私の名前はリール。
今深淵にいます。
私とエレナさんは禍異者と対峙しています。
禍異者はすごい魔力を持っていてどの攻撃も威力が高いです。
エレナさんは禍異者の攻撃で怪我をして動けなくなっていたんですが、不思議なことにその時から私の記憶が無いんです。
私が気づいた時には禍異者は大声を上げて空を飛んでいたんです。
一体なぜそうなっていたのか記憶が無い時に何かあったのかと色々と気になることがあります。
ですが今は禍異者をやっつけるために箒に乗って戦うつもりです。
箒に乗っていると魔力が吸い取られるそうなんですが、地上で戦うよりも良いとエレナさんが言っていました。
何やら第2形態みたいな感じになってますが、スカーレットやアンナのいる世界にドレインを出現させないようにするために頑張ります。
エレナ「…行くわよリール…第2ラウンドよ!!」
トンッ…ヒュゥゥゥゥゥ!
エレナとリールは箒に乗って空を飛んだ。
禍異者「キャアアアアアアアア!!」
ブゥゥゥゥゥゥン…
禍異者が咆哮すると背中の突起が紫色に光った。
エレナ「リール!攻撃が来るわ!回避して!」
リール「はい!」
ドゴォォォォォォォォン!!
すると禍異者の背中から無数のレーザーが放たれた。
ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!
そのレーザーは壁に当たったり床に当たったりと縦横無尽に暴れ回る。
リール「わっわわっ!」
リールは必死で逃げていた。
エレナ「あいつ…」
エレナもリールと同じように回避するのに全力を注いでいた。
禍異者「キャアアアアアアアア!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
禍異者が口を開けて魔力を溜め始めた。
エレナ「リール!大きいのが来るわよ!!」
リール「!?」
バゴォォォォォォン!
エレナがそう言った瞬間に禍異者の口からレーザーが放たれた。リールは何とかその攻撃を回避することができた。
リール「ひぇぇ…」
エレナ「っ!」
ビュン!
エレナは禍異者に近づいた。
エレナ「
バババババババババババ!!
エレナは魔法を放ち始めた。
リール「わ、私も!」
リールも攻撃に参加することにした。
リール「はぁっ!
バァン!バァン!バァン!バァン!
リールはエレナほど連射できないが、それでもなるべく速く撃った。
ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!
エレナとリールの魔法はしっかりと禍異者に当たった。
禍異者「キャアアアアアアアア!!」
ビュン!
禍異者は一瞬にしてその場から消えた。
リール「えっ!」
エレナ「リール!!後ろ!!」
リール「!?」
禍異者「キャアアアアアアアア!!」
ドシン!!
リールの後ろに回り込んでいた禍異者は自分の腕を振り下ろした。
リール「ぐぁっ…」
ヒュゥゥゥゥゥ!!
その攻撃はリールに命中し、リールは吹き飛ばされてしまった。
エレナ「リール!!」
ビュン!
エレナ「!?」
エレナがリールの事を気にしている時に禍異者がエレナに接近した。
エレナ「しまっ…」
ドゴォン!
エレナはそのまま何も出来ずに禍異者の攻撃を受けてしまった。
ヒュゥゥゥゥゥ!!ドゴォン!!
エレナもリールと同じように攻撃を受けてしまい、地面に叩きつけられた。
リール「ぅっ…ぐっ…」
エレナ「この…」
2人はなんとか立ち上がった。
禍異者「キャアアアアアアアア!!」
禍異者は咆哮した。
エレナ (このままじゃ負ける…今度こそは…)
リール (どうにかしないと…この状況を打破できる何かが…)
禍異者「キャアアアアアアアア!!」
すると禍異者の背中の突起が紫色に光った。
エレナ「っ! あれは…」
エレナはそれを視認することができた。
エレナ「リール!今すぐここから離れるわよ!」
リール「え、あ、はい!」
ヒュゥゥゥゥゥ!
エレナとリールは箒に乗ってその場から離れた。
禍異者「ガァァァァァァァァァ!!」
バゴォォォォォォン!
禍異者は口に魔力を溜めてレーザーとして解き放った。
バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!
すると地面が崩れ落ちてしまった。
リール「ひぇぇ…」
エレナ「全く…魔力だけ見たら一級品ね」
禍異者「グルルルルルル…」
エレナとリールは禍異者と睨み合う。
エレナ「
バババババババババババ!!
