私の名前はリール。
今エレナ学院の自室にいます。
前までは魔女さんの家にいたんですが、レヴィ学院長が復学を認めてくださったので、こちらに移ることになりました。
正直もう少し魔女さんの家で暮らしたかったんですが、アンナやスカーレットはこっちの寮にいるので、こっちを選びました。
あれから数日が経過して休日となりました。
今日はみんなと約束した無属性魔法の練習をすることになりました。
そのため引っ越しの際に魔女さんの家から魔女さんが使ってた無属性魔法の魔導書を新たに持ってくることにしました。
1人よりもみんなと勉強する方がとても楽しいので今日は良い一日になりそうです!
さて、私はこれから無属性魔法の練習がありますのでこれで失礼しますね。
場所…エレナ学院 校庭
リール「さて!早速始めましょう!」
オード「おー!」
アンナ「おー!」
リール「まず無属性魔法なんですが、簡単なものから始めていこうと思っていますが、それで大丈夫ですか?」
オード「あぁ。俺はそれでいいな」
リール「誰か先にこれをやりたいって思ってる方はいませんか?」
スカーレット「大丈夫よ。結局全部習うんだから」
リール「分かりました。では始めていきましょう!」
リールたちは各々準備をし始めた。
リール「はい!では無属性魔法の練習を始めます!無属性魔法は手元にあるもので9つありますので、一定時間ずつやっていきましょう!」
オード「しゃあ!いくぜ!」
リール「順番としては1番目は回復魔法になります。2番目は移動魔法、3番目は増強魔法、4番目は減弱魔法、5番目は毒属性魔法、6番目は幻覚魔法、7番目は支配魔法、8番目は破壊魔法、そして最後は次元魔法という形で始めていきますね!」
全員「おー!」
まず最初にリールは回復魔法の魔導書を手に取った。
リール「ではまずは回復魔法から。少し前にラミエ先生が回復魔法を覚えてない生徒が多い。だからみんな保健室に来るのよと仰ってました。これを覚えることができれば、怪我した時にもその場で回復できます!」
スカーレット「便利ね」
リール「はい!」
オード「なぁリール。それって難しいのか?」
リール「大丈夫です!無属性魔法は誰でも使える魔法です。やり方を覚えたら簡単ですよ!」
オード「よしっ!分かった!」
リール「まずやり方なんですが、回復魔法にもマナが必要になってきます。なので、マナを動かすための魔力がないと当然回復魔法は使えません。そして、回復魔法には体力の回復、魔力の回復、状態異常の回復の3つが存在します。それぞれやり方が違いますが、各々一種類ずつしかないので簡単に覚えられますよ!」
オード「よしっ!早速始めよう!」
リール「はい!では私のマネをしてください!」
そう言ってリールは魔法を唱える姿勢を取った。他のみんなもリールと同じ姿勢になった。
リール「この状態になったらあとは手をかざすだけです!この場合、回復させる相手に手を向けることで発動します!今この状態だと相手が定まってないので発動しませんが、魔法の名前だけ唱えてみましょう!」
リールはオードに向けて回復魔法を使った。
リール「…
シュゥゥゥゥゥ…
するとオードの周りに緑色の光がいくつか出現し、オードの周りを飛び回ったあと、オードの体に入っていった。
オード「…?」
しかし、オードには何も変化がなかった。
オード「あれ?何も起こらないぞ?」
リール「オード君は怪我とかしてないので何も変化が起こらないんですよ」
オード「あ、なるほどな」
