私の名前はリール。
今スペルビアという町を一望できる高台にいます。
私たちは先程深淵から帰ってきました。
魔女さんやエレナさんもみんな戻ってきました。
ですが、いざ帰ってくると、スペルビアの町が炎の海になっていました。
しかも町の中央には大きな黒い人間のような形をしたものがいました。
恐らくあの大きな人がこの町を燃やしたんだと思います。
私はオード君とこの町を救う約束をしました。
なので私は最後にあの大きな人をやっつけたいと思います。
場所…スペルビアが見える高台
リール「
キィン!バゴォォォォォォォォォン!!!
リールが集めた光は???の胸に向かってレーザーのように真っすぐ放たれた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…スペルビア
ズドォォォォォォォォォン!!!
リールが放った魔法は見事その大きな黒い人の心臓部に命中した。
???「アアアアアアアアアアアアアア!!」
ドゴォォォォォォン!!
???はリールの攻撃で体制を崩して倒れた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…スペルビアが見える高台
リール「やっ…やった…当たった…」
シュゥゥゥゥゥゥ…パキパキッ…パリン!
すると魔女さんの結界が破壊されてしまった。
魔女さん「くっ…私の結界が破壊されるなんて…なんて恐ろしい魔法なの…」
アンナ「す…すごい…」
リール「!」
だが、先程倒れた大きな黒い人が起き上がってきた。
リール「魔女さん!あいつが起き上がってきました!」
魔女さん「っ!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…スペルビア
???「ウゥゥゥゥゥ…アァァァァァ…」
大きな黒い人は体を起こすと先程攻撃が飛んできた方を見た。
???「ウルルルルルル…ガガガッ…」
その大きな黒い人はリールたちがいる高台に向きを変えた。
???「カッ…カカカカカカカカカカカカカ!!」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン…
すると大きな黒い人は口を大きく開け、魔力を溜め始めた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…スペルビアが見える高台
魔女さん「リール!!」
リール「はい!」
魔女さん「下がって!!攻撃が来る!!」
リール「っ!」
バゴォォォォン!!
するとその瞬間、眩い光とともに光線が放たれた。
リール「!?」
魔女さん「リール!!」
キィン!バゴォォォォン!!
大きな黒い人が放った光線は凄まじく、高台を一瞬で蒸発させてしまった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…スペルビア
???「フルルルルルルルル…」
シュゥゥゥゥゥゥ…
大きな黒い人の口から煙が出ていた。
???「カカカカカカカカカカカカカ…」
大きな黒い人は光線を放つとまた口を閉じた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…スペルビアの近くにある泉
リール「魔女さん!魔女さん!!」
魔女さん「…」
リール「魔女さん!起きてください!魔女さん!」
ジュワァァァァァァァァ…
アンナが水属性魔法で魔女さんに水をかけていた。
リール「魔女さん!!」
魔女さんは先程の光線からリールたちを結界で守った。だがその結界は強固な分、入れる人に限りがある。
入れるのは4人だけ。しかし、あの場にいたのはリール、魔女さん、エレナ、スカーレット、アンナの5人。
魔女さんは自分の身を犠牲にしてリールたちを無傷で済ませることに成功した。
しかし魔女さんは先程の光線に当てられ、体の大部分は火傷を負い、意識を失っていた。
今はアンナが水をかけて冷やしている。
リール「ああっ…魔女さん!魔女さん!」
リールは必死に呼びかけていた。だが魔女さんは一向に返事をせず、ただ時間だけが過ぎていた。
リール「魔女さん…魔女さん…」
スカーレット「リール…」
リール「スカーレット…どうしよう…魔女さんが…魔女さんが私たちのために…犠牲に…」
ギュッ…
リールはスカーレットの服を少し掴んだ。
スカーレット「リール!」
ガシッ!
