「ぐっ…がっ…」

 

オードは何発も魔法を受けているが、倒れることはなかった。

 

マーモ「いいねぇ。何発まで耐えられるかな」

 

バババババババババ!

マーモは続けて魔法を放つ。

 

ドドドドドドドドド!

オードは負けじと魔法を受ける。

 

リール「オード君…オード君!」

オード「…」

 

ついにはオードは喋らなくなった。

 

バババババ…シュゥゥゥゥゥゥ…

マーモは魔法を止めた。

 

オード「…」

 

オードはリールを守りきった。

 

ゴーラ「はっ。まだ立ってやがる」

オード「…」

マーモ「いや、立ってるけどもう意識は無いよ」

リール「!」

マーモ「ちょっとの風ですぐ倒れるよ」

ゴーラ「ほう。ならやってみろ」

マーモ「あぁ」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ…

マーモはオードに弱い風を当てた。

 

ドサッ…

するとオードは力なく倒れた。

 

リール「オ…オード…君…」

オード「…」

 

オードは目を開けなかった。

 

リール「オード君…みんな…」

 

今この場で意識を持っているのはリールだけ。アンナ、スカーレット、オード、ディア、ノーラは意識を失っている。

 

リール「くっ…ぅぅぅぅぅぅ…」

ゴーラ「はっ、ほんとに倒れやがった」

マーモ「な、言っただろ?」

リール「…」

マーモ「さ、あとは光属性魔法の適性者を回収するだけだよ」

ゴーラ「はっ、こんな簡単な仕事をエレナのやつは失敗したのか?笑わせるぜ」

マーモ「全くもってその通りだよ」

 

スタスタスタ

ゴーラはリールに近づいた。

 

リール「…」

 

スッ…

リールは立ち上がってゴーラに杖を向け、目を閉じた。

 

ゴーラ「お?来るか?」

リール (魔女さん…力を…貸してください…)

 

ヒュォォォォォォ…

 

ゴーラ「!!」

 

一瞬にして空気が変わった。

 

ゴーラ (なんだ…空気が変わった…)

リール「…」

 

リールは杖を向けたまま止まっている。

 

ゴーラ (…はったりか)

リール (魔女さん…お願いします…私に…私にあの人たちをやっつけるだけの力を…貸してください…)

魔女さん (任せて…リール)

リール (!!)

 

リールは魔女さんの声が聞こえたような気がした。

 

ゴーラ「…誰だお前」

マーモ「!!」

リール「!!」

 

リールが目を開けると目の前に見覚えのある人が立っていた。

 

魔女さん「…」

リール「魔女…さん…」

魔女さん「…」

 

そう。目の前にはリールの師匠である魔女さんが立っていた。

 

ゴーラ「誰だてめぇ」

魔女さん「…」

マーモ「ゴーラ。あの人…相当な魔力を持ってるよ」

ゴーラ「そんなん見りゃ分かるわ」

マーモ (なんなんだこの魔力…今まで感じたことがない…)

魔女さん「…」

リール「魔女…さん…」

ゴーラ「チッ…こんなところで知らねぇやつに作戦の邪魔をされてたまるか」

 

ジジジ…ゴゴゴゴゴゴ!

ゴーラは雷を集めた。

 

ゴーラ「赤雷(ダイナラ)!」

 

キィン!ドゴォォォン!

雷は一直線に魔女さんのところへ飛んだ。

 

リール「魔女さん!危ない!」

魔女さん「…」

 

キィン!バゴォォォォン!

ゴーラの雷は直進していたはずだが魔女さんの目の前で急激に方向を変え、近くの建物に当たった。

 

ゴーラ「な…」

マーモ「!?」

リール「…え」

魔女さん「…」

 

魔女さんはその場から一歩も動いていなかった。

 

ゴーラ「チッ…女のくせに…」

魔女さん「…」

 

スッ…

魔女さんはゴーラに指を向けた。

 

ゴーラ「…?」

 

スゥゥゥゥ…

魔女さんはそのまま指を下に向けた。

 

ゴーラ「…あ?なにかした…」

 

バゴォォォォン!

 

ゴーラ「!?」

マーモ「!?」

 

魔女さんが指を下に向けた瞬間、ゴーラは地面に叩きつけられた。

 

リール「え…」

 

グググググ…

ゴーラは叩きつけられたまま動けないでいた。

 

ゴーラ「こ…んの…なに…しやがっ…」

魔女さん「…」

マーモ「この!ゴーラを離せ!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ!

マーモは風を集めた。

 

マーモ「風玉(ブレイズ)!」

 

バババババババババ!

