私、魔女さんに拾われました。   作:バスタオル

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第66話 リノと魔女さんの衝突

私の名前はリール。

今深淵にいます。

私は今、地面に寝込んでいます。

魔女さんが寝かせてくれました。

その後魔女さんは禍異者をやっつけに行くと言ってすぐに飛びました。

私は魔女さんを止めることができず、そのままになりました。

…今は何とか魔力を回復させているところです。

私も魔力を回復させたら向かうつもりです。

それまで魔女さんは大丈夫でしょうか。

魔女さんはずっと戦っています。

いくら魔力が多い人でもあれだけ戦ってたら流石に魔力が少なくなります。

ですので早く回復して早く加勢しに行きたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リノ「…リーナ」

魔女さん「!」

リノ「…私と…殺し合いましょう」

魔女さん「っ…」

 

ヒュォォォォォォ…

目の前にいるのはかつての魔女さんの友人 リノだった。リノは悲しげな表情を浮かべ、魔女さんに話をした。

 

魔女さん「…私が戦いたいのはあなたじゃない。あなたに取り憑いている禍異者です」

リノ「禍異者…?それは一体何?」

魔女さん「!」

 

魔女さんは不思議だった。たった今リノの体に入ったにもかかわらずリノがそれを知らなかった。

 

リノ「ねぇリーナ。禍異者って何?」

魔女さん「何って…あなたに取り憑いてい…」

 

ピュン!!

魔女さんが話をしていると突然攻撃が飛んできた。

 

魔女さん「!!」

 

魔女さんは避けられなかった。だがダメージはなかった。

 

魔女さん「な…」

リノ「…分かってるよ。全部分かってる。あなたが言いたいこと、あなたが考えてること、あなたがやりたいこと。全て分かる」

 

リノは突然変なことを言い始めた。

 

リノ「何でも分かるの。リーナが今から何をしようとしているのか全部分かる。私を殺したいんでしょう?私を押さえつけたいんでしょう?私を亡き者にしたいんでしょう?」

魔女さん「違う!!私はあなたを助けたいの!」

リノ「嘘つかないでよ」

 

ヒュォォォォォォ…

一気に空気が変わった。

 

リノ「私の耳に聞こえてくるの。殺してやる殺してやるってね。それもあなたの声で」

魔女さん「!」

リノ「あぁ…私って必要ないんだなって思う。折角今までこの世界を守るために力を使ってきたのに…もう…必要なくなった…」

魔女さん「…あなたは必要よ。まだやることがあるわ」

リノ「あらそう。でももういいのよ。私はもうこの世界にうんざりしてたから」

 

スッ…

リノは掌を上に向けた。

 

リノ「ねぇリーナ」

魔女さん「…」

リノ「…私を殺さないとこの世界…滅んじゃうよ」

 

ゴゥン…

するとリノの掌に透明な丸い空間ができた。

 

魔女さん「!!」

リノ「ねぇ…リーナ。早く殺さないと…ねぇ、早く」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると掌の透明な丸い空間が徐々に大きくなってきた。

 

リノ「そう言えば少し前に私にどの次元魔法を使ってるのかって聞いてたよね」

魔女さん「!」

リノ「教えてあげる。その答えは…」

 

リノは掌の空間を徐々に大きくしていった。

 

リノ「第三次元魔法。空間を作り出す次元魔法よ」

魔女さん「!!」

 

魔女さんはその答えで確信した。

 

魔女さん「…あなた、本当にリノなのね」

リノ「うん。そうだよ。どうするリーナ。私を殺す?それとも…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

リノの掌にある透明な丸い空間が更に大きくなった。

 

リノ「私と一緒に生きてこの世界を壊す?」

魔女さん「!!」

 

ジジジ…バリバリバリ!!

