Fate/GRAND Zi-Order ーRemnant of Chronicleー   作:アナザーコゴエンベエ

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英・雄・着・陸2011

 

 

 

 彼を目掛けてくる、疾走する赤い戦士。

 その姿を認めて、ソウゴは即座にウォッチを起動した。

 

〈ジオウ!〉

 

「――――変身!」

 

 力の源を装填され、回転するジクウドライバー。

 実体化する時の王者の力。顕現する黒と銀のアーマー。

 その鎧を纏う事で、彼は姿を変えた。

 

〈ライダータイム! 仮面ライダージオウ!〉

 

 ゲイツに向けジオウの方から飛んでくるマゼンタの物体。

 後に顔に装着される“ライダー”の四文字。

 それを見据えながらゲイツが腕を振り上げ、掌を開く。

 

〈ジカンザックス!〉〈Oh(オー)No(ノー)!〉

 

 手の中に現れる戦斧。

 “おの”とそのものが記された仮面ライダーゲイツの武装。

 時間厳斧ジカンザックス。

 その赤い刃が振るわれて、ジオウのインジケーションアイを弾き返した。

 

 跳ね返ってきた文字が頭部に嵌り、ジオウの変身プロセスが完了する。

 直後に持ち上げた手の中に現すのは、字換銃剣ジカンギレード。

 

〈ジカンギレード!〉〈ケン!〉

 

 速度を緩めず突進してきたゲイツとジオウが切り結んだ。

 衝突したお互いの武装、その刃が火花を散らす。

 照らし出される互いの顔が、至近距離で突き合わさった。

 

「あんたは……!」

「貴様をここで倒し、俺は未来を取り返す―――!」

 

 刃同士の擦過音。

 ギレードとザックスの刀身が滑り合い、互いの間に滂沱と飛び散る火花。

 火花のカーテン越しに見据える怨敵。

 その姿を強く睨み、ゲイツが踏み切った。

 

 踏み込むと同時に振り上げる足。

 それがジオウの胴体を打ち据え、後ろへと押し退ける。

 

You(ユー)! Me(ミー)!〉

 

 同時に、刃を開いて変形するジカンザックス。

 本体に描かれた“ゆみ”の文字通り、弓状態へと変わる武装。

 弓を引き絞り放つ光の矢が、間を置かず連射される。

 ジオウに向けて殺到する矢の雨が無数に、その鎧へと直撃した。

 

「ぐ……っ!」

 

 衝撃に見舞われて蹈鞴を踏む。

 押し込まれて背中に迫ってくるアマゾネスの街。

 だがアマゾネスたちに動きはない。

 街から踏み出さず、彼女たちは外で戦い始めた相手をただ見ている。

 

「―――って、これどうするのさモリアーティ!」

「うーん。しかしコレ、私たちが手を出したものかどうか」

 

 突然の襲撃にアストルフォが声を上げる。

 因縁ありげに襲撃してきた相手。

 その二人の戦いに乱入するべきかと困惑するアストルフォ。

 対してモリアーティは、アマゾネスの街の様子を見ていた。

 

 体勢を崩したジオウに対し、再び斧を手にゲイツが斬りかかる。

 それを剣で受け流しつつ。

 しかしジオウは少しずつ、後ろの街へと追いやられていく。

 

 そうして後ろに進んでいくジオウを見て、片目を瞑るモリアーティ。

 

 どちらも男。

 このまま街に踏み込めば、アマゾネスが双方を襲ってくる可能性が高い。

 ―――と、考えていたのだが。

 

 どうにも、アマゾネスの態度がおかしい。

 

(警戒しているのは確か。しかも最大級に。

 だが警戒している相手が違う。私たちの事はほとんど意識していない感じだ。

 そしていま彼女たちが警戒しているのは、先程の反応を見る限り―――)

 

 ジオウが街までの距離を縮めるごとに、アマゾネスの緊張は上昇する。

 彼女たちの間で天井知らずに上がり続ける緊張感。

 

(まあ街に踏み込んだら何かが起きる、と考えるのが自然かナ)

 

 結局情報が足りていないのだ。

 限られた情報で考えたところで、推測にしかならない。

 とりあえず状況証拠だけで動いてみるしかないだろう。

 

 空を見上げつつ、モリアーティが棺桶に手をかける。

 

「とりあえず私が撃つので、君はいつでも動けるようにしておいてくれたまえ」

「分かった!」

 

 アストルフォの返答と同時進行で展開する火器。

 複合兵装ライヘンバッハが銃口を無数に展開する。

 

 ターゲットはジオウを襲う赤い仮面ライダー。

 狙うのは彼がジオウと刃を交わし、弾け合い、距離が開いた瞬間。

 そのタイミングで以て、必中の属性を持つ射撃を挟み込む。

 

 火を噴く銃口。

 吐き出される銃弾は全て過たず、ゲイツへと直撃する。

 その横入りに対し、銃弾の衝撃に体を揺らした彼が振り返った。

 

「ちぃ……! 邪魔をするな!」

 

 同時に再び武装を弓へと切り替え、引き絞る。

 反撃と放たれる光の矢。

 それをアストルフォのランスが迎撃し、砕く。

 

 そうしている内に、踵で地面を削りながらジオウが街へと滑り込む。

 アマゾネスの緊張は高まる、が。

 誰も動かず、また何も起こらない。

 

(何も起きない……?)

「ム……」

 

 ジオウが顔を小さく左右に巡らせ、その状況にモリアーティが眉を顰める。

 アマゾネスたちは身構えているにも関わらず、誰一人として動かない。

 紛れもなく彼女たちも何かに備えているのだ。

 この街に蔓延し、そしてこの場にいる彼女たちが漂わせているただならぬ雰囲気。

 肌に感じるこの感覚からして、間違いない。

 

 目の前にきても何もしない。

 街に踏み込んでも動かない。

 ―――じゃあ、一体?

