私の名前はリール。
ある魔女さんと一緒に暮らしています。
今日は頂いた箒に乗る練習ということで外にいます。
場所は適性魔法を確かめたあの場所です。
箒に乗るなんて魔法使いっぽくてワクワクしています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
魔女さん「さぁリール。今から箒に乗る練習をしますよ」
リール「はい!」
魔女さん「箒に乗る前にひとつ注意点があります」
リール「?」
魔女さん「箒はマナの力を借りて浮かせるだけです。その人本人が浮かせるわけではありません。なので、マナの供給を怠れば当然箒から落ちますので、箒に乗る時は集中してくださいね」
リール「はい!」
魔女さん「じゃあリール。杖は持っていますか?」
リール「はい!持ってきてます!」
スッ…ブワァァァァァァァッ!!
私はメリーさんから頂いた杖を取り出した。すると、周囲にいたマナたちが集まってきた。
リール「わわわ!」
魔女さん「マナの量はいいですね。じゃあ乗るコツを教えますね」
リール「はい!」
魔女さん「まず箒を水平に持ってください」
リール「こ、こうですか?」
ギュッ…
私は魔女さんに言われた通りに箒を持った。
魔女さん「さて、あとは杖の先についたマナを箒に近づけてください」
リール「はい」
スッ…
私は杖の先についているマナを箒に近づけた。すると、杖の先についていたマナが箒に移った。
リール「おぉ」
魔女さん「箒も杖と同じで触れることで魔力が周囲に散らばります。なので近くのマナはその箒にくっつくんですよ」
リール「へぇ!」
魔女さん「あとは簡単です。杖を戻して箒に乗るだけです」
リール「え、杖を戻すんですか?」
魔女さん「はい。杖を持っていると箒を支えているマナが杖にくっついちゃう可能性があるんです。そうなると箒の支えが無くなるので落っこちちゃうんですよ」
リール「あー!なるほど!」
魔女さん「さ、杖を戻して箒に乗ってみましょう」
リール「はい!」
私は杖を戻して箒に乗った。
リール「乗りました!」
魔女さん「初めてなのに上手ですねリール」
リール「えへへ…」
魔女さん「さ、あとは箒に触れて思い通りのことをしてみましょう」
リール「はい!…え?思い通りの?」
魔女さん「はい。箒を握ることでリールの考えがマナに伝わるようになっています。なので飛びたい時は頭の中で飛べと思えばそれでいいです。どこかに行きたい時は目的地を思い浮かべるとそこへ行くことができますよ」
リール「その目的地に行く道中の操作はどうすれば…」
魔女さん「それは曲がりたい方向へ体を倒せば曲がれますよ。左に曲がりたい時は左へ、右に曲がりたい時は右へ。もっと高い所へ行きたいなら箒の先端を持ち上げれば上昇しますし箒の先端を下げれば下降することもできますよ」
リール「へぇ!」
魔女さん「やってみますか?」
リール「はい!」
私はとりあえず周囲をグルグル飛び回るよう思い浮かべた。
フワフワ…
箒が私の思ったルートを飛び始めた。
リール「おぉ!凄い!」
魔女さん (…よく飛べてるようですね)
リール「あっははは!凄いすごい!気持ちいい!」
ビュュュュン!
私は魔女さんの周りをずっと飛び続けた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ヒュゥゥゥゥゥゥ…スタッ!
