私、魔女さんに拾われました。   作:バスタオル

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第49話 エレナと静かな学院

私の名前はリール。

今スカーレットと一緒に学校の方へ向かっています。

先程までドレインと戦ってたんですが、スカーレットが学校の方を見に行こうと提案してくれたのでその意見に賛成することにしました。

出現したドレインの数はとても多く、私たちのクラスメイトはほとんどがドレインに吸収されてしまいました。

ドレインの襲撃があった際に先生が学校の方へ行きましたが未だに戻ってきません。

何も無いといいんですが、やっぱり不安になります。

みなさんご無事でありますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所…エレナ学院 玄関

 

スカーレット「な…」

リール「そ…そんな…」

 

スカーレットとリールは校庭から箒で玄関まで飛んできた。普段なら学生でいっぱいだった玄関には誰一人としておらず、残っているのは玄関から少し先に進んだところにある赤い人の血。

 

スカーレット「…リール」

リール「は、はい…」

スカーレット「…行ってみるわよ」

リール「…はい」

 

スタスタスタ

2人は中を見て回ることにした。

 

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場所…廊下

 

2人は廊下に出た。

 

リール「…ここも」

スカーレット「…誰もいないわね」

 

廊下にも人はおらず、静けさだけが残っていた。2人はとりあえず廊下を歩いてみることにした。

 

リール「ねぇスカーレット…」

スカーレット「なに?」

リール「…さっきの赤い液体って…」

スカーレット「…」

リール「もしかして…血…だったりしませんか…」

スカーレット「……私もそう思うわ」

 

スカーレットは歩を止めた。

 

スカーレット「リール」

リール「は、はい…」

スカーレット「私たちは外でドレインたちと戦ってたけど…もしかしたら学校の中にもドレインがいてみんなが…」

リール「…やっぱりそうですよね…」

スカーレット「うん。でなきゃここまで静かにならないわ。普段ならもっと騒がしいのに」

リール「…」

 

???「リー…ル…さん…」

 

リール「!!」

 

リールはどこからか自分の名前が聞こえた気がした。

 

スカーレット「…リール?」

リール「スカーレット…今何か聞こえませんでしたか?」

スカーレット「え、何も聞こえてないけど…」

リール「…」

 

リールは耳に手を当ててみた。

 

???「リール…さん…」

 

リール「!!」

 

その声はとても小さなものだったが、リールは聞き逃さなかった。

 

リール「やっぱり聞こえます」

スカーレット「え?どこから?」

リール「…こっちです」

 

スタスタスタ

リールは声のした方へ歩いていった。

 

スカーレット「ちょちょっと待って」

 

スタスタスタ

スカーレットはリールについて行った。

 

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場所…廊下

 

リールたちが少し歩いていると、廊下の壁に寄りかかっている人がいた。

 

リール「スカーレット!あそこです!」

 

タッタッタッ!

リールはその人のところに向かった。

 

スカーレット「リール!」

 

タッタッタッ!

スカーレットはリールの後を追う。

 

リール「大丈夫ですか!」

 

リールはその人に駆け寄ると意識があるかの確認をした。

 

???「リール…さん…」

 

リール「!!」

 

リールはその人の顔をよく見た。その人はエレナ学院の教員であり、レヴィ学院長の側近の人だった。

 

リール「ラ…ラーフ先生」

ラーフ「…」

 

そう。その人はレヴィ学院長の側近であるラーフだった。

 

リール「ラーフ先生!!」

スカーレット「リール!」

リール「スカーレット!ラーフ先生が!」

スカーレット「!!」

 

スカーレットはラーフの存在を視認した。ラーフの意識はまだあるが、出血が酷いため意識が朦朧としていた。

 

リール「ラーフ先生!」

ラーフ「リール…さん…」

リール「はい!」

ラーフ「ドレインが3体現れました…今はどうなっているのか分かりませんが…ここは危険です。今すぐこの場を離れてください…」

リール「え…」

ラーフ「レヴィ…学院長は…今…ここにはいません…」

リール「…」

ラーフ「魔女さんを…助けに行きました…」

リール「魔女さんを…」

ラーフ「はい…。ですので…この場を離れて…ください…。ドレインが…」

リール「ドレインならやっつけました。外にいたドレインや学校から出てきたドレインも全部」

ラーフ「!」

リール「だから大丈夫です」

ラーフ「そう…ですか…。それは…よかったです…」

 

するとラーフの目はゆっくりと閉じていった。

 

リール「ラーフ先生!」

ラーフ「…」

 

ラーフは完全に目を閉じた。

 

リール「ラーフ先生…」

スカーレット「…」

リール「…スカーレット」

スカーレット「なに?」

リール「…ラミエ先生を探しましょう」

スカーレット「!」

リール「ラミエ先生にラーフ先生を診てもらいましょう」

スカーレット「…分かったわ」

 

ボンッ!