 

〈タイムチャージ! 5! 4!〉

 

 ジオウの思考を切り裂くタイマーの音。

 すぐさま顔を上げればゲイツが既に弓を己に向けている。

 その鏃を射出する砲口、ザックスペネトレイターには高まるエネルギーの塊。

 

〈3! 2! 1!〉

〈タイムチャージ!〉

 

「く……っ!」

 

 咄嗟に自身もギレードのリューズを叩く。

 当然のように、ジカンギレードの数える時間はジカンザックスに追いつけない。

 

〈ゼロタイム! キワキワ撃ち!〉

 

 放たれるエネルギーアロー。溜め込んだパワーを十分に圧縮した一撃。

 それに対し、力の充填が半端なままの刃で対抗する。

 

 直進してくる光の矢。

 振り上げられるギレードの刀身。

 それらが空中で正面から激突して、衝撃を撒き散らした。

 

 激突地点。

 捲れ上がる石畳。罅割れる近すぎた塀。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

(―――……街の破壊、か?

 彼女たちも恐れる何かが起きる条件が、達成された……?)

 

 離れている位置にまで届く攻撃の余波である爆風。

 伴って吹き付ける砂塵から目を軽く覆いつつ、相手を観察して。

 モリアーティはほんの僅か目を細めた。

 

「づ、ぁ……ッ!」

 

 数秒置いて、後ろに転がされるジオウ。

 その手から剣が落ちて滑っていく。

 代わりに光の矢は狙いが逸れ、離れた地面へと突き刺さりそこを爆砕した。

 

「次でトドメを――――!」

 

 赤いライダーが再び弓に手をかける。

 狙いは当然地面に転がったジオウ。

 

 それに待ったをかけようと走り出そうとするアストルフォ。

 同時に、そんな彼に待ったをかけるモリアーティ。

 

「待ちたまえ、アストルフォくん」

「待たない! そんな場合なもんか!」

 

 そんな一秒ほどのやり取り。

 ()()を満たしてしまった直後。

 ルールを侵した者へ最後に与えられる、凪のような静かな一時。

 それが過ぎ去った、次の瞬間。

 

「いや――――」

 

 ―――空が、割れた。

 

 光源となる苔の天井の下、発生する大渦。

 その先に広がっているのは星の海原。

 夜空―――ではなく、紛れもない宇宙空間の真っ只中。

 

「今度こそ来るぞ、奴だ!!」

 

 街から響く怒号。

 直後にアマゾネスたちが放つのは、戦士を奮起させる雄叫び。

 鼓膜を破裂させるような怒涛の音圧。

 ただでさえ好戦的な女戦士たち。

 そんな者たちが更なる戦意を溢れさせるために行う、開戦のための儀式。

 

 それを知らずに見舞われた者たちが、咄嗟に耳を塞ぐ。

 最早それ自体が回避不能の兵器であるとばかりに襲いくる音の津波。

 

 ―――それを、

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■――――――――――ッ!!!」

 

 街中合わせて数百に達するだろう、というアマゾネスの放つ雄叫び。

 それを全て塗り潰す、神意の咆哮。

 絶対的な存在による完全なる逆撃に、アマゾネスたちが揃って体を竦ませた。

 

 ―――咆哮(ざつおん)が止まる。

 

 そうして発生した無音の瞬間。

 開いたワームホールを潜り、大地に着弾する巨体。

 

 ゆっくりと身を起こすそれは、5mを越える身長。

 全身に白と水色の入り混じる装甲を纏った鈍色の肉体。

 その手に携えるのは、長剣と戦斧の混ざった武具。

 

 着陸を終えた宇宙からの使者。

 そんな巨体に顔を向け、ジオウが息を呑む。

 

「アナザー、フォーゼ……ヘラクレス!?」

 

 答えはない。

 降臨した大英雄の意識はまだ、どこにも向いていない。

 

 ヘラクレスが召喚された可能性は示唆されていた。

 だから敵対の可能性も当然考えてはいた。

 だが、あまりにも予想外の姿。

 

 アナザーフォーゼ化してるのはいい。

 恐らくはスウォルツ―――加古川飛流がフォーゼの力を回収した結果だ。

 だが明らかにイアソンのそれとは違い、進化している。

 いや、それもいい。そういうこともある、と分かっていた話だ。

 

 しかし、ヘラクレス自身の姿だ。

 アナザーフォーゼという怪物の姿に変わり切っていない。

 むしろヘラクレス自身が巨大化し、怪物になったかのような姿。

 異常召喚されたと言っても、あんなものになっていようとは。

 

「―――――」

 

 ようやくその巨体が首を動かし、赤く輝く目を巡らせる。

 ただ視界に入るだけでも死を直感させるような圧倒的な威風。

 そんな最強の狩人が真っ先に目を付けたのは、

 

「■■■■■■■■■■■■■――――――――――ッ!!」

「なにっ……!?」

 

 赤い仮面ライダー、ゲイツ。

 彼の存在を認め、ヘラクレスが咆哮する。

 彼の着陸の衝撃で止まっていた状況が、再び動き出す。

 

「ぐ、ぅ……恐れるな! 奴の首を取り、女王に捧げよ!!」

 

 アマゾネスの攻勢が開始する。

 号令を切っ掛けとして矢が飛ぶ、槍が走る、剣が舞う。

 だが大英雄はそれに何の反応も示さない。

 全てに無反応、全てが直撃。だが当然のように傷一つも負わない。

 アマゾネスに組み付かれても、何の反応も返さない。

 

〈ロケット・オン…!〉

〈エレキ・オン…!〉

〈チェーンソー・オン…!〉

 

 ヘラクレスが手にした武装の柄尻に展開されるロケット。

 同時にその刀身が巨大チェーンソーに代わり、目が白むほどに放電を始めた。

 刃が回転する事で奏でられる、耳を劈く金切り音。

 

 放電の余波だけで彼の周囲のアマゾネスたちが吹き飛んだ。

 その事実に対して、ヘラクレスからの反応はない。

 

 そもそも彼の狙いはオーマジオウのみ。突然の乱入者が何者かさえ関係ありはしない。知りもしない相手とやりあってなどいられるか、と。

 ゲイツは当然のように距離を取るために動こうとして、

 

〈N…!〉〈S…!〉

〈〈マグネット・オン…!〉〉

 

 ヘラクレスの眼光が見据えるゲイツが赤く、ジオウが青く。

 それぞれ別の磁極を与えられ、一瞬だけ光る。

 次の瞬間、二人が揃ってお互いに向かって思い切り吹き飛んだ。

 

「え、ちょ……!?」

「な……! 何をする貴様!」

 