しばらく飛んだ私は魔女さんの所へ降りた。
リール「魔女さん!私飛べました!」
魔女さん「リールは覚えが早くて凄いですね」
リール「いやぁ…えへへ…」
魔女さん「しばらくは箒の操作に慣れるようにしましょうか」
リール「はい!」
魔女さん「さて、あとは…」
ガサゴソ…ガサゴソ…
すると魔女さんは何か紙を取りだした。
リール「魔女さん。これは?」
魔女さん「リールが習うべきことを書いているんです。さっき箒に乗れるようになったのであとは…」
その紙にはびっしりと文字が書いてあった。魔女さんは箒について書かれたところに印を書いた。
魔女さん「あとは杖を使っての魔法だけですね」
リール「杖を使っての魔法…ですか」
魔女さん「はい。杖を持つといつもより使われる魔力が多くなります。そうなると当然強い魔法を使うことができるんですが、勝手を知らないと大きな事故に繋がります」
リール「…」ゴクリ
魔女さん「魔法は使う魔力の量で強さや種類が変わります。それをより使いやすくするために杖が作られました」
リール「おぉ…」
魔女さん「なので手で魔力を使うよりも強い魔法が使えるようになります」
リール「ふむふむ」
魔女さん「杖と手では使われる魔力が全然違います。なので手で使ってた魔力のまま杖を使うと魔法がいつもより大きくなります。これが事故に繋がるんです」
リール「なるほど…」
魔女さん「なので杖を持って魔法を使う時はいつもより小さい魔力で魔法を使ってください」
リール「はい!」
魔女さん「では早速始めていきましょうか」
リール「はい!」
魔女さん「ではまずは杖を出してください」
スッ…
私は懐から杖を取り出した。
魔女さん「じゃあ始めていきますね。まずは周囲を明るく照らす魔法を使ってみましょう。やり方は簡単です。杖を持ってマナに命令しながら振るだけです」
リール「え、それだけなんですか?」
魔女さん「はい。それだけです」
リール「ちなみに魔力はどれくらい必要なんでしょうか」
魔女さん「杖の先にくっついてる分でも十分な程ですよ」
リール「分かりました!」
スッ…
私は杖を体の前に出した。
リール (周囲を明るく…)
ヒュッ!
私はそう思いながら杖を振った。
シュゥゥゥゥゥ!
すると、杖の先が光り輝いた。
リール「おぉ!明るい!」
魔女さん「上出来ですね。これは暗い時に使う魔法なのでこんな明るい時には使わないようにしてくださいね」
リール「はい!」
魔女さん「じゃあ次いきましょう」
リール「あ、あの魔女さん!」
魔女さん「はい。何ですか?」
リール「魔法を解くにはどうすれば?」
魔女さん「あー魔力の遮断をすれば魔法は止まりますよ。やり方は簡単。魔力を止めればいいんです」
リール「ど、どうやって…ですか?」
魔女さん「杖を振れば魔法は解かれますよ」
リール「杖を振る?」
ヒュッ…
私はとりあえず杖を振ってみた。すると杖の先にあった光が消えていった。
リール「おぉ…」
魔女さん「さ、次にいきましょうか」
リール「はい!」
こうして少しの時間、魔女さんに魔法を教わりながら杖の使い方に慣れていくことになった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
魔女さん「じゃあ次は魔法を飛ばしてみましょう。私たちは自分の魔法を相手に飛ばすことで攻撃することができます」
リール「魔法攻撃ですね!」
魔女さん「そうです。魔法を相手に当てることで自分の身を守ることもできますよ。やってみましょう」
リール「はい!」
魔女さん「じゃあまずは杖の先を前に向けてください」
リール「はい!」
スッ!
私は杖の先を前に向けた。
魔女さん「あとは…」
ヒュッ
魔女さんは私の隣に立って同じように杖を構えた。
魔女さん「見ててくださいねリール」
リール「はい!」
魔女さん「魔法で攻撃する時もイメージが大事です。人の考えてる技をマナが模して魔法となるのです。なので、例えば…」
ヒュッ…ポワァァァ…
魔女さんが杖を振ると杖の先に光の玉が出てきた。
魔女さん「今私は杖の先にあるこれを思い浮かべました。なのでこうして杖の先に同じものが出てきました。この様に人の考えてるものがそっくりそのまま現れます。リールもやってみますか?」
リール「は、はい!」
私は魔女さんがやったようにやってみた。
リール (魔女さんと同じもの…同じもの…)
ポワァァァ…
すると、杖の先に魔女さんと同じ光の玉が出てきた。
リール「できた!やった!」
魔女さん「素晴らしいですよリール」
リール「えへへ…」
魔女さん「ではこれを飛ばしてみましょうか」
リール「はい!」
魔女さん「見ててくださいね。魔法を飛ばす時はこうやって…」
ヒュッ!
魔女さんは杖を構えてから下から上へ杖を振った。すると、杖の先にあった光の玉が前方へ飛んでいった。
魔女さん「魔法の撃つ姿勢はなんでもいいです。さっき私がやったのはそれっぽく見せるためなのです。魔法の撃ち方は手でやった時と同じです。マナに命令して魔力を与えれば魔法を飛ばせますよ」
リール「分かりました!」
私は魔女さんの言われた通りにやってみた。
リール (まずは前に飛ばす…)
シュッ!ドーーン!
