私、魔女さんに拾われました。   作:バスタオル

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第34話 リールとオード

私の名前はリール。

今自分の部屋のベッドにいます。

先程メリーさんに寝かしつけられました。

私自身もう何ともないのにメリーさんは心配性ですね。

ですが、それはそれで大事にされてるなと思っています。

でもどうしましょうか…このまま寝ているわけにもいきませんし…

…そういえば学校はどうなってるんでしょうか。

私がいない間、何か変わったことでもありましたかね。

…早く学校に戻りたいものですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所…魔女さんの家 玄関前

 

ラミエ先生「ここよ」

オード「…へ?」

 

ラミエ先生たちは魔女さんの家の前にいた。

 

ラミエ先生「だからここよ」

ディア「え、でも何も無い…」

ラミエ先生「さっき言ったじゃない。見えないって」

アンナ「え、じゃあ家に入ることは…」

ラミエ先生「それはできるわ。安心して」

アンナ「ほっ…」

スカーレット「じゃあ早く入りましょう!」

ラミエ先生「…はいはい」

 

ガチャ…ギィィィィィィィ…

ラミエ先生はドアノブに手をかけ、魔女さんの家に入った。

 

オード「え!?消えたぞ!?」

ノーラ「え、なんで?」

メリー「あの人はドアノブに触ることができたから入れるのよ。それで、こっちから見たらその人は消えたようになっている。でも実際私の目にはただドアを開けて入っていく様子が見えてるわ。私もドアノブに触ったからね」

スカーレット「じゃあ私たちもドアノブに触れば!」

メリー「あ、難しいですよ」

スカーレット「え?」

メリー「私がドアノブに触るので、1人ずつそこに手を置いてください。ではいきますよ」

 

スッ…

メリーは魔女さんの家のドアノブに触れた。

 

メリー「さ、1人ずつここに手を置いて。ここにドアノブがあるから」

スカーレット「じゃ、じゃあ私から!」

 

最初はスカーレットが触る。

 

メリー「ここね」

スカーレット「はい!」

 

スッ…

スカーレットはメリーと同じところに手を置いた。

 

スカーレット「!」

 

スカーレットは何かの感触を感じた。

 

オード「どうした委員長」

アンナ「スカーレット?」

スカーレット「…確かにここにある。ここにドアノブがある!」

メリー「じゃあその状態で上を見上げてみて」

スカーレット「!?」

 

スカーレットの目には、さっきまでそこに無かったはずの家が見えていた。

 

スカーレット「え…なにこれ…」

メリー「これがリールちゃんの家よ」

スカーレット「す…すごい…見えてる!」

オード「つ、次は俺だ!」

アンナ「わ、私も!」

メリー「はいはい」

 

こうしてオードたちも同じようにドアノブに触れた。

 

オード「すげぇ!見える!」

アンナ「わ…ほんとにここにあったんだ…」

ディア「不思議なもんだな」

ノーラ「確かに…」

ラミエ先生「あなたたち、まだ見えてないの?」

メリー「あ、もう大丈夫よ」

ラミエ先生「そ、じゃあ入りなさい」

スカーレットたち「お邪魔します!」

 

スカーレットたちは魔女さんの家に入った。

 

 

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場所…魔女さんの家 リビング

 

スカーレット「こ…ここがリールの…」

アンナ「元々住んでた家…」

オード「なんだ…この空気…」

ディア「あ、オードも何か感じるか?」

オード「あぁ」

ノーラ「俺も感じる。何だか自分の魔力が上がった気分だ」

メリー「そりゃあここは魔女さんの家だからね。外や他の場所よりもマナの純度が高いのよ」

オード「魔女さん?確かリールのお師匠様の…」

メリー「そうよ。あの人の家だからね」

スカーレット「確かリールのお師匠様はすごい人だと言ってたわね…」

アンナ「あ、そうそう!確か箒とか杖とかも他のと全然違ってたよね!」

メリー「!」

スカーレット「あれは確かに一級品よ…あんなの初めて見たわ」

ラミエ先生「リール!部屋にいるんでしょ?降りてきなさい!」

アンナ「え!?リール!?」

スカーレット「リールがここにいるの!?」

ラミエ先生「いるわよ。でなきゃあなたたちをここに連れてくることはなかったわ」

スカーレット「リール!早く降りてきて!」

アンナ「リール!」

 

 

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場所…リールの部屋

 

ラミエ先生「リール!部屋にいるんでしょ?降りてきなさい!」

リール (あれ…ラミエ先生の声…忘れ物なのかな…)

スカーレット「リール!早く起きてきて!」

リール (あれ…スカーレットの声だ…)

アンナ「リール!」

リール (あれ…今度はアンナの…)

 

ガバッ!