その透明な空間に徐々に色が現れ始めた。

 

リノ「あなたも知ってるでしょ?私の次元魔法。この透明な空間に色がついて弾けた瞬間、また新たにこの場に空間が形成される。空間に空間を上書きするから前にあった空間はその場で消滅。そして、新たに作られたこの空間こそがこの場に存在する」

魔女さん「…」

リノ「…私がドレインを封印する時も使った」

魔女さん「!」

リノ「…あの時はあれしかなかった。だから私は咄嗟に次元魔法を発動してこの深淵という世界を作った。だからあなた方の世界に影響した」

魔女さん「…」

リノ「あまり気にならなかった?あなたなら分かったと思うんだけど…」

魔女さん「…何の話ですか」

リノ「…あなたの杖と他人の杖を見比べたことはある?」

魔女さん「…ないわ」

リノ「…そう。分かった。あなたと他人の違いはね、次元の歪みがあるかどうかなの」

魔女さん「歪み?」

リノ「そう。歪み。あなたはちゃんとした世界にいるけど他の人は違う。他の人はね、自分たちでは分からないけど、私から見たら極度に歪んだ世界に存在している。だから杖とか箒とかも全て歪んだものになっている。見たことない?」

魔女さん「…ないわね」

リノ「…あらそう。あまり外界と接触しなかったのね。リーナは」

 

バチバチバチバチ!!

すると透明な丸い空間が完全に色に染った。

 

リノ「…さぁ、見ててリーナ。新しい空間の誕生ですよ!!」

 

バチバチバチバチ!!

するとその空間が宙を浮き、今にも弾けそうになっていた。

 

魔女さん「くっ…」

 

魔女さんはその空間を破壊しようとした。

 

リノ「無理ですよリーナ。これは無属性魔法でどの属性魔法も弱点にはならない。つまり、壊せないんですよ」

魔女さん「っ…」

 

魔女さんは手詰まりだった。

 

リノ「今度はどんな空間でしょうか。みんなが楽しく暮らせる空間でしょうか。それとも…人が人を殺し合う殺伐とした空間でしょうか!」

 

ブクブクブクブク!!

その空間がグニャグニャと形を変え始めた。

 

リノ「さぁ!生まれてきてください!新たなる空間!」

 

ブチャッ!!

すると突然その空間が消えた。

 

魔女さん「!?」

リノ「…え、私の…空間は?」

 

リノは少し驚いていた。

 

リノ「え、なんで…なんで生まれないの…?」

魔女さん「!!」

 

魔女さんはある人の気配を感じた。

 

魔女さん (この気配…まさか…)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…???

 

グラム「あらあら、簡単に弾けましたか。随分脆い空間でしたね」

 

リノの空間を破壊したのは魔女さんのお師匠様であるグラムだった。

 

グラム「 "オリジナル" である私の前でその魔法が通用するとでも思っているんですか?ねぇ、禍異者さん」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…魔女さんとリノがいる場所

 

魔女さん (やっぱり…お師匠様…)

リノ「なんで!なんで私の!!」

魔女さん「リノ」

リノ「!」

 

魔女さんはリノに優しく声をかけた。

 

魔女さん「…もう、やめましょ。この世界を壊されるのは私も困るわ。あなたとの思い出があるこの世界を」

リノ「!」

魔女さん「だからお願い。やめて」

リノ「…」

 

リノは下を向いた。そして、拳を握って言葉を放った。

 

リノ「…誰も感謝してくれないこの世界が!!私は大っ嫌いです!!」

 

バゴォォォォォォン!!

リノは突然魔力を上昇させた。

 

魔女さん「!?」

リノ「あぁ…痛い…痛い…痛い!」

 

ヒュォォォォォォ!

リノの周囲に空間が形成された。

 

魔女さん「!?」

リノ「助けて…」

魔女さん「!」

 

魔女さんはリノの声が聞こえた気がした。

 

魔女さん「リノ?」

リノ「ねぇ…リーナ。私を…助けて…本当はこんなことしたくない…壊したくない…お願い助けて…私を…」

 

ジジジ…バリバリバリバリバリ!!

魔女さんはその声を聞いて途端に魔力が上昇した。

 

魔女さん「…やっと声が聞けた。あなたの声が…リノ」

リノ「リーナ…」

 

ザッザッザッ…

魔女さんはリノに近づいた。

 

魔女さん「待っててリノ。今すぐあなたに取り憑いているそいつを…引き剥がしてあげるから」

 

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バゴォォォォォォン!!

周囲に爆音が響き渡る。

 

魔女さん「全属性の弾丸(エレメント・ラプソディ)!」

 

ドドドドドドドドドドドド!!

魔女さんは多数の魔法の弾丸を撃ちまくる。

 

リノ「あっははは!!」

 

リノはその攻撃を避ける。

 

魔女さん「全属性の暴走(エレメント・ノディア)!」

 

バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!

