グリシルデ・シュミットの戦死に、当然ながら、アッシュも冷静では居られなかった。
ガンッと窓を叩いて、顔を歪める。悔しさと、怒りに。なぜ止めなかったのかと。帰投した──させられたエイヴィリーの泣き叫ぶ姿が瞼に焼き付いている。
何故あいつは今更、そんな事をしたのだろうか。ゼルデがテロを憎む理由は知っているし、思い詰める理由にも心当たりはあるが、なぜ今。今まで五年間、ずっと溜め込んできた負の感情が爆発したのだろうか。出撃する前の彼女の様子は、やけに明るくなかっただろうか。
フォルトゥナの展望台から宇宙を眺めながら、アッシュはそんなふうに考える。
「……アッシュ?」
「──ロックオン」
静かにスライドした扉から入ってきたのはニール。疲れきった表情の彼に「お疲れ様です」と言って、アッシュは再び外に視線を向けた。
「……疲れてるのはお前さんだろ。それに、ゼルデのこと、助けられなかったこと……済まなかった」
「貴方の責任ではありません。あの状況では、どうしようもありませんでした。でも、僕なら……」
どちらの声も、後悔が滲んでいた。
「僕なら、彼にゼルデを任せることが出来ました」
「それは、どういう……」
「僕はスクワイアがあります」
スクワイアを周囲の機体に取り付かせ、アイアスを自由にすれば。そういうことなのだろう。
「それを行使すれば、シュネーヴァルツァの救出を容認させることができた。そして、助けられる可能性も十分にあった。だから……」
「らしくねえなあ。お前さんの判断は正しかったよ。ゼルデ一人と数人のパイロットの命……どちらを助けるかなんて明白だ」
「一殺多生ということですか? 仮にも貴方は、彼女を任されていたと言うのに」
「俺は、正しいと思うことをやるだけだ。アイアスまで失えば、戦力の大幅なダウンは避けられない」
「なら僕は……俺は……」
「いつまでも落ち込んでる訳にはいかねえ。もうすぐ作戦もはじまるんだ、いつもみたいに冷淡な態度でいろよ、アッシュ」
そう諭すニールは、アッシュを見ていない。
まるで、自分に言い聞かせているかのように。
『アイアスは出撃なし、か』
ニールは少しだけ安心したように呟いた。
朱色に輝く粒子が拡散する。三人一組で隊列を組んだアロウズのモビルスーツは、すぐそばにいるソレスタルビーイングのスペースシップに向けて飛んでいた。
ただし、アレーティアだけは──熱源遮断用のシートを、狙撃手の被るポンチョのように纏っている。
数時間前のことを思い出す。彼は今にも死にそうな様子であったし、呼吸すら億劫だと言うようになにもしようとしていなかった。だが少なくとも、今朝食事を持っていったときには自死や逃亡を図ろうとはしていなかった。今のところは。
『距離三千を切りましたわ。総員、最大加速。行動はプラン通りに』
『了解』
直後にドライヴの輝きが増し、加速をかける。かかるGが増大し体を圧迫する。
ニールは少しだけ息が詰まり、ふ、と吐息を漏らして。
唐突に、
音が、消えた。
(──なん、だ?)
