ありふれていない『天の鎖』で世界最強 作:如月/Kisaragi
まず初めに、アンケートへのご回答ありがとうございました。
読者様の中にはあれ以外の選択肢についてのコメントをしている方もいましたが、今回は二択の中からということにさせて頂きます。申し訳ございません。
もしかしたら連続投稿が今日明日でできるかもしれませんので、ほどほどに期待しつつお茶を啜りつつ全裸待機しつつお待ちください。
これまでの評価者様一覧を載せておきます。これまで取り上げてこなかったのでここら辺で一回取り上げようと思い立ったので載せさせていただきます。
田吾作Bが現れた様、鈴有希様、ババキャノン様、Bull's eye様、らりりり様、リリンリン様、真っ黒クロスケ様、メイン弓様、鳳翔 朱月様、雨那衛ゾアカ様、クロシロ大神様、センリ様、日常自販機様、おがとん様、異次元の若林源三様、柔らかいもち様、Izumi san様、lkjhg様、ドラゴニア様、ビルガメス様、霧熊様、カリギュラ様、ノロケル様、とらとらとらとらとら様、KOBASI様、サイ岩様、マクト様、kaz0429様、東等旧派様、もっつぁれら123様、テオラ様、みけねこごんべ様、秋花様、南無ゥ!?様、柳川 椿様、kojinen様、村井ハンド様、赤飯軍曹様、ぬくぬく布団様、煌大様、因幡の赤兎様、路徳様、明日奏様、かじバン様、とんとん虫様、牛鍋SMASH様、紅月 雪様、SEVEN様、本星人様、磯辺様、歪曲王様、チョコラスク様、ユウ・十六夜様、服部平次様、一森様、封印されし玉ねぎ様、ナット5様、tttomm様、karia payat様、山山山田様、財布様
評価ありがとうございました。忌憚なき評価ですので、これを糧にしつつこれからも邁進して参ります。
ここでは載せきれないですが、お気に入りしてくれている方もどんどん増えていっており、感謝に堪えません。誠にありがとうございます。
これからも時間の許す限り、そして自分の娯楽を取る時間との釣り合いも取りながら執筆していきますのでご声援の程よろしくお願いします。
長くなりましたが、次から本編でございます。お楽しみください。
転移の光が収まる。
クラスメイト全員が警戒感を高める。突然の転移と状況の変化に戸惑うものも多く、混乱が広まっていた。
ハジメたちが転移した場所は、巨大な石造りの橋の上であった。長さは目測にしておよそ100m。天井の高さもこれまでとは隔絶した高さを誇っており、20mほどはありそうであった。そして横幅は10mほど。しかし末端部分には手すりもなく、一歩踏み外せばその下は底の見えない奈落の中という状況下である。ハジメたちはそんな石橋の中央部分に転移させられていた。
「お前たち、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」
メルド団長から全体に向かって指示が飛ぶ。響き渡る雷のような号令。そこからさらに、先に落ち着きを取り戻していた雫や光輝、その他の実力者たちの指示がクラスメイト達に飛んだ。指揮権を握っているメルド団長の声が混乱の渦から抜けきっていないクラスメイト達を正気に戻す。
直ぐにまとまりをある程度取戻し、クラスメイト達は階段の下までわたわたと歩き出した。
しかし、迷宮のトラップがその程度で済むはず等はない。クラスメイト達や騎士団員達は撤退に失敗した。階段側の橋入り口に魔法陣が出現し、そこから現れた骸骨兵達に逃げ道を塞がれたからである。さらに反対側である通路側には、橋の入り口に魔法陣が出現し、ある魔物が出現した。
その魔物を目にしたときにぽつりと響いた声を、ハジメはしっかりと聞き取っていた。
「――まさか……ベヒモス……なのか」
ベヒモス。
その単語を聞いたハジメは大いに戦慄を覚えた。
父がゲームクリエイターであるハジメにとって、ベヒモスとは馴染みの深い存在である。
ベヒモスとは旧約聖書の中に出てくる陸の怪物だ。語源はヘブライ語で『動物』を意味する「behemah」の複数形に由来するもの。あまりの大きさに、一頭しか存在していないにもかかわらず複数形で数えられたとする説もあるくらいであった。一説には豊穣のシンボルであり、またある時は悪魔として見られることもあるとのこと。この世界にヘブライ語があるのかどうかなんて野暮な突っ込みはしない方がいいだろう。ハジメはそう考えながら、もう一つの情報を思い出して思いっきり顔を歪ませた。