リール「こんな感じに緑色の光が出れば成功です」
スカーレット「なるほどね。分かりやすい」
アンナ「私もやりたい!」
ディア「俺も!」
ノーラ「俺もやろう」
オード「いやいや!俺が先だ!」
リール「みなさん落ち着いて…1人ずつやっていきましょう」
スカーレット「でもリール。実際に怪我が治るか見ないと分からないんじゃないかしら」
リール「あ、それに関しては問題ありませんよ」
スカーレット「どうするの?」
リール「私がわざとダメージを負いますので、その度にみなさんが回復魔法を使ってください」
アンナ「え…大丈夫なの?」
リール「はい!大丈…」
オード「待て待て待てぇい!」
リール「!!」
オード「女性に怪我なんざ任せられねぇよ!!俺がやる!さぁ!みんな俺を傷つけてくれ!!」
ディア「おいオード…」
オード「ん?なんだ?」
ノーラ「それだとただのドMだぞ…」
オード「なに!?俺はただリールに怪我させたくないと思ってだな!」
リール「ふふっ。ありがとうございますオード君。ですが、そこまで大きい怪我ではありませんよ。ちょっとした擦り傷程度で済みますので」
オード「ダメだ!女の体は大事なんだ!だから俺がやる!俺が怪我してみんなが俺を回復させてくれ!」
ディア「はいはい…分かったから…」
ノーラ「ほんと…こういう時はすぐ動くんだから…」
リール「いいんですか?オード君。4人いるので4回怪我することになりますよ?」
オード「大丈夫だ!ドンと来い!」
リール「そ、そうですか…では、始めますね」
オード「おう!」
リール「みなさんはここに。オード君はこちらへ」
オードはリールの隣に立った。
オード (俺がリールの隣に…くぅぅ…幸せだぁ…)
リール「では始めますね」
ビリビリビリ!
突然オードの体に電気が走ってオードはダメージを負った。
オード「おぎょおおおおおお!」
突然のことに反応できず、オードはモロにダメージを受けた。
リール「だ、大丈夫ですか!?オード君!」
オード「だ…大丈夫…だ…」
リール「スカーレット…少し強すぎたかもしれませんね…」
スカーレット「まぁいいじゃない。これで分かりやすくなったわよ」
リール「そ…そうでしょうか…」
先程の魔法はスカーレットがやったものだった。
スカーレット「さ、始めましょう」
リール「わ、分かりました…オード君…大丈夫ですか?」
オード「大丈夫だ…さぁ…やってくれ…」
リール「分かりました。ではアンナ。やってみてください」
アンナ「や、やってみる」
アンナはオードに手を向けた。
アンナ「
シュゥゥゥゥゥ…
オードの周りに先程と同じように緑色の光が出現してオードの体に入っていった。すると先程負った傷が徐々に回復していき、やがて傷が消えてなくなった。
オード「お…すげぇ…痛みも傷も無くなった…」
リール「成功ですね!アンナ!」
アンナ「ほんと!?やったぁ!」
リール「さ、この調子でみんなやっていきましょう!」
その後、スカーレット、ディア、ノーラ、オードも順調に回復魔法を使うことができた。
リール「みんなすごいですね!これで自分で怪我を治すことができますよ!」
オード「っしゃあ!」
リール「次は魔力の回復になります!これはみなさん先程魔力を使ったので丁度いいですね!」
オード「よしっ!そうと決まれば早速!」
リール「はい!魔力の回復は先程と同じように手をかざして
オード「俺が!俺が先にやる!」
リール「どうぞ!」
オード「よっしゃ!いくぞディア!