すると最初に動いたのはエレナだった。エレナは先程とは比べ物にないくらいに沢山の弾型の魔法を放った。
禍異者「ガァァァァァァァァァ!!」
キィン!!キィン!!キィン!!キィン!!
だがその魔法は全く届かなかった。
エレナ「な…」
リール「え、あれって…結界?」
禍異者「グルルルルルル…」
禍異者は結界を展開してエレナの魔法を防いだ。
エレナ「全く…ほんとに厄介。しかもあれ光属性魔法しか通さないやつでしょ。私じゃどうにもならないじゃない」
リール「では私が…」
禍異者「ガァァァァァァ!!」
リール「!!」
ギュォォォォォォォ!!
禍異者は魔力を溜め始めた。
エレナ「…リール。よく聞いて」
リール「はい!」
エレナ「今まで攻撃してきて分かったけどあいつの攻撃は全部攻撃までにラグが生じているわ」
リール「ラ、ラグ?」
エレナ「つまりね、攻撃するまで時間がかかるからその間は完全に無防備なのよ。だからそれを狙えば…」
リール「分かりました!やってみます!」
エレナ「…できるわね」
リール「はい!やってみます!」
スッ!
リールは杖を構えた。
エレナ「私が引きつけるわ。あなたは魔力を溜めなさい」
リール「はい!」
シュゥゥゥゥゥゥゥ!!
リールは魔力を溜め始めた。
エレナ「さぁ、しばらく私と遊びなさい」
ビュン!
エレナは箒に乗って禍異者の背後に回った。
エレナ「
バババババババババババ!!
エレナはたくさんの魔法を放った。
キン!キン!キン!キン!
だが禍異者が展開した結界によって攻撃は弾かれてしまった。
エレナ「っ…やっぱり打つ手無しね…」
禍異者「ガァァァァァァァァァァァ!!」
禍異者はエレナの方を振り返った。
エレナ「リール!!今よ!!」
リール「はい!」
シュゥゥゥゥゥゥゥ!!
リールの魔力が膨張した。
リール「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
リールは禍異者に杖を向けた。
リール「
ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!
リールは普段よりもたくさんの魔法を放った。
バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!
リールの魔法は禍異者の結界に見事命中した。
ピシッ…パキッ…パキッ…
禍異者の結界にヒビが入った。
リール「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
バゴォン!バゴォン!バゴォン!バリィン!!
とうとう禍異者の結界が完全に破壊された。
禍異者「キャアアアアアアアア!!」
禍異者は結界が割れた衝撃でダメージを負った。
リール「やった!!」
禍異者「ガァァァァァァァァァァァ!!」
ギュォォォォォォォ!!
リール「!?」
リールが喜んでいると禍異者がリールの方を振り返り、魔力を溜め始めた。
エレナ「リール!!」
リール「!!」
禍異者「ガァッ!!」
バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!
禍異者は溜めた魔力を放とうとしたが横から攻撃を受けてしまった。
バゴォォォォォォン!
すると禍異者の魔力が爆発した。
禍異者「キャアアアアアアアア!!」
禍異者の魔力が爆発したことで禍異者は口に大きなダメージを負った。
禍異者「ガッ…ガガッ…」
禍異者は口を大きく開けたまま閉じなかった。
リール「エレナさん…」
ヒュゥゥゥゥゥ…スタッ!
箒に乗っていたエレナが降りてきた。
エレナ「大丈夫!?リール!」
リール「はい!大丈夫です!」
エレナ「攻撃が間に合って良かったわ…」
リール「ありがとうございます!」
禍異者「ガァァァァァァァァァァァ!!」
禍異者は大きな声を上げた。
リール「っ!」
エレナ「…あれはもうダメね」
リール「ダメ…とは」
エレナ「口が閉じなくなってるから魔力が分散してるわ。あれだといくら魔力を溜めても威力の低い魔法になるわ」
リール「へ、へぇ…」
禍異者「ガァァァァァァァァァァァ!!」
ドシン!!ドシン!!