その情報とは、かつて最強であったと言わしめていた冒険者をして勝つことのできなかった化け物ということであった。今のハジメたちは確かにステータスが高いかもしれない。しかしこの状況下でそのスキルを思う存分発揮することが出来るかと言えばそれは否である。
クラスメイト達は逃げ道を塞がれたことによって大きな混乱に誘われている。少しまとまっていたはずの連携は最早跡形もなく消え失せ、一部の人を除いたほかのメンバーたちは目の前に迫ってきている濃密な"死"の気配に中てられて自我を喪失しかけていた。
改めて状況を整えるべく、ハジメは冷静に思考を回転させ始める。
魔法陣は橋の両サイドにあり、通路側には直径十メートルほどの大きな魔法陣が一つあった。
対して階段側の魔法陣は直径一メートルほどしかないものの、その数が両手両足の指を使うだけでは数えきれないほどに大量に存在している。
小さな魔法陣から出現してくる敵は"トラウムソルジャー"であるとハジメは断定する。これまでに積み上げてきた膨大な知識の中からその結論に至ると、ハジメは少しばかり
「団長!」
「坊主、どうした!早く撤退するぞ!」
「撤退するまでの時間をどうやって稼ごうっていうんですか!?」
「俺達大人があいつを足止めしてやる!お前たちの方が確かにステータスは高いだろうが、俺達はお前たちのことをしっかりと地上まで送り届けてやらねえとならないんだ!」
覚悟の決まったかのような眼差しを向けながら、メルド団長はハジメにそう告げる。
そして騎士団員たちに矢継ぎ早に指示を下し始めた。
「アラン! 生徒達を率いてトラウムソルジャーを突破しろ! カイル、イヴァン、ベイル! 全力で障壁を張れ! ヤツを食い止めるぞ! 光輝、お前達は早く階段へ向かえ!」
「待って下さい、メルドさん! 俺達もやります! あの恐竜みたいなヤツが一番ヤバイでしょう! 俺達も……」
先程までの団長との会話を聞いていなかったのだろうか。メルド団長は光輝の発言に耳を疑いながら、信じられんというような表情を一瞬だけ浮かべる。その間にも光輝は体制を整え、奴を止めるために出ていこうとしていた。
「それはだめだ、天野川君」
――そしてそんな光輝のことを、ハジメが諫めた。
本来であればあり得るはずのない光景。そこに居たのは、いつもはオタクで何だか冴えていないクラスの男子である南雲ハジメではなく、一人の戦士として出来上がっていた南雲ハジメという男なのであった。
「なぜ止めるんだ、南雲!お前はメルドさんたちを見殺しにするつもりなのか!?」
しかしその言葉は、自らのことを信じて疑わない天之川光輝の耳には届かなかったのである。
ハジメはなぜ引かないと苛立ちを強くする。自らの後方では混乱に陥ったクラスメイト達が大勢いる。それをまとめることが出来るのは騎士団長のメルド以外には天之川光輝しかいないのである。それをハジメは痛いほど理解していた。
故に、声を張り上げて天之川に向かって怒鳴ろうかと考えた。
その、瞬間の出来事であった。
「グルァァァァァアアアアア!!」
ベヒモスが、天に向かって吼えた。その声はまるで、宣戦を布告するかのような、そんな重みが込められていた。
そしてベヒモスが一気に加速し、咆哮を上げながらクラスメイト達の元へ、ひいては騎士団員たちの元へと駆け出してくる。
撤退は始まったばかりであった。このままではクラスメイト達があの巨体によって引き潰されてしまうだろう。
そうはさせるか、とハイリヒ王国最高戦力が最高度の魔法障壁を貼る。
「「「全ての敵意と悪意を拒絶する、神の子らに絶対の守りを、ここは聖域なりて、神敵を通さず――"聖絶"!!」」」
二メートル四方の最高級の紙に描かれた魔法陣と四節からなる詠唱、さらに三人同時発動。一回こっきり一分だけの防御であるが、何物にも破らせない絶対の守りが顕現する。純白に輝く半球状の障壁がベヒモスの突進を防ぐ!