 N極(ゲイツ)S極(ジオウ)が空中で激突。

 ぶつかった姿勢のまま、ぴたりとくっついた。

 結果的にジオウがゲイツの胴に横から抱き着くような姿勢。

 ゲイツが引き剥がすためジオウの肩を押し退けようとすれば、そこに掌がくっついてしまう。

 

「おいこの……! 離れろ魔王!」

「離れられないんだって!」

 

 押し退けようとするのは完全に悪手、と。

 それを理解してゲイツが叫べば、出来ればやってるとソウゴが叫ぶ。

 どうにかするためにジオウがウォッチを取ろうにも、腕のホルダーに反対の手が届かない。

 前腕がゲイツの胴体にくっついて伸びきらない。

 

 そんなやり取りなど関係なしに、ヘラクレスが踏み切るために身を沈めた。

 ロケットの加速も合わせれば、踏み切った後に此処に到達するまで十分の一秒とかからない。

 

「来るってば!」

「だから貴様が離れなければ……くそッ!」

 

 揃って離れようとするが、体が動かない。

 ジカンギレードは先程の攻防でどこかに行ってしまった。

 ジオウが仕方なし、何とか腕を動かすために力を籠め―――

 

「これ取るよ!」

「貴様、勝手に……!」

 

 強引に腕を回して、ゲイツのドライバーに手をかける。

 そうしてゲイツのウォッチに手を張り付け、引き抜いた。

 掌にくっついたそれを彼の前に出し、顔をジカンザックスへと向ける。

 

 時間厳斧ジカンザックス。

 ジカンギレードと同系統の武装であるそれには、ウォッチを装填するスロットがある。

 であるならば、同じように必殺の一撃を繰り出す事が可能なはずだ。

 

「斧! その斧こっちに持ってきて!」

「誰が貴様の言う事など聞くか!」

「そんな場合じゃないじゃん!」

 

 ゲイツのウォッチがくっついた腕を伸ばすジオウ。

 それから逃がすように、ゲイツもまたジカンザックスを握った腕を伸ばす。

 

「―――いいや、そんな場合だ!

 ここで貴様を仕留められれば俺の目的は果たされる!

 死なば諸共! ここが年貢の納め時だ、オーマジオウ!」

「俺はオーマジオウにならないって……!」

 

 グシャリ、と。そこで石畳の断末魔が聞こえる。

 ヘラクレスに踏み切られた地面が弾け飛ぶ。

 加速した瞬間に到達する異次元のトップスピード。

 狙いはただ一つ、目の前に存在する仮面ライダーゲイツ。

 

 そんな突進の瞬間に、

 

「こん、のぉっ! “触れれば転倒!(トラップ・オブ・アルガリア)”――――ァッ!!」

 

 何とかして間に合わせ、アストルフォがその槍を突き出した。

 その宝具であるランスの一撃にさえ、ヘラクレスは意識を向けはしない。

 直進軌道にあるものはただ通過するだけで薙ぎ払う。

 

 ランスの穂先が大英雄の肩に触れ。

 しかし、アストルフォ自身はヘラクレスに轢かれる前に弾かれた。

 彼の纏う雷霆だけで、いとも容易く跳ね返されていた。

 

「っ、……けど十分! これでバランスは崩れ……!」

 

 宝具、“触れれば転倒!(トラップ・オブ・アルガリア)”。

 彼が持つその馬上槍をサーヴァントへと振るい、間接的にであっても触れさせた時。

 その瞬間、強制的に膝下への魔力供給をカットし霊体化させる。

 つまりこの瞬間、彼は一時的に脚部を失う事が確定した。

 

 彼が両足を失ったのは、いま正に地面を踏み切った瞬間。ロケットの加速があっても、いやその加速があるからこそ。突進の瞬間にいきなり両脚を失った事によるバランスの変化は、一気に彼に牙を剥く。一度仕切り直さなければ、ソウゴたちに真っすぐ跳ぶ事もできまい。

 如何にヘラクレスとはいえ、この状況を一瞬で立て直すのは速度があり過ぎて難しいはず。こんな速度で、しかもこんな悪状況で強引に軌道を捻じ曲げられるとしたら、それこそ彼と双璧をなすギリシャの大英雄くらいなもの――――

 

〈ホッピング・オン…!〉

 

「――――――」

「ほえ?」

 

 消え失せたヘラクレスの左足。

 その膝上に展開され、強引に固定されるスプリングユニット。

 そうして装着された濃桃色のユニットはまるで義足のよう。

 彼はそのまま、その新たな足を利用して、()()()()()()()()()

 

「うっそぉ!」

 

 ギシギシと悲鳴を上げるスプリング。

 ヘラクレスの超重量を一瞬後に全て反発させるための予備動作。

 まるで吊り上げられていくギロチンの刃。

 避けえぬ死の予感が目の前で膨れ上がっていく事実に、

 

「ちょ、っと……! あんたはこれでいいのかよ……!

 オーマジオウを許せないからって、あんた自身も命を捨てるようなやり方で……!」

「俺だけじゃない……! ここに辿り着くまでに、俺の仲間は全員命を捨てた……!

 ここでお前を終わらせられるなら、俺は方法なんて選ぶ気はない……!」

 

 ジオウが移動しようと足を動かそうとして、そうはさせぬとゲイツが踏み留まる。

 ほんの数度言葉を交わしただけで、平行線だと理解した。

 彼の怒りと憎しみに一切嘘はないからこそ、そこを否定する気もなくなった。

 

 互いに多少なりとも動かせるのは片腕。

 ジオウはそこにゲイツのウォッチをくっつけ、ゲイツはジカンザックスを握っている。

 

 アストルフォはヘラクレスに跳ね返されてすぐに復帰はできない。

 モリアーティにジオウを巻き込まずゲイツを吹き飛ばす火器はない。

 

「ぐ――――!」

 

 ジオウが呻く。手がない。

 この状況ではヘラクレスを止めるどころか、一撃耐える事さえ叶わない。

 その逆境を覆す手段もないままに、

 

 スプリングが、伸びた。

 

 限界以上に追い込まれたバネが生み出す反発。

 発生するのは反動で大地を割る突進力。

 ジオウやゲイツの装甲の上からさえ命を奪うに足る圧倒的な暴風。

 

 そんな破壊に対し彼らは成す術なく―――

 

「ゲイツ!!」

 

