私、魔女さんに拾われました。   作:バスタオル

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第71話 リノと救世主

私の名前はリール。

今深淵にいます。

現在、グラムさんと戦っています。

グラムさんは道を外れた私だとレナさんから聞きました。

なので私自身と戦っていることになるのですが、どうにも勝てそうにありません。

加えて私であるはずなのに1度も光属性魔法を見ていません。

これは一体どういう事なのでしょうか。

本当にグラムさんは私なのでしょうか。

それとも私じゃない別の誰かなのでしょうか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所…深淵 戦地から離れた場所

 

エレナ「ねぇ、これを見て」

エレナ「何ですか?」

 

エレナ(本体)とエレナ(分身)もオードたちと一緒に深淵に来ていた。

 

ザッザッザッ…

エレナは指定された場所を見た。

 

エレナ「!!」

エレナ「…少し前に違和感があったのよ。何かが無くなるような感じがね」

エレナ「…私も感じました。…まさか、これだったとは…」

 

2人のエレナの前にあったのはリールをここへ連れてきた3人目のエレナだった。

 

エレナ「…まさか私の分身がやられるなんて…」

エレナ「本来私たちは本体であるあなたの半分の魔力で生成される。故に本体の半分の力でしか戦えない。でもあなたは違う。分裂の禁忌を持つあなたは本体と同等の力で分身を作ることが出来る。でもそれがやられてるってことは…」

エレナ「…私では勝てないということですね」

エレナ「…えぇ。そうね」

エレナ「私を倒すほどの魔力…一体誰が…」

 

アンナ「エレナさーん!」

 

アンナがエレナを見つけて走ってきた。

 

エレナ「あら、アンナさん。どうされましたか?」

アンナ「今リールがある人と戦ってるんですがそれよりもオード君たちが重傷で早く回復させて欲しいんです!!」

エレナ「なっ…あの子たちがやられたの…」

エレナ「何故でしょうか。私たちの力を分けているというのに…」

エレナ「まさか…それほどまでに敵が強いのか…」

エレナ「…行ってみましょう」

アンナ「はい!」

 

ビュン!

アンナとエレナたちはオードたちの所へ向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…リールがいるところ

 

リール「っ…っ…」

 

リールの体は限界だった。

 

グラム「さて、遺言を聞きたいところですが、生憎声は聞こえないので無言で死んでください」

リール「っ…」

 

リールはただ涙を流すしかできなかった。

 

グラム「さような…」

???「光の十字(グララマンダ)!!」

 

キィィィィィィィィン!!

誰かの声が聞こえた瞬間、十字の光が出現した。

 

バゴォォォォォォォン!!

グラムはその攻撃を防御できなかった。

 

グラム「っ!?」

 

ズサァァァァァァァァ!!

グラムは吹っ飛ばされたが何とか体勢を整えた。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

グラムの体から煙が出ていた。

 

グラム「これは…」

???「やぁ、リールさん。お久しぶりです。見ない間に随分と姿が変わりましたね」

グラム「…あなたは」

 

その声の主はエレナ学院のレヴィ学院長だった。

 

レヴィ「さて、これ以上好き勝手にはさせられませんね」

グラム「あなたが…どうすると?」

レヴィ「私が学院長に就任したのはね、あなたを探すためなんですよ。グラムさん」

グラム「…」

レヴィ「これまで起こったドレインの事件の数々…これ全てあなたの仕業ですよね」

リール「!?」

グラム「…」

レヴィ「ドレインについて調査していくと次第に分かってきたんですよ。あなたの目的もね」

グラム「…知ってどうすると?死ねば同じですよ」

レヴィ「死にませんよ。私はあなたを "元の時代に戻す" ためにここに来たのですから」

グラム「…」

リール「え…戻す…?」

レヴィ「私は相当手強いですよ。これでも魔女さんの2番弟子ですから」

グラム「…あなたは必要ありませんね。せっかくあの子を殺せたのに…邪魔をしないでください」

レヴィ「でしたら、いくらでも邪魔をしてあげますよ。グラムさん」

グラム「…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!

周囲に爆音が響き渡る。

 

レヴィ「はぁっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

レヴィ学院長は光の玉を飛ばした。

 

グラム「こんなもの…!」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!