リールとスカーレットは自分の箒を取り出した。

 

リール「では行きましょう」

 

ヒュゥゥゥゥゥ!

リールとスカーレットは保健室に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…保健室

 

スタッ!

リールとスカーレットは保健室の前に着いた。

 

リール「よしっ」

 

コンコンコン

リールは保健室の扉をノックした。

 

リール「ラミエ先生いますか!」

 

しかし返事はなかった。

 

リール「…失礼します!」

 

ガラッ!

リールは保健室に入った。

 

リール「!」

 

保健室の中は至って普通だがラミエ先生がいなかった。加えていつも戸棚にある薬や本もなくなっていた。

 

リール「ラミエ…先生…」

 

リールはひとつずつベッドを確認したが、やはりラミエ先生はいなかった。

 

スカーレット「…ダメね」

リール「そんな…先生…」

 

リールはその場に座り込んでしまった。

 

リール「どうすればいいんでしょうか…」

スカーレット「…」

 

リールが考えているとある人が保健室に入ってきた。

 

ジン「スカーレット!!リールさん!!」

 

スカーレット「!!」

リール「!!」

 

入ってきたのはジンとマークだった。

 

スカーレット「お父さん!?それに叔父さんまで」

ジン「2人とも無事か!?」

スカーレット「大丈夫よ」

マーク「リールさんも無事みたいだね」

リール「はい…」

ジン「さっきエレナ学院にドレインが現れたって連絡があってな…急いでここに来たんだ」

マーク「1階から全部見てきてこの部屋だけ開いてたから見たら2人がいたってことだね」

スカーレット「そ、そうだったんだ…」

ジン「外にいた人たちは父さんたちの仲間が保護してくれてる。あとは君たちだけだよ」

リール「スカーレットのお父様!!」

ジン「!!」

 

リールは勢いよく立ち上がって振り返った。

 

リール「そこにラーフ先生が倒れています!ラーフ先生も保護していただけませんか!!」

ジン「な…あの人もか!」

マーク「僕が見つけてくるよ。兄さんは二人と一緒にいて」

ジン「あ、あぁ」

 

ヒュゥゥゥゥゥ!

マークは箒に乗ってラーフを探しに行った。

 

ジン「よしっ。とりあえず2人は一緒に来てもらうけどいい?」

スカーレット「分かったわ」

リール「あの…」

ジン「?」

リール「ここの生徒さんや先生方は…」

ジン「…」

 

ジンは急に黙った。

 

スカーレット「…お父さん?」

ジン「…私の受けた報告は教員が全滅したのと生徒が9割殺されてしまってという内容だった」

 

スカーレット「!?」

リール「!?」

 

ジン「だから今のこの学院には君たち以外に誰もいないはずだよ」

スカーレット「嘘…」

リール「そ…そんな…」

 

2人は驚いて言葉が出なかった。

 

ジン「…とりあえず君たち生き残っている人たちを保護するために父さんたちはここに来たんだ」

リール「教員が…全滅…じゃあ…先生は…」

 

リールが実技の先生の事を考えているとマークが戻ってきた。

 

マーク「ラーフ君を見つけたよ。今は意識がないけど今後の状態では目覚めるかもしれないよ」

ジン「よしっ。とりあえず2人とも。父さんたちと一緒に来てもらうけどいい?」

スカーレット「私はいいわよ。リールは?」

リール「…よろしく…お願いします…」

ジン「よしっ。とりあえずここは危ないからある場所に向かうよ」

スカーレット「えぇ」

 

ジン、マーク、スカーレット、リールの4人は自分の箒を使ってエレナ学院から離れることにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…エレナの部屋

 

エレナ「…で、どうするの?あなた」

レヴィ「はぁ…はぁ…」

 

現在レヴィはエレナと対峙していた。

 

エレナ「あなた程度じゃ私には勝てないわ。今すぐ引き返しなさい。引き返すなら命までは取らないわよ」

レヴィ「そういうわけにも…いかないんです…魔女さんを取り返すまでは…」

エレナ「…そう。なら満足して死になさい。あなたは相手の力を見誤ったのよ」

 

ジジジ…バリバリバリバリ!

エレナは魔法を使った。

 

レヴィ「はぁ…はぁ…」

エレナ「…!?」

 

エレナはある魔力を感じ取った。

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

それと同時にエレナは誰かの攻撃を受けた。

 

レヴィ「!!」

 

放たれた魔法はレヴィには一発も当たらなかった。

 

レヴィ「この魔力…まさか…」

 

コツ…コツ…コツ…

誰かの足音が聞こえる。ゆっくりと聞こえるその足音はどこか余裕さを感じ取ることができる。

 

エレナ「…まさかあなたが帰ってたとはね…リーナ!!」

魔女さん「…」

レヴィ「や…やっぱり…」

 

そこに立っていたのは魔女さんだった。

 

エレナ「で、これはどういうつもりよ。私を攻撃してただで済むと思ってるの」

魔女さん「…」

レヴィ「魔女さん…」

 

クイッ!

