私、魔女さんに拾われました。   作:バスタオル

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第33話 リールと魔女さんの家

私の名前はリール。

今魔女さんの家にいます。

先程メリーさんとラミエ先生が家に来ました。

その時、入れ替わるようにエレナさんが家を出ました。

エレナさんは敵であるにも関わらず、何故か私に仲間を売りました。

しかもそれはあの町に隕石を落とすというのと町が氷漬けにされるというものでした。

私は不思議に思うのと同時にこの事を伝えようと思っていたんですが、今家を出てもいいのか不安でした。

なのでここは一旦家にいることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所…スペルビアの町

 

スカーレット「こんな事ならリールの家聞いとくんだったわね」

アンナ「だね…」

 

スカーレット、アンナ、オード、ディア、ノーラは箒に乗ってリールの家を探していた。

 

オード「おーい委員長!」

スカーレット「?」

オード「こっちには無かったぞ」

ディア「てかそもそもリールの家知ってるやついなかったぞ?」

スカーレット「あぁやっぱり…」

ノーラ「そっちも見つからなかったのか?」

アンナ「はい。見つからないんです」

オード「う〜ん…」

スカーレット「…出ましょう」

ディア「出る?」

ノーラ「…何が?」

スカーレット「この町を出ましょう」

アンナ「…え!?」

オード「この町を出るってお前…」

ディア「出たところで場所が分かんねぇんだぞ…」

ノーラ「途方に暮れるの間違いなしだな」

スカーレット「でも!こうでもしないとリールが見つからないじゃない!この町にはリールの家を知ってる人はいない!リールもどこから来たのか分からないし!だったらそれ覚悟で外に出てもいいと思う!」

ディア「だが…しかし…」

オード「…あぁ。行こう」

ノーラ「オード!」

オード「俺はリールを守るって約束した。リールがどこにいようとも俺はそこへ行く。いなくなったら見つかるまで探し続ける。俺はそう決めた」

ノーラ「オード…」

アンナ「私も行く」

ノーラ「!」

アンナ「私もリールのお友達だから。今まで助けてもらった分を返したい」

ディア「ノーラ」

ノーラ「?」

ディア「…俺たちも行こう」

ノーラ「!」

ディア「俺はこいつらを支持したくなった。ノーラはどうだ?」

ノーラ「…まぁ、同じだが…」

ディア「なら一緒に行こうぜ」

ノーラ「…はぁ、仕方ない。俺も行こう」

スカーレット「よしっ!じゃあ行くわよ!」

全員「おー!」

 

そしてスカーレットたちはスペルビアの町を離れることになった。

 

 

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場所…魔女さんの家

 

リール「あの…メリーさん」

メリー「何?」

リール「もう…大丈夫ですよ」

メリー「ダーメ!リールちゃんは寝てないと!」

 

リールは今ベッドに押さえつけられていた。

 

リール「で、でも!私もう元気ですので!」

メリー「ダメ!元気なのは気持ちだけかもしれないの!体は悲鳴上げてるかもしれないよ!」

リール「あの…ほんとに大丈夫ですって!」

メリー「ダーメ!」

ラミエ先生「はぁ…全く…静かにしてほしいわね…」

 

ラミエ先生は料理をしていた。

 

リール「大丈夫ですって!ラミエ先生!」

ラミエ先生「…はぁ」

メリー「もう!安静にしてないとダメだよ!」

リール「ラミエ先生!」

メリー (こうなったら…)

リール「ラミエ先…」

 

ハムッ!