グラムはその攻撃を避けた。

 

グラム「潰箱(カンデラ)!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン…

レヴィの周囲に透明な板状のものが現れた。

 

グラム「はぁっ!!」

レヴィ「神速(スザク)!」

 

ビュン!ドゴォォォォォォン!!

レヴィは四方を囲んでいた透明な板状のものから間一髪で脱出できた。

 

レヴィ「光の檻(ゲート・オフ)!」

 

ガシャン!!

グラムは光属性魔法の檻の中に閉じ込められた。

 

ヒュッ!

レヴィはすぐさま移動した。

 

グラム「これは…」

レヴィ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

レヴィは魔力を溜めた。

 

グラム「くっ…!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

グラムは魔法を放った。

 

ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!

しかしその魔法は光の檻から出られなかった。

 

グラム「!?」

レヴィ「浄化の光(サテライト・ミリアム)!!」

 

ドォォォォォォォォォン!!

レヴィは特大のレーザーを放った。

 

グラム「なっ!」

 

バゴォォォォォォォン!!

グラムはまともに魔法を受けてしまった。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

レヴィの手は焼け焦げたかのように煙が出ていた。

 

レヴィ「熱っ…やっぱりこの魔法は…」

 

ガシャン!!ガシャン!!

 

レヴィ「!!」

 

何やら柵を壊すような音が聞こえた。

 

ガシャン!!ガシャン!!ガシャン!!

音はさらに増幅する。

 

ガシャン!!ガシャン!!ガシャン!!ガシャン!!

加えて速度も速くなってきた。

 

ガシャン!!ガシャン!!ガシャン!!バキン!!

すると突然音が変わった。

 

カラン!カラン!カラン!カラン!

 

レヴィ「なっ…」

 

レヴィが地面を見ると、そこには光の檻(ゲート・オフ)の欠片が落ちていた。

 

レヴィ「まさか…あの檻を突破したのか…」

グラム「そうですよ」

レヴィ「!?」

 

グラムの声は真後ろから聞こえた。

 

レヴィ「くっ…!」

 

ドゴォォォォォォン!!

レヴィがその声に反応して振り向こうとした瞬間、グラムの手がレヴィのお腹に当たっており、その衝撃でレヴィは地面に叩きつけられた。

 

グラム「…」

 

パラパラパラパラ…

レヴィは何とか立ち上がった。

 

レヴィ「ただ手が触れただけなのにこの力…相当危険ですねこれは」

グラム「…」

 

グラムはレヴィを睨んでいた。

 

レヴィ「それにこの気迫…今まで魔女さん以外では感じなかった…凄まじい緊張感ですね」

 

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場所…オードたちが倒れている場所

 

アンナ「スカーレット!みんな!」

 

タッタッタッ!

アンナとエレナたちはオードたちの所に着いた。

 

エレナ「みんな…酷い有様ね」

エレナ「はい。ここに来る前にある程度の魔力を向上させましたがそれでもダメでしたか…」

アンナ「あの!みんなは治りますよね!?大丈夫ですよね!?」

エレナ「はい。大丈夫です。私たち2人で何とかしてみせます」

エレナ「分かったわ。やりましょう」

 

ポワァァァァァ…

2人のエレナはお互いに手を合わせて自分の魔力をオードたちに分け与えた。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

するとオードたちの体が少しだけ光った。

 

エレナ「…これで大丈夫ね」

エレナ「はい。恐らくこれで目覚めるかと…」

アンナ「っ…」

 

アンナは手を合わせてみんなが目覚めるのを願った。

 

オード「っ…ん…」

アンナ「!」

 

一番最初に目覚めたのはオードだった。

 

アンナ「オード君!」

オード「え…なんだ…」

 

オードは体を起こした。

 

オード「なんだ…アンナじゃねぇか…どうしたよ…」

アンナ「よかった…オード君だけでも目覚めて…」

オード「俺だけ?」

 

そう言ってオードは周囲を見渡した。するとオードの隣にはディアやノーラ、スカーレットが眠っていた。

 

オード「なぁあんた。こいつらは起きねぇのか」

エレナ「いえ、あなたが一番最初に起きただけで他の方も起きてきますよ」

オード「…そうか」

エレナ「ねぇあなた」

オード「?」

エレナ「相手は誰だったの。あなたたちはここに来る前に色々と準備をしてきたわ。それでも負けるなんて」

オード「…分からねぇ。分からねぇけどすげぇ強かった。俺たちじゃどうにもできねぇよ」

エレナ「…そう」

エレナ「これは本格的にマズイですね」

エレナ「何とかして止めないとね」

 

ドォォォォォォォォォン!!