禍異者は大きすぎるダメージに悶えていた。まだ飛行できるくらいの体力はあるが、飛ぶだけで精一杯なくらいだった。そのため、近くの壁に何度も激突していた。
エレナ「…空を飛ぶのもやっとなくらいね」
リール「は…はい…そうですね…」
ドサッ…
リールは膝を着いた。
エレナ「リール!」
リール「エレナさん…魔力が…」
エレナ「!!」
リールはエレナと同じように箒に乗っていたため、魔力の消費が激しかった。もちろんエレナも箒に乗っていたが、エレナの魔力の保有量はリールより少し多いため、まだ大丈夫だった。
エレナ (明らかに進行が早い…何故…)
エレナは魔力の消費の激しさに疑問を抱いていた。
エレナ (いくらなんでも早すぎる。リールの魔力は私と同じくらい…だけど…)
リール「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
リールはどんどん体力を奪われていた。
エレナ「リール。大丈夫?」
リール「すみませんエレナさん…少し…頭がボーッとします…」
エレナ「!!」
エレナはこの時、ある事を思い出した。
エレナ (…まさか…)
エレナは最初にここに来た時も同じような症状に侵されていた。頭に酸素が回らず、意識が薄れていくような感覚。今のリールにも同じような事が起きていた。
エレナ (なんとかしないと…でもここじゃ酸素が…)
禍異者「ガァァァァァァァァァァァ!!」
エレナ「!?」
すると禍異者が口から魔力を放とうとした。
エレナ「まさかあれを撃つ気?でもあいつの魔力は分散して…」
禍異者「ガァァァァァァ!」
確かに禍異者の魔力は分散しているが、何故か少しずつ魔力が膨張をし始めた。
エレナ (おかしい…何故…)
リール「エ…レナ…さ…」
エレナ「!」
リールの目が段々と閉じてきた。
エレナ「リール!!」
リール「ご…め…」
そうして完全にリールの目が閉じてしまった。
エレナ「リール!!リール!!」
エレナは何度も名前を呼んだ。だがリールの目が開くことはなかった。
エレナ「リール…」
禍異者「ガァァァァァァァァァァァ!!」
ギュォォォォォォォ!!
禍異者は無慈悲にも魔力を溜めていた。
エレナ「…こうなったら」
ジリッ…
エレナはゆっくりと立ち上がった。
エレナ「…リール。私こそ謝らなければならないわ」
クルッ…
エレナは禍異者の方を振り向いた。
エレナ「あなたをお母さんに会わせてあげると言っておきながらその約束を果たせなかった。…これは私のせい」
スタスタスタ
エレナは禍異者の方へ歩き始めた。
エレナ「…あなたを生かすのが私の役目。あなたをお母さんに会わせるのが私との約束。…だから」
ザッ…
エレナは立ち止まった。
ブゥン…ブゥン…ブゥン…ブゥン…
するとエレナの周囲に魔法陣が複数展開された。
エレナ「…私の最後の魔法。あなたに全部あげる。これまで私が研究してきた正真正銘最後の魔法」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
エレナの周囲に展開された複数の魔法陣が共鳴し始めた。
エレナ「…ラストオーダー」
キィン!!キィン!!キィン!!キィン!!
すると周囲の魔法陣が光り出した。
エレナ「
ビリビリビリビリ!!
周囲の魔法陣が各属性魔法の色に変色し、魔力を溜め始めた。
エレナ「…リノ、リーナ、あなたたち…ごめんね。私の勝手でこんな魔法使っちゃって。…でもこれしかないわ。こいつを葬るくらいしないとこの戦いは終わらないわ」
エレナの頭にはリノや魔女さん、エレナの本体ともう1人の分身が浮かんでいた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
魔力の膨張が最終域まで達した。
エレナ「…最後まで身勝手な私でごめんなさいね」
禍異者「ガァァァァァァァァァァァ!!」
バゴォォォォォォン!
禍異者は溜めた魔力を放った。
エレナ「…チェックメイト」
ビリビリ!!バゴォォォォォォン!
エレナも溜めた魔力を放った。
ビリビリビリビリビリビリ!!
両者の魔力がぶつかり合う。
エレナ「…リール。あとは任せるわね」
キィン!!ドゴォォォォォォォォン!!
両者の魔力がぶつかり合い、大爆発を起こした。
エレナ「っ…」
ドサッ…
エレナはその場に倒れてしまった。
禍異者「ギャアアアアアアアアアア!!」
禍異者はエレナの魔力を相殺したかに思えたが、実際にはエレナの魔力の方が上回っており、禍異者はエレナの魔力を受けてしまった。そのせいで禍異者は体の大半を失い、顔も半分削れていた。
ドシン!!ドシン!!
禍異者はあまりに大きすぎるダメージに戸惑っており、壁に何度も激突していた。
禍異者「キャアアアアアアアア!!」
ズォッ!!
