私、魔女さんに拾われました。   作:バスタオル

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ここでちょっとお知らせです。

前回のアンケートの結果、行間を狭くすることに決定しました。

お知らせは以上です。


第30話 リールと十二使徒

私の名前はリール。

今外にいます。

何やら知らない人たちがアンナたちを連れてっちゃいました。

回復が〜とか無事だ〜とか言ってましたが、何も頭に入ってきませんでした。

そんな時、私の目の前にレヴィ学院長がいました。

レヴィ学院長は鋭い目付きで私を見ました。

私、何かしたのかなって思いました。

そんな事を考えているとレヴィ学院長が私に伝えたいことがあるらしいです。

レヴィ学院長の目付きからして良くない予感がしました。

レヴィ学院長はずっと私の目を見ています。

辺りの空気もなにやらピリピリしてきました。

私は初めてレヴィ学院長に対して恐怖感を抱きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所…広場

 

???「リールさん。顔を上げてください」

リール「…!」

 

リールが顔を上げるとそこにはレヴィ学院長が立っていた。

 

リール「レヴィ…学院長…」

レヴィ「リールさん。あなたにお伝えしたいことがあります」

リール「私に…伝いたいこと」

レヴィ「…」

エギル「…学院長さん。私、席を外しますね」

レヴィ「…はい。お願いします」

 

スタスタスタ

エギルはその場をあとにした。

 

リール「あ、あの…なにか…」

レヴィ「私、前にリールさんにひとつ禁止させたことがありましたよね?」

リール「は、はい…」

レヴィ「…何か覚えていますか?」

リール「えっと…第1魔法戦闘室以外で…魔法は使わないこと」

レヴィ「…そうです」

リール「…」

レヴィ「なぜ…破ったんですか」

リール「そ、その…」

レヴィ「これを破ったらどうなるか…言ったはずです」

リール「…」

レヴィ「あなたの魔力は強すぎるんです。それこそ私の結界を貫通するほどです」

リール「…すみません」

レヴィ「謝ってももう遅いです」

リール「…」

レヴィ「…現在、ある場所である生き物が見つかりました」

リール「ある…生き物…」

レヴィ「はい。ドレインと呼ばれる生き物です」

リール「!!」

 

リールはドレインと言う名前に覚えがあった。

 

リール (ドレイン…あの紙に書いてた…)

レヴィ「あれは数年前に出現した他者を取り込む生き物です。それが今、ある場所で見つかっているんです」

リール「…」

レヴィ「…以前、学院にエレナという人物が来たの、覚えていますか」

リール「…はい」

レヴィ「あの人は昔、あの学院の学院長をされていた方です。ですがある時、あの人が起こした事件をきっかけにあの人は学院を去りました。…いえ、学院から消えました」

リール「消え…た…」

レヴィ「はい。エレナという人は天使と契約を結び、この世界に調停としてドレインを解き放ちました」

リール「…」

レヴィ「それにより人々は殺され、残ったのは12人のみ。ですがその時、あなたのお師匠様であり、私の姉弟子である魔女さんがエレナという人と戦い、魔女さんはエレナという人を消してしまったんです」

リール「…」

 

リールはレヴィ学院長の話し方に違和感を覚えていた。

 

レヴィ「そして魔女さんは他にもドレインたちを消し去り、ある場所に幽閉しました」

リール「幽閉…」

レヴィ「…"深淵"。そう呼ばれる場所に」

リール「!!」

 

リールはスカーレットの家で見つけた小さな手紙を思い出した。その手紙にも深淵、ドレインという文字があった。

 

レヴィ「世間では他にもドレインを倒したという人がいたそうですが、魔女さんが全て消したそうなんです」

リール「…」

レヴィ「…エレナという人が来た時からもっと警戒しておくべきでした」

リール「警戒…」

レヴィ「…リールさん。あなたの魔法で天使たちが目を覚ましたのです」

リール「て…天使…」

 

 

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場所…エレナの部屋

 