突然大きな音が響いてきた。

 

オード「なんだ…この音は…」

エレナ「…誰かが戦ってるみたいね」

エレナ「そうですね。誰なのでしょうか…」

 

アンナ「!!」

 

アンナは突然視界がぼやけた。

 

アンナ (あれ…なんで…目が…)

 

アンナは目を擦った。

 

アンナ「!?」

 

するとアンナの目は変化していた。先程まで見えなかった遠くのものが視認できるようになっていた。

 

アンナ「えっ…あれって…」

 

アンナは戦っている人を見た。

 

アンナ「あの人は…学院長…?」

エレナ「学院長?」

エレナ「あぁ…魔女さんの弟弟子だったあの子ですね」

オード「それがどうしたんだ?」

アンナ「あっ…戦ってるのが学院長なの」

エレナ「え?あの人が?」

アンナ「はい…」

エレナ「一体何故でしょうか…」

エレナ「分からないわね…」

 

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場所…レヴィ学院長がいる場所

 

ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!

 

レヴィ「ぐぁっ…」

 

レヴィ学院長はグラムの攻撃を受けてしまった。

 

グラム「潰箱(カンデラ)

 

グググ…ドシィン!!

グラムはすかさずレヴィ学院長を取り押さえた。

 

レヴィ「ぐっ…」

グラム「ふぅ…手こずらせますね」

レヴィ「こ…の…」

 

レヴィ学院長は何とか脱出しようとした。

 

グラム「無駄ですよ。力のないあなたがこの魔法から脱出するなんて」

レヴィ「私にだって…できますよ…このくらい!!」

 

ジジジ!!

レヴィ学院長は光属性魔法で槍を生成した。

 

レヴィ「行けぇ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

すると5本の槍が一斉にグラムの方へ飛んだ。

 

グラム「くっ…」

 

ヒュッ!

グラムは魔法を解除して逃げ回った。

 

レヴィ「やはり…」

 

レヴィは何かに気づいた。

 

レヴィ「あなたは次元魔法を使えるようですが、それも不完全ですね」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!

グラムは5本の槍から逃げ回る。

 

レヴィ「あなた…次元魔法を解除するだけでも魔力を消費してますよね。それが仇となっている。何度も次元魔法を使ったあなたは次第に魔力を消費し、やがて次元魔法が発動しないくらいにまで落ちている。それが盲点ですね」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

グラムは5本の槍に被弾してしまった。

 

ドシン!!

グラムはそのまま落下した。

 

レヴィ「はぁっ…はぁっ…はぁっ…かく言う私も槍の操作に魔力を消費してたので…もう限界ですね」

 

ドサッ…

レヴィは地面に膝を着いた。

 

レヴィ「はぁっ…すまない…ここまでのようです…」

グラム「全く。あなたも時間稼ぎですか」

 

グラムがレヴィの目の前に立っていた。

 

レヴィ「…これでも…無傷ですか」

グラム「いえ、正直危なかったですよ。魔法を発動しなければ私もやられてました」

レヴィ「…あと一歩…及ばず…か…」

 

ジジジ…バリバリバリバリビリ!!

グラムは魔力を溜め始めた。

 

グラム「よく頑張りました。私の最高の一撃で葬り去ってあげます」

レヴィ (…ここまで…ですね…)

 

リール「レヴィ…学院長!!」

 

レヴィ「!」

 

レヴィは声のした方を見た。するとそこには地面に倒れているリールが体を起こしてレヴィ学院長を見ていた。

 

リール「っ…」

レヴィ (リールさん…すみません。私はもう動けません。約束を守れず…すみません。魔女さん…あなたとの約束も破ってしまい…申し訳ありません)

グラム「さようなら」

 

レヴィ (すみませんみなさん…あとは…頼みま…)

 

バゴォォォォォォォン!!

グラムは溜めた魔力をレヴィに放った。

 

リール「っ!!」

 

バリバリバリバリバリ!!