 しかしその声と共に、空から黒い光が降り注いだ。

 ヘラクレスへと直撃するその光、卑王鉄槌。

 その一撃によって上から押さえつけられ、数秒に満たない時間だけ鈍る巨体の動き。

 

「ツクヨミ……!? 何故ここに……!」

 

 そしてその光と同時にやってきた声。

 今の一撃の起点である方向を見て、そこに顔見知りの女性を見つけて困惑した。

 この街で一番背の高い建造物の屋上に立つのは、ツクヨミとアルトリア。

 ゲイツが見つけて、そして呆けた理由はツクヨミにあり―――

 

「いまぁ――――!」

 

 そうして力が緩んだ瞬間、ジオウが斧に向かって腕を伸ばした。

 掌にくっついたままのウォッチを、彼は無理矢理ジカンザックスへと装填する。

 そのまま磁力で張り付くジオウの腕。

 

〈フィニッシュタイム!〉

 

 必殺待機状態に移行した武装。

 それにハッとして、すぐにジオウに向き直るゲイツ。

 

「……ッ、ぐ、貴様……!? この、往生際が悪い―――!」

「当たり前じゃん……! 悪いけどまだ死ねないんだよね……!

 俺はオーマジオウなんかじゃなくて、最高最善の魔王になるんだから―――!」

 

 ゲイツがジカンザックスを引き戻そうとしても、張り付いたジオウの腕が対抗する。

 

 ―――卑王鉄槌という減速エリアを突破し、ヘラクレスが加速し直す。

 真っ当なサーヴァントであれば蒸発しているだろう黒い熱量。

 その中を当然のように突っ切ってきた彼には、火傷の一つすらない。

 

 よって、本当に今のインターセプトはヘラクレスを一時減速させる以外に何の効果もなく。

 このまま待てば、ジオウもゲイツも纏めて粉砕される事に変わりがない。

 

「ふざ、けるな……! 何が最高最善の魔王だ……!

 お前はこの世界を滅ぼす最低最悪の魔王、オーマジオウだろう……!

 俺の仲間も――――……!」

 

 そこで僅か、ゲイツの力が鈍る。

 失ったと思っていた仲間、2068年で共にオーマジオウに立ち向かっていたレジスタンス。

 ツクヨミの姿が確かに、先程見えた。

 

 ―――彼は2068年において、最後に残されたオーマジオウへの抵抗勢力。

 

 たった一人のレジスタンス。

 その時点でどう足掻いても、組織立てた反抗は継続しようがなかった。

 だからこそ彼は、最早これまでと決死の覚悟でオーマジオウの城への突入を選択した。

 

 真っ当にやれば届く事もなくカッシーンに潰される筈の挑戦。だがその結果は、厳重なセキュリティを神懸った奇跡の連続で突破するという現実。

 彼はそうして確かにオーマジオウの玉座にまで辿り着き―――しかしあの魔王と顔を合わせる事はなかった。そもそもあの時、彼は城内に存在しなかったのだ。

 到達できる筈がない、という考えがあれほど自暴自棄染みた吶喊を行わせた。というのに、成功してみれば情報を集めなさ過ぎてそもそもターゲットの所在すら把握していなかった。

 

 その間抜けさに眩暈を起こしながら彼は迫るカッシーンに対抗するため、玉座の間にあったドライバーとウォッチを手に取った。何らかの考えがあったわけではない。咄嗟に対抗するための武器を探し、自然とそれを取っていたのだ。

 彼がウォッチを取った瞬間、何も描かれていたいなかった黒いブランクはゲイツのものとなった。それを使い何とかカッシーンたちを突破し、彼は王都から命からがら脱出した。

 

 戦うための武器を手に入れた高揚。

 自分の行動によって警備レベルを更に上げる事になった辛酸。

 玉座まで辿り着きながら何も出来なかった悔恨。

 そもそも、考えなしに動いた自分への嚇怒。

 

 それらを抱きながらも逃げ果せた彼の前に現れたのは、憎い裏切り者。

 ウォズだった。

 

『残念ながら、私は君の知るウォズじゃない。

 彼はオーマジオウの臣下だが、私は―――君の臣下だからだ』

 

 自分への怒りに震え、次の機会を待つべく隠れていた彼。

 そんな彼をあっさりと見つけ出し、顔を見せた白い服を着たウォズ。

 

 真っ先に見せるのは、こちらをからかうような、嘲笑うような態度。

 憎らしい顔が吐き出す言葉に耐え切れず、短絡的すぎる行動を死ぬほど後悔しているタイミングであってなお、そのまま話を聞かずに殴り倒したくなるような沸き立つ怒り。

 

『実際、君は警備が不自然に薄い王宮を突破し、無事にオーマジオウの玉座に辿り着き、仮面ライダーの力を手に入れられただろう? それは私の仕込みだ』

 

 こちらの我慢の限界を察したかのように、そのウォズはそう言った。

 あまりに不自然な王宮の突破。

 それについては理由が明確に存在している、と言われる方が納得できた。

 ウォズの言葉を信用するかとは別に、何かがあったのは間違いない。

 その事実を判断するために拳を握り聞きに徹する彼に対し、ウォズが続けた。

 

『私は魔王を倒せる人物……救世主である君の助けになるために未来から来た。

 その私の立場から率直に言わせてもらうと、今のオーマジオウには君では勝てない。

 だから……君が魔王に勝てる時代で、この最低最悪の歴史を終わらせてしまおう。

 さあ、我が救世主――――今こそ闇の歴史を切り裂き、光ある未来を齎す時だ』

 

 ―――過去に遡り、若い頃のオーマジオウ……常磐ソウゴを抹殺する。

 それこそがこの最低最悪の未来を変える唯一の手段である、と。

 もう一人のウォズは彼にそう告げて、タイムマジーンによってここまで運んだ。

 その目的を果たすために彼はこうしていて。

 

 しかし、何故かここにツクヨミがいる事に思考を揺らした。

 

「今の俺はオーマジオウじゃない……!

