私の名前はリ…ゲホッ…ゲホッ…すみません。私の名前はリール。
今自室にいます…。
今日は何故か熱が出てしまい、部屋で寝込んでいます…。
昨日オード君の看病をしたから風邪が移ったのでしょうか…。
今は体が熱く、頭も痛いので今日は学校を休むことにしました…。
ゲホッ…ゲホッ…。
アンナはいつも通りに学校に行ってもらってます…風邪を移すのは良くないですので…。
私は大丈夫です…いざとなったら魔法を使っ…ゲホッ…ゲホッ…。
あぁ…今日は喉も痛いです…。話そうとしても思うように声が出ません…。
夕方になったらアンナたちは授業が終わって帰ってきますので、今日はアンナにご飯を作ってもらうことにします…。
早く治してオード君と甘いものを食べに行きたいですね。
ゲホッ…ゲホッ…。
場所…教室
オード「なぁアンナ」
アンナ「何?」
オード「リールはどうした。今日見てないが」
アンナ「リールなら風邪引いちゃって今は寝込んでるよ」
オード「え!?風邪!?」
アンナ「うん。今日の朝に頭が痛いって言ってたよ。そしたら案の定風邪引いてた」
オード「な…」
ディア「そうか。ならリールにお大事にって言っておいてくれ」
アンナ「うん。言っとく」
スカーレット「しかしリールも風邪を引くのね」
ノーラ「あぁ。びっくりだ。リールは常に元気なイメージがあったからな」
オード「…」
オードは一人考え込んでいた。
オード (もしかして…俺の看病したから…)
アンナ「でもリールは大丈夫って言ってたから大丈夫なんだと思うよ」
ノーラ「そうか」
アンナ「うん」
オード (俺の…俺のせいで…リールが…)
ー回想ー
リール「明日、元気なオード君を見れることを楽しみにしていますよ」
ー回想終了ー
オード (…リール)
ディア「んじゃあ俺たちは席に戻るか。そろそろ先生来るだろうし」
オード「…」
タッタッタッ!ガラッ!
オードは走って教室を出た。
ディア「オード!!」
ノーラ「どうしたんだオードのやつ…」
ディア「いや…分からん…」
アンナ (…まさか)
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場所…リールとアンナの部屋
リール「はぁ…はぁ…はぁ…」
リールは自分のベッドに横になっていた。
リール (はぁ…はぁ…思ってたよりもキツいですね…)
リールは頭が痛く、薬を飲んでから寝込んでいた。
リール (薬がいつ効くのか分かりませんが、今は寝てましょうか…)
ドンドンドン!
リールが横になっていると、突然扉を叩く音が聞こえた。
リール (だ…誰なんでしょうか…)
リールはゆっくりと立ち上がって扉まで歩いた。
ガチャ…
リールはゆっくりと扉を開けた。
リール「え…なんで…」
オード「はぁ…はぁ…はぁ…」
目の前にいたのは袋を持ったオードだった。
リール「オード君…学校があるんじゃ…」
オード「リールが風邪で寝込んでんのに呑気に授業なんざ受けられねぇよ。今度は俺が看病するから任せてくれねぇか?」
リール「え…そんな…私のために…」
オード「…リールには色々とやってもらったからな。今日はそれを返すために来た」
リール「そう…ですか…」
オード「アンナが今日リールが風邪って言ってたからリールの大好きなリンゴとかあとは飲み物とかも持ってきた。だから俺に任せてくれ」
リール「そう…だったんですね…。では…お言葉に甘えて…」
ストン…
リールは立つことが難しくなって座り込んでしまった。
オード「リール!」
オードはすぐにリールの額に手を当てた。
オード「すげぇ熱だ…リール。今からベッドまで運ぶけどいいか?」
リール「…」コクッ
リールは何も言わずにただ頷いた。
オード「…よしっ。優しくするからな」
スッ…
オードはリールができるだけリラックスできるよう優しく抱き上げ、走らずゆっくりと歩いてベッドまで運んだ。そのお陰か、リールには無駄な振動が伝わらず、リールの頭痛も少し軽減した。
オード「よしっ。少し待ってなリール。今から何か作ってやるからな」
リール「…はい」
リールはかろうじて声を出せた。声は小さかったが、オードはその返事を聞き逃すことは無かった。