マーモは玉型の風属性魔法を放った。

 

魔女さん「…」

 

ツンツン

魔女さんはマーモに指を向け、2回ほど空気をつついた。

 

ドゴォン!ドゴォン!

 

リール「!!」

 

すると、マーモの体に2つの打撃跡ができた。

 

マーモ「ぐぉっ…」

 

ドサッ…

マーモはその強さに耐えきれず、その場に倒れた。

 

魔女さん「…」

マーモ「なんだ…この力…」

リール「魔女…さん…」

ゴーラ「こ…の…いい加減に…しろ…俺たちが…たった1人に…」

魔女さん「…」

 

ツンツンツンツン

魔女さんはゴーラに指を向け、4回ほど空気をつついた。

 

ドゴォンドゴォンドゴォンドゴォン!

 

ゴーラ「がぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

すると先程と同じようにゴーラに4つ打撃跡ができた。

 

ゴーラ「ぐぁぁぁ…」

魔女さん「…」

 

スッ…

魔女さんはマーモに指を向けた。

 

マーモ「ひっ…」

 

マーモは怯えた。

 

魔女さん「…」

 

魔女さんはマーモに指を向けたまま止まった。

 

マーモ「風玉(ブレイズ)!」

 

バババババババババ!

マーモはその隙をついて魔法を放った。

 

魔女さん「…全属性の暴走(エレメント・ノディア)

 

バゴォォォォン!バゴォォォォン!バゴォォォォン!

バゴォォォォン!バゴォォォォン!バゴォォォォン!

バゴォォォォン!バゴォォォォン!バゴォォォォン!

 

マーモ「がぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

魔女さんが魔法を放った瞬間、マーモを中心に大爆発が起こった。その数は実に9回。火、水、氷、風、雷、土、光、闇、無の9つの属性魔法がマーモを襲う。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

やがて煙は晴れた。

 

リール「!!」

魔女さん「…」

 

だがもうそこにはマーモはいなかった。

 

リール「い…いなくなってる…」

ゴーラ「マァァァァァモォォォォォォ!」

 

ゴーラは叫んだが、マーモからの返事が返ってくることはなかった。

 

ゴーラ「てめぇ…やりやがったな…」

魔女さん「…」

 

ゴーラは魔女さんに杖を向けた。

 

ゴーラ「死なば諸共…大雷獄(アヴァリヴィア)!」

 

ジジジ…ドゴォォォン!

ゴーラは魔女さんに向けて魔法を放った。

 

魔女さん「…全属性の弾丸(エレメント・ラプソディ)

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると、ゴーラを中心にマナが集まり始めた。

 

ゴーラ「な…なんだこいつは!」

魔女さん「…」

ゴーラ「おい!やめろ!今すぐやめろ!」

魔女さん「…」

ゴーラ「おい!聞いてんのか!お…」

 

バババ!バババ!バババ!

ピュン!ピュン!ピュン!

ドカッ!ドカッ!ドカッ!

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

ビュン!ビュン!ビュン!

ガンッ!ガンッ!ガンッ!

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

バゴォン!バゴォン!バゴォン!

ズシャッ!ドゴォン!バゴォン!

 

ゴーラが叫んでいる途中で火、水、氷、風、雷、土、光、闇、無属性魔法の一斉攻撃が始まった。

 

ゴーラ「がぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

魔女さん「…」

 

その光景は凄まじく、ゴーラだけでなく周りの建物にも被害が出た。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

やがてその攻撃は止んだ。

 

魔女さん「…」

リール「…」

 

リールはこの時、魔女さんの強さを知った。

 

リール (魔女さん…こ…こんなに強いなんて…)

魔女さん「…」

ゴーラ「ぐぁっ…ぐっ…」

リール「!!」

 

ゴーラはなんとか生き残っていた。

 

ゴーラ「このっ…ゴフッ…ボコスカ…攻撃しやがって…」

 

ゴーラは吐血しながら喋った。

 

リール「まだ…やっつけられないなんて…」

魔女さん「…」

ゴーラ「俺はまだ…負けてない…」

リール「!」

 

リールは自分の手にある杖に気づいた。

 

リール「なら…私が!」

 

ザッ…

リールは一歩前進した。

 

バッ!

だが、魔女さんがそれを止めた。

 

リール「魔女…さん…?」

魔女さん「…」

 

魔女さんはじっとゴーラを見ている。

 

ゴーラ「ゴフッ…くっ…せめて…マーモが…いれば…ゴフッ…」

 

ゴーラの吐血は酷くなっていた。

 

ゴーラ「これは…アラミスの回復が…必要だ…」

 

ゴーラはゆっくり立ち上がった。

 

ゴーラ「てめぇ…覚悟しておけよ…はぁ…はぁ…いつか…殺してやる…」

 

ビューン!

