私、魔女さんに拾われました。   作:バスタオル

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第6話 魔女さんとレヴィ学院長

私の名前はリール。

ある魔女さんと一緒に暮らしています。

何やらエレナ学院から手紙が来たそうで、魔女さんはその手紙の事を良く思ってませんでした。

何やら緊迫とした様子…何か思い出とかあるのかな…

魔女さんに言われた通り、今日一日は家で過ごそうと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所…エレナ学院 学院長室

 

???「レヴィ学院長」

レヴィ「ん、何かな」

???「先日お送りしたお手紙の件ですが」

レヴィ「あーあの手紙ね。どうだった?」

???「その手紙は…焼失しました」

レヴィ「!」

 

レヴィは驚きの表情を浮かべた。

 

レヴィ「消失した?消えたの?」

???「あ、そうではなく燃やされたのです」

レヴィ「燃やされた?あの手紙が?」

???「はい。今は跡形も無いです」

レヴィ「ふーん…なるほどね」

???「如何いたしますか?」

レヴィ「うーん…あの人の事だからねぇ…怒らせるとこの国が消えかねん」

???「き、消える…ですがこの国には学院長や魔法使い、他にもこの学院の生徒がいます。流石に消えるというのは」

レヴィ「いいや。簡単に消えるよ」

???「!」

レヴィ「ねぇラーフ。君はこのお話を知ってるかな? "狂った魔女がある国を滅ぼした" お話」

ラーフ「!?」

レヴィ「…その反応じゃあこのお話は知らなさそうだね」

ラーフ「はい…不勉強ですみません」

レヴィ「いや、いいんだ。これは今の人たちには聞かされてないお話だよ」

ラーフ「と、言いますと…」

レヴィ「…このお話はね、"無かったことにされた" んだよ」

ラーフ「な、無かったことに…?」

レヴィ「そうだよ」

ラーフ「なぜ…無かったことに?」

レヴィ「そりゃあ…あの魔女に滅ぼされた国はね………」

ラーフ「!?」

 

ラーフはそれを聞いて驚いていた。

 

レヴィ「まぁ驚くのも無理はないよ」

ラーフ「そんな…」

レヴィ「だからあの魔女には誰も手を出せない。手を出せば自分が消えてしまうからだ」

ラーフ「そうなんですか…あの魔女にそんな過去が…」

レヴィ「だからラーフ。あの魔女には変なことしちゃダメだよ。何されるか分からないからね」

ラーフ「はい…ですが」

レヴィ「?」

ラーフ「レヴィ学院長はあの魔女が保護しているあの子が欲しいと言ってたじゃないですか。こんな軽く手放してもいいんですか?」

レヴィ「うん。いいよ」

ラーフ「!?」

レヴィ「正直言うとあの子をうちの学院に通わせられたら最高だろうね。あの子、すごい魔女になるよ。あの魔女とあの子が魔法の適性を見ているところを偶然見かけてね。その時あの子は光の属性魔法を使っていたんだ」

ラーフ「!?」

レヴィ「光の属性魔法に適性がある人は少ない。今この世にいる魔法使いや魔女を全員集めても数えられるほどだろうね」

ラーフ「そうですか」

レヴィ「うん。あの子はその数えられるほどの中の1人だ。私はあの子に色々魔法を教えてあげたいと思った。あの子がなぜ魔法を使えるのかは分からないけど"同じ光属性魔法に適性を持つ人"としてあの子の成長を見てみたいんだ」