スカーレットはリールの肩を強く掴んだ。
リール「!」
スカーレット「何勝手に死なせてるのよ!!」
リール「!!」
スカーレット「まだ死んでないわ!勝手に殺さないで!」
リール「ス…スカーレット…」
スカーレット「この人!あんたのお師匠様でしょ!」
リール「!」
スカーレット「あんたを今まで大切に育ててくれた恩人でしょ!!何勝手に死んだことにしてんのよ!!ふざけるな!!私は諦めない!!オードやディアやノーラだってそうよ!!あんたを信用してあいつを引き付けてくれた!!これ以上ないチャンスを身をもって作ってくれたのよ!!それをあんたは何!?たった一発攻撃を受けただけでもう終わりなの!?もう諦めるの!?」
リール「!」
スカーレット「今ここで諦めたらあんたを信用して託してくれたあの3人とエレナさんたちの思いはどうなるのよ!!踏みにじることになるわよ!!」
リール「!!」
スカーレット「あんたが今やるべきことはあいつを倒すこと!この町を救うことよ!他のことは私たちに任せなさい!!仲間でしょうが!!」
リール「!!!」
アンナ「リール!私も一緒!」
リール「!」
アンナ「私だって今までリールに色々教えてもらった恩がある!それを今返したらダメなの!?」
リール「アンナ…」
アンナ「リールが私たちの学校に来てくれたおかげで私はこんなに強くなった!こんなに魔法が上手くなった!テストも良い点取れた!頼もしい友達もできた!全部リールのおかげだよ!だからリール!ここは私たちに任せて!リールはあいつを倒すことに集中して!」
リール「アンナ…」
エレナ「リールさん。私も同意見です」
リール「エレナさん…」
エレナ「私…いや、私の分身たちもあなたを託して逝きました。他にもあらゆる犠牲があったでしょう。でも、ここでそれを捨てれば今まであなたのために繋げてくれた道を閉ざすことになります」
リール「っ…」
エレナ「リールさん。お願いします。リーナのことは私たちに任せて、あなたはあの黒いやつを」
リール「…分かり…ました」
エレナ「…ありがとう」
リール「…」
スッ…
リールは魔女さんの顔に触れた。
リール「…魔女さん。行ってきます」
魔女さん「…」
リール「魔女さんの一番弟子である私がこの町を救ってみせます。…見ててください。魔女さん」
スッ!ポンッ!
リールは立ち上がって箒を出した。
リール「…こうして君と戦えるのもこれが最後かもしれませんね。…そういえば、君に最初に会ったのはメリーさんのお店でしたね」
リールは箒に話しかけた。
リール「あれからずっと君と一緒でした。どこへ行く時も何をしようともずっと。君に会えたおかげで私の魔女になる生活はとてもよいものとなりました。ですが、それもここまでかもしれません。私は…決死の覚悟であの人に挑みます。この町を救うため、みなさんを救うため…そして、私を信頼してくれた私の大事な友達や私の大切な人のために!!」
シュゥゥゥゥゥゥ!
すると箒が光り出した。
リール「だから最後に…私に力を貸してください!」
シュゥゥゥゥゥゥ!ビュン!!
するとリールの箒が勝手に動きだし、リールを乗せて空高く飛んだ。
スカーレット「なっ…勝手に…」
アンナ「すごい…やっぱりリールの箒はすごい!」
エレナ「…」
エレナは無言でリールを見ていた。
エレナ (リノ…あなたが使ってた箒…リールさんはちゃんと乗りこなしているようですよ)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…スペルビア
リール「
ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!
リールは大きな黒い人に向けて魔法を放った。
ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!
リールの魔法は全弾命中した。
???「アアアアアアアアアアアアアア!!!」
リール「
ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!
ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!
リールは絶え間なく攻撃を続けた。しかし、大きな黒い人には全くダメージがないように見えた。
???「カカカカカカカカカカカカカ!!」
キィィィィィィィィ…
大きな黒い人が口を開けて魔力を溜め始めた。
???「ガガガガッ!ガァッ!!」
バゴォォォォン!!
すると先程と同じ光線が放たれた。
リール「ふんっ!」
ビュン!
リールは間一髪のところで回避することができた。
リール「よしっ!見ても避けられる!このまま相手の攻撃を避け続けて…」
バゴォォォォン!!
すると遠くから大きな音が響いてきた。
リール「!」
リールがそちらを振り向くと、スペルビア近くの草原の一部が蒸発して燃えていた。
リール「なっ…」
???「フシュゥゥゥゥゥゥ…カカカッ…」
大きな黒い人は口を閉じた。
リール (このままあの攻撃を避け続けたら他のところに被害が出る…でも避けないと魔女さんと同じ目に…どうすれば…)
???「キャアアアアアアアアアアアア!!」
ブゥン!ブゥン!ブゥン!ブゥン!ブゥン!ブゥン!