 

リール「!?」

 

突然メリーがリールの唇にキスをした。

 

リール「んー!んー!」

メリー「…」

 

メリーは少しの間キスをした。

 

リール「んー!んー!」

メリー「っぷはぁっ!」

リール「ぷはっ!」

メリー「はぁ…はぁ…」

リール「はぁ…はぁ…」

 

2人はずっと呼吸を止めていたため、少し疲れていた。

 

リール「あの…なんで…」

メリー「…リールちゃんが静かにしないからだよ」

リール「!」

メリー「リールちゃんは安静にすること…いい?」

リール「は、はい…」

 

リールは大人しく寝ることにした。

 

 

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場所…平原

 

スカーレット「うーん…それらしい家なんて無いわね」

アンナ「だね…」

ディア「てかリールってこの町の出身じゃないのか?」

オード「違う。別のところから来たんだってよ」

ノーラ「へぇ。それは初耳」

ディア「で、どこから?」

スカーレット「それが分かってたらこんなことになってないでしょ?」

ディア「まぁ…そうだよな…」

アンナ「もっと遠くなのかも!」

ノーラ「でもこれ以上遠くなるとリスクあるんじゃないか?」

アンナ「でも…」

オード「…なら俺が行こう」

ディア「え?」

オード「あ、遠くには行かない。でも高く飛べばある程度見渡せると思う」

スカーレット「なるほど。いい考えね」

オード「ちょっと行ってくる」

 

ヒュゥゥゥゥゥ

オードは空高く飛んだ。

 

ディア「…なぁ」

スカーレット「なに?」

ディア「学院長の事…どう思う?」

スカーレット「どうって?」

ディア「…正直言うと俺はリールには休息を取ってもらってもいいと思ってる。だが、この町も最近安全じゃなくなってると思う」

スカーレット「…それで?」

ディア「…なんとか説得できないか?学院長を」

アンナ「説得?」

ディア「そう。なんとかリールをここに残すことができないかってこと」

ノーラ「でもリールは家に帰ってるだけだろ?」

ディア「いや、家じゃなくて寮に戻ってきて欲しいんだ」

ノーラ「なんで?」

ディア「…みんなでいたほうが楽しいだろ」

アンナ「!」

スカーレット「!」

ノーラ「まぁ、確かにそうだな」

ディア「それに、リールがいないと2人が心配してる。そうだろ?」

スカーレット「そうね。すごく心配だわ」

アンナ「うん。心配」

 

ヒュゥゥゥゥゥ

空高く飛んでたオードが帰ってきた。

 

オード「よっと」

スカーレット「どうだった?」

オード「ダメだ。ここら周辺に家は無い」

アンナ「そっか…」

ディア「もう少し遠くを探してみるか?」

ノーラ「あぁ。そうしよう」

オード「そういえば委員長はリールから何か聞いてないのか?」

スカーレット「何も聞いてないわ。アンナは?」

アンナ「私も何も…」

ディア「うーん…これは難しそうだなぁ…」

ノーラ「え?ちょ、あれ!」

 

ノーラは平原を歩いている2つの影を指した。

 

スカーレット「んー…あれって…」

アンナ「ラミエ先生じゃない?あの保健室の」

オード「あ、確かに」

ディア「なんでこんな所に…」

ノーラ「てか急に現れたよな。さっきまでそこにいなかったのに」

スカーレット (…もしかして)

 

ビュン!

スカーレットはラミエ先生とメリーがいるところに向かった。

 

アンナ「スカーレット!」

 

 

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数分前

場所…魔女さんの家

 

ラミエ先生「で、キスしたと」

メリー「はい。しましたよ」

ラミエ先生「あなたねぇ…あの人がこんなこと聞いたらどうなると思ってるのよ」

メリー「いいの!」

ラミエ先生「全く…リールが変なことに目覚めなきゃいいけど…」

メリー「ふふん!」

ラミエ先生「リール!ここにご飯置いとくから温めて食べて!」

リール「はーい」

ラミエ先生「他の材料は保存してあるからね!」

リール「はーい」

ラミエ先生「私たちは家を出るけど何かあったらまた言いに来てよ!」

リール「はーい」

 

リールは自分の寝室から返事をした。

 

ラミエ先生「じゃあね」

リール「はーい!ありがとうございまーす!」

ラミエ先生「さ、行くわよメリー」

メリー「リールちゃーん!また来るわねー!」

リール「はーい!」

ラミエ先生「さ、行くわよ」

メリー「うん」

 

ガチャ

ラミエ先生とメリーは魔女さんの家を出た。

 

 

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現在

場所…平原

 

メリー「ふん♪ふん♪ふふん♪」

ラミエ先生「随分ご機嫌ね。メリー」

メリー「だってリールちゃん元気だったんだもん!嬉しいよ!」

ラミエ先生「まぁ私のところに来た時は死にそうな顔してたしね」

メリー「だってリールちゃんが倒れたんだし…」

ラミエ先生「良かったわね。元気になって」

メリー「うん!」

スカーレット「先生ー!」

ラミエ先生「!」

メリー「?」

 

突然声が聞こえたのでラミエ先生とメリーは足を止め、周囲を見渡した。

 

スカーレット「先生!」

 

スタッ!