シュゥゥゥゥゥ…
するとディアの周りに紫色の光が現れ、その光はディアの体の中に入っていった。
リール「ディア君どうですか?」
ディア「お、すげぇ…魔力が戻ってる…」
リール「でしたら成功ですね!」
オード「しゃああああああ!ふぉおおおおおおおお!」
ノーラ「テンション高いなぁ…オードのやつ…」
スカーレット「褒められて嬉しかったのね…」
アンナ「あはは…」
リール「では順番にみんなもやっていきましょう!」
その後、ディア、ノーラ、スカーレット、アンナの4人も順調に魔法を使うことができた。
リール「みなさん上出来ですね!最後は状態異常の回復ですよ!」
オード「状態異常ってあれだろ?毒とか」
リール「あ、そうです!それらを治す魔法です!」
オード「ということは毒属性魔法の対処法になるわけだ」
リール「正解です!」
オード「キィエエエエエエエエ!」
ディア「なぁノーラ」
ノーラ「なんだ?」
ディア「今日のオード…なんか変だな…」
ノーラ「あ、あぁ…そうだな…」
ディア「キィエエって…気持ち悪ぃよ…」
ノーラ「同感だ…」
リール「これもさっきと同じように手をかざして
オード「俺がやる!」
リール「ではどうぞ!私が状態異常にかかりますので治してくださいね」
オード「え…リールを…俺が?」
リール「はい」
オード「え、ほんとにいいのか?」
リール「はい。構いませんよ」
オード「わ、分かった…やってみる…」
リール「ではいきますね」
シュゥゥゥゥゥ…
そう言うとリールは自分に毒属性魔法をかけた。
リール「うっ…さすがに毒属性魔法はキツイですね…ではオード君…お願いします…」
オード「分かった!今すぐ治してやる!
シュゥゥゥゥゥ…
するとリールの周りに黄色い光が出現し、リールの体に入っていった。
リール「っはぁ…はぁ…成功ですね…オード君」
オード「リール!」
タッタッタッ!
オードはリールの状態が悪いことに気付いて駆け寄った。
オード「大丈夫かリール!」
リール「はい…大丈夫ですよ…オード君が治してくれましたから…」
オード「リール…」
ズキッ…
オードは弱ったリールを見て心が痛くなった。
オード「…リール」
リール「はい…何ですか?」
オード「…ここからは俺がやる」
リール「え?」
オード「これ以上リールが苦しむのを見るのは嫌だ」
リール「そ…そうですか…」
オード「リール。俺に状態異常の魔法をかけてくれ」
リール「え?でも…それだとオード君が…」
オード「俺なら大丈夫だ…やってくれ」
リール「えっと…はい…分かりました…」
シュゥゥゥゥゥ…
リールはオードに毒属性魔法をかけた。
オード「ごほっ…これは…やべぇ…」
リール「オード君!」
オード「大丈夫だ…ディア!ノーラ!次はお前らだ!俺の毒を治してみろ!」
ディア「ったく…なんであぁも体を張れるんだろうな。オードのやつ」
ノーラ「…まぁ、好きなやつが傷つくとあぁなるもんだろ。男は」
ディア「…そうか」
オード「ディア!ノーラ!早く!」
ディア「へいへい…」
その後、ディア、ノーラに続いてスカーレットとアンナもオードにかかった状態異常を治した。
オード「ごぉぉぉ…状態異常って思ってたよりキツイな…」
リール「オード君大丈夫ですか?休みますか?」
オード「いいや、もっと色々教えてくれリール」
リール「え…でも…」
オード「俺の事はいい。それよりも俺はリールから色々教わりたいんだ」
リール「えっと…わ、分かりました。辛くなったら言ってくださいね」
オード「おう」
リール「ではみなさん!次は移動魔法をやってみましょう!」
ディア「お!きた!」
ノーラ「これさえ覚えれば箒がなくても移動できるな!」
リール「はい!とても便利ですので覚えておいて損は無いですよ!」
スカーレット「ねぇリール」
リール「はい。何ですか?」
スカーレット「その魔法ってリールが最初に私の家に来た時に私が使った魔法と同じもの?」
リール「全く同じって訳ではありませんが、似たようなものです」
スカーレット「なるほど。分かったわ」
リール「はい。では始めていきましょう!やり方は簡単です!杖を持って