 そんな未来にしないために、俺たちは――――!!」

 

〈ゲイツ! ザックリカッティング!〉

 

 ザックスに装填したウォッチに張り付いたまま突き出される腕。

 その勢いに負け、斧を握るゲイツの腕もまた伸ばされた。

 前方に奔る光の刃。ゲイツの持つエネルギーの大部分を注ぐ必殺の一撃。

 

 一振りの斧をジオウとゲイツの腕で支えたまま、まるで盾のように。

 

 ――――それが。

 弾丸のように襲来した大英雄の一撃に、当たり前のように微塵に粉砕された。

 

「ソウゴ!」

 

 続く悲鳴染みたアストルフォの声。

 

 正しく一瞬だった。

 激突の瞬間に砕かれ、刃が爆散したジカンザックス。

 その勢いのままに二人は揃って弾かれて、彼方まで吹き飛ばされた。

 街の外へと吹っ飛んで、木々を叩き折りながら止まらない。

 そうして瞬く間に姿が見えなくなるまで距離が開き、

 微かに追撃の姿勢を見せたヘラクレスが、何故かそこで止まる。

 

 が、次の瞬間には再起動して顔を上げていた。

 赤く輝く彼の瞳が次に狙いをつけたのは、家屋の上に立っているアルトリア。

 

「―――アストルフォ! 奴らを追え!!」

「分かってる! “この世ならざる幻馬(ヒポグリフ)”!!」

 

 召喚される鷲の上半身と馬の下半身を持つ幻獣。

 彼はその首にかけられた手綱を握り、白い頭を目的の方向へ向けさせた。

 同時に隣にいたマスターの襟首を掴んで即座に投げるアルトリア。

 彼女がそのまま羽毛の上に叩き付けられ、ヒポグリフの体が大きく揺れる。

 

「っ、ちょっとセイバー!」

「問答している余裕があるか!?」

 

〈ファイヤー・オン…!〉

〈クロー・オン…!〉

〈ジャイアントフット…!〉

 

 ヘラクレスが敵を壊すための刃を再装填する。

 刃が歪み、三つに分かれ、獣の爪を模して炎上を始めた。

 それを見てツクヨミが僅かに目を細め、すぐに前を見て叫ぶ。

 

「行って!」

「オッケー! 行くよ、ヒポグリフ!」

 

 応じる怪鳥の声と共に、鷲の翼が羽ばたいた。

 木々の残骸が道を示している、どこに飛ばされたかは明白だ。

 その痕跡を辿るように、幻獣ヒポグリフが加速した。

 

 そうして離脱する相手は一切気にかけず、ヘラクレスはアルトリアだけ見据えている。

 消えたままの膝下。

 そこに強引に装着し、足代わりにして立ち上がるジャイアントフットとホッピング。

 強引にバランスを取りながら、突撃するために力を蓄える姿勢に入る巨体。

 

 アマゾネスたちは止まることなく、街中から続々と彼を目掛けて突撃してきている。

 アルトリアたちの事など無視。ただ全力でヘラクレスに牙を剥き―――しかし意識されることさえなく、彼の纏った業火に燃やされていく。

 

 そんなろくでもない光景を目にしつつ、魔力を漲らせたアルトリアが叫ぶ。

 

「モリアーティ! どこまで掴んだ!」

「―――そうか、そうなるわけだ。不味いネ、コレは」

「ホームズごっこも大概にしておけ!!」

 

 顎に手を添え、苦い顔を浮かべる老爺。

 それに対して罵倒を飛ばし、睨みつける。

 

「最高に不名誉な言葉をアリガトウ! ヘラクレスの行動原理は()()()()

 ここはアマゾネスの国の領土、よってこの都市を害した者を排除するように動くのだろう!

 与えた被害が大きい相手を優先して狙う節もある!」

 

 よほど気に食わなかったのか、すぐに返ってくる答え。

 

「つまり私の攻撃の余波によって出た被害が、奴が私を優先して狙う理由か!?」

「恐らくは! だが問題がある! 土地、都市―――()()に対する被害は君が稼いだもの!

 アマゾネスの戦士たち、()()に対する被害はほぼ出していない!

 だって彼女たち、街中から集まって自分たちから君とヘラクレスの戦いに割り込もうとして、ヘラクレスに吹き飛ばされてるからネ!」

 

 街中で響く怒号は、どんどんこちらに寄せてくる。

 この街にいる全てのアマゾネスはここを目掛けて迫ってくるのだ。

 だからこそ、男性たちを避難させようとしているもう片方のチームは安全だろう。

 

 タイムマジーンの出現を察したが故、ツクヨミだけはアルトリアに連れられこっちに来た。

 だが他のメンバーは今頃避難誘導を始めているはずだ。

 アマゾネスとヘラクレスの関係は掴み切れないが、ここでやるべきは男性たちの奪取。

 彼らを解放次第、一度離れて状況を整理し直すのが―――

 

「―――では、彼女たちが抱えていた()()は?」

 

 そうして、モリアーティが続けた言葉にアルトリアが目を見開いた。

 

「……ッ! 奴隷、()()か――――!」

「そう! つまり今、マスターたちが絶賛火事場泥棒中になるというわけだ!

 私の考えが正しい場合、その被害額が君が都市に対して与えた被害額を越えた瞬間、ヘラクレスがターゲットを変えてしまう!」

 

 対象がどうなるかが問題でもある。

 サーヴァントならまだしもマスターが照準されたらどうしようもない。

 こちらで引き付けていた筈のヘラクレスが、突然あちらに向かったら対応が遅れる。

 この敵の行動指針は、即座に共有しておかねばならないものだ。

 

「チィ……! 避難の終わった区画は分かるか!? 纏めて消し飛ばす――――!!」

「分からない! そしてカルデアとの通信機を持ったマスターたちはここにはいない! 采配を間違えたと正直に言おう! あるのは即時撤退を示す信号弾くらいだ! どうしようもない!」

 

 ならばさっさと撃て、と言おうとして口を噤む。

 理由も同時に伝えなければ。もしくは理由を伝えたとしても、か。

 結局のところ捕まっている人間を逃がすのを止めなければ意味がない。

 むしろ急かされた場合、ヘラクレスのターゲット切り替えまでの時間が目減りする。

 

「―――それでも撃て! 問題があると伝わる分だけマシだ!」

「同感だネ!」

 

 アルトリアの叫びに応え、棺桶を展開するモリアーティ。

 信号弾を装填されたランチャーが顔を出す。

 それが流れるように空へと射出された瞬間、大英雄もまた動き出した。

 