エレナ「さて、全て話してください。狂気の魔女さん」

魔女さん「…」

エレナ「…黙っていては話が前に進みませんよ」

魔女さん「…何を聞きたいんですか」

エレナ「そうですねぇ、魔核を持っている12人の人物が誰なのかを教えてください」

魔女さん「知りません」

エレナ「…答えてください」

魔女さん「知りません」

エレナ「なぜ知らないんですか。あなたもそのうちの一人でしょう?」

魔女さん「いいえ。私はあの場にいませんでした」

エレナ「…」

魔女さん「大体、私がドレインを消したんです。何があったかは知りませんが、その魔核の存在も私は知りません」

エレナ「…」

 

エレナはじっと魔女さんを見つめた。

 

エレナ「…なら質問を変えます。リノはどこですか」

魔女さん「!」

 

魔女さんはリノという名前に反応した。

 

エレナ「…教えてください。リノはどこにいるんですか」

魔女さん「…私が知りたいです」

エレナ「これも知らないんですか」

魔女さん「私だって探しています。知ってるなら私が聞きたいくらいです」

エレナ「…なるほど。進展なしですか」

魔女さん「…」

エレナ「…私がやろうとしている計画をお話しましょうか」

魔女さん「!」

エレナ「…私がなぜ魔核を集めているのか。知りたくないですか?」

魔女さん「…そうですね。もし知ることが出来ればリールに危害が出ないようにできそうですから」

エレナ「…リノを取り戻すためです」

魔女さん「!」

エレナ「あなたはなぜ私たちが存在していると思いますか?」

魔女さん「…」

エレナ「この世界を壊すため?人を殺すため?マナを枯渇させるため?……全て違います。私たちがこの世界に存在しているのは、この世界を悪くしているひとつの存在を消し去るためです」

魔女さん「存在…」

エレナ「そう。それが俗に"深淵"と呼ばれるものです」

魔女さん「深…淵…」

エレナ「私たちの事をあなた方は勝手に天使と呼んでいますが、実際には違います。私たちは人の手が作り出したホムンクルス…そう呼ばれる人種です。いえ、人ではありませんね。人形ですね」

魔女さん「…」

エレナ「アレがいつまでもこの世界に残っているといつになってもドレインは完全には消えません。なので私はこっそりと魔核を持つ人物を集めているのです」

魔女さん「なぜ…集めるんですか」

エレナ「…リノ。あの人が死ぬ時に12個に分けたものがあります」

魔女さん「!」

エレナ「それが魔核。それを12個揃えればリノは蘇る。だから私はそれを集める」

魔女さん「集めてリノを復活させたとして、その後どうするんです」

エレナ「…深淵の持つ属性は闇属性。対局の存在である光属性でしか攻撃が通りません。だからリノが必要なのです」

魔女さん「…最初にリノの居場所を聞いたのはなぜ」

エレナ「あなたが何か知ってるか聞いてみただけです。有力な情報があればよかったんですが」

魔女さん「…」

エレナ「さて、私はもう行きますね」

魔女さん「どこに行くんです」

エレナ「どこって…魔核を持っている人を探しに行くんですよ」

魔女さん「!」

エレナ「あなたが知らないなら虱潰しに見ていくしかないので。それでは」

 

ガチャ…バタン

エレナは部屋を出た。

 

魔女さん (ごめんなさいリール。ここを出るのはもう少しかかりそうです…)

 

 

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場所…トトの患者保管室

 

トト「うん。全員見事に回復しているね」

 

トトはアンナたちを回復させたあと、特殊な容器の中に保存した。

 

トト「その中にある液体は君たちの体を活性化させるものだからね。もう少しだから」

 

その容器の中には入れた人の細胞を活性化させる特殊な液体が入っている。これを取り込むことで細胞が活性化され、回復が早くなるということ。

 

トト「さて、私はそろそろ」

リグ「トトさん」

 

患者保管室にリグが入ってきた。

 

トト「お、リグ。どうしたんだい?」

リグ「どうですか?回復の方は」

トト「うん。順調だよ」

リグ「それは良かったです」

 

リグの顔は少し険しかった。

 