ディア「案外簡単なんだな」
リール「はい!無属性魔法は属性魔法ではないので、杖があればあとは魔法を唱えるだけです」
ノーラ「じゃあ
ヒュッ…
突然ノーラが姿を消した。
オード「…え?」
リール「あ…移動魔法が発動しちゃったみたいですね…」
スカーレット「え、あんな簡単に発動するものなの?」
リール「は、はい…先程ノーラ君は杖を持っていましたので勝手に
ディア「え、戻って来れるのか?」
リール「ノーラ君がどこに行ったのかは分かりませんが、ノーラ君がこの場所を思い浮かべてもう一度魔法を使えば戻って来ることは可能です」
ディア「なるほど…それは便利だな」
ヒュッ…
するとノーラが戻ってきた。
ノーラ「うおっ…戻れた…」
オード「え、ノーラ…お前大丈夫か?」
ノーラ「お、おう…知らない場所に飛ばされたけど何とか戻ってこれたぜ…」
オード「おいおい…驚かすなよ…」
ノーラ「いやいやすまねぇ。まさかあんな簡単に発動するとは思ってなかったんだ」
リール「でも魔法としては成功ですよ。あとは移動先の場所を思い浮かべて使うことができたら大成功ですね」
ノーラ「なるほどな。これは便利だ」
リール「ではみなさんもやってみましょう!魔法を使う前にどこに移動するのかをしっかり頭に入れた上で使ってくださいね」
その後、スカーレット、アンナ、ディア、オードは移動魔法を使ってその場から移動して戻ってくることに成功した。
リール「みなさんお上手ですよ!順調に魔法を習得できてますね!」
スカーレット「しかし簡単なのね…無属性魔法って…」
リール「はい!とても簡単なんですよ!これを使うことができれば他の方よりも一歩先に行くことができますよ!」
アンナ「よかった…無属性魔法を習えて…」
スカーレット「そうね。リールには感謝しかないわ」
リール「いや…その…恥ずかしいですよ…そんなこと言われたら…」
オード「!!」
オードはリールの照れた顔を見た。
オード (か…可愛えぇ…)
その後リールたちは増強魔法、減弱魔法、毒属性魔法、幻覚魔法、支配魔法と順調に進んでいったが破壊魔法で少し苦戦していた。
オード「あれ…全然できない…何故だ」
破壊魔法では目の前に瓶を置いてそれを壊すという方法で習得しようとしていた。
オード「リール!ちょっといいか?」
リール「はい。何ですか?」
オード「何故か瓶が割れないんだ。どうしたらいい?」
リール「そうですねぇ。1回見せていただけませんか?」
オード「お、おう」
オードは杖を構えて魔法を使った。
オード「
カタカタカタ…
オードはさっきと同じように魔法を使ったが、瓶がカタカタと音を鳴らして揺れるだけで割れることはなかった。
リール「あらら…おかしいですね…」
オード「うーん…魔力が弱すぎるのか?」
リール「そうかもしれませんね。1度魔力を多めに込めて魔法を使ってみましょうか」
オード「おう」
オードはさっきと同じように杖を構えた。
オード「…
カタカタカタ…
さっきよりも魔力を多めに込めたが、瓶にヒビ1つ入れることもできなかった。
オード「な…なんでだ…なんで…」
リール「落ち着いてくださいオード君。私と一緒にやってみましょう」
スッ…
リールはオードの手に自分の手を重ねた。
オード「!?!?!?」
オードは突然頭に電気が流れたように感じた。
オード (リ…リールの…手が…)
リール「オード君。心を落ち着かせてくださいね」
オード「お、おう…」
リール「…」
オード (無理だろおおおおお!リールの手が!リールの手が俺の手にいいいいいいいい!手がああああああ!あああああああ柔らけぇ!スベスベしてる!なんだこの感触は!程よい温もりとこの包容!!全てにおいて完璧じゃねぇかあああああああ!)
オードは心の中で発狂した。
リール「ではいきますよ。オード君」
オード「お、おう…」
オードはなんとか平然を保つことができた。
リール「私の動きに合わせてくださいね」
オード「おう…」
ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!