「■■■■■■■■――――――――――ッ!!!」

 

 伴う炎が街を舐め、その一歩が大地を揺らす。

 砕けた石畳をバネ仕掛けの足がかける圧力で微塵に変え―――

 巨大な爪を振り上げた大英雄が、騎士王に向かって加速した。

 

「――――……っ! 侮るなよ、バーサーカー!!」

 

 打ち上げられたロケット弾が、空で色のついた光に変わる。

 

 同時に地上で激突する、赤と黒の魔力が描く螺旋。

 その瞬間に起きる激動が、周囲の建造物を粉砕した。

 

 

 

 

 

『―――戦闘は相当な規模だ。

 けどアマゾネスたちもそちらに向かってるおかげで、避難は順調に進んでる。

 このまま避難が終わり次第、撤退するんだけど……』

「あのアナザーライダー、ヘラクレスを止め切れるかが問題?」

 

 男性の確保のため、街の中の生命反応を探ったカルデア。

 幸運な事に街の男性たちはある程度纏まっていた。

 恐らくはヘラクレスの襲来を事前に理解していたアマゾネスたちの采配だろう。

 巻き込まないだろう区画に纏められていたが故に、いとも容易く救出に移れた。

 

 ヘラクレスと戦うにしろ、アマゾネスと戦うにしろ。

 救出した一般人たちはどこかに身を隠させないといけない。

 そのためにもある程度の距離を離すため、時間稼ぎをしたい。

 ―――となると。

 

「ゲイツに協力してもらえれば助かるわね……」

「それ大丈夫? いきなり襲い掛かってきたヤツだけど」

 

 ツクヨミの声に怪訝そうな顔をするアストルフォ。

 彼の手綱によって導かれ、低空飛空で吹っ飛んだ二人の痕跡を追うヒポグリフ。

 

「それは……いきなりソウゴを見たら、こうなるのは仕方ないと思う。

 でもきっとゲイツも話せば分かると思うわ」

『うーん……いや、そちらはツクヨミちゃんに任せよう。知り合いであるキミが話すのが一番だろうしね。こちらはこちらで避難を進めていくので、動けそうになったら連絡を入れてくれ』

 

 ロマニからの通信が切れる。

 向こうの補助、というよりは一般人たちを逃がす先の選定だろう。

 相当な人数を抱えての移動になるだろう事から、適当な道は選べない。

 探知だけではなく、周囲の環境からの推測も行っているに違いない。

 

 こちらも急がねば、と。

 前のめりになったツクヨミに合わせて、ヒポグリフが加速する。

 それから十数秒かけて、ようやく。

 彼女たちが探していた二つの影を見つけた。

 

 地面に転がる変身が解除された二人。

 その姿に対して、ツクヨミが叫ぶ。

 

「ソウゴ! ゲイツ!」

 

 ヒポグリフの首を叩くアストルフォの手。

 それに応じて幻獣が目的地を確定し、着地のための減速に入った。

 彼女の声に反応して、倒れていた二人が頭を動かす。

 

「ぃ、っ……ああ、そうか。吹っ飛ばされたんだっけ……」

 

 ヒポグリフが着地すると同時。

 ツクヨミがアストルフォにジェスチャーしつつ飛び降り、ゲイツに向かって走り出す。

 了解の意を返して彼も跳び、ソウゴに向かって走っていく。

 

「だいじょぶ? とりあえず今ヘラクレスはアルトリアが抑えてくれてるから……」

「ああ、うん。すぐ戻んなきゃ」

 

 よろめくソウゴに対し肩を貸し、引っ張り上げるアストルフォ。

 そんな彼らの耳にツクヨミの声が届く。

 

「ちょっと、ゲイツ!」

 

 顔をそちらに向けてみれば、そこには一人で立ち上がったゲイツ。

 彼がソウゴを睨みながら、ふらつく足取りで迫ってきていた。

 どうしよう、という顔のアストルフォを制し、ソウゴも応じるように前に出る。

 

 数秒かけて、互いに歩み寄り。

 そうして至近距離で睨み合いながら、ゲイツが口を開こうとして。

 

『―――せん! すみません、ツクヨミさん! 聞こえていますか!?

 ヘラクレスさん、ヘラクレスが先輩たちの方に来る恐れあり、と!

 まだ巻き込まれた男性の皆さんの避難中で、対処しきれない可能性が!

 ソウゴさんが動けるのであれば、今すぐにでも……!』

「――――――!」

 

 ツクヨミの通信機から聞こえてくるマシュの声。

 ソウゴがすぐにゲイツから視線を逸らし、動こうとする。

 だがその腕を掴み、彼はソウゴの動きを止めた。

 

「悪いけど後にして。急ぎで行かなきゃいけないから」

「分かった、すぐに行くから!

 ……ゲイツお願い、話を聞いて。さっきの奴が私たちの仲間を襲うかもしれない。その子たちは今、囚われていた一般人の避難をしていて逃げられないの! 今すぐカバーに入らなきゃ!」

 

 ソウゴを仲間と、そう扱ったツクヨミに対してゲイツの眉が上がる。

 

「ふざけるな!! こんな奴を、オーマジオウを信じろと言うのか!?

 どうかしてるぞ、ツクヨミ。いったい何があったんだ……!」

「それは、すぐには話し切れないけど。とにかく今のソウゴは……少なくともまだ、オーマジオウになるような状態じゃない。だから―――」

 

 言葉に迷う。単純に懇切丁寧に説明している時間がない。

 だがそれ以上に、ツクヨミ自身が今の彼はオーマジオウになるものではないかもしれない、と最低限自分を納得させられたのは、それまでの特異点におけるソウゴの戦いの記録を見てからだ。

 他人からどれだけ説明されても納得できないだろう。それが分かるから、彼女を何を説明するべきか戸惑った。

 

 ―――そうしている内に、ゲイツがソウゴを引き寄せて。

 ソウゴが、自身を掴んでいる相手の腕を掴み返した。

 

「……あんたはなんで、俺を倒しに来たのさ」

「決まっている……! 俺たちはお前が作り出す最低最悪の未来を――――!」

 

 声を荒げるゲイツ。

 最低最悪の未来、ソウゴもまた目の当たりにした地獄の時代。

 あれを防ぐために、という行動理由は一切否定するべきものではない。

 ソウゴ自身、あんなものは絶対にごめんだと思っているから。

 