ラーフ「なるほど…そうでしたか」

レヴィ「でもあの手紙を燃やされたということはこの学院には入らないということと同意義」

ラーフ「…」

レヴィ「惜しいなぁ…あの子はきっといい魔女になれると思ってたんだけどなぁ…」

ラーフ「レヴィ学院長…」

レヴィ「…」

ラーフ「わ、私があの子をここへ連れてきたらどうなさいますか?」

レヴィ「え?」

ラーフ「レヴィ学院長はあの子をこの学院に入れたい。私は学院長の願いを叶えてあげたい。なら、私があの子を連れてきます」

レヴィ「何言って…」

ラーフ「私があの子を連れてくれば私の願いは叶いますし学院長の願いも叶うかもしれません。なので私が」

レヴィ「ダメ」

ラーフ「な、何故ですか…」

レヴィ「…さっきも言ったけどあの魔女を本気で怒らせたらこの国は消えちゃうよ」

ラーフ「!」

レヴィ「あの人はね、昔は優しい人だったよ。一緒に暮らしてたから分かる。でもある時、その優しさはどこかへ消えてしまった」

ラーフ「…」

レヴィ「あの日…あの魔女がある国に攫われたあの日…あの魔女は昔のあの人じゃなくなった」

ラーフ「さ…攫われた…」

レヴィ「…あの日から実に2年。あの魔女は私たちのところに帰ってきた」

ラーフ「!」

レヴィ「その時の私はとても喜んでいた。2年前に突然消えた姉に似た存在のあの魔女にまた会えたからだ。でも…師匠とあの魔女は違った」

ラーフ「…」

レヴィ「あの魔女の顔は泣いていた。その顔を見て私も泣いたよ。私はその時、寂しかったんだろう。やっと会えたから泣いてるんだろうって思ったよ。でも…実際には違っていた」

ラーフ「…」

レヴィ「あの時何故泣いていたのか…その理由は次の師匠の言葉で悟った」

ラーフ「次の…言葉…」

レヴィ「その時師匠はあの魔女に向かってこう言った」

レヴィ「 "何人殺した?" と」

ラーフ「!?」

レヴィ「私は何言ってるのかさっぱりだったけど今になってその言葉の重みが分かったよ」

ラーフ「…」

レヴィ「あの時あの魔女が泣いていたのは、会えて嬉しかった…とか、寂しかった…とかではなかった。あの魔女が泣いていたのは人を殺したからだとそれからしばらくして分かった」

ラーフ「…」

レヴィ「あの時の師匠の顔も覚えてる。すごく怒っていた。見たことないほどに怒っていた」

ラーフ「…」

レヴィ「あの魔女が帰ってきてから翌日、私はある記事を見た」

ラーフ「ある記事…」

レヴィ「うん。その記事は "狂った魔女がある国を滅ぼした" という内容だった」

ラーフ「!!」

レヴィ「それを見た当時の私はその記事に載っている写真にあの魔女が写っているのを見つけた」

ラーフ「…」

レヴィ「その事を師匠やあの魔女に伝えに行ったんだけど、そこにはもう…あの魔女の姿はなかった」

ラーフ「!」

レヴィ「外には師匠がいたけど師匠は何も口を聞いてくれなかった」

ラーフ「…」

レヴィ「それからあの魔女の部屋に入った私は机の上にあったある手紙を見つけた。私に宛てた手紙だった」

ラーフ「手紙…」

レヴィ「その手紙は "あなたの元を離れるのを許してください" という内容だった」

ラーフ「…」

レヴィ「私はその手紙を読んで全てを知った。何故あの魔女が攫われ、国がひとつ滅び、私の前から姿を消したのか」

ラーフ「…」

レヴィ「そして、あの事件を起こしたあの魔女は当時の記事を読んだ人からこう呼ばれた」

レヴィ「 "狂気の魔女" …とね」

ラーフ「!?」

レヴィ「流石にこの名前は君でも知ってるかな」

ラーフ「狂気の魔女って…実在したんですか…」

レヴィ「あぁ。実在の人物さ」

ラーフ「なんと…」

レヴィ「…あれからあの魔女の姿を見ることはなかった。もう会えないと思っていた。でも、最近その姿を見かけた。嬉しくなった私はあの魔女に手紙を送った。けど燃やされちゃった…」