魔女さんは更に魔法を重ねる。

 

リノ「効かないよリーナ!!ちゃんと当ててみて!」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!

リノは華麗に魔法を避けていく。

 

魔女さん「全属性の水流(エレメント・ウォーリア)!」

 

ザバァァァァン!!

魔女さんは水を使ってリノを捉えた。

 

魔女さん「全属性の凍結(エレメント・コキュートス)!」

 

パキパキパキ…ガキン!!

魔女さんは水で捉えたリノを氷漬けにした。

 

リノ「!!」

魔女さん「…」

 

魔女さんはその後様子を見た。

 

ピシッ!

突然氷にヒビが入った。

 

魔女さん「…やっぱりダメですか。この程度の魔力では」

 

ピシッ!パキッ!パキッ!パキッ!

どんどんヒビが増えてくる。

 

魔女さん「全属性の(エレメント)…」

 

ドゴォン!ガラン!ガラン!ガラン!

崩れた氷が地面に落ちた。

 

リノ「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

魔女さん「轟雷(トール)!!」

 

バリバリバリバリバリバリ!!

魔女さんはリノが氷から出てきたと同時に魔法を使った。

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

魔女さんの雷は全部リノに命中した。

 

魔女さん「っ!!」

 

だが、実際には当たっているように見えていた。

 

リノ「…ふふっ。ダメだよリーナ。私の次元魔法は第三。空間を作り出す魔法だよ。あなたの魔法が私に飛んできても私に当たる直前に空間を展開することが出来ればあなたの魔法は私の作った空間を飛び回る。つまり、私には当たらない」

魔女さん「…」

リノ「いくよリーナ。私の力 見せてあげる!」

 

バッ!

リノは両腕を横に広げた。

 

リノ「刻運命の粉(オート・エヴァ・リリアメント)!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!!

するとリノの胸元が光った。

 

魔女さん「あれは…まさか…」

 

リノの胸元で光っていたのはリールが持っている刻運命の粉と全く同じものだった。

 

リノ「私が作った刻運命の粉よ。私の思うがままの願いが叶う」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

刻運命の粉が強く光った。

 

リノ「さぁ!私に癒しを!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ!

すると、リノの周囲に緑色の光の筋が現れ、リノの傷を癒した。

 

リノ「っはぁ…これでまた戦える…」

魔女さん「嘘でしょ…」

 

魔女さんは絶句した。せっかく体力を削ったのに全て無かったことにされた。

 

リノ「ねぇリーナ。私がなんでドレインの器になったか知ってる?」

魔女さん「…知らないですよ」

リノ「それはね…」

 

リノは魔女さんの目を見て言った。

 

リノ「私が無尽蔵の魔力を持っているからよ」

魔女さん「!?」

リノ「光弾(ライト・バレット)!」

 

ババババババババババババ!

リノは突然攻撃してきた。

 

魔女さん「はぁっ!!」

 

キィン!!

魔女さんは咄嗟に闇属性の結界を作った。

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

魔女さんは結界によって守られた。

 

魔女さん「っ…」

 

ピシッ!

しかし、いくら魔女さんの結界であっても無尽蔵な魔力を持っているリノの魔法を防ぎきることはできなかった。

 

魔女さん「この…ままじゃ…」

 

ピシッ!パリンッ!!

すると突然魔女さんの結界が砕けた。

 

魔女さん「!?」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

魔女さんはリノの魔法を全て受けてしまった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…リールが寝ている場所

 

リール「っ…」

 

さっきまで寝ていたリールが突然目を覚ました。

 

リール「あれ…私…何を…」

 

リールは何とか思い出そうとした。

 

リール「あ…魔女さん…魔女さん…」

 

リールは思い出したのか、立ち上がって魔女さんの所へ向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…リノと魔女さんがいる場所

 

リール「!!」

 

リールがリノと魔女さんがいるところに着いた。だが、そこにはある光景が広がっていた。

 

リール「え…魔女…さん…」

魔女さん「…」

 

そこには血だらけの魔女さんと魔女さんの周囲には血痕があった。

 

リノ「…あら?あなたも魔女かしら?」

リール「!」

 

リールは初めてリノと目を合わせた。

 