すると禍異者の体が崩れ始めた。
禍異者「アァァァァァァァァァァ!!」
禍異者は失っていく体をどうにかしようと奮闘した。だが無慈悲にも体の消失は抑えられなかった。
禍異者「アァァァァァァァァァァ!!」
シュゥゥゥゥゥゥゥ…
すると禍異者の体は完全に消失した。
リール「っ!!」
その時丁度リールは目を覚ました。
リール「あれ…私…」
リールは周囲を見渡した。
リール「!!」
リールは倒れているエレナを見つけた。
リール「エレナさん!!」
タッタッタッ!!
リールはエレナの方へ走った。
リール「エレナさん!!エレナさん!!」
エレナの所へ着いたリールはエレナを起こそうとした。しかしエレナは一向に起きなかった。
リール「どうして…エレナさん…」
エレナ「…」
エレナは全く顔の表情を変えなかった。
リール「エレナさん…」
コツ…コツ…コツ…コツ…
リール「!」
リールは誰かの足音を聞いた。
リール「…魔女さん」
魔女さん「…」
その足音の正体は魔女さんだった。魔女さんは悲しそうな表情を浮かべていた。
リール「魔女さん…エレナさんが…エレナさんが…」
魔女さん「…」
リール「ど…どうすればいいですか…どうすればエレナさんを元に戻せますか」
魔女さん「…」
リール「答えてください魔女さん…」
魔女さん「…」
リール「答えてください!!」
リールは大声で言った。
魔女さん「…」
だが魔女さんは何も言わなかった。
リール「なんで…何も言わないんですか…魔女さん…」
魔女さん「…」
リール「どうしてですか!!」
リールはまた大声で言った。
魔女さん「…」
しかし魔女さんは更に無言を貫いた。
リール「ぐっ…うぅぅぅ…」
リールは涙を流した。
魔女さん「!」
リール「ごめん…なさい…私がもっとしっかりしていれば…」
魔女さん「…」
リール「ごめんなさい…エレナさん…」
ポンッ…
突然リールの頭に何かの感触があった。
リール「…っ?」
魔女さん「…」
それは魔女さんがリールの頭を撫でていたのだった。
リール「魔女…さん…?」
魔女さん「…リール」
リール「はい…」
魔女さん「…まだ魔力はありますよ」
リール「!!」
魔女さん「ただ消費が激しすぎて意識が薄くなっているだけです。魔力を注げば元に戻りますが、それだとこの人が成し遂げたかったことを遮ってしまいます」
リール「え…それは…どういう…」
魔女さん「その人の手を見てください」
そう言って魔女さんはエレナの手を指さした。
リール「!」
そこには光を帯びた小さな粒がエレナの手の中に握られていた。
魔女さん「これは魔粒子。魔力を極限まで小さくしたものです。普段は更に小さいのでほぼ目に見えないんですが、それが目に映る上にここまで大きいものです。あなたのために残していたと思いますよ」
リール「私の…ために…」
魔女さん「この人はあなたに託すためにそうしたと思いますよ。…受け取ってあげてください」
リール「…」
リールは魔粒子に触れてみた。
シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!
すると魔粒子が弾けた。更に小さな魔粒子に分裂し、リールの体に入っていった。
リール「え…これは…」
その瞬間リールの頭にたくさんの知識や情景が映し出された。
リール「風景…魔法…魔導書まで…」
その映像は少しして途切れた。
リール「あれ…見れなくなった」
魔女さん「…シンクロしたようですね」
リール「シンクロ…?」
魔女さん「先程の魔法をあなたも使えるようになりましたよ。リール」
リール「先程の魔法…?」
魔女さん「はい。あの魔法であれば国を同時に4つ消し飛ばせると思いますよ」
リール「え!4つ…」
魔女さん「…でも今回はそのお陰で禍異者は葬られましたよ。今は大獄炎にいるのではないでしょうか」
リール「大獄炎…」
魔女さん「…さてリール。あとはドレインを全て潰すだ…」
???「あらぁ、どこ行く気ですか?リーナ」
魔女さん「っ!!」
リール「!?」
魔女さんとリールは突然現れた膨大すぎる魔力に驚きを隠せなかった。
???「折角何度も来てくれるのにしてくれることと言えばお話を聞くだけ。それだとつまらないですよ。今度は私と遊びませんか?リーナ」
魔女さん「…」
魔女さんは突然現れた女性を見て震えていた。
リール (魔女さんが震えてる…それにあの隣の人は誰でしょうか)
