ありふれていない『天の鎖』で世界最強 作:如月/Kisaragi
文体に不安定なところがあるかもしれませんが、隔日で書いているためです。
ユーザーページの活動報告に投稿ペースに関しての事、自らの身の上話的なものを書いているので確認していただけると幸いです。投稿日時に関しても毎回活動報告に上げていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
俺は止まんねえからよ!
お前たちが止まらねえ限り、その先に。俺はいるぞ!
……だからよ、(投稿)止まるんじゃねえぞ……
絶対に半年以上投稿を開けないようにはします。もしそうなりそうになったらしっかり報告をするのでご安心を。
という訳でEp.11、はじまるよ!(カニファン感)
次に目を開けた時には、慣れ親しんだ光景はそこになかった。
あるのは何かを書いた豪奢な絵。そして床は石畳へと変わっていた。
……ついに、始まるのだ。原作が。
気を引き締め直す。ここからが俺の戦いの始まりだ。これまでの出来事は前哨戦に過ぎなかった。
ここからが、俺の、否。俺たちの戦いの始まりなのだ。
決意を固め、目の前の錫杖を持つ老人を見つめる。
目の前の老人は、周囲にいる法衣を纏っている集団の中でも特に豪奢で煌びやかな衣装を纏い、細かい意匠の凝らされた烏帽子のようなものを被っていた。
それでいて老獪で、どこか凄まじい雰囲気を感じさせる老人。それが目の前にいる老人であった。
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教協会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」
老人――イシュタルは、好々爺然した表情で笑って見せた。
しかし俺にはただ一つの事しか考えられていなかった。それは昔からの疑問。
即ち、イシュタルって名乗ってることをもし型月の
兎にも角にも、こうして最初の邂逅は果たされた。そしてここから、俺の真なる戦いが始まっていくことになったのだ。
そうして俺たちは大広間に通されていた。
この部屋も、召喚された大部屋に負けず劣らずの豪奢で煌びやかな装飾がされている部屋になっていた。
俺は何故か上座のグループの中にハジメとともに入っていた。原作との相違点を思い出しながら、ここをどう乗り切っていくかを考えることにした。
全員が着席したと同時に、メイドが入ってくる。あくまでも事務的に、色目を向けない様にして対応していく。ここでそんな目を見せたら、確実に傍にいる雫に切り殺される。そう俺は思うと同時に心を無にした。
全員に飲み物が行き渡ったのを確認して、イシュタル……この躰でイシュタルっていうのは何か癪だな。教皇と呼ぶことにしようか。教皇が話し始めた。
「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され」
そう言って話し始めた教皇の話は実にファンタジーであった。俺は元々それを知っているうえに本当の事実も知っているので完全に馬耳東風していた。要約していこう。
この世界の名前はトータスという。トータスには人間族、魔人族、亜人族の三個の種族がいる。人間族が北、魔人族が南一帯を支配している。亜人族は東の巨大な樹海の中でひっそりと暮らしているらしい。本当に暮らしているのだが。
そして人間族と魔人族は戦争をしている。数百年戦争が続いているが、その内に戦争で魔人族が魔物を行使してきたらしい。これじゃまずいということで召喚されたのが俺たちだった、という訳だ。はっきり言って理不尽でしかない。
「あなた方を召喚したのは〝エヒト様〟です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という〝救い〟を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、〝エヒト様〟の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」
教皇は恍惚とした表情で言った。神託を受けた時のことを思い出しているのだろう。あんなクソ神のことだからそんなことを言うはずがないと思うのだが。あいつは狂ってるし。
この世界は神の意志を疑うことなく進んでいる。それを見た我らが型月の英雄王は何を思うのだろうか。そう思っていると、突然立ち上がり猛抗議する人物が現れた。我らが担任の愛子先生である。
「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」
俺は先生のこの言葉を聞いて、やはりすごい人だなと改めて思う。原作でも立派な教師として戦い続けていたその姿をこうして実際に見ると、何だかすごい気持ちになるのを感じる。
「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」
しかしその声は、届くことなく消えていった。
場に重い静寂が満ちる。重く冷たい空気が満ちていき、場を伝播していくのを見つめる。誰もが皆、何を言われたのかわからないという表情で教皇のことを見つめていた。
「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!? 喚べたのなら帰せるでしょう!?」
「……先生。きっと彼らはただ、呼ぶことしか考えていなかったんです。だから僕たちのことを帰せと言っても、土台無理なことだと言うことしかできないんだと思います」
ハジメの放った一言が、場に動揺を広めていく。愛子先生が腰をすとんと落としたのと同時に、生徒たちの混乱が最高潮に達した。
「うそだろ?うそだろ? 帰れないってなんだよ!」
「いやよ! なんでもいいから帰してよ!」
「戦争なんて冗談じゃねぇ! ふざけんなよ!」
「なんで、なんで、なんで……」
「ウゾダドンドコドーン!」
「 ち く わ 大 明 神 」
「おい今なんかいたぞ」
「アイエエエ!」
パニックに陥るクラスメイト達。何だかものすごいことを言っている生徒たちもいるが、気にしてはいけない。だからこそ、ニンジャが混乱していてもよくわからん神がいてもオンドゥルルラギッタンディスカー!!状態になっている人がいても気にしてはいけないのだろう。
反対に俺の思考は落ち着いていた。それは無論、俺と共に行動している皆も同じことであった。最悪のパターンは回避できることは知っていたとはいえ、やはりハラハラするものである。
誰もが狼狽える中、教皇は特に口をはさむでもなく静かにその様子を眺めていた。その目にはありありと侮辱の感情が込められていた。今までの言動から察するに、神に神託を受けて召喚されたというのになぜ誰も喜んでいないのか、という気持ちが込められているように思えた。
未だにパニックが収まらない中で、天之川が立ち上がった。バン、という音が鳴り響き皆の視線が天之川に向いた。
「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
はいここで天之川のカリスマA+(偽)が発動しました。歯をキラリと光らせて笑うのはまあ構わないが、その発言が戦争にみんなを誘う一言なのだということを理解しているのだろうか。
横目でハジメのことを見てみると、ありありと疑問の感情が浮かんでいるのが見えた。畑山先生や雫、龍太郎に恵理についても同様であり、光輝のこの発言を良しとしていないことがわかった。
因みに俺も光輝の言っている事について納得できていない、というか寧ろ反発しているレベルである。
さすがに傍観してクラスメイト達が戦争に巻き込まれるのは勘弁してほしい。命を奪うということについての覚悟ができていない人間が大半を占めているのだ。此処で無駄に戦争に参加すると言って精神を壊されたら、地球に帰った時に親御さんたちに申し訳が立たない。
ぶっちゃけて言えば、この後生まれる予定である
しかし事実というものは変わり様のないものである。故に俺は、決然たる意志を以て静かに立ち上がった。
「光輝。君は、自分の言っていることが犯罪に値するということに気づいてはいないのかい?」
「なっ!何を言っているんだ天臥!」
「君の言ったことは戦争幇助。簡単に言わせてもらえば戦争犯罪人、つまりは戦犯になることさ」
「でたらめを言うんじゃない!この世界の人が苦しんでいるんだぞ!?」
……は?