トト「…それで?どうしたんだい?」

リグ「!」

トト「ほんとはそんな事話に来たんじゃないんでしょ?」

リグ「…えぇ。そうですね」

トト「話してみて」

リグ「…トトさん」

トト「はい」

リグ「トトさんはこの人たちと一緒にいた女の子を見ましたか?」

トト「はい。見ましたよ。あの場で1人だけ意識がありましたから」

リグ「…あの子の持つ属性…知っていますか?」

トト「う〜ん…雷属性の跡があったので雷属性魔法だと思っていたんですが、違いますか?」

リグ「あの子…実は光属性魔法なんです」

トト「!!」

リグ「この子たちは知りませんが、あの子は紛れもなく光属性魔法でした」

トト「…光属性魔法…これで何人目だったかな」

リグ「4人目ですね」

トト「4人…か…」

リグ「光属性魔法が4人いるとなると…」

トト「相反する闇属性魔法も同じく4人存在することになるね」

リグ「一部の人たちは狂気の魔女が今もまだ生きてるんじゃないかと囁かれています」

トト「まぁ、いるだろうね」

リグ「やっぱり…いるんですか」

トト「百穢夜行…数多のドレインが出現してこの街の人間を取り込んだ大災害…」

リグ「まさか…百穢夜行も狂気の魔女が」

トト「あ、それはまた別の人がやった事ですよ」

リグ「あ、なんだ…そうなんですね」

トト「ただ…またアレが起こるとなると今度は全員死ぬ可能性もありますよ」

リグ「!」

トト「百穢夜行を起こしたのはエレナというこの街のエレナ学院の初代学院長だった人です」

リグ「え!エレナが…」

トト「はい。何故百穢夜行を起こしたのか…それは彼女本人しか知りません。ですが、アレが起こるとなると私たちもタダじゃ済みませんね」

リグ「でも…それを防ぐ手はもう…」

トト「ありますよ」

リグ「!」

トト「百穢夜行を防ぐ手段は昔からひとつだけなんですよ」

リグ「それは…」

トト「…光属性魔法をぶつけるという方法です」

リグ「光属性魔法…」

トト「ですが過去に一度、本来なら光属性魔法で百穢夜行を防ぐもしくは収束させるものがたった一度だけイレギュラーな事が起こったのです」

リグ「イレギュラー…」

トト「そう。それが狂気の魔女の事件ですよ」

リグ「え…」

トト「リグはまだ知らないから言っておくね」

リグ「…」

トト「狂気の魔女の属性は闇。あの人は闇属性魔法の適性者なんですよ」

リグ「!!」

トト「本来なら光属性魔法でしか効果がない百穢夜行も彼女の闇属性魔法の手によって収束しました。非常にイレギュラーな事が起こったのです」

リグ「でも…今は狂気の魔女は…」

トト「そうですね。どこにいるかはさっぱりです。ですが、必ずどこかにいますよ。でなきゃ光属性魔法は誕生しませんから」

リグ「…光属性魔法は闇属性魔法が存在する場合のみ誕生する」

トト「そうです。ですが、闇属性魔法1人につき光属性魔法1人なので、リグが言った光属性魔法の子がいるということはどこかで闇属性魔法の適性者が誕生したということ」

リグ「…この先どうなりますかね」

トト「さぁ…どうなるんでしょうね」

 

 

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場所…???

 

???「なるほど、そういう事だったんですね」

ジン「えぇ。とてつもない魔力でした」

マーク「私はジンと話し合い、天使が蘇ったのではないかと踏んでいます」

???「まさか…」

???「天使が蘇るのはさすがに…」

???「いや、可能性はある」

ジン「なので今この場にいるみなさんに天使を討伐する依頼を出したいのです」

マーク「天使に敵うのは私たち使徒のみですので」

???「だが…しかし…」

???「やってみましょうよアース」

アース「…」

???「確かに…だが負ける可能性も考えないと」

アース「ジン。マーク。2人は何の天使を見たのだ」

ジン「雷の天使 ゴーラ」

マーク「風の天使 マーモ」

ジン「この2人です」

アース「風と雷…」

???「で、その後どうなったの?」

ジン「…」

マーク「…」

 

ジンとマークは黙った。

 

アース「…ジン?マーク?」

ジン「…その後は…」

マーク「…」

ジン「…狂気の魔女が現れ、風の天使 マーモを消滅させました」

???「!?」

 

その場にいる人全員が戦慄した。

 