ラーフ「…」

レヴィ「長く会えなかったあの魔女に会えた。それだけでもう十分」

ラーフ「…そうですか」

レヴィ「だからラーフ。あの魔女には何もしないで。またあの日を思い出させるかもしれない。そうなったら最後。今度は何するか分からないからね」

ラーフ「わ…分かりました…」

レヴィ「…あの魔女の家に行きます」

ラーフ「え!?」

レヴィ「行くのは私だけです。ラーフはここにいてください」

ラーフ「で、ですが…あの狂気の魔女のところに」

レヴィ「ラーフ」

ラーフ「は、はい…」

レヴィ「あの人をその名で呼ばないでください。あの人は私の姉であり、憧れであり、尊敬する人です。そのような人を狂気と呼ばれるのは悲しいです」

ラーフ「は、はい…すみませんでした」

レヴィ「ラーフはこの話を聞いたから今後はその名は伏せておいてください」

ラーフ「あの…レヴィ学院長」

レヴィ「なんですか?」

ラーフ「私は今後二度と言いませんが、この話を聞く前にその名を口にした人はいたと思います。そして今後も誰かがその名を口にすると思います。そうなったらどうしますか?」

レヴィ「…我慢しますよ」

ラーフ「!」

レヴィ「この話は元々無かったことにされたお話です。ラーフも知らない程でしたから。この話を知っている人はもう少ないです。知らない人はその名の重さを知らないのでその名を口にします。なので仕方ないのです。ここで私が何かすればそれこそ問題になります。なのでそうなってしまったら我慢します」

ラーフ「そう…ですか…」

レヴィ「大丈夫ですよ。この話を知ってる人がその名を出さないだけで私は気持ちが軽くなります。今はそれだけでいいです」

ラーフ「…分かりました」

レヴィ「…明日、私はあの魔女の家に行きます。ラーフはここにいてください。私がいない間、この学院を頼みますよ」

ラーフ「はい。お任せ下さい」

 

コツコツコツ

レヴィは学院長室を出た。

 

ラーフ「…レヴィ学院長…今までそんなお辛い人生を…ここは私がしっかりしてレヴィ学院長の支えにならなければ!」

 

そしてラーフも学院長室を出た。

 

 

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ー翌日ー

 

場所…魔女さんの家

 

魔女さん「それではリール。今日一日は家で過ごしてくださいね」

リール「はい!」

 

コンコン

家のドアがノックされた。

 

メリー「来たわよ〜」

魔女さん「あ、メリーが来たようね」

 

ガチャ

魔女さんは家のドアを開けた。

 

魔女さん「来てくれてありがとうメリー」

メリー「いいよいいよ。今日一日リールちゃんといたらいいんだよね?」

魔女さん「えぇ。それでいいわ。あと来客の接待もお願いしたいの。いいかしら」

メリー「任せて」

魔女さん「ありがとう。それじゃあお願いね」

メリー「えぇ」

魔女さん「リール。明日戻ってくるわね」

リール「はい!分かりました!」

魔女さん「何かあったらメリーに聞いてみて」

リール「はい!」

魔女さん「それじゃあメリー。お願いね」

メリー「分かったわ。いってらっしゃい」

魔女さん「えぇ」

 

そして魔女さんはどこかへ出かけてしまった。

 

メリー「じゃあリールちゃん!今日は私に任せてね!」

リール「は、はい。よろしくお願いします」

メリー「じゃあまずは朝ごはんね!私料理得意だから期待しててね!」

リール「は、はい!」

メリー「あとは魔法の勉強で分からないことがあったら聞いてね!」

リール「は、はい!」

 

 

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魔女さん (リール。少しの間離れるけどごめんね。この事態に収集をつけるにはあの人の力が必要なの…私がやったらまた…)

 

魔女さんは家の方へ振り返った。

 

魔女さん (あなたは絶対に失いたくないの。もう二度と…私の前から大事な人が消えちゃうのは嫌なの。だから少しだけ…少しだけ我慢してね…リール)

 

 

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場所…エレナ学院

 

レヴィ「じゃあ行ってくるよ」

ラーフ「はい。行ってらっしゃいませ」

 

コツコツコツ

レヴィは魔女さんの家に向かって歩き出した。

 

ラーフ「レヴィ学院長!」

レヴィ「はい。何ですか?」

ラーフ「あの…ほんとに私はお供しなくてもよろしいのですか?何かあったら」

レヴィ「大丈夫ですよ」

ラーフ「!」

レヴィ「私は1人で大丈夫です。なのでラーフはこの学校を頼みますね」

ラーフ「…はい」

レヴィ「それでは行ってきますね」

ラーフ「はい…」

 

コツコツコツ

レヴィはまた歩き始めた。

 

 