ゴーラはその場から逃げた。

 

リール「魔女さん…」

魔女さん「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

 

リール「!!」

 

リールは魔女さんの体が消えかかっているのに気づいた。

 

リール「魔女さん!体が!」

魔女さん「…」

 

魔女さんは動かなかった。

 

リール「魔女さん!今すぐ魔力を…ちょっと待ってください!」

 

ガサゴソ…ガサゴソ…

リールはバッグの中に入っている魔力の素を取り出そうとした。

 

スッ…

 

リール「!」

 

リールの手に魔女さんの手が触れた。

 

魔女さん「…」

リール「…魔女…さん…?」

魔女さん「リール」

リール「!!」

魔女さん「…あなたなら大丈夫ですよ」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

その言葉を告げた瞬間、魔女さんの体は消えてしまった。

 

リール「ま…魔女さん…え…魔女さん!…魔女さん!」

 

リールは何度も魔女さんを呼んだ。

でも、魔女さんが返事を返してくれることは無かった。




〜物語メモ〜

初登場魔法

雷属性魔法:雷槌(メディエス)
ゴーラが使った魔法。
雷で作った槌を磁力を使って飛ばす魔法。
普通の雷よりかは速度は落ちるが、当たれば大ダメージ。

水属性魔法:流水(メロア)
アンナが使った魔法。
水を使って道を作ることで弱点である雷属性魔法を受け流すことが出来る魔法。
ただし不完全なため、アンナ自身もダメージを受ける。

雷属性魔法:雷撃(ゴラ・モーア)
ゴーラが使った魔法。
相手の魔力を吸収する玉型の魔法。
魔法同士がぶつかっても雷撃(ゴラ・モーア)が相手の魔法を吸収するため、相手の魔法が貫通してしまう。
おまけに魔力を吸収すれば強くなる。

雷属性魔法:雷の領域(ホライゾン)
ゴーラが使った魔法。
周囲を雷で覆い、自信を強化する+水属性魔法の適正者にダメージを与える魔法。
これは発動者が解除するか、発動者が倒れるまで続く。

火属性魔法:炎化(バーン)
ディアが使った魔法。
自信を炎で包み、相手に突進する魔法。
突進は物理攻撃だが、炎を纏うまでが魔法攻撃となる。

水属性魔法:渦潮(ロウェナ)
ノーラが使った魔法。
渦潮を発生させ、相手にぶつける魔法。
相手に当たるまでに瓦礫などがあれば一緒に巻き込んで攻撃する。

火属性魔法:火柱(メルサガ)
ディアが使った魔法。
火属性レーザー型の魔法。
相手に向かって火を放つ魔法。

水属性魔法:水ノ舞(アモール)
ノーラが使った魔法。
螺旋状に飛ぶ水を放つ魔法。

風属性魔法:風ノ陣(ヴィドア)
マーモが使った魔法。
風を集めて一気に放つ魔法。
風の威力は凄まじく、建物は一瞬で吹き飛ぶくらい。

風属性魔法:斬り風(ザンバ)
マーモが使った魔法。
風属性斬裂型の魔法。
放てば風だけでなく、斬撃もついてくる。
当たれば斬撃ダメージを負う。

風属性魔法:風玉(ブレイズ)
マーモが使った魔法。
風属性玉型の魔法。
放てば玉型の風が相手に向かって飛ぶ。

雷属性魔法:大雷獄(アヴァリヴィア)
ゴーラが使った魔法。
自身の魔力を大幅に消費して放つ魔法。
ゴーラが使う魔法の中でトップの威力を誇る。

全属性魔法:全属性の暴走(エレメント・ノディア)
魔女さんが使った魔法。
火、水、氷、風、雷、土、光、闇、無の9つの属性魔法を暴走させ、大爆発を起こさせる魔法。
魔女さん自身の魔力が高いため、まともに受けると基本、跡形も残らない。
そのため、この魔法を受けたマーモは跡形もなく消えていた。

全属性魔法:全属性の弾丸(エレメント・ラプソディ)
魔女さんが使った魔法。
火、水、氷、風、雷、土、光、闇、無の9つの属性魔法を使って攻撃する魔法。
その際マナを集めることで照準を合わせることができ、放てば当たるまで追いかけ続ける。
魔女さんの魔力が高いため、一発の威力が半端じゃない。
それが9つの属性で何発も放たれるため、ダメージは相当なもの。

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