リノ「まだいたなんてね。あなたも私と戦う?」

リール「魔女…さん…」

 

ザッ…ザッ…ザッ…

リールは一歩ずつ魔女さんに近づいた。

 

リノ「…」

 

リノはその間何もしなかった。

 

リール「魔女…さん…」

 

スッ…

リールは魔女さんの背中に触れた。

 

リール「魔女…さん…あの…魔女…さん…」

 

ユサユサ…ユサユサ…

リールは魔女さんの体を揺すった。だが魔女さんが返事をすることはなかった。

 

リノ「大丈夫よ?私たちは死なない。死ねない呪いにかかってるの。だからまだ死んでない。私たちはいくらでも殺し合いができるのよ」

リール「!!」

 

リールはプチッと何かが切れる感じがした。

 

リール「…だからなんですか」

リノ「ん?」

リール「死ねない呪い?そんなの知りませんよ。死ねないから何ですか?死ねないから相手を痛ぶると…それが許されるとでも?」

リノ「あなた 何言ってるの?」

リール「理解しなくてもいいですよ。生も死もないあなたに何がわかるんですか」

リノ「…」

リール「…私…本当に怒りました」

 

ジリッ…

リールは杖を構えた。

 

リール「…覚悟してください。命を粗末にするあなたをやっつけます」

リノ「…何言ってるのよ。あなたも同じじゃない。私を殺そうとしてる。あなたも命を粗末にしてるんじゃない?」

リール「…あなたと違って無闇に命を奪いませんよ。あなたと違って…ね」

 

ピュン!!ドゴォン!!

リノはリールに向かって魔法を放った。だが不思議なことにリールの体に当たったはずのリノの魔法がリールの体を貫通した。

 

リノ「!?」

リール「…」

 

リールはずっとリノを見ている。

 

リノ「あなた…何故…私の魔法が…」

リール「…知りませんよ。今から立てなくなるあなたに教えたところで何も変わりません」

リノ「っ!」

 

リノはリールの背後にいる気配に気づいた。

 

リノ (この気配…まさか…)

リール「覚悟してください。私は今からあなたを…」

 

ヒュッ!

リールはリノに杖を向けた。

 

リール「やっつけます」




〜物語メモ〜

第三次元魔法
11ある次元魔法のうちの3つ目の次元魔法。空間を自在に作り出すことができる。その空間は小さいものから大きいものまで様々。作られた空間がこの世に具現化すると、前に存在していた空間は消え、代わりに作り出された空間がその場に残る。その空間は魔法の軌道を変えることができる上、空間の中に魔法を閉じ込めることも出来る。かつてリノが生み出したこの深淵も元々なかった空間で、リノがドレインを封印するために個人的に作り出したもの。

全属性の水流(エレメント・ウォーリア)
全属性を全て水に変換して相手を押し流す魔法。全属性を水に変換するだけで、本質は各々の属性となっている。しかし、水属性魔法の要素を多く取り込むことで水属性と同じような効果を得ることができる。魔女さんは瞬時に全属性を水属性魔法に切り替えてリノを押し流した。

全属性の凍結(エレメント・コキュートス)
全属性を全て氷に変換して相手を凍らせる魔法。全属性の水流(エレメント・ウォーリア)と同様、全属性に氷属性魔法を多く取り入れることで氷属性としての効果を発揮する。今回はリノを拘束するために使われた。

全属性の轟雷(エレメント・トール)
全属性を全て雷に変換して相手を攻撃する魔法。全属性の水流(エレメント・ウォーリア)と同様、全属性に雷属性魔法を多く取り入れることで雷属性としての効果を発揮する。今回はリノが氷を破ったタイミングに合わせて放たれた。

刻運命の粉(オート・エヴァ・リリアメント)
リノが持つ刻運命の粉を使った魔法。自分の願いを叶えることができ、時には起こった事象を無かったことにすることができる。リノが持つ刻運命の粉が無くならない限りずっと効果は続き、リノが願えば無敵の防御を手に入れることも可能。

光弾(ライト・バレット)
リノが使った魔法。リノは元々光属性魔法の適性者で、この魔法はリノが一番最初に生み出した魔法。故にリノはこの魔法をよく理解している上、使いこなせるため、かなりの強敵となる。おまけに弾道速度が速い。
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