グラムが放った魔法はしばらくその場に留まり、やがて消え去った。

 

グラム「…全く。こんな人に魔力を使うのは気が引けますね」

リール「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

グラム「?」

 

タッタッタッ!

リールが体を起こしてグラムに向かって走っていた。

 

グラム「おや、次はあなたですか」

リール「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

リールは杖を使わず拳を振った。しかしグラムには1度も当たらなかった。

 

リール「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ビュン!パシッ!!

 

リール「!?」

グラム「…」

 

リールは何度も攻撃したが、グラムがそれを止めてしまった。

 

リール「くっ…離してください!!」

グラム「…嫌です」

リール「あなただけは!あなただけは!」

グラム「…」

 

パシッ!

グラムはリールの手を払い除けた。

 

リール「!」

グラム「さようなら」

 

ギュォォォォォ…バゴォン!

グラムはすぐに魔力を溜めてリールに放った。

 

リール「うぐっ…」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ…ズサァァァァァ!!

リールは大きく吹っ飛ばされてしまった。

 

リール「ぅっ…ぁぅっ…」

 

リールは痛みに悶えていた。

 

リール「ぅっ…」

 

ジリッ…

リールはそれでも地面を這ってグラムに近づいた。

 

リール「私は…みんなを…みんなを…」

グラム「…」

リール「うぐっ…」

 

リールは怪我したところを押さえていた。

 

リール「この…くらい…」

 

ジリッ…

リールはまた地面を這ってグラムに近づいた。

 

リール「私が何とかしなければ…私が…」

オード「待てリール!」

リール「?」

 

スタッ…

リールの前にオードが降り立った。

 

リール「オード…君…」

オード「リール。あとは俺に任してくれ」

リール「えっ…」

オード「俺がリールの代わりにやってやる。みんなを守ってやる」

リール「オード…君…」

 

ポタッ…ポタッ…

リールの目から涙が流れてきた。

 

リール「オード君…ごめんなざい…私…頑張ったけど…守れなかった…」

オード「!」

リール「スカーレットもディア君もノーラ君もみんな怪我しちゃった…うぐっ…ひぐっ…レヴィ学院長も守れませんでした…みんな…私のせいで…ごめんなざい…オード君ごめんなざいぃ…」

 

リールはその場で顔を伏せて大泣きし始めた。

 

オード「っ…」

 

オードはその言葉を聞いて心が締め付けられた。

 

リール「あぁっ…あぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

リールは申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 

オード「…」

 

スッ…

その言葉を聞いたオードはリールに手を差し伸べた。

 

ポンポンッ…ナデナデ…

そしてリールの頭を撫でた。

 

リール「?」

 

リールは泣きながら顔を上げた。

 

オード「リール」

リール「ひぐっ…うぐっ…」

オード「リールはよく頑張ったよ。1人でずっと戦ってたんだからな」

リール「!」

オード「俺たちがここに来るまでずっと戦ってたし俺たちが来ても戦ってた。それだけ戦ってて頑張ってないって言うやつはいねぇよ」

リール「オード…君…」

オード「俺はなリール。リールが1人で抱え込まないか心配してたんだ」

リール「!」

オード「リールはみんなのために色々勉強してくれてた。今回のこともそうだ。みんなを守るためにあの人と一緒にここに来た。リールは人のことばっかりで自分のことを見てなかった」

リール「っ!」

オード「俺はそんなリールが心配だ。いつか壊れるんじゃないかって心配してた。…だからさリール」

 

スッ…ナデナデ…

オードはまたリールの頭を撫でた。

 

オード「頼りないかもしれないけど俺がいるんだ。俺だけじゃない。ディアやノーラ、スカーレットやアンナもいる。みんなリールの友達なんだからな。友達が助けを求めてたらみんな助けてくれるさ」

リール「オード…君…」

オード「だからさ…んしょ」

 

オードはリールを起こして座らせた。

 

オード「時々でもいいから俺たちにも弱音を吐いてくれ」

リール「!」

オード「俺はリールの助けを聞きたい。リールの力になりたい。リールが俺たちを助けてくれたように俺もリールを助けたい。…だから頼ってくれ。俺を…いや、俺たちを」

リール「オード君…」

オード「なっ?」

 

リールは涙を拭いて答えた。

 

リール「うんっ…助けてください…オード君…」

オード「…よしっ。分かった。任せてくれ」

 