オードはこの間も心臓の鼓動が速くなっていた。
リール「…」
リールがゆっくりとオードの手を動かし、オードもそれに合わせる。
リール「…ではオード君。魔法をどうぞ。今度は私が合わせます」
オード「わ、分かった…」
オードは心を落ち着かせて魔法を唱えた。
オード「…
オードは緊張のあまり魔法を間違えて唱えてしまった。
カタカタカタ…コトン…
当然、瓶は割れることなく横に倒れただけだった。
リール「あらら…惜しいですね…」
オード「はぁ…はぁ…はぁ…」
リール「オード君?どうしましたか?疲れましたか?」
オード「いや…その…幸せで…」
リール「え?」
オード「いや!何でもない!こ、この魔法は!もしかしたら俺に合ってないのかもしれねぇな!はははははは!」
リール「そ、そうですか…力不足ですみません」
オード「!!」
オードは自分の発言を後悔した。さっきの言葉でリールが自分を責めて落ち込んでしまったと気付いたからだ。
オード「リール…」
リール「でも大丈夫ですよオード君。私がこの魔法をもっと簡単に習得できるようになる方法を探してみますから。勉強不足ですみません」
オード「…」
ズキッ…
オードは少し心が痛んでいた。
オード「…リール」
リール「はい。何ですか?」
オード「すまな…」
ディア「おいオード!!」
オード「?」
リール「?」
突然名前を呼ばれたオードはその声が聞こえた方向に目をやった。そこにはいくつか並べられた瓶を余裕で割っているディアの姿があった。
ディア「どうだオード!!すげぇだろ!」
パリン!パリン!パリン!パリン!
ディアは設置している瓶をどんどん割っていった。
ディア「この魔法爽快だぜ!!唱えるだけでなんでも割れちまう!!気持ちいいぜええええ!!」
オード「おいおい…ディアのやつ…」
リール「あはは…凄いですね…ディア君は」
オード「…」
オードはその言葉にズキッときた。
リール「そういえばオード君。さっき何を言おうとしたんですか?」
オード「え?」
リール「ほら、さっき何か言ってたじゃないですか。ディア君の声で聞こえませんでしたが…」
オード「あ、あ〜…いや、何でもない」
リール「え?」
オード「何でもねぇよ。大丈夫だ」
リール「いいんですか?」
オード「あぁ。ディアを見て少し元気が出てきた」
リール「…そうですか。やっぱりオード君は元気なオード君がいいですね」
オード「!」
リール「みんなを引っ張ってくれるオード君は頼りになりますから」
オード「!!!!!」
ドクドクドクドクドク!
オードは急に鼓動が激しくなった。
オード (おいおいおいおい!リールが俺を!リールが俺を頼りにしてるって!?何だこれは!!心臓が飛び出そうじゃねぇか!!)
リール「破壊魔法はダメでも次元魔法なら上手くいくかもしれませんよ!さ、やりましょうオード君!」
オード「お、おぅふ!」
オードは変な声が出た。ちなみに、今回破壊魔法を使うことができたのはノーラ、スカーレット、ディアの3人だけ。オードとアンナは破壊魔法を使うことができなかった。
リール「さて、最後は次元魔法ですね!これは相手の魔法の軌道を逸らせて自分に当てないようにする魔法ですね!やり方はいつも通りで杖を構えて
スカーレット「これで最後ね。これも習得して制覇よ!」
ノーラ「委員長。俺の方が魔力が高いってこと忘れんなよ?」
スカーレット「あらあら、そんなこと言ってできなかった時が一番恥ずかしいわよ?」
ノーラ「へっ!俺は魔力が高いからな!絶対できるぜ!」
スカーレット「私の方が強いわよ!」
ノーラ「じゃあ勝負だ委員長!」
スカーレット「望むところよ!!」
リール「な、なんか…知らない間に競争みたいなことになってますね…」
アンナ「うん。ちょっと前からね」
リール「あはは…」
スカーレット「さぁリール!!どうやるの!教えてちょうだい!」
リール「えっと…私の魔法を受け流してみましょうか」
スカーレット「それでいいわ!見てなさい!私の華麗な魔法を!!」
ノーラ「上等だぜ!」
リール「あ、もし受け流せなかった場合は私が事前に結界を展開しておきますので大丈夫ですよ」
スカーレット「分かったわ!やりましょ!」
リール「はい!」
最初はスカーレットがやる事になった。
リール「ではスカーレットはそこに」
スカーレット「分かったわ」
リール「…結界」
ガシャン!