オード「なぁリール。今暖かいもの食べられるか?」
リール「…少し…難しいです…」
オード「分かった。ならリンゴを切ってくるから待ってな」
リール「…はい」
オードはいつもより声を小さくして話していた。その理由は相手が風邪で寝込んでおり、普段の声で話すと頭痛が酷くなるのではないかと考えたからだ。
トントントン
オードは包丁を使ってリンゴを切った。
オード (待ってなリール。俺が治してやるからな)
そう思いながらオードはリンゴを切っていった。
オード「よしリール。リンゴ切ったから食べな」
オードはお皿を持ってきた。
リール「あ、ありがとうございます…」
オード「あ、ちょっと待ってくれ。今起こすから」
コトッ
オードはお皿を置いてリールの体をゆっくりと起こした。
リール「何から何まで…すみません」
オード「リールだって同じことしてくれたじゃねぇか」
リール「…そうでしたね」
オード「さ、リンゴ切ったから食べな」
リール「!」
オードが持ってきたお皿にはすり潰したリンゴが乗っていた。
リール「オード君…これって…」
オード「リールは口が小さいから固形物は良くないんじゃないかって思ってな。できるだけ食べやすいようにすり潰したんだ」
リール「ありがとう…ございます」
オード「もし食べられなかったら残しな。あとで保存しておくから」
リール「…はい」
リールはお皿を持ってリンゴを食べ始めた。その間オードは自分の体を使ってリールの体をずっと支えていた。
リール「…ふぅ、ありがとうございますオード君。少し元気が出てきました」
オード「そうか。それはよかった」
コトッ…
リールはお皿を机に置いた。
リール「オード君…」
オード「なんだ?」
リール「その…今日はありがとうございます」
オード「…いいってことよ。リールだって俺が風邪で寝込んでた時に看病してくれただろ?だから今回は俺がリールを看病するんだ。でも流石にアンナが帰ってきたら二人の時間を過ごして欲しいから俺は帰るけど」
リール「…そうですか。でもありがとうございます。丁度ご飯どうしようかなって思ってたところでしたので」
オード「…そうか」
リール「…あの…オード君」
オード「ん?」
リール「…昨日の件です。あの甘いものを食べに行く話です」
オード「あぁ、あれか」
リール「その…いつにしますか?」
オード「!!」
リール「今日はその…学校があったり私が風邪を引いたりで何も出来ませんが、休みの日とかはどうでしょうか」
オード「そうだな。休日は基本暇だからそうしよう」
リール「分かりました。では今週の休みに行きましょうか」
オード「あぁ」
リール「楽しゲホッ…ゲホッ…」
オード「リール!」
リール「だ、大丈夫です…」
オード「そうか。でも喉が痛いならこれ飲みな」
リール「これって…」
オード「ここに来る前にラミエ先生のところに行ったんだ。喉が痛い時の飲み物をくれって。そしたらそれを渡されたんだ」
リール「え、私が喉を痛めてる事をどうして…」
オード「俺には姉がいるんだ。姉も風邪を引くと喉が痛いって騒ぐから反射的に貰ってきたんだ」
リール「…そうですか。ありがとうございます」
オード「ちょっと待ってな」
キュッ…キュッ…
オードは蓋を開けた。
オード「飲めるか?」
リール「はい。飲めます」
ゴクッ…ゴクッ…ゴクッ…
リールはゆっくりと飲んだ。
リール「…はぁ…はぁ…はぁ…」
オード「…もう寝るか?」
リール「…いえ…もう少しこのままで…」
オード「分かった」
現在リールはオードにもたれかかった状態にある。そしてオードはリールが倒れないよう後ろから支えている。
オード「…このままでいいのか?」
リール「はい…こうやって支えてもらえると安心します」
オード「…そうか」
リール「…もしオード君が私に背中を向けて座っていたら私はもっと辛かったでしょうね。ですが、今は私の後ろからオード君が支えているので、私は安心して体を預けることができます」
オード「…分かった。じゃあしばらくこのままで」
リール「…はい」
オード (え?ホントにいいの?これ俺得じゃん。これリールの体触ってるけど大丈夫だよな?通報とかされないよな?)