???「フフフッ…」
その人は不敵な笑みを浮かべていた。
魔女さん「リール」
リール「はい」
魔女さん「…下がって」
リール「え…」
魔女さん「早く」
リール「は、はい…」
スタスタスタ
リールは少し場所を離れた。
???「久しぶりですね。こうやって顔を合わせるのは」
魔女さん「…久しぶりじゃないですよ。あれからずっと顔を合わせてますよ。あなたは分からないかと思いますが」
???「あ、そうでしたね。ですがあなたが見ていたのは本来の私ではないでしょう?」
魔女さん「…」
???「禍異者に取り込まれた私。異形な私ですよ」
魔女さん「…そうですね」
???「でも今は本物の私ですよ。嘘偽りのない純粋な私。あの時のリノですよ」
魔女さん「…」
リール「え…リノ…」
その女性の名前はリノ。リールの母親で禍異者によって取り込まれていた人物。過去には最後の光属性魔法の適性者とまで言われていた。
リノ「…フフッ。ねぇリーナ。久しぶりに対決してみませんか?」
魔女さん「対決…」
リノ「そうです。前にもやりましたよね?エレナと3人で魔法の対決。あれやってみませんか?いつも通りどんな魔法を使ってもいいので」
魔女さん「…残念ね。エレナはここにはいないですよ」
リノ「あれ、ではあそこで寝ているのは?」
魔女さん「あれは彼女の分身ですよ」
リノ「分身…ということは私たちはまだ禁忌の軛から逃れられていないと…」
魔女さん「…そうですよ」
リノ「…そうですか。でもいいです。今ここにリーナがいるのでしたら2人でやりましょう。昔みたいに」
魔女さん「…」
リノ「あとそれと1つ気になってるんですが。その女の子は誰ですか?」
魔女さん「!」
リノはリールを指さして聞いた。
リノ「私と同じ気配を感じますね」
魔女さんはこの時少し怒りが出てきていた。
魔女さん「…あなた、分からないんですか」
リノ「?」
魔女さん「…あなたがお腹を痛めて産んだ子なんですよ。母親であるあなたがその言葉を口にしますか」
リノ「あ、私の娘なんですね。どうりで似ているわけです」
魔女さん「…あなた、本当にリノですか」
リノ「はい。そうですが」
魔女さん「…次元魔法」
リノ「?」
魔女さん「あなたが使える次元魔法は第何次元魔法ですか」
リノ「次元魔法?」
魔女さん「…」
リノ「よく分からないですが、第1次元魔法なのでは?」
魔女さん「…」
魔女さんはその答えに確信を持った。
魔女さん「…あなた、リノではないですね。誰ですか」
リノ「?」
魔女さん「リノの使う次元魔法は第1次元魔法ではありませんよ」
リノ「!」
魔女さん「…これでようやくリノじゃないと分かりました。…まだ生きてますね。禍異者が」
リノ「…フフッ…こんな形で本人か偽物かを確認するなんて、嫌な人」
ゴウン…シュゥゥゥゥゥゥゥ!!
リノは突然黒い瘴気に包まれた。
???「これだと私が完全に不利じゃないですか」
ヒュゥゥゥゥゥ…
やがて黒い瘴気が晴れた。
禍異者「…でも、この人の友人故に分かる質問でしたね。狂気の魔女 リーナさん」
リール「!」
その人は姿を現した。さっきの人とあまり見た目は変わらないが、角が生えたり体にいくつかの紋章が刻まれていた。
禍異者「…さて、私の外殻が全て消えちゃいましたので、ここからは私本人が戦いましょうか」
魔女さん「…」
禍異者「杖を構えてください。今から殺し合いを始めますよ」
〜物語メモ〜
極大魔力消滅魔法
(マギ・オートマタ・ソル・ディメンション)
エレナが使った魔法。エレナの中にある最大魔力を全て魔法に変換して解き放つ。威力はエレナの魔法の中で最も強く、放てば国を4つ同時に消し飛ばすことができる。この魔法は全属性魔法を使って行われるため、光属性魔法以外を吸収するドレインや禍異者にも大ダメージを与えることができる。今回は光属性魔法のみのダメージとなったが、それでも禍異者を消し去ることができる程の威力を持つ。
魔粒子
魔力を極限まで小さくしたもの。こうすることで自身の魔力を誰かに分け与えることができる。その際にその人が経験した魔法や見た情景、読んだ魔導書など、その人に関わる記憶も全て引き継がれる。そのため、魔法の使い方やメリット、デメリットなどは全て頭に入っている状態になる。普段は小さすぎて見えないくらいだが、エレナはリールに持たせる分全てを分け与えるため、目に見える上に魔粒子の大きさも通常よりも何倍もの大きさになっていた。