景色が、見えなくなる。五感が、闇に溶けるように失われていく。
空気も温度もない、光もない世界。その奥で何かが見えた気がした。ズキリと右目が疼いたような気がした。なにかが自分の右目を掴んだような、朧気な感覚の中で、痛みだけが明瞭に自身へ訴える。
(なに、が)
訳の分からぬ感情が胸中に渦巻く。発作かとコクピットに置いたケースに伸ばした手の感覚が曖昧だ。
『……ォ、ン』
瞬間、無音の世界から引き剥がされる。ハロが何度も自分を呼んでいるのに我に返った。
『ロックオン、ロックオン』
『ハ、ハロ……?』
『ヨンデル、ヨンデル』
『え? ああ、……ミルティ少佐。どうかしましたか?』
『速度が低下していますが、何かあったのですか?』
その言葉に漸く気づく。自分の機体が、予定から大きく外れ、減速していることに。
『だ、大丈夫だ。問題ない』
慌ててニールは機体を加速させる。
知らぬ間に意識が飛んでいたらしく、冷や汗で全身がじっとりと濡れていた。全身が水を被ったかのように凍えている。
立て続けのことに疲労が溜まっているのか。だとしても、任務は続行せねばならない。散開するアヘッドたちが見え、ニールはプラン通り衛星に隠れて肩のランチャーを展開した。
狙撃ユニットを構えながら、ニールは出撃したガンダムではなく、プトレマイオスの動力部をじっと見つめる。完全にこちらから意識の逸れた瞬間を狙うため、スコープを覗き込んでいると不意に、目眩がした。
ユニットを持つ手が震えていることに気づく。利き目の焦点が合わない。パイロットスーツの中で滲んだ汗に嫌な感覚を覚えた。
『なんなんだよ、一体……』
何故、こんなふうになっているのだ? ユニットを握り直して、ニールは浅く呼吸を繰り返す。だが、震えが治まらない。まるで、先程の一幕が己の心を砕いたかのように。
こんな状態で、撃てるのか?
ニールが撃てなければ、全てが無駄になる。ただこちらが討たれるだけの可能性だって十分にある。彼の引き金にこの先がかかっているのだ。失敗は許されない。
ロックオン・シューターは言う。
俺がここに居る目的は、生きる理由は、テロリストへの復讐にある。俺や仲間から命や時間を奪っていったソレスタルビーイングを斃すのだ。
『だから、俺は……』
狙い撃つのだ。
『ロックオン』
その決意に割り込んで、戦闘中のガラテアから通信が入る。
『心配すんな。……必ず、狙い撃ってみせるさ』
『……はい。僕は貴方を、信じています』
そこで通信は遮断され、ニールは「俺は」と口にする。
左目を閉じ、自問する。
この目は何の為にある? この銃口は何の為にある?
ニールの震えが、不安が、霧消する。
ロックオン・シューター。
『その名の通り、狙い撃つ』
ニールはトリガーを絞った。いつものように、加減なく、容赦なく、躊躇いなく。そして誰であろうとそれが敵であるのならば。
衛星に隠れたまま、僅かにも悟らせることなく、一条の光がプトレマイオスへと突き進む。
『スメラギさんっ、四時の方角からビームが!』
『何ですって? この距離から、』
真っ先に気づいたのはフェルトだった。その声に反応して、スメラギが驚愕に立ち上がる。セラヴィーのものにも劣らない強力なビーム。超遠距離からの狙撃、赤く輝く光がこちらに伸びるさまを見ていて、
『トランザム!』
そう叫んだのはティエリアだった。機体全体が薄赤く染まり、GNフィールドを展開したままビームとプトレマイオスの間に割り込む。
ティエリアには確信があった。ガデッサのものと遜色ない威力のビームであったが、あれはニールの乗っている機体のものだと。別行動を取り潜伏していた彼が放ったビームであると、まだ目で捉えられていなかったがそう予感していた。
『ミルティ少佐、狙撃に失敗した。こちらに向かってくるガンダムに応戦する』
『承知致しました。どなたかをそちらに援護へ向かわせましょうか?』
『必要ない』