スカーレットは箒から降りた。

 

ラミエ先生「あら、あなたは」

スカーレット「先生!」

ラミエ先生「な、なによ」

スカーレット「先生はリールの家を知ってますか!?」

ラミエ先生「リール?」

スカーレット「はい!」

ラミエ先生「知ってるけどどうしたのよ」

スカーレット「どこにありますか!?」

ラミエ先生「どこって…」

メリー「あなたはなんでリールちゃんの家を探しているの?」

スカーレット「あ、あなたはメリー魔法店の…」

メリー「はい。店長のメリーです」

スカーレット「あ、えっと…リールを探しているんです」

ラミエ先生「探している?何かあったの?」

スカーレット「あ、何かあったわけじゃないんですが、やっぱり戻ってきて欲しいなって思って…」

ラミエ先生「じゃあリールを説得しに来たわけ?」

スカーレット「あ、いえ…」

オード「リールが心配だったからです」

 

スタッ!

オードも箒から降りた。

 

オード「先生。リールの家を知ってますか?」

ラミエ先生「あなたまで…」

オード「俺たちだけじゃないです」

 

オードはこっちに向かってきているアンナ、ディア、ノーラを指さした。

 

ラミエ先生「あの子たちも…」

オード「先生。教えてください。リールの家はどこですか」

ラミエ先生「…」

スカーレット「先生!」

ラミエ先生「…そこにあるわよ」

オード「え?」

 

ラミエ先生は後方を指さした。

 

オード「え?何も無いけど…」

スカーレット「?」

メリー「あ、あの家には結界が展開されているので見えませんよ」

オード「え?見えない…」

ラミエ先生「当然よ。私たちにだって見えてないんだから」

スカーレット「え、見えてないんですか?」

ラミエ先生「えぇ」

オード「じゃあどうして…」

ラミエ先生「魔力を辿っているのよ。あなたたち、何か感じない?」

 

スカーレットたちは魔力を感じ取ろうと集中した。

でも誰も感じ取ることが出来なかった。

 

スカーレット「わ、分からない…」

オード「あぁ…ディア分かるか?」

ディア「いや、なにも」

ノーラ「俺も何も分からん」

アンナ「私も…」

メリー「あはは…」

ラミエ先生「じゃああなたたちには見つけるのは無理だわ」

スカーレット「え…」

ラミエ先生「だってそこに家があるのに見えないんでしょ?だったら探すなんて不可能よ」

アンナ「そんな…」

オード「見えるようになる方法はないんですか?」

ラミエ先生「あるわ」

オード「どうすれば!?」

ラミエ先生「…玄関に触りなさい。触れることができれば大丈夫よ」

オード「よっしゃ!行くぞ!」

スカーレット「あ、待って!」

 

ヒュゥゥゥゥゥ!

オードたちは箒に乗って空を飛んだ。

 

スカーレット「あ、あの…」

ラミエ先生「何?」

スカーレット「あの…手伝ってもらえませんか?」

ラミエ先生「…はぁ」

メリー「いいじゃない。こうしてお友達が来てくれてるならリールちゃんも喜ぶわ」

ラミエ先生「…仕方ないわね。ついてきて」

スカーレット「はい!」

 

スカーレットもリールの家に向かった。




〜物語メモ〜

魔女さんの家
魔女さんの家はレヴィ学院長の結界によって守られているため、視認することができなくなっている。
おまけに結界が割れるまで攻撃されても家に被害はない。
メリーに結界を解除するよう言われたが、レヴィ学院長は結界を解除しなかった。

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