 だからこそ。

 

「―――だったら今、俺の事なんて後回しでいいだろ。あんたが俺と戦うためにここに来た理由が、ただ俺が邪魔なだけってわけじゃなくて、オーマジオウに支配された最低最悪の世界を正しいものに変えるためだ、って言うのなら……いま、目の前にある異常に支配されたこの世界だって見逃しちゃいけないって思うはずだ」

 

 オーマジオウという最低最悪の支配者を見逃せない、という思い。

 それがあるならばこそ、同じようになろうとしているこの世界だって止めなきゃいけない。

 

 この世界に巻き込まれて傷付けられそうな民が、今そこにいる。

 だったら動かないと。

 

「そうじゃなきゃ……そうやって助けるために動けなきゃ、オーマジオウと一緒だ」

「お前……!」

 

 皆を助けるために、全部を良くするために、選んだ王様の道。

 オーマジオウになる気はない。ああなった自分を認める気はない。

 けれど、いつだって。

 

「俺は最低最悪の未来なんて創らない。最高最善の未来のために今を生きる。

 あんただって最低最悪の未来を壊すためにここで戦えばいい。

 その結果、あんたが正しいと思う手段が俺を倒すことになるならそれでもいい」

 

 オーマジオウにならない為にオーマジオウを否定するんじゃない。

 自分が目指した王様は最高最善のものだから受け入れられない。

 オーマジオウを否定するためではなく、最高最善の未来が欲しいからあんな場所で止まれない。

 常磐ソウゴの夢は、オーマジオウなんかよりずっと先にある。

 

 例えオーマジオウが未来の常磐ソウゴなのだとしても。

 どんなカタチであれ、オーマジオウに縛られている暇なんかもう無い。

 

「―――でもそれは今じゃない。今はもっとやらなきゃいけないことがある。

 オーマジオウを倒すために戦うあんただから、そのことだってきっと分かるはずだ」

 

 互いの腕を掴みながら、視線を交わす二人。

 何かを言おうとして口を開き、しかしそのまま閉じて眉を顰めるゲイツ。

 そんな彼の態度に十分感じ入るものがあったのだと理解し、ツクヨミが声をかけた。

 

「ゲイツ……お願い、協力して。

 民間人を守りながらあの相手を止めるには、どれだけ戦力があっても足りないわ」

「うんうん、そうだね……というか早くしないとまずいかも」

 

 アストルフォが撫でる、逆立ったヒポグリフの羽毛。

 嘶く騎獣のそんな様子は、ヘラクレスの威風がここまで届いている事の証左。

 

 動いた瞬間に大惨事になる相手だ、というのは身に染みている。

 ツクヨミが言うなら、一般人がいるというのも嘘ではないのだろう。

 詳しい話などゲイツには何も分からない。

 だが、あんな怪物が街中で暴れているのが危ない、なんて言われなくとも分かる。

 

 ソウゴの腕を掴む腕に力が籠る。突き合せた視線が白熱する。

 さっき聞こえた声に余裕はなかった。きっと数秒悩むのだって致命的な行為なのだろう。

 それでも目を逸らさない魔王を前にして、彼は強く歯を食いしばって。

 突き飛ばすように、ソウゴを押し退けた。

 

「……お前を信じるわけじゃない。その一般人たちとやらを助けた後は、お前を叩き潰す」

「分かった、今はそれでいいや。俺はあんたを信じるよ、ゲイツ」

 

 さっさとそう言い返し、ドライバーを持ち上げるソウゴ。

 その態度にきつく眉を吊り上げ、彼もまた再びドライバーを装着した。

 思い切り酷い一撃を食らったばかりだが、どうにか体は動く。

 体が動くなら十分だ。オーマジオウに遅れなど取るものか、と戦意を奮い立たせる。

 

「ゲイツ、これ使って!」

「なにぃ?」

 

 自分のウォッチを握りしめ、ベゼルを回していたゲイツ。

 そんな彼に放られる別のライドウォッチ。

 咄嗟に受け取れば、それは黒と銀の本体にリングのクレストが描かれたもの。

 

「―――……っ、わざわざ俺に力を渡した事、後悔するなよ!」

「しないよ。後悔しないために、俺たちは今どうするかをちゃんと自分で選んでるんだから」

 

〈ジオウ!〉〈鎧武!〉

〈ゲイツ!〉〈ウィザード!〉

 

 言い合い、舌打ちして、ベゼルを回したウォッチを揃って前に突き出す。

 揃って構えたライドウォッチは四つ。

 彼らはそれらをドライバーへと装填し、力の現出を導いた。

 

「―――――変身!!」

 

 

 

 

 

 振り下ろされる大剣。

 もう特殊な効果は残していない、単純な大質量。

 その一撃を受け止め、切れずに騎士王が弾き飛ばされた。

 盛大に吹き飛び、地面に叩き付けられた少女の体。

 纏った漆黒の鎧が地面を削り、轍を残す。

 

「く、ぁ……ッ!」

 

 遠慮ない魔力放出でさえまるで埋まらない性能差。

 彼女が限界を迎えるまでにかかった時間は、初撃の交差から数えて30秒。

 その間に聖剣の刃を相手に叩き付ける事が叶ったのはただ一度。

 それによって相手に負わせた損傷(ダメージ)は皆無。

 

「――――――ちぃ!」

 

 モリアーティが銃撃を挟む。ヘラクレスに反応はない。

 彼は全ての銃弾、光線を一切無視。

 直撃した上で一切ダメージを受けず、そしてモリアーティに視線を向ける事さえない。

 

 地面を滑っていたアルトリアが強引に上半身を起こし、体勢を立て直す。

 聖剣を大地に突き立て勢いを殺し、何とか彼女はヘラクレスの視界に留まった。

 もはや周辺一帯の建築物は全て崩壊している。辺りは更地だ。

 これはほぼ全てがヘラクレスによる攻撃の余波。

 

 こちらの破壊に反応して動く癖に、自身が破壊することに関しては無頓着。

 無造作に薙ぎ払われるアマゾネスたちもそうだ。

 どうやら動きを変えて、ヘラクレスへの突貫は止めたようだが。

 意味のない散発的な弓矢による攻撃は続いているが、突進してくるものはいない。

 