通信を遮断して、ニールはゆっくりと距離を詰めながら衛星を隠れ蓑にセラヴィーを狙う。セラヴィーが見えているニールと違い、ティエリアはビームの飛んできた方向から見当を付けているだけだ。トランザムを中断し周囲に目を向けるティエリアは、不意にチラついた布切れのようなものに目を細める。
なんだ今のは、と思ったその瞬間降り注ぐビームの雨。警戒していたから被弾こそ無かったが、小惑星の影に隠れていたその布切れを纏ったアレーティアがその姿を露わにする。
思い起こされたのはラグランジュ3での戦闘だ。複数のアヘッドがアレーティア同様熱源遮断のシートを被り、プトレマイオスへと接近してきた。
『同じ手を……!』
フィールドを再展開したと同時にビームの雨が降り注ぐ。ティエリア二丁のバズーカからビームを放って、二色の光条が宇宙を彩った。
『なんだ、ライルじゃないのか。お呼びじゃないぜ』
有視界通信で飛んできたニールの声にティエリアは通信ウィンドウを睨む。その発言は余りにも身勝手で、──余りにも、マイスターだった人間からかけ離れていて。
動揺に、声が震える。
『待ってくれ。僕は貴方と戦うつもりはっ』
『はぁ? テロリストのくせに、俺の右眼を奪ったくせに、ふざけた事を言うんじゃねえよ』
まずは四肢を破壊する、とニールは言い残し間合いを詰めた。手にしているのは拳銃だ。ケルディムと同様、サブアームとして銃身の下部が強化されている、否、ケルディムとは違って主武器のひとつとして製造されたもの。
射撃と打撃を織り交ぜたインファイトにセラヴィーの装甲が悲鳴を上げる。
『っ、狙撃特化ではなかったのか……!』
ビームサーベルを握りそれを防ぐが、セラヴィーの動きは精彩を欠いていた。
ティエリアは、武力介入当時のニールが後方支援に徹していたことを知っている。だが、迷いなく懐に飛び込んできたあたり、やはりニールは今も変わらず近接戦闘も相当のものだろう。
『くっ』
狙撃特化とは思えない挙動に、ティエリアはついていくだけでも精一杯だ。実力差だけではなく、まだティエリアは迷っていた。
ここでニールを撃てば、話が出来なくなる。それは絶対に避けたいと。
『ぐっ……!』
右のGNバズーカiiが破壊され、爆発にコクピットが揺れる。
『死ぬぜ?』
『っ……!』
『このままじゃ、お前は死んじまうぞ?』
次いでビームの連射がフィールドに降り注ぐ。次は機体だという予感があった。四肢を破壊する、と宣告したニールがそうしない理由はない。
それでもティエリアは決めあぐねていた。彼をどうするべきか、いや、自分はこの言葉を使うのを避けているのだ。
ニールを、殺すべきなのか。
『戦う気がないなら──この後何処を狙うのか教えてやるよ。まずは右腕、次は左脚。精々逃げ切れ』
その言葉に口を開きかけた直後、宣言通り飛んでくる攻撃。ニールの言葉がなければ当たっていただろう。だが次弾で左足にビームが当たり再びコクピットが揺れる。
『はっ、教えて貰ってこれかよ。逃げる気すら無くしたのか? 次は右手だ』
『待ってくれ、僕は!』
『待たねえよ右脚、行くぜ右太腿!』
『何故だ! 貴方は……!』
『ほら左肘、頑張れ頑張れ。お前さんは
『貴方は、僕たちの仲間だ!』
『ああ?』
その言葉の意味を、一瞬理解できなかった。
ティエリアの言葉に、頭を殴られたような衝撃を受ける。思わずと言ったふうに、アレーティアの銃撃が止んだ。
『お前、何を言って……』
『貴方はソレスタルビーイングにいたんだ! 五年前、僕たちと共に武力介入をしていた! なぜ忘れている!?』
通信ウィンドウ越し、バイザーに阻まれてティエリアの顔は見えていない。しかしその声にようやく思い出す。震えた声で「次は当てる」と宣言した、リジェネと同じ顔を持った男だ。名前は、なんと言ったか。
泣きそうな声で叫ぶ彼に、絶句する。
『その右眼は、僕を庇って失ったものだっ。手足だってそうだ、貴方は身体までテロに奪われたわけじゃない!』