アース「きょ…狂気の魔女…」

???「あの人が来たの!?」

ジン「はい」

???「なんてこと…こんな事って…」

???「また…殺されるのか…俺たちの仲間が…」

???「フレア!私たちは強くなったよ!」

フレア「お前も知ってるだろヒュー。あの人の強さを…」

ヒュー「でも…」

アース「まぁ、確かにあの人はとてつもない魔力を持っている。それこそ僕たち使徒を1人で壊滅させられるほどに」

???「…」

アース「ジン。マーク。その天使による被害者は」

ジン「私の娘とその友達がゴーラと戦って負傷しました」

アース「!?」

???「天使と戦ったの!?」

ジン「はい」

???「あの天使相手に…」

ジン「ですが、今私の友人のトトっていう人から全員無事だと報告が入りました。なのでご心配なく」

???「でもジンの娘って今…学生なんじゃ…」

ジン「はい」

アース「学生なのに天使と戦って無事とは…」

ジン「あ、それは一緒にいたリールさんとあとから来た狂気の魔女が追い払ったからです」

アース「リール…あぁ、前に話していた子か」

ヒュー「確か光属性魔法の適性者なんだよね」

???「光属性魔法か…」

???「…」

アース「ジン。マーク。それ以外の被害は」

ジン「無しです」

アース「…そうか」

???「なぁアース。これはそろそろ俺たちも動かねぇとマズいと思うぞ」

アース「そうだね。ここまで被害が出てる。しかも天使や狂気の魔女も確認された。いつ百穢夜行が起こってもおかしくない」

アース「ウレイ!ナヴィア王国に狂気の魔女と天使が確認されたことと百穢夜行の危険を知らせてくれ!」

ウレイ「はい。分かりました」

アース「セレナ!モルドレッド王国に今すぐ結界を強化するよう伝えて!もちろん狂気の魔女の事とかも伝えて」

セレナ「…はい」

アース「ヒューは天空殿に行って各王国の状態と通達をお願い!」

ヒュー「分かった!」

アース「ジンとマークは引き続きスペルビア王国の護衛を頼む!」

ジン「はい」

マーク「任せな」

アース「フレアは大獄門に行って火属性魔法の力を強化しておいて!」

フレア「あぁ」

アース「メロは冥界に行って水属性魔法の強化をお願い!」

メロ「はい」

アース「モールはサージェル王国に戻って地脈の管理をお願い!」

モール「あぁ。分かった」

アース「キファはブエルタ王国に戻ってこの事を伝えて!」

キファ「あぁ」

アース「ミィは大気圏に出て太陽の熱の力を吸収していつでも戦える準備をして!」

ミィ「うん」

アース「みんな!これから起こる百穢夜行に向けてしっかり準備して!」

全員「はい!」

アース「その間で天使たちを見つけたら直ちに倒すこと!難しそうなら仲間を呼んで多人数で戦って!」

全員「はい!」

アース「では解散!」

 

すると使徒と呼ばれる人たちがそれぞれの国や場所に帰っていった。

 

アース「…まさか狂気の魔女が来るなんて」

ジン「アース」

アース「あ、ジン。何?」

ジン「…リールさんの事なんだけど」

アース「どうしたの?」

ジン「…今スペルビア王国にいるんだけど、もうすぐ国を出ることになりそうだよ」

アース「え、どういう事…」

ジン「エレナ学院の学院長がリールさんを学院から追い出してしまったんだ」

アース「え!?」

マーク「魔法を使うのを禁止されていたリールさんは今回、天使が来たこのタイミングで魔法を使ってしまったんだ」

アース「そんな…」

マーク「レヴィ学院長は真面目な顔でリールさんに退学処分を言い渡したそうだ」

アース「そんな…あの子が一人になったら…ジン!マーク!今すぐ他のメンバーにこの事を伝えて!もし自分たちの国にリールさんが出向いたら保護するようにと!」

ジン「うん」

マーク「分かった」

 

スタスタスタ

ジンとマークもその場をあとにした。

 

アース「…リノ。すみません…あなたが託した最後の希望を…粗末に扱ってしまいました…すみません」

 

アースは空を見た。

 