大きな黒い人が声を上げると、周囲に魔法陣が展開された。
リール「!」
???「アアアアアアアアアアアア!!」
バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!
そしてその魔法陣から弾幕が多数放たれた。
リール「えっ!
カタカタ…ビュン!
すると箒が勝手に動きだし、弾幕の隙間を抜けて大きな黒い人の近くに来ることができた。
リール「わっ…すごい!」
???「キャアアアアアアアアアアアア!!」
リール「
ジャラララララララ!ガシャン!!
リールは大きな黒い人を鎖で拘束した。
???「アアアアアアアアアアアアアア!!」
ガシャン!!ガシャン!!ガシャン!!
大きな黒い人は鎖を振りほどこうとした。
リール「このまま続けて…
バゴォン!
リールは大きな黒い人に追撃をした。
???「アアアアアアアアアアアアアア!!」
ブゥン!ブゥン!ブゥン!ブゥン!
すると大きな黒い人の周囲に魔法陣が展開された。
???「アアアアアアアアアアアアアア!」
バババババババババババ!
すると大きな黒い人は自分に向けて弾幕を撃ち始めた。
リール「なっ!」
ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!
大きな黒い人はその弾幕をガードする素振りも見せず、ただただ攻撃を受けていた。
リール「一体何を…」
バキン!
すると鎖の根元から変な音がした。
リール「!」
リールが音のした方を見ると、鎖が一本破壊されていた。
リール「まさか!あの弾幕でこの鎖を破壊しようとしてるんですか!?」
???「アアアアアア!!」
リール「くっ…そんなことさせません!!」
ビュン!
リールは急いで魔法陣があるところに向かった。
リール「これを破壊すれば!」
大きな黒い人が展開した魔法陣はリールの何倍もの大きなだった。それもそのはず、大きな黒い人自身が町を覆うほどの大きい体をしているのだから、魔法陣も大きくて当然である。
リール「はぁぁぁぁぁぁっ!」
シュゥゥゥゥゥゥ!
リールは魔力を溜め始めた。
リール「はぁぁぁぁぁっ!
キィン!バゴォォォォン!!
リールはエレナから分けてもらった魔法を使って魔法陣の破壊を試みた。
ピシッ…パリン!パリン!パリン!
すると、4枚のうち、3枚の魔法陣が消滅した。
リール「はぁ…はぁ…っ…まだ…あと1枚…」
リールはあと1枚の魔法陣を破壊しようとしたが、さっきの魔法で魔力のほとんどを使ってしまった。
リール「ダメ…これじゃあ…まだ…」
バキン!バキン!バキン!
すると全ての鎖が壊れてしまった。
リール「しまった!魔力が!」
リールは鎖で拘束してる間、壊れないように魔力を注ぎ続けていたが、さっきの魔法で保持する魔力を失い、鎖が破壊されてしまった。
???「アアアアアアアアアアアアアア!!」
キィィィィィィィィ…
すると大きな黒い人が口を開けて魔力を溜め始めた。
リール「まさか!またあれを撃つ気なの!?」
???「キャアアアアアアアアアアアア!!」
キィン!バゴォォォォン!!
すると今度は早いタイミングで光線が放たれた。
リール「マズイ!」
ビュン!
リールはその光線を避けることができた。
リール「ふぅ…とりあえず当たらなくてよかっ…あっ!後ろの!」
リールは避けて安心したが、さっき草原が焼かれたのを思い出して後ろを振り返った。
リール「ああっ!ああっ…ああああああ!!」
リールが見たのは魔女さんの家が燃えている光景だった。魔女さんの家は普段、見えないように隠されているが、物体として触れることはできる。しかし、その状態を維持する今の魔女さんが瀕死の状態にあるため、家も普通に見えている状態だった。
そして、さっきの攻撃で魔女さんの家が燃えてしまったのだった。
リール「あああああっ!!魔女さんと私の大切な家があああああああ!!!」
???「ウゥゥゥゥゥアアアアアア!!」
キィィィィィィィィ…
大きな黒い人は再度魔力を溜め始めた。
リール「よ…よくも…」
リールは今まで見せたことない怒りの表情を見せた。
リール「よくも…やりましたね…」
グググッ…
リールは杖を強く握った。
リール「私はもう…あなたを…絶対に許しません!!」
シュゥゥゥゥゥゥ!