どこかズレたパズルのピースがしっかりと嵌った様な感覚がした。それは再製槽の中で目覚めた時から、ニールの心に存在していた。三年経っても思い出すことの出来ない記憶、何となく引っかかっていたテロと負傷の因果関係。それらの要因が、ニールの手を止めてしまっていた。
ニールが目覚めた時、そばに居たのはリジェネだ。己の失われた過去を教えてくれたのもリジェネだ。力を与えてくれたのだってそうだ。ならば彼の言っていた事は全て嘘だということで。
ティエリアの声に、ひどく胸が痛む。彼を悲しませることに、心が苦しくなる。
それは、守りたかった、はずの。
庇った結果、彼を縛ってしまった行為の結果。
『……ィエ、リ……──』
『思い出せ、ロックオン・ストラトス!』
呟きに重ねて、ティエリアがニールを呼んだ。だが、ロックオンのラストネームはストラトスではない。なぜ知っているのかよりもそこに一瞬だけ、疑問を覚えて。
しかし敵であるソレスタルビーイングから恩人に貰った名前を呼ばれたことに、全身が沸騰するような殺意と悲しみに、上書きされた。
『ぉ、れは……お前なんか、知らねえ……!』
突き刺すような胸の痛みに苦しみながら、ニールは感情のままに叫んでGNガンブレードを乱射する。不意をつかれたティエリアはその攻撃をまともに受けて通信の向こうで驚愕の声を上げ、フィールドを再展開。
『ロックオン!』
『てめぇがその名前を呼ぶんじゃねぇ! 敵のくせに、テロリストのくせに、その名前を!』
──貴方は、愚かだ!
赤い瞳でこちらを真っ直ぐに射抜いて放たれた非難が、聞こえた気がした。
『お前は……誰だっ?』
無意識にそう口にしていた。操縦桿を握る手は、先程よりもずっと震えていた。
強い意志を感じさせる声で、ティエリアは答えた。
『僕の名前は、ティエリア・アーデ』
彼の言葉に、愕然とする。
『ソレスタルビーイングの、ガンダムマイスターだ!』
ティエリアの宣言が、ニールの心を揺さぶった。
突如脳裏に閃く、記憶。
──四の五の言わずにやりゃいいんだよ。
──お手本になる奴がすぐ側にいるじゃねーか。
──自分の思ったことを、がむしゃらにやるバカがな……。
頭が割れそうなほど痛む。右眼から熱い雫が溢れて、その顔は苦痛に歪んだ。
『っ……ああああぁぁ!』
『ロックオン!?』
堪えきれず漏れる声。痙攣する右手でコクピットに置いたプラスチックのケースを掴んで、片手でこじ開けた。微重力の中浮遊する錠剤を掴んで、上げたバイザーの向こうに放り込む。飲みやすいようにと小さく作られたその薬は皮肉にも、すぐに作用することはなかった。
それがあちらの画面に映っているのかはニールに知る術はないが、ハッと息を呑むような空気があった。
『呼ぶんじゃねぇって、言ってんだろ……クソ野郎……!』
掠れた声で吐き捨てたニールは、操縦桿を押し込むと仲間の元へ向かった。
かかる重圧が細胞異常に蝕まれた体に響くのに構わず、逃げるように飛ぶ。折角記憶を取り戻せる機会が来たというのに、ニールにはそれから逃避するという選択肢しかなかった。
これは罠なのか。自分を動揺させるための。だがニールは、自分と会った時に酷く動揺したフェルトに、「ならばお前は誰だ」と尋ねる刹那に、泣きそうな声で訴えるティエリアに、薄々感じてはいたのだ。
演技ではなく、本心からの親愛を。
ならば彼の言った、「僕たちの仲間だ」という言葉は嘘ではないのかもしれない。リジェネの与えた過去は偽りのもので、本当は自分もソレスタルビーイングに居たのではないのかと。
それでもニールは、自分の命を救ってくれた恩人の言葉に縛られていた。
『俺は、ロックオン・ストラトスじゃない!』
こぼれたのは拒絶の言葉だ。
『俺はッ……アロウズの、ロックオン・シューターだ!』
たとえこの記憶が偽物だとしても、ニールはそれがあるから、ロックオン・シューターとして生きていられる。復讐心があるから狙い撃てる。だったらそんなものは、いらない!