オードはリールの後方を見て声を出した。

 

オード「アンナ!リールのこと頼むぜ!」

アンナ「うん!」

 

スタッ

アンナがリールの後ろに降り立った。

 

リール「アンナ…」

アンナ「私も同じだよリール。もっと私たちを頼って。もっとみんなで助け合お?」

リール「アンナ…はい。分かりました」

オード「アンナ。俺はあいつをぶっ倒す。その間、ディアたちをよろしく頼む」

アンナ「うん。任せて」

オード「リール。アンナとエレナさんが傷を治してくれる。俺が戦ってる間、ちゃんと怪我を治してもらいな」

リール「はい…」

オード「それじゃあ…」

リール「オード君!」

オード「?」

リール「手を…」

 

リールは手を差し伸べた。

 

オード「!」

 

オードもリールに手を差し伸べた。

 

ギュッ…

リールは優しくオードの手を握った。

 

リール「必ず私もあなたを助けに行きます。…それまで頑張ってください。私の大切な人」

オード「!!」

 

スッ…

リールはオードから手を離した。

 

リール「ではアンナ。お願いします」

アンナ「うん」

 

ザバァン!

アンナは水を使ってリールを包み込んだ。

 

ヒュッ!

アンナはそのまま空へ飛び立ち、リールを2人のエレナがいる場所へと向かった。

 

オード「…」

 

その頃オードは手を握った体勢のまま固まっていた。

 

オード (お、俺が…リールの…大切な人…)

 

ドクンッ!

オードは胸の底から力が溢れてくる感じがした。

 

オード (何だこの感じ…力が溢れてくる…)

グラム「誰かと思えばあなたですか。もう死んだかと思ってましたよ」

 

グラムがすぐ後ろまで迫っていた。

 

スッ…

オードはゆっくりと立ち上がった。

 

グラム「さて、またやられに来た…」

オード「…」

グラム「!?」

 

オードはゆっくりとグラムに振り返った。

 

グラム「あなた…その目…」

 

オードの目は右目が赤色、左目が黄色のオッドアイとなっていた。

 

オード「…」

グラム「…なぜあなたが…何故あなたがその力を…」

オード「…」

 

スッ…

オードはグラムに指を向けた。

 

グラム「っ!!」

 

バゴォォォォォォォン!!

オードが指を向けた瞬間、グラムは大きく吹っ飛ばされてしまった。

 

オード「…」

 

ドゴォォォォォォン!!

グラムは壁に激突した。

 

グラム「ぐはっ…」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ…ドシン!!

そしてそのまま落下した。

 

グラム「この力…何で…あの子が…」

 

ジリッ…

グラムは何とか立ち上がった。

 

グラム「こんなこと…あってはなりません…私ですら届かなかったあの境地に…何故あの子が…」

オード「…」

 

オードの体が少しずつ変化していった。額に目の紋章が現れ、オードの後ろには大きな鏡が現れた。服装も全く違うものとなっており、しかもオードとは全く違う気配を放っていた。

 

グラム「!」

オード「天に仇なす穢れた者よ。我が天上の業火に焼かれ、その身を滅ぼせ」

 

ジリッ…

グラムはゆっくりと立ち上がった。

 

グラム「あなた…その力…」

オード「天上の裁きだ。罪と罰を受け入れ、浄化され、新たな存在となれ」

 

スッ…

オードはグラムを指さした。

 

オード「現時刻を以て、穢れた者の断罪を開始する」




〜物語メモ〜

光の十字(グララマンダ)
レヴィ学院長が使った魔法。発動すれば任意の場所に十字の閃光を放つことができる。当たれば爆発する。

神速 (スザク)
レヴィ学院長が使った魔法。効果は一瞬だけだが、その一瞬だけでも超スピードになり、目にも止まらぬ速さで移動することができる。

光の檻(ゲート・オフ)
レヴィ学院長が使った魔法。光属性魔法で檻を作り閉じ込める。檻は光属性魔法のため、実体はないが、グラムはその実体を無効化して檻を破壊した。

浄化の光(サテライト・ミリアム)
レヴィ学院長が使った魔法。光属性魔法を集めて一気に解き放つ魔法。レーザーとなって放たれた光属性魔法は一直線にしか飛ばないが、威力は相当高い。
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