アース「あの子は絶対に殺させません。僕が命にかえても守りきります。なので最後まで見ていてください。リノ」




〜物語メモ〜

※今回は多いです。

新情報

深淵
深淵とは、百穢夜行という大災害で出現したドレインたちを幽閉している場所の名前。ドレインを幽閉していることもあってこの世界を傾かせている存在。

天使
マギ、ラビ、レット、マーモ、ゴーラ、エレナ、サリエラ、マモンたちの事を指す。遥か昔に存在した巨大な魔力を持つ人たちのこと。ただ魔力の存在が大きかったため、長い間封印されていたが、エレナだけはこの世界に残っており、他のメンバーはエレナの魔力によって目覚めた。天使という呼び名はジンたちがそう呼んでいるのが浸透しただけで、エレナたちは自分たちのことをホムンクルスと呼んでいる。

使徒
アース、ウレイ、セレナ、ヒュー、ジン、マーク、フレア、メロ、モール、キファ、ミィたちの事を指す。数年前に起こった大災害、百穢夜行で生存した12人。今は1人欠けているが、いつか12人になる事を願っている。何人かは自国を築いている。

光属性魔法と闇属性魔法
光属性魔法と闇属性魔法は2つとも他の属性魔法とは違い、存在が極端に少ない。理由としては光属性魔法は闇属性魔法が存在しないと誕生しないから。その逆も然り。そのため、光属性魔法の人数=闇属性魔法の人数になってしまう。それでも昔よりかは2〜4人増えている。

百穢夜行
百穢夜行はドレインが大量発生した大災害。ドレインは闇属性魔法で固められているため、効果があるのは光属性魔法のみ。だが、過去に一度、そんな常識を破って闇属性魔法で百穢夜行を壊滅させた人物が存在する。それがのちに狂気の魔女と呼ばれている人物だった。

ナヴィア王国
ウレイが統治している国。この国は非常に綺麗な水が特徴的。
というのもウレイ自身が水属性魔法の適性者であるため、そういう風になった。この国では水が他の国とは違って特殊なものになっており、野菜や穀物、魚介類が美味しい国とも言われている。この国の食材はどれも新鮮なものばかりで、他の国からも人気。

モルドレッド王国
セレナが統治している国。全てが極寒に包まれており、普通の服装だとまず凍え死んでしまうほど。おまけに寒さを感じてから王国までは相当な距離があるため、事前の準備が必須。これは統治しているセレナが氷属性魔法の適性者であるため、このようになってしまった。当然寒さが激しいため、野菜などは特定のものしか作ることができない。そのため、ウレイが統治しているナヴィア王国から取り寄せることが多い。

天空殿
ヒューが住んでいる所。天空殿は雲の上に存在し、ヒューはそこから各国を見ている。天空殿に行けるのは風属性魔法の適性者のみで、天空殿に住んでいる人は全員風属性魔法。ヒューも風属性魔法の適性者であるため、天空殿に住むことができる。天空殿では魔力が満ちており、魔力の枯渇は起こらない。枯渇する前に勝手に回復する。

スペルビア王国
ジンとマークが住んでいる国。エレナ学院が存在する国で、リールも住んでいる街でもある。ここはメリーが作り上げた物が沢山街中にある。どれも便利なものばかりでメリー魔法店はそれなりに儲かっている。毎年エレナ学院に入学する生徒でいっぱいになる。

大獄門
フレアがいる所。俗に言う地獄と呼ばれる場所。その中でも大獄門は地獄にある神殿の前にある門の事でフレアはそこの門番を任されている。フレアは火属性魔法の適正者ということもあって地獄の熱に耐えられる体を持っている。ちなみに、大獄門は火属性魔法の適性者しか通すことはなく、火属性魔法の適正者以外は焼け死んでしまうという。

冥界
メロが統治している場所。そこは死の水と呼ばれるウレイのナヴィア王国とは全く異なる水が存在する場所。冥界は国と言うより場所の名前でその中にメロが住んでいる屋敷が存在する。通るには死の水を渡る必要があり、死の水に触れるとそのまま死へと誘われる。その場合は大獄門ではなく冥界へと引きずられる。メロの屋敷に行くには死の水を渡らないといけないが、水属性魔法の適正者は触れても死ぬことが無い上、水面を歩くことが出来るため、非常に楽。
ただし、他の属性魔法は触れると死に至り、おまけに溺れるようになっている。そのため、水属性魔法の適性者以外はボートを漕いでメロの屋敷に行くしか方法はない。ちなみに、箒を使って飛ぶことも出来なくなっている。これはメロが水属性魔法の適性者だということもあり、水属性魔法だけを歓迎している場所でもある。