リール「あの…オード君…」
オード「ん?なんだ?」
リール「…休日は…何食べますか?」
オード「!」
リールはオードとの休日を考えていた。
オード「う〜ん…甘いものは分からないからリールのオススメが食べたいな」
リール「そうですか…分かりました。でしたら私のオススメする食べ物をあとでピックアップしておきますね…」
オード「あぁ。でも元気になってからな」
リール「はい…」
リールの体が倒れ始めた。
オード「リール。眠いのか?」
リール「…はい。少し」
オード「じゃあベッドで寝ないとな」
リール「…分かりました」
オード「俺が運ぶからリールはそのまま座ってな」
リール「はい」
スッ…
オードはリールをゆっくり持ち上げてベッドまで運んだ。
オード「よしっ。気分悪くないか?リール」
リール「はい…大丈夫です」
オード「そうか。ならおやすみ。アンナが帰ってくるまでここにいるから何かあったら呼んでくれ」
リール「はい。ありがとうございます…オード君」
オード「…あぁ」
それから数分が経ってリールは寝始めた。
オード「…さて、色々やっておこうかな」
そう言ってオードはお皿などを片付け始めた。
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それから数時間が経過して夕方になった。
オード「…そろそろ授業が終わって帰ってくる時間か」
オードはリールの様子を見た。
オード「…大丈夫そうだな」
そう言ってオードは座り直した。
オード「…」
オードはリールとの休日デートの事を考えていた。
オード (リールは女の子。だからそこまで食べられないはず…ここは男として女の食べる量には注意しないといけない。俺が言うと無理して食べさせる可能性があるからな)
オードは色々と考えていた。
オード (あとはこれをこうして…こう…)
ガチャ
突然部屋の扉が開いた。
オード (…誰か来たな)
スッ…
オードは音を立てずにその場から離れた。
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場所…リールとアンナの部屋の扉
アンナ「ふぅ、これくらいあればいいかな」
オード「なんだ、アンナか」
アンナ「あれ、オード君…」
オード「あ、待ってくれ。今リールが寝てるから静かに頼む」
アンナ「あ、うん。でもなんで?」
オード「…リールが風邪を引いたのは俺の看病してたからじゃないかって思ってな。だから俺が看病しに来た」
アンナ「そっか。ありがとうオード君」
オード「いや、いい。とりあえずアンナが帰ってくるまでこの部屋にいるってリールに伝えてあったからな。今はアンナが帰ってきてるから俺はここで帰ることにする」
アンナ「うん。分かった。ありがとうね」
オード「あぁ。俺は自分の荷物取ってくるわ。その後にすぐ帰る」
アンナ「うん。分かった」
スタスタスタ
オードは自分の荷物を取りに向かった。
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場所…リールのベッドの近く
オード「よしっ。これで十分だな」
オードが帰ろうとした時、リールの声が聞こえた。
リール「オード君…」
オード「?」
オードはその声を聞いて振り向いたが、そこには寝ているリールしかいなかった。
オード「…気のせいか?」
スタスタスタ
オードはそのまま歩いてリールとアンナの部屋を出た。
リール「…オード君」
〜物語メモ〜
オードの姉
オードには2つ年が上の姉がいる。オードによく似て活発な女性。ただし、オードほど魔法が使えるわけではない。その代わりにオードよりも身体能力が高い。