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場所…魔女さんの家

 

メリー「どうリールちゃん!美味しい?」

リール「お、美味しい…」

メリー「よかったぁー!あ、食べたらお皿はここに置いておいてね」

リール「はい」

メリー「じゃあ私はあれを…」

リール「?」

 

するとメリーさんは袋から何か取りだした。

 

リール「メリーさん。それは何ですか?」

メリー「あーこれはマナを集めて入れておくビンだよ」

リール「ビン?」

メリー「そうそう。マナって魔力のあるところに集まるのは知ってるかな?」

リール「はい」

メリー「でも魔力が無くなるとマナは離れちゃって魔法が使えなくなっちゃう…それを解決するのがこれ!このビンがあればマナをストックすることができて尚且つ魔法も使うことができる!」

リール「え…」

メリー「どう?リールちゃん!」

リール「あの…」

メリー「?」

リール「もし魔力が無くなったとして…マナを持っていても結局魔法は使えないのではないのでしょうか…」

メリー「…あ!!」

リール「なのでマナをビンから取り出しても離れちゃうんじゃ…」

メリー「うわぁぁぁぁぁん!そうだったぁぁぁぁぁ!」

リール「!」

 

リールはメリーが突然大きな声を出したため驚いた。

 

メリー「私はなんて馬鹿なことを!馬鹿なことを!」

メリー「いや…ならここで魔力をストックするようなものを作れば…」

リール (メ、メリーさん…凄いなぁ…)

メリー「ありがとうリールちゃん!これでまた新しいものが作れそうだよ!」

リール「い、いえ…」

 

コンコン

すると突然ドアがノックされた。

 

リール「!」

メリー「リールちゃん。ちょっとここに隠れてて」

リール「は、はい」

 

そう言われて私はソファの陰に隠れた。

ガチャ

メリーさんがドアを開けた。

 

メリー「はい。どちら様ですか?」

レヴィ「おや、ここはあの魔女の家ではないのですか?」

メリー「!」

リール「!」

 

魔女さんの家に来たのは男の人だった。

 

レヴィ「おかしいですね。あなたはメリー魔法店の…」

メリー「はい。私がメリーです」

レヴィ「何故あなたがここに?」

メリー「ここは私の友人の家で今は留守を頼まれています」

レヴィ「おや、ということはあの魔女さんは今はいないのですか?」

メリー「はい。いません」

レヴィ「どこへ行ったかは?」

メリー「聞かされていません」

レヴィ「そうですか…困りましたね」

メリー「?」

レヴィ「ところでメリーさん」

メリー「何でしょうか」

レヴィ「ここにある女の子がいませんか?」

メリー「!」

リール「!」

レヴィ「光属性魔法に適性がある子が」

リール (私の事だ…)

メリー「すみません。そんな子は知りません」

レヴィ「そうですか…この家に入っていくのを見かけたのですが、見間違いだったのでしょうか」

メリー「分かりません」

レヴィ「もしかしてあの魔女さんと一緒にどこかへ出かけたのですか?」

メリー「分かりません」

レヴィ「うーん…困りましたね…」

メリー「あの、仮にその子がいたとしてどうするおつもりですか?」

レヴィ「あの子を是非私の学院に通わせたいのです」

リール「!」

メリー「それは何故ですか?」

レヴィ「光属性魔法に適性がある人はとても少ないです。なのでその少ない人材をより良い魔法使いに育て上げたいのです。今日はそのお話のために来ました」

メリー「そうですか。でもあの魔女さんはいません。明日には戻ると言っていたので明日にお願いできませんか?」

レヴィ「そうですか。分かりました」

レヴィ「では、そこにいるあなたはどうですか?」

リール「!」

メリー「!」

 

リールは突然言われて驚いた。

 

レヴィ「この扉を開けてからずっとそのソファの向こうから私と同じ魔力を感じていました。あの魔女さんと一緒にいた子と同じ魔力ですね。まさか…あなたがその子供ですか?」

リール (どうしよう…出るべきかな…でも、メリーさんが…)

メリー「あの…」

レヴィ「?」

メリー「誰に言ったんですか?ここには私1人しかいませんが」

レヴィ「1人?ここには2人いませんか?」

メリー「!」

レヴィ「1人はあなた。もう1人は…感じたことのない気配」

リール (!)