すると、杖の先についていた光の玉が一直線に飛んでいった。
リール「あ、できた…」
魔女さん「魔力のコントロールもできてますね。さすがですよリール」
リール「あ、ありがとうございます!」
魔女さん「ここまでできたら大丈夫そうですね」
リール「えへへ…」
魔女さん「ではリール。今日習ったので箒に乗って帰りましょうか」
リール「はい!…あ、魔女さん」
魔女さん「なんですか?」
リール「魔女さんは箒に乗らなくてもいいんですか?」
魔女さん「私は風属性の魔法を使って飛ぶので大丈夫ですよ」
リール「あ、そうなんですね…では…」
私は魔女さんに習ったように箒に乗ってみた。
リール「うわっとと…」
少しバランスを崩したけど何とか乗れた。
魔女さん「バランスは慣れればいいですが、それまでの行為がちゃんとできてるので上出来ですよ」
リール「ありがとうございます!」
魔女さん「さて、じゃあ帰りましょうか」
リール「はい!」
そして私と魔女さんは空を飛んで一緒に帰ったのだった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その夜…
リール (明るく照らす…)
ポワァァァ…
私は今日習った辺りを明るく照らす魔法を使っていた。
リール「うわぁ…綺麗…」
その光は決して眩しくなく、優しい光を放っていた。
魔女さん「!」
魔女さんは外が明るいのに気づいた。魔女さんが窓から外を見るとリールが魔法を使って明るくしていた。
魔女さん「ふふっ…あの子ったら…ちゃんとできてて偉いですよ。リール」
スタスタスタスタ
そして魔女さんは部屋へ戻った。
リール「次は魔法を撃つ練習!」
スッ!
私は杖を前に向けた。
リール (あの玉を思い出して…)
シュゥゥゥゥゥ…
すると、あの時の玉が出現した。
リール「あ、できた…あとはこれを…」
ヒュッ!ビュュュュン!
私は杖の先を空に向けて魔法を撃った。その魔法は空高く飛び、少ししてから消えた。
リール (できた…魔女さんがいなくてもできた…)
私はこの時、達成感を感じた。
リール (これからもっとたくさんの魔法が使えたらいいなぁ…)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…魔女さんの部屋
ギィィィィィ…
部屋のドアが開いた。
魔女さん「…」
ガコッ…ガサゴソ…
魔女さんは机の中からある手紙を取り出した。
パサパサ…
魔女さんはその手紙を開封し、内容を読んだ。
魔女さん「…」
魔女さんは物憂げな表情を浮かべた。
魔女さん「…短い時間でしたね。もっと一緒にいれたらいいのですが…あんな所に行かせたくないですね」
パサ…
魔女さんはその手紙を置いた。
魔女さん「…リールはどう思うのでしょうか。私といたいって思ってくれるでしょうか…それともこの手紙に書いてあることを承諾するのでしょうか…」
魔女さんは窓の外を見た。
リール「はぁっ!」
リールは魔法を撃つ練習をしていた。
魔女さん「…」
それを見た魔女さんは先程よりも暗い表情になった。
魔女さん「…離れたくないですね。会ってまだ日が浅いです。できればもう少し一緒に暮らしたいですね」
リール「はぁっ!やぁっ!」
リールはどんどん魔法を撃っていた。
魔女さん「…誰にも取られたくないですね。…でも、あの子のことを考えたらやはりこれを承諾するしかないのでしょうか…」
魔女さんは再度手紙を読んだ。
魔女さん「一体誰が見ていたのでしょうか。あの子を拾ったことはメリー以外誰にも言ってないはずですが…」
カサカサ…スッ…
魔女さんはその手紙を戻し、机の中に入れた。
魔女さん「リール…私はあなたの味方です。何かあったら私を頼ってくださいね。…ね、リール」
〜物語メモ〜
杖
魔法を使う上で重要になる物。
杖を持てば手で魔法を撃つよりも簡単に魔法をコントロールできる。
少量の魔力で多彩な魔法を撃つことができる。
魔法の質はこれを持つ持たないで雲泥の差。
箒
移動手段に使われるもの。
風属性魔法に適正がある人は魔法を使って空を飛べるが、その他の属性魔法に適正を持つ人は箒がないと空を飛ぶことができない。
魔法
魔法は自分の思った通りのものが反映される。
そのため、想像力がとても重要。
物を浮かせたり物を作ったり…使い方は様々。
属性魔法では自分の思った魔法に各属性が付与される形になる。
なので、同じ魔法でも各属性によって効果が変わってくる。