リールは魔力を溜め始めた。
リール「私の大切なものを!!これ以上壊すなああああああああ!!」
シュゥゥゥゥゥゥ!!
すると突然魔法陣が展開され、その中から誰かが出てきた。
ルル「やっと見つけたよお母さん」
ララ「やっと見つけたよお母さん」
出てきたのはルルとララだった。2人は以前、リールと異質な空間で話したことがあり、リールはその特異な話し方を覚えていた。
リール「あ、あなたたちは…」
ルル「この一連の騒動の元凶」
ララ「異変を起こした張本人」
ルル「過去にドレインを幽閉した恐るべき魔女」
ララ「禁忌に触れても己が体を依代とした魔女」
ルル「体は朽ち果て、それは地上に残された」
ララ「暗き地にあったのはそれを模した偽物」
ルル「グラムという枷から解き放たれた獣」
ララ「軛より逃れしかつて存在した忌み子」
ルル「今こそこの場で葬り去る」
ララ「己が過ちを憂いて苦しめ」
???「アアアアアアアアアアアアアア!!」
バゴォォォォン!!
すると大きな黒い人はまた光線を放った。
リール「2人とも避けて!」
ルル「純血に混じった異質なモノ」
ララ「光を消し去った異毒なモノ」
ルル「光によって浄化されるがいい」
ララ「光によって浄化されるがいい」
キィン!ドォォォォォォォン!!
するとルルとララの掌から白い光がレーザーとなって放たれた。
バゴォォォォン!!
両者の攻撃がぶつかり合い、周囲にマナが飛び散った。
シュゥゥゥゥゥゥ…
するお大きな黒い人の攻撃が止んだ。
???「カッ…カカカカカカカカカカカカカ…」
ルル「不浄に包まれた光の血族よ」
ララ「不浄に苛まれし光の血族よ」
ルル「その禁忌で得た不死の力を」
ララ「その禁忌で得た開闢の力を」
ルル「永遠の時の中に幽閉させてもらう」
ララ「不死の力と共に幽閉させてもらう」
シュゥゥゥゥゥゥ!
すると大きな黒い人の足元に白い大きな魔法陣が展開された。
???「アアアッ…アアアアアア!」
大きな黒い人はその場から動こうとしたが、全く身動きが取れなかった。
ルル「禁忌の力はこの世界には不必要」
ララ「異質な強い力はこの先必要ない」
ルル「この世界が生んだ最大にして最凶」
ララ「この世界に育まれた最恐最悪の力」
ルル「理の外にある無条件の力」
ララ「人が持つには過ぎた代物」
ルル「この世界に存在する権限を剥奪し」
ララ「この世界に存在する権利を剥奪し」
ルル「現時刻を以て消滅させる」
ララ「現時刻を以て消滅させる」
シュゥゥゥゥゥゥ…バゴォォォォン!!
すると魔法陣から白い光が大きな黒い人を覆うように出てきた。
???「アアアッ!アアアアアア!!」
大きな黒い人は苦しそうにもがいていた。
ルル「もう休まれよ。光の母」
ララ「お休みなさい。光の母」
???「アアアアアアアアアアアア!!!」
シュゥゥゥゥゥゥ!ビュン!