サージェル王国
モールが統治している国。この国は地脈が有名な国で地脈によって成り立っている国でもある。この国は唯一地脈を生活に活かしている国で、それによって生活に便利さが生まれる。この国はどの属性魔法も入ることができるが、地脈の恩恵が得られるのは土属性魔法の適性者のみとなっている。これはモールが土属性魔法の適性者だから。

ブエルタ王国
キファが統治している国。そこは他の国よりも標高が高いところに存在しており、常に風が吹いている不思議な国。風の強さは日によって変わるが、風属性魔法の適性者には普段と何も変わらないくらい。他の属性魔法だと箒に乗っていたら飛ばされるくらいの風力と風速を持っている。なのでブエルタ王国に行くには風属性魔法の適性者がいないといけない。風属性魔法の適性者が一人いれば十分だが、一人もいない場合はブエルタ王国に辿り着くことは難しい。ただし、行けない訳では無い。

大気圏
主にミィが拠点としている場所。ミィは天空殿よりも高い位置にいるため、本来なら会うことは無い。ミィが大気圏を拠点としている理由は、ミィの動力源が太陽だから。加えてミィは太陽が動いているのと同じように動いているため、基本その場にいない。常にこの世界をグルグル回っている。これが本来なら会うことは無い理由。


新登場人物

アース
十二使徒のうちの1人。
火属性魔法の適性者。
百穢夜行で生き残った12人のうちの1人で、みんなの先導役。
大体アースの命令で他のメンバーが動いている。

ウレイ
十二使徒のうちの1人。
水属性魔法の適性者。
ナヴィア王国の統治者で、ウレイがいる事でナヴィア王国は潤っている。
ナヴィア王国の周りには水が囲われており、この水もウレイが作り出したもの。

セレナ
十二使徒のうちの1人。
氷属性魔法の適性者。
モルドレッド王国の統治者で全てを凍てつかせる力を持つ。
モルドレッド王国が極寒の地とされているのはセレナの氷属性魔法が原因。

ヒュー
十二使徒のうちの1人。
風属性魔法の適性者。
天空殿に住んでいる人で、天空殿の中では位が高い方。
ただの風属性魔法ではなく、色々とアレンジを加えている。

ジン
十二使徒のうちの1人。
雷属性魔法の適性者。
スカーレットの父親でスペルビア王国で箒を作っている。
マークとは兄弟。

マーク
十二使徒のうちの1人。
土属性魔法の適性者。
ジンと同じくスペルビア王国に住んでおり、主に杖を作る仕事をしている。
マークの作った杖は結構人気。

フレア
十二使徒のうちの1人。
火属性魔法の適性者。
大獄門と呼ばれている場所で門番をやっている。
根は真面目なので、仕事はしっかりとこなす。
ただ火属性魔法でありながらフレアの魔法は全てマグマとなっている。
これは大獄門にいることが原因で変異した。

メロ
十二使徒のうちの1人。
水属性魔法の適性者。
普段は冥界と呼ばれる場所におり、滅多に外には出ない。
ただし、十二使徒たちの会合などにはしっかりと出席する。
屋敷の周囲は死の水に囲われており、水属性魔法の適性者以外は注意しなければならない。
同じ水属性魔法の適性者であるウレイと違うのは、メロの出す水には魔法であれ触れてはならないということ。
触れると命を吸い取られてしまう。
例えるならウレイは生の水。メロは死の水。

モール
十二使徒のうちの1人。
土属性魔法の適性者。
サージェル王国の統治者で、地脈を使うのに長けている。
性格は優しい。

キファ
十二使徒のうちの1人。
風属性魔法の適性者。
ブエルタ王国の統治者で十二使徒と国民と風属性魔法の適性者以外の人物をあまり信用していない。
ブエルタ王国が他の国と比べて標高の高い場所にあるのはそのため。
ブエルタ王国に行くために風属性魔法の適性者が必要なのもそのため。

ミィ
十二使徒のうちの1人。
火属性魔法の適性者。
普段は大気圏にいるため、普通に生活していたらまず会うことは無い。
ミィの動力源は太陽のため、昼は魔力が強く、夜は魔力が弱い。
魔力の強弱を無くすためにミィは常に太陽と同じように動いている。

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