連射されるガンブレードのビームをフィールドで弾きながら、セラヴィーはアレーティアに追い縋る。
『……お前らが何を企んでいようがどうでもいい。全員、狙い撃つだけだ!』
ニールはティエリアにではなく、自身に言い聞かせるように叫んだ。
赤銅色の瞳の青年に銃を突きつけた光景。その瞳は覚悟を秘めていて、何かを言った自分に、笑う。彼の返答がおかしくて笑った自分の姿がフラッシュバックしてぐらりと意識が揺らぐ。
『ロックオン!』
ロックオン、と自分を呼ぶ誰かの姿が、消える。
遠くに見える青い輝きが、消える。
──ニール。
──君にはこの力が、必要だろう?
目の前の男と同じ顔をした、恩人。
彼が目を細め、笑う姿が、ニールの意識を塗り潰していく。
『……ああ、そうだな
ぎらりと金色の虹彩が輝く。反転。迫ってくるセラヴィーに声は届かない。
『俺はアレーティアで、テロリストを狙い撃つ』
右手のガンブレードが閃いた。しかし、連射されたビームには目もくれず、セラヴィーはアレーティアに迫り、
『な……』
その凄まじい膂力で、機体を掴んだのだ。
『話を聞いてくれる状態ではないようだからな
自由を奪わせてもらう。ロックオン!』
接触通信で届いた声。直後にアレーティアを掴んだまま放たれた隠し腕での攻撃にニールは驚愕するが、機体のスイッチを瞬時に押して。
脚部を切断しようとした二本のビームサーベルを、その腕ごと
『何っ?』
アレーティアの手に握られているのはピストル──GNガンブレード、だったはずで。
しかし今、その手にあるのは。
『俺に剣を抜かせたな?』
真っ直ぐに銃口からビームの伸びる、サーベルであった。
GNガンブレード。
その使用目的は、こちらが銃を持っていると懐に潜り込んできた相手に対して、不意打ちの攻撃を叩き込むことだ。銃身下部の強化されているのもその一環であるが、本質は「ピストルとサーベルをを兼ねる」武器。
先日の地上での戦いでダブルオーやケルディムの腕を切断したのもこれだ。ガンブレードを投擲して対象に刺し、サーベルで溶断。パッと見ただけでは何が起こったのか分からない。
ケルディムのGNピストルiiとはまるで違う、新兵器。
『これはまだ秘密にしておきたかったんだが、仕方ねえ』
お前は殺す、とニールは言った。折角の不意打ちも知られていれば意味が無い。ガンダムを落とさなければいけないのには変わりがないのだが、この先を考えれば尚のこと。
『もう狙う場所は教えねえよ。ハロ!』
『トランザム!』
機体の回避をハロに任せ、肩の砲身が展開する。セラヴィーの装甲が薄赤く染まる。
セラヴィーのバズーカとアレーティアのランチャーが、お互いに向けられて。
直後に上がる信号弾が二人の目に入る。
『っ、撤退信号!?』
『テッタイ、テッタイ!』
ランチャーから極太のビームを放って、ニールは後退する。即座に砲身は畳んで、両手のガンブレードとともに弾幕を張り母艦へと飛ぶ。
『ロックオンっ』
その声は、届かない。
こちらへ飛んでくる何発ものビームを受け流して、ティエリアは追いかけることを思いとどまった。
追いかけてどうする、と冷静な自分が諭す。そもそもティエリアは自分の持ち場を離れているのだ、戦術の変更は周囲にも負担をかけたはず。これ以上迷惑をかける訳には行かないとティエリアは言い聞かせた。
そして、彼は。