すると、白い光が球体となって、やがて空高く飛んで行ったのだった。
リール「…?」
リールは目を閉じて何が起こったのか分からなかった。でも分かることがあるとすれば、大きな黒い人の見た目は何も変わっておらず、そのおぞましい気配を放っていた。
リール「えっ…何が起きたの…」
ルル「お母さん」
ララ「お母さん」
リール「!」
ルルとララがリールに向かって話しかけた。
リール「えっ…お母さん?」
ルル「お兄ちゃんに会ったよね」
ララ「お兄ちゃんに会ったよね」
リール「えっ…お兄ちゃん…?」
ルル「お兄ちゃんから聞いたよ」
ララ「お兄ちゃんから聞いたよ」
ルル「お母さん。今も昔も変わらないって」
ララ「お母さん。今も昔も変わらないって」
リール「えっ…えっ…?」
ルル「それにお父さんも強いって言ってた」
ララ「それにお父さんも強いって言ってた」
リール「お父さん…?」
ルル「うん。身動きが取れなかったらしいよ」
ララ「うん。身動きが取れなかったらしいよ」
リール「えっ…何のこと?」
ルル「あれ?会ったことないのかな」
ララ「え?会ったって聞いたけど?」
リール「えっ…誰のことだろ…」
ルル「お母さん。お兄ちゃんの名前覚えてる?」
ララ「お母さん。お兄ちゃんの名前覚えてる?」
リール「えっ名前?…私一人っ子だよ?」
ルル「あ、何か勘違いしてるね」
ララ「だから話が合わないのね」
リール「?」
ルル「ねぇお母さん聞いて」
ララ「お兄ちゃんの名前は」
ルル「カグツチっていうんだよ」
ララ「カグツチっていうんだよ」
リール「!!」
リールはこの時、深淵でグラムを圧倒したオードの姿を思い出していた。
その時のオードは普段のオードとは違っていて、リールは違和感を感じていた。
しかもカグツチは弟と妹を守ってろとも言っていた。
リール「えっ…まさか…あの火属性魔法を使う…」
ルル「そう!お兄ちゃんは火属性魔法!」
ララ「正解!お兄ちゃんは火属性魔法!」
リール「嘘っ…」
ルル「でもお兄ちゃんはもう来れないよ」
ララ「でもお兄ちゃんはもう来れないよ」
リール「えっ…何かあったの?」
ルル「お父さんが次元魔法を使ったんだ」
ララ「お父さんが次元魔法を使ったんだ」
リール「次元…魔法…」
ルル「うん。だからお兄ちゃんはここには来れない」
ララ「うん。だからお兄ちゃんはここには来れない」
ルル「でも僕たちは次元魔法を受けてない」
ララ「でも私たちは次元魔法を受けてない」
ルル「だからまたここに来た」
ララ「だからまたここに来た」
リール「えっ…あっ…えっ…?」
3人で話していると、大きな黒い人が動き始めた。
???「アアアアアアアアアアアア!!!」
リール「!!」
ルル「?」
ララ「?」
リール「また動き出した!」
ルル「うん。でももう終わりだね」
ララ「うん。でももう終わりだよ」
リール「えっ…何でですか?」
ルル「禁忌を消したから」
ララ「禁忌を剥奪したよ」
リール「禁忌…?」
ルル「ねぇお母さん。あれの正体って知ってる?」
ララ「ねぇお母さん。あれの正体って知ってる?」
リール「えっ…2人は知ってるんですか?」
ルル「うん。あれはね…」
ララ「うん。あれはね…」
ルル「お母さんのお母さんだよ」
ララ「お母さんのお母さんだよ」
ルル「名前はリノ」
ララ「名前はリノ」
リール「!?」
リノ。それはリールの母親の名前だった。かつて魔女さんとエレナさんと交友があり、同じくして禁忌に触れたうちの一人。
リール「嘘っ…あれが…私のお母さん…」
ルル「そうだよ」
ララ「そうだよ」
リール「嘘っ…私…自分のお母さんを…殺そうとしてたの…」
ルル「うーん。まぁ、半分正解」
ララ「うーん。まぁ、半分不正解」
リール「えっ…」
ルル「あれは確かに見た目が同じ。でも中身が違う」
ララ「中身は昔、ドレインによってこの世を去った」
ルル「今対面してるのはもう存在しない人」
ララ「所謂死人。この世に生のない骸の人」
ルル「あれを倒さないとこの世界は戻らない」
ララ「この世界はあれのせいで元に戻らない」
ルル「だから倒してお母さん」
ララ「だから倒してお母さん」
リール「えっ…でも…」
リールは迷っていた。あれが自分の母親だと知ると、無闇に手が出せない。今までは知らなかったから攻撃していたものを、今ではその手すら出ない。
リール「くっ…」
ルル「僕たちは倒さない決まりがある」
ララ「私たちは倒さない決まりがある」
ルル「だからお母さんがやって」
ララ「だからお母さんがやって」
リール「なんで…」
シュゥゥゥゥゥゥ…
するとルルとララの体が消えかかっていた。
リール「!!」
ルル「もう時間だから」
ララ「もう時間切れね」
リール「待ってください2人とも!私はどうすれば!」
ルル「それもう答えは決まってるよね」
ララ「迷いが人殺しなら問題ないよね」
リール「!」
ルル「救ってあげて。お母さん」
ララ「あの人…まだ苦しんでる」
リール「!」
ルル「お母さんがやらないと救われないよ。あの人」
ララ「だからね、お母さんがあの人を救ってあげて」
リール「待って!」
ルル「最後にこれあげるね」
ララ「私たちのとっておき」
シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!