リールはその声に反応して飛び起きた。

 

リール「スカーレット…アンナ…」

 

タッタッタッ!

リールはベッドから飛び起きて部屋を出た。

 

 

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場所…魔女さんの家 リビング

 

ドタドタドタ!

階段から音が聞こえてきた。

 

ラミエ先生「…来たみたいね」

リール「スカーレット!アンナ!」

スカーレット「リール!」

アンナ「リール!」

 

リールはスカーレットとアンナを見るやいなや2人のところまで走った。

 

リール「スカーレット!アンナ!」

 

ギュッ!

リールはスカーレットとアンナに飛びついた。

 

リール「スカーレット…アンナ…」

スカーレット「良かったわ。あなたが元気で」

アンナ「良かった…ほんとに良かった…」

ラミエ先生「…あなたたちはいいの?」

 

ラミエ先生はオードたちを見ながらそう言った。

 

オード「えっと…」

ディア「俺たちはいいです…」

ラミエ先生「何でよ」

ノーラ「今は委員長とアンナの方がいいと思ったからです」

メリー「とかなんとか言ってぇ。ほんとは君たちも抱きつきたいけど恥ずかしいか相手が女性だから躊躇してるんでしょ?」

オード「!」

ディア「!」

ノーラ「!」

 

3人は図星だった。

 

メリー「あ〜やっぱり〜」

ラミエ先生「全く…そんなんじゃ好きな女の子が誰かに取られちゃうわよ」

オード「うっ…」

ディア「ごもっとも…」

ノーラ「はい…」

メリー「でも仕方ないね。男の子だもん」

オード「そこまで分かってるなら掘り下げないで欲しかったです…」

メリー「あっははは!ごめんね!」

リール「うぅ…スカーレット…アンナ…」

アンナ「あはは…リール泣いちゃってる」

スカーレット「ほんと子どもね…全く」

ラミエ先生「…さて」

スカーレット「!」

ラミエ先生「リール」

リール「…はい。何ですか?」

 

リールは涙を流しながら答えた。

 

ラミエ先生「今からご飯作るわ」

リール「…え?」

ラミエ先生「せっかくここまで来たんだから一緒にご飯食べましょ」

オード「え…いいんですか?先生」

ラミエ先生「いいわよ別に。ただし、変なことはしないように」

オード「しませんよ…」

リール「スカーレットとアンナと一緒にご飯食べてもいいんですか?」

ラミエ先生「いいわよ」

リール「やったぁ!」

 

リールは一瞬で笑顔になった。

 

ラミエ先生「さ、支度しましょうか。メリー」

メリー「何?」

ラミエ先生「手伝って」

メリー「任せて。あ、男子諸君はそのまま座っててね」

オード「は、はい」

ディア「はい」

ノーラ「はい」

リール「スカーレット!アンナ!やった!一緒にご飯食べられますよ!」

スカーレット「はいはい。分かったから」

アンナ「やったねリール!」

オード「…」

 

オードは喜んでいるリールの顔を見た。

 

ディア「オード?どうしたよ」

オード「…何がだ」

ノーラ「ほんとだぜ、お前…顔がニヤけてるぞ?」

 

オードはリールの笑顔を見てニヤけていた。

どうやら抑えてた感情が少し漏れたらしい。

 

オード「な…いや…なんでもない…」

 

オードは恥ずかしさのあまり顔を隠した。

 

ディア「にしてもよかったなオード」ヒソヒソ

オード「え?」ヒソヒソ

ノーラ「リールと同じ屋根の下で寝ることになるんだぜ?」ヒソヒソ

オード「!!」

ディア「ちゃんと体洗っとけよ?」ヒソヒソ

ノーラ「匂いを全部落とすくらいにな」ヒソヒソ

オード「う、うるせぇ!」ヒソヒソ

 

その後、ラミエ先生とメリーが作った夕食をみんなで囲んで食べることにした。

 

 

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場所…魔女さんの家 玄関前

 

オード「…」

 

オードは外に出て夜空を見上げていた。

夜空には沢山の星が輝いていており、綺麗だった。

風も少し吹いており、涼しい風がオードの頬を撫でる。

 

オード「…涼しいな。今日は」

リール「オード君?」

オード「!」

 

リールが家から出てきた。

 

オード「リール…部屋に戻らないと2人が心配するぞ」

リール「大丈夫ですよ。ちゃんと言ってきましたから」

オード「…そうか」

リール「…」

 