レヴィ「しかも私と同じ魔力…いえ、それ以上ですね」

 

レヴィはそのソファをじっと見た。

 

レヴィ「そこにいるのではないですか?出てきてください」

リール「…」

 

そう言われて私はソファから顔を出した。

 

リール「あ、あの…」

レヴィ「やっぱり…いたんじゃないですか」

メリー「リールちゃん…」

リール「何か…御用でしょうか」

レヴィ「お話があります。とりあえず家に…」

 

そう言いながらレヴィは家の中に入ろうとした。

バッ!

 

レヴィ「!」

 

リールは魔女さんから貰った結晶を握ってレヴィに見せた。

 

レヴィ「何ですか?それは」

リール「これは魔女さんから貰ったものです…これを使えば魔女さんが飛んで来てくれます…私に何かあったら使うようにと言われました」

レヴィ「なんと…」

リール「それ以上近づいたらこれを使います…」

レヴィ「…分かりました」

リール「!」

レヴィ「では今日はこれで帰ります」

リール「!」

レヴィ「明日、またここに来ます。その時はお話させてください。あなたの魔女さんとも」

リール「え、あの…」

レヴィ「それでは…」

 

レヴィはそのまま魔女さんの家を出た。

 

メリー「リールちゃん…大丈夫?」

リール「は、はい…大丈夫です…」

リール「あの…メリーさん」

メリー「何?」

リール「あの人は…誰ですか?」

メリー「…あの人は、スペルビアにあるエレナ学院の学院長だよ」

リール「そう…ですか…」

 

私はこの時、すごく怖く感じた。

その日は学院長以外の来客はなかったけど、とても疲れた1日だった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

場所…エレナ学院

 

ラーフ「お帰りなさいませ。レヴィ学院長」

レヴィ「ラーフ」

ラーフ「はい。何でしょうか」

レヴィ「明日、また魔女さんの家に行きます」

ラーフ「!」

レヴィ「今日はどこかへ出かけてるそうです」

ラーフ「そうですか。分かりました」

レヴィ「あと…」

ラーフ「?」

レヴィ「今後は私一人で魔女さんの家に行きます」

ラーフ「?」

ラーフ「それは存じていますが」

レヴィ「…今日、護衛の人がついてきてましたね」

ラーフ「!」

レヴィ「光属性魔法を使う人は共通して周囲の探知能力を持っています。私はあの時、周囲から人の気配を感じ取りました」

ラーフ「!」

レヴィ「ラーフ。あなたが行かせたんですよね?」

ラーフ「…はい」

レヴィ「何故ですか?大丈夫と言ったじゃありませんか」

ラーフ「ですが、やはり心配になります…せめて護衛の人たちを」

レヴィ「大丈夫です」

ラーフ「…」

レヴィ「明日は私一人で行きます。護衛の人も必要ありません」

ラーフ「…分かりました」

レヴィ (…あの時、あの子は怯えていた。私に向けた怯えではなかった。恐らく周囲の人間の気配を感じたのだろう。ずっと目がキョロキョロと動いていた。周囲を警戒していたのだろう…。怖かっただろうな…。次は私一人で…そうすればいくらか心を開いてくれるだろうか…)

 

 

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場所…???

 

???「…久しぶりですね」

魔女さん「はい。お久しぶりです」

???「何十年ぶりでしょうか。君の姿を見るのは」

魔女さん「…そうですね」

???「それで、私に会いに来たのは何か理由があったからですよね?」

魔女さん「…はい」

???「話してみなさい。弟子の話を聞くのも私の役目ですから」

魔女さん「はい。実は…エレナ学院から入学希望届という手紙を受け取りました」

???「!?」




〜物語メモ〜


レヴィ学院長
エレナ学院の学院長。
魔女さんを姉と慕っている人物。
魔女さんとリールが外で魔法を使っているのを目撃した。
一人称は私。



ラーフ
レヴィ学院長の補佐をしている人物。
レヴィ学院長がいない間の学院の管理を任されている人物。
レヴィ学院長からの信頼は厚い。
一人称は私。

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