おい待て、どうして世界の人が苦しんでいるということと俺の言っているの間で話の整合性が消えているんだ?
俺が言っているのはこの行為が戦争犯罪であるということなのに、どうして天之川はそれすらも理解せずに、その上でこんなことを言っているんだ?
「天臥、そう言っているということは、お前はこの世界の人の為に戦わないということなんだな?」
「待ってくれるかい、どうしてそうなる?僕はただ、今君が行っていることが犯罪であるということを指摘しているだけなのだけど」
「それならなんでお前はこの世界の人が苦しんでいるのに何も思っていないんだ!?それに俺の言っていることが何で犯罪になる!」
ここまでくると呆れてものが言えなくなってくるな。第一自分の発言をよく考えていないだろうこれは。
……あまり言いたくはなかったけど、やっぱり言わないとダメか。みんなにも理解してもらわないとな。
「それじゃあ言わせてもらうけど。さっきも言った通り、君はクラスメイト達を戦争の道に誘った。これは立派な戦争幇助だ。それに君は戦争に参加させることで、みんなを人殺しにしようとしている」
「魔人族は人じゃないだろう!それに俺は殺すつもりなんてない!」
「魔"人"族なんだから僕たち人間と同じで心を持つ立派な人間さ。それに殺すつもりなんてないといったけど、戦争に参加するということは自らの命をかけた殺し合いになるということさ。命がとられそうになっても君は、相手を絶対に殺さないと言い切れるのかい?」
「俺が殺し合いなんてさせない!」
「事はそれだけで済む範疇ではなくなってきているのさ。君の意志なんて、ぶっちゃけて言ってしまえば戦争という行為の中では綺麗事さ。人間だれしもが聖人じゃないんだ、ここにいるみんなの中で果たして殺し合いを自ら望んでしたいと思っている人間が何人いると思う?」
「俺が殺し合いになんてさせないと言っているだろう!みんなのことも俺がしっかり守る!」
「それで済む話ではないと何回言えば君は分かってくれるんだい?」
これでは押し問答だ。いくら言っても天之川は自らの言ったことについて反省をしないだろう。
しかしここまで言えば、みんなも気づいたみたいだった。中にはこれから殺し合いになるかもしれないということで体を震わせている人もいた。
それを見計らって、教皇に意見を述べることにした。
「教皇さん。見ての通り、貴方たちが召喚した勇者たちは、戦争なんてものを一回も経験したことがないただの人間様なんだ。うまいこと勇者を扇動していたみたいだけど、それだけでどうにかなると思われちゃったらこっちだって困るんだよね。君たちの勝手で呼び出されたんだ、こちらの要望を飲んでほしいけどいいかな?」
「……わかりました。ある程度の事なら、叶えると誓いましょう」
「それは僕たちにですか?それでは薄い。あなたたちの最高神、エヒト様に誓ってくれるかい?」
「…………わかり、ました」
すこし殺気を滲ませながら教皇に言うと、教皇は苦虫を噛み潰したような表情でエヒトに誓っていた。
それを見届けた後、俺は条件を提示した。
1.戦争に参加するものと参加しないものをあらかじめ分ける
2.どちらの道に進んでも待遇に差が出ないように配慮する
3.精神的に影響が出てきた場合、直ちに療養することを許す
4.最低限の生活保障全般を、国もしくは教会が全額負担する
これを全て受け入れさせると、俺はみんなに話しかけた。
「此処でしっかりと道を決めておこう。今日言わなくたって構わないから、後で必ず先生のところに言いに行ってほしい。戦争に参加するか、しないか。僕はどちらの道に進んでも止めはしない。自分たちの意志で決めて、そこから進んでいってほしいんだ。明日までに、必ず答えを出して先生のところに行くんだよ、いいかい?」
その言葉を聞いた生徒たちは頷き、考え始めた。みんな思いがあるのだろう。何があるかはわからないけど、これできっと原作よりましな方向に進んでくれるだろう。そう信じずにはいられない俺なのだった。因みに光輝は雫によって物理的に黙らされていた。
小さな声で「……ありがとうございます、天臥君」と聞こえたような気がしたが、敢えて聞いていない振りをすることにした。
基本的に一週間2.3本投稿できるように頑張っていきます。
それでは次回。
追記:活動報告をもう一度確認していただけると幸いです。