ベヒモスはその巨体による突進を止められると、その守りをぶち抜くためにさらに体当たりを仕掛けてくる。その衝突のたびにソニックウェーブが吹き荒れ、橋に衝撃が加わってくる。石造りであるにもかかわらず、その橋は大きく揺らぎ、撤退中のクラスメイト達から悲鳴が上がった。再び混乱を誘発させられると、その雰囲気は一気に全体へと伝播していき、転倒するものがどんどん増えていく。
しかし撤退していくその先にはトラウムソルジャーたちが、落ち武者を狩るかのように待ち受けている。それを見て半狂乱に陥った者たちが我先にと、階段へ向かって駆け出す。
団長から一時的のこの場の指揮を任されているアランがこの混乱を収めるべく声を張り上げるが、ひとたび混乱に陥った人間が直ぐに正気を取り戻すことは難しく、目の前に迫ってきている死という恐怖にさらに怯え耳を傾ける者はいない。
そしてついに、1人の女子生徒が転倒してしまう。小さくうめき声をあげてハッとなり上を見てみると、眼前で一体のトラウムソルジャーが剣を振り上げていた。
「あ」
近くにいる誰かが言ったのかもしれない。それとも今まさに剣を振り下ろされて思考停止に陥っている少女が言ったのかもしれない。短くつぶやいた一言は、その迷宮の中でやけに明瞭に響いたような気がした。
それを見ていた者たちが皆一様に考えたことは、"死"。その一文字であった。回避不可能で、ただ惨いもの。ある生徒が顔を背ける。またある者は声を張り上げる。そんなことをしたところで、死がどうにかなるものではないと知っていながら、皆一様に彼女の生還を祈って、慟哭を上げた。
――その瞬間、一陣の風が靡いた。
倒れ伏していく、骸骨兵。
生気を失った頭蓋骨が、からん、と音を立てて転がっていく。
少女は何が起こったのかわからないというような表情で目の前の現実を見ていた。
そしてそんな不思議な現象を実現させたのは、南雲ハジメであった。
(――ここから、どうすればいい?)
冷静に、そして着実に、ハジメはこの状況を打開するための策を考える。
状況はお世辞にもいい物とは言えない状況が続いていた。指揮を執ろうとしているアランの声は生徒たちの耳に届いていない。この状況を打開できそうである頼りになる仲間たちは光輝の傍にいて彼を説得しており、とても動けるような状況ではない。
では、自分はどうだ?そう一瞬だけ考えてみるが、自分ではこのクラスの希望になんてなれやしない。やはりここは絶対的なリーダーが必要になる。
その働きが務まる人物は、やはり天之川くんしかいないな。ハジメはそう断ずる。
久鎖李ならどうだとも考えてみたが、彼は何というかそういうのを嫌っている。こういう状況になったら働いてくれるとは思うが、やはりこのクラスの求心力が高い人物は天之川しかいないと苦虫を100匹くらい噛み潰したような表情をして言っていたので、リーダーとして相応しいのは天之川しかいないとハジメは判断した。
ならば、やることは1つのみである。
心の中でそう締めくくると、ハジメは疾風のごとく駆け出した。
読了ありがとうございました。
少々気になる切り方にはなっていますが、あまり気にしないでもらえるとこちらとしては嬉しいです。
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連投できるようにこれから頑張って執筆してきます。それでは。
今後の小説展開。どうする?
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奈落行withオリ主&ハジメ
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奈落行withハジメ