 ―――どうあれ。

 この戦果は果たして、一体どちらのものとしてツケられるのか、と。

 セイバーは荒げた呼吸を強引に整えながら剣を構え直す。

 

 が、既にヘラクレスは首を巡らせていた。

 視界が向けられるのはまだ一般人の避難誘導をしているだろう、街の一角。

 彼の照準は次に切り替わった、と言わんばかりに。

 

 答え合わせだ。

 恐らくバーサーカーという暴風による被害は、相手であったセイバーの戦果に含まれない。

 国家に対する攻撃、その被害額。財産の盗難が、都市の破壊による被害を上回った。

 この値踏みするようなゆったりとした照準変更。

 その次に発生するのが、対象となった相手への全力突撃だというのは分かっている。

 

「っ……! モリアーティ!」

「ええい、この……!」

 

 モリアーティがロケットランチャーを可能な限り展開。

 逃げろ、という指示の信号弾。それを二十発連続して空に打ち上げた。

 そんな真似をされれば尋常じゃない異常、という事くらい伝わるだろう。

 

〈ロケット・オン…!〉

〈ドリル・オン…!〉

 

 未だに戻らない足。代わりにジャイアントフットとホッピングで地面を踏む。

 そうしながら振り上げた剣の刀身が螺旋を描く。その柄が飛ぶための火を噴き出す。

 一直線に突き抜けるための準備を止めるため、アルトリアが剣を振り上げる。

 

 が、どうやっても相手が飛び立つ前に聖剣の解放は叶わない。

 ヘラクレスとのほんの30秒の交戦。

 常時魔力放出を全開にしていなければ、それすらもたなかった。

 今の時点で死力で行った全力疾走の直後のようなものだ。

 いきなりそちらに魔力を回せと言われても間に合わない。

 

「く――――っ!」

 

 そうして、宝具の解放に至らぬまでも放った魔力を押し固めた斬撃。

 直撃してなお一切のダメージなく、彼女の前で大英雄は悠然と飛び立った。

 

 

 

 

 

「多数の信号弾を確認、どうやら全てが即時撤退のようです」

「……これは」

『緊急事態につき、ただちに死に物狂いで逃げろ。そう受け取るのが自然だろう。

 理由の程は分からないが、ヘラクレスのターゲットがこちらに向いたと見るべきか』

 

 サファイアと美遊が見上げた空の光景に息を呑む。

 幾つも光る撤退信号。先程一発撃たれたが、これは真っ当な反応じゃない。

 向こうからモリアーティが、本気で不味い、と全霊で伝えているのだ。

 

 ホームズが低い声で呟き、顎に手を当てる。

 

「……でも、それは無理」

 

 探偵の言葉を聞き、しかしそう言う立香。

 

 モリアーティを疑うわけではない。

 彼がそうしたという事は、本気で不味いというのが事実なのだろう。

 

 だがそれでも、逃げられない。百人以上捕まっている人間を誘導しきれていない。

 捕まっていた人間の大半は精魂尽き果てたような人間たち。歩く事さえ覚束ない者たちは多くいる。だがそれを時間が無いからと全員抱えていくことはできない。

 だから、逃げられない。既に避難を始めた以上それを終えるまでは、彼女らが何としても逃げる時間だけは稼がなくてはいけない。

 

「っ……防御陣形! ヘラクレスの襲来に備えて!

 マシュ、常磐を呼び戻せないか確認! 藤丸は出来る限り避難を急がせて!」

『は、はい!』

「うん!」

 

 オルガマリーの指示を受け、二人が動く。

 

『アルトリアの霊基は無事だ、撃破されたというわけじゃない!

 仮にこちらにヘラクレスが来たとして、すぐに追いついてくれるはず……!』

「問題は初撃だ。仮に技術的に可能だったとしても、受け流すという手段はとれない」

 

 そう言ってデオンが苦い顔を浮かべる。

 アナザーライダー化しているというヘラクレスの一撃を受け流せるか否かはともかく。

 背後に避難中の人間を大量に抱えている以上、ここで一切の被害を止めねばならない。

 それができる可能性があるのは、アルトリアとジオウだけだ。

 

 そんな事実に対して舌打ちしつつ、ジャンヌ・オルタが剣を抜く。

 

「まずはチビどもが揃って突っ込んでくる本体を止めるための盾を出す。

 盾にかかった時点で私が串刺しにする。

 そんでアンタとそこのちっさいのは武器が振られた場合に受け流す。文句は?」

「無い。というかそれしかない」

 

 帽子を押さえながら振り返るデオン。

 自分がデオンと共にヘラクレスの武装の対応だと理解し、フェルグスが頷いた。どうにも精神的に女性に対して剣が振れないのだが、相手が男性であるヘラクレスであれば問題ない。

 相手が相手、それこそ本来の最盛期の自分でなければまともに戦えない強者だ。だがその点に関しては問題にならない。例え一合で殺される実力差があったとしても、躊躇いなく戦える。

 戦士というのはそういうものだ。

 

「イリヤ、美遊、クロ、お願い」

「はい! ルビー、物理保護を全開!」

「サファイア!」

 

 ヘラクレスのいる方向に対して張られる魔法陣。 

 その守護の後ろについて、クロエが掌を突き出した。

 選択され、展開の準備に入る“熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)”。

 

(まず突進をわたしたちで止める。盾を割られるにしても、一度は足を止められる筈。

 そこから後の三人が時間を稼いでる内に、追ってくるアルトリアと合流した後、ミユ……あとわたしが投影したエクスカリバーを合わせて聖剣三振り。これだけやればそれなりに――――)

 

 これからの流れを大まかに思い描くクロエ。

 

 如何にヘラクレスと言えど無敵ではない。

 アナザーライダーとなっていて更に強力になっていたのだとしても、戦えない筈がない。

 彼女たちも一緒になって新宿という特異点を攻略した、という経験を得た事もある。

 だが何より、そういうことが出来るチームである、という自負があるのか。

 

 そうして息を整える彼女の前で、大気が爆ぜた。

 

 ―――その爆発から十分の一秒後、理解する。

 迫る大英雄を止める事は不可能だ、ということを。

 

 引き延ばされた意識が捉える、回転するドリルを突き出し前進するヘラクレス。

 建物なんて空気のように引き裂かれ、何の障害にもなりはしない