魔女さんは指を動かした。

 

フワッ…ドシン!

するとレヴィの体が浮き上がり、レヴィは壁に打ち付けられた。

 

レヴィ「がっ…」

 

レヴィの受けたダメージは少なかったが、満身創痍の今の状況では小さなダメージも大きなダメージもさほど変わらなかった。

 

レヴィ「魔女…さん…」

 

レヴィは力なくその場に倒れてしまった。

 

エレナ「…」

魔女さん「…」

 

エレナと魔女さんは互いを見つめているだけだった。

 

エレナ「…どういうつもり…あなた」

魔女さん「…どういうつもり…ですか。そんなの見たら分かりませんか?」

エレナ「…私を殺す気?」

魔女さん「そうですね。あなたには過去に色々とされたので今ここで復讐というのも悪くありませんね」

エレナ「!!」

 

エレナは身構えた。

 

魔女さん「しかし今ここで戦えばあなたは確実に死にますよ。それでもいいんですか?」

エレナ「…何が望みよ」

魔女さん「望みなんてありませんよ。強いて言うなら私とリールの生活を脅かさないでほしい…ってところですね」

エレナ「…あなた…今まで演技してたの」

魔女さん「?」

エレナ「私にわざと捕まったフリをして…しかもマギたちの洗脳にもかかったフリをして私の部屋から出たのね」

魔女さん「そうですね。ようやくまともに動くことができてよかったと思っています」

エレナ「…」

 

エレナは魔女さんを警戒した。

 

魔女さん「安心してください。あなたが私に何もしない限り、私はあなたに何もしませんよ」

エレナ「…あなたの目的は…何…」

魔女さん「目的ですか。そうですね。今はあなたの本体とお話がしたいというのと、ここを完全に破壊するという目的がありますね」

エレナ「!!」

魔女さん「私にかかればここは一瞬で地図から消えるでしょう」

エレナ「あなた…本気…」

魔女さん「はい。本気ですが」

エレナ「…」

 

エレナは魔女さんの気迫に怖気づいていた。

 

魔女さん「ですが先ほど言いましたように、あなたが私に何もしないなら私はあなたに何もしませんよ。ただし、私の目的の邪魔をするならあなたを粉微塵にします」

エレナ「!!」

 

エレナは魔女さんの言葉に恐怖を覚えた。

 

魔女さん「さて、どうしますか。あなたは私の邪魔をしますか?」

 

魔女さんはエレナを威圧した。

 

エレナ「…」

 

エレナは自分のプライドを捨てて降参するか、プライドを守るために戦うかを考えていた。しかし今のこの状況では魔女さんに確実に負けると判断したエレナはこう判断した。

 

エレナ「…私にも目的があるの。今はその目的を果たしたいからあなたに構ってる暇はないわ。その男もあなたの好きにすればいいわ」

 

スタスタスタ

エレナは後ろを振り返ってその場をあとにした。

 

魔女さん「…」

 

魔女さんはその場をあとにするエレナを見ていた。

 

魔女さん「あなた」

エレナ「!!」

 

魔女さんはエレナを引き止めた。

 

エレナ「…何」

 

エレナは内心震えながら何とか返事を返した。

 

魔女さん「あなた…魔核を集めてどうするつもりですか」

エレナ「…」

魔女さん「あれはリノがあの人たちに渡した大切なものです。あなたはそれを集めてどうするつもりですか」

エレナ「…」

 

エレナは震えながら振り返って答えた。

 

エレナ「…自分の願いのためよ」

 

スタスタスタ

そう言い残してエレナはその場をあとにした。

 

魔女さん「…願い…ですか」

 

スタスタスタ

魔女さんはレヴィ学院長のところに行った。

 

魔女さん「レヴィ。何故あなたがここにいるのですか。あなたの魔力ではエレナは倒せませんよ」

レヴィ「…」

魔女さん「あなたにはリールを守るよう言ってあったはずです。今は私のことは気にせずに本来のあなたの仕事をこなしてください」

 

ブゥン…

魔女さんは魔法陣を展開した。

 

魔女さん「今度こそ頼みましたよ。レヴィ」

 

ヒュッ…

するとレヴィ学院長はその場から姿を消した。

 

魔女さん「…リール。もう少しだけ。もう少しだけ待っていてくださいね。必ずあなたの所に戻りますので」

 

そうして魔女さんもその場をあとにした。




〜物語メモ〜

は、今回は新しい情報がないので次回ですね。
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