リールはスカーレットに結界を展開した。
リール「ではいきますよスカーレット!」
スカーレット「ドンと来なさい!」
リール「はぁっ!
ビュン!
リールは
スカーレット「これくらい…」
スカーレットは杖を
スカーレット「
ヒュゥゥゥゥゥ!
スカーレットは魔法を唱えたが、
スカーレット「そんな…」
ドォン!シュゥゥゥゥゥ…
リールの
スカーレット「そ…そんな…」
ノーラ「おいおいおい!最初がそんなんで大丈夫か?委員長さんよぉ?」
スカーレット「う、うるさいわね!!」
ノーラ「次は俺だ。そこで見てな。委員長」
スカーレット「くっ…あんたも失敗しなさい!」
ノーラ「しませ〜ん」
スカーレット「くぅぅぅぅぅ…」
次はノーラの番になった。
ノーラ「さぁ来いリール!」
リール「いきますよ!
ビュン!
リールは先程と同じように
ノーラ「いくぜ!!
ビリリ…ギュオン!
ノーラが魔法を唱えると、リールの
スカーレット「え…そんな…」
ノーラ「しゃああああああああああ!見たか委員長!!俺の勝ちだあああああああああ!」
スカーレット「うるさあああああい!こんなの無効よ!!嘘よ!信じないわ!」
ノーラ「ふぉおおおおおおおおお!」
スカーレット「くぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
何やらノーラは勝ったらしく、スカーレットは悔しそうにしていた。
リール「す…すごい…ノーラ君…」
オード「…」
オードは次元魔法を使ったノーラを見ていた。
オード (…俺だって)
その後、ディアとアンナとオードも次元魔法を使ってみたが、スカーレットと同じく次元魔法が発動しなかった。結果、次元魔法を使えたのはノーラだけだった。
ノーラ「ふふん♪さぁ委員長?何か言うことは?」
スカーレット「うるさい!うるさい!うるさぁぁぁい!」
ノーラ「あ〜気持ちいい〜♪」
スカーレット「ふん!次こそは私が勝つわよ!覚えてなさい!」
ノーラ「気持ちいい〜♪」
スカーレット「もぉぉぉぉぉ!」
これにて無属性魔法を全て終えることができた。最後まで習得できたのはノーラだけ。スカーレットとディアは破壊魔法まで。オードとアンナは支配魔法まで習得できた。これはリールの予想を大幅に越した結果だった。
〜物語メモ〜
体力回復(ヒール)
指定した人の体力を回復させる魔法。回復するのは体力や傷だけで、魔力や状態異常は回復しない。
魔力回復(ヒーラマ)
指定した人の魔力を回復させる魔法。回復するのは魔力だけで、体力や傷、状態異常は回復しない。
状態回復(ヒーラル)
指定した人の状態異常を回復させる魔法。回復するのは状態異常だけで、体力や傷、魔力は回復しない。
瞬間移動(テレポート)
頭の中で移動先を思い浮かべて魔法を唱えることで、瞬時にその場所に移動できる。もちろん戻ってくることも可能。
粉砕(ダクト)
対象物を破壊する魔法。何でも破壊できるが、今回は置いた瓶を割るだけだった。
軌道変換(パラティガ)
相手の魔法の軌道を逸らせて自分に当たらないようにする魔法。使用できればあらゆる魔法を弾くことができ、無傷で済ますことができる。