2人はしばらく空を見上げていた。

 

リール「…あの…オード君」

オード「…なんだ?」

リール「…怪我の方は大丈夫ですか?」

オード「大丈夫だ。みんな治ってる」

リール「そうですか。それは良かったです」

オード「…」

 

2人の間に数分間沈黙が訪れた。

 

オード「…なぁリール」

リール「何ですか?」

オード「…ここが…この家がお前の育った家か?」

リール「はい。私の大事なお師匠様のお家ですよ」

オード「…そうか」

リール「…」

 

またまた数分の沈黙が訪れた。

 

リール「あの…オード君」

オード「なんだ?」

リール「…スカーレットとアンナから聞きました。オード君、私の家を探すために必死になって箒で空を飛んでたそうですね」

オード「!!」

リール「…私、その話を聞いて心が温かくなりました」

オード「…///」

リール「私のためにここまで必死になってくれるのは、魔女さんやスカーレット、アンナ以外にはオード君だけですよ」

オード「そ、そうか…」

リール「…ありがとうございます」

オード「いや、いい。男として当然だ」

リール「ふふっ…オード君は強い人ですね」

オード「強い?」

リール「はい。あの時からずっと思ってましたよ。私とオード君が初めて戦ったあの日から」

オード「あぁ、あの…何だっけ?クラスの連中同士の魔法の戦いの…」

リール「そう。あの日からです」

オード「そ、そうか…それは嬉しいことだな」

リール「あの日、オード君は私を逃がそうとあの人の前に立ってくれました。私を守るように」

オード「…」

リール「その他にも先日ここに来たあの怖い人たちに会った時もオード君は戦ってくれました。理由はなんであれ、人のために率先して動けるオード君は強い男の子ですよ」

オード「…そうか」

リール「私は、そんな強いあなたと友達になれてとても嬉しいですよ」

オード (友達…か…)

 

オードはその言葉に少し引っかかった。

 

オード「…俺は」

リール「?」

オード「リールは…優しい女性だと思ってる」

リール「!」

オード「委員長やアンナのために必死になったり、俺が怪我をした時だって俺が目を覚ますまでずっとそばにいてくれた。今回の件だってみんなの怪我が治ったことを知ってから泣いてただろ」

リール「そ、そうですね…お恥ずかしいところをお見せしてしまいました…」

オード「いや、その涙は優しさの涙だ」

リール「!!」

オード「人を心配し、人を思いやり、人を喜び、人を悲しむ。これは全てリールの優しさから来る行動だ」

リール「…」

オード「俺は、そんな優しいリールの友達になれてとても嬉しいと思ってる」

リール「あ、えと…その…」

オード「?」

リール「嬉しいですね…こうやって直接褒めてくれるのは…少し照れます」

オード「いや、まぁ…」

リール「ありがとうございますオード君。元気出ました」

オード「そ、そうか…」

リール「はい。あなたの言葉が心に響きました。あなたのおかげでまたひとつ、心が温まりましたよ」

オード「そうか。それは良かった」

リール「…」

 

ギュッ…

 

オード「!?」

リール「…どうですか?私の手、暖かいですか?」

 

リールはオードの手を優しく握った。

 

オード「お、おいリール…これは…」

リール「どうですか?」

 

リールはオードの顔を見て質問した。

 

オード「いや、その…」

リール「…」

 

リールはじっとオードの顔を見る。

 

オード「あ…暖かい…です…」

リール「ふふっ…それは良かったです」

 

スタスタスタ

リールはオードの手を離し、玄関に向かった。

 

リール「さ、オード君。ずっと外にいると風邪引きますよ。一緒に家の中で暖まりましょう」

オード「…」

 

オードはリールが握った手を見ていた。

 

リール「オード君?」

オード「え、な、なんだ」

リール「早くお家に入りましょう。風邪引きますよ」

オード「そ、そうだな…風邪…引くかもしれないからな」

リール「はい!」

 

オードとリールは2人で家に戻った。




〜物語メモ〜

オード、ディア、ノーラはリールが部屋から降りてきた時、実はスカーレットとアンナの様にワイワイしたかったが、じっと我慢していた。
理由は、相手がリールだったからなのとラミエ先生とメリーがいたから。
もしラミエ先生とメリーがいなかったら、スカーレットとアンナと一緒にワイワイしていた。
でもラミエ先生とメリーがいたお陰で変なことせずに済んだ。
その点に関しては2人がいて良かったと思っている。
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