すると小さなナイフを渡された。
リール「これは…」
ルル「頭に突き刺して」
ララ「頭を狙うんだよ」
ルル「あの人を引きずり出したいならそれしかない」
ララ「大丈夫。死なないから。ただ殻を破るだけよ」
リール「殻って…」
ルル「じゃあね。頑張ってねお母さん」
ララ「じゃあね。頑張ってねお母さん」
シュゥゥゥゥゥゥ…
そしてルルとララの姿が消えた。
リール「2人とも…」
???「アアアアアアアアアアアアアア!!」
リール「!」
ルルとララが消えたことで大きな黒い人を拘束していた魔法が解けた。
リール「これを頭に…」
カチャ…
リールはナイフを握った。
リール「…私にできるのでしょうか」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…スペルビア近くの泉
アンナ「エレナさん!魔女さんの傷が癒えました!」
エレナ「…えぇ」
アンナ「…? どうされましたか?」
エレナ「…ねぇ2人とも」
スカーレット「はい」
アンナ「はい」
エレナ「…あの3人を助けてきます」
アンナ「あの3人って…」
スカーレット「オード君、ディア君、ノーラ君ですね」
エレナ「はい。今3人はあの黒いやつの標的にされてません。助け出すのは今です」
アンナ「ですが今スペルビアは…」
スカーレット「確かに…今のスペルビアは火の海…今助けに行ったら…」
エレナ「私だって一人でできますよ。私」
アンナ「!」
エレナが独り言を呟いた。
エレナ「…見ててくださいリーナ、リノ。…きっと救ってみせます」
ヒュゥゥゥゥゥ…ビュン!
エレナは箒に乗ってスペルビアに入っていった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…スペルビア
リノ「アアアアアアアアアアアアアア!!」
キィン!バゴォォォォン!!
大きな黒い人はまた光線を放った。
リール「くっ!」
ビュン!
リールはその攻撃を回避した。
リール (これを頭に…)
ヒュゥゥゥゥゥ!
リールは箒に乗って大きな黒い人の様子を伺っていた。
リノ「キャアアアアアアアアアアアア!!」
リール「今っ!!」
ビュン!
リールは大きな黒い人が大きく口を開いた瞬間を狙って突っ込んだ。
リール「はぁぁぁぁぁっ!」
リノ「アアアアアアアアアアアアアア!!」
キィィィィィィィィ!
リノの口には魔力が集まっていた。
リノ「キャアアアアアアアアアアアア!!」
バゴォォォォン!!
すると大きな黒い人は光線を放った。
リール「はぁぁぁぁぁっ!」
ビュン!スタッ!
リールはその光線を回避して大きな黒い人の頭上で箒から降りた。
リール「これでっ!!」
グサッ!!
リールはその瞬間、手に持っていたナイフを大きな黒い人の額に突き刺した。
〜物語メモ〜
魔女さんの結界
魔女さんが使う結界は非常に強固で、並の魔法では傷を付けることは不可能。魔女さんの結界を突破するにはそれ相応の魔力が必要。しかし、それも相当な魔力で、過去に魔女さんの結界を破ったのは魔女さんのお師匠様であるグラムだけ。
魔女さんの結界の弱点
魔女さんの結界は非常に強固であるが、それ故に結界は物凄く小さい。魔女さんは基本一人で行動するため、その点に関しては全く困っていないが、誰かを守るために使うとなると、非常に厄介になる。魔女さんの結界は小さいため、その結界内に入ることができるのは魔女さんを含めた4人まで。それ以上は入ることができない。
大きな黒い人が放つ光線
大きな黒い人が放つ光線は魔力の塊になっており、それをレーザーとして射出している。体が大きいため、その分射出できる魔力も大きく、結界で防ぐのはほぼ不可能。しかし、魔女さんの結界は非常に強固なため、リールたちを無傷で済ますことができた。しかし、結界内の人数制限によって魔女さんはその光線を全身に受けてしまい、大火傷を負った。
ルルとララとカグツチの関係
ルルとララは双子の兄妹。ルルが兄でララが妹。そんな2人には兄がいる。名前はカグツチ。かつて深淵でオードの体を借りてグラムを瀕死まで追いやった張本人。しかし、本人はオードの次元魔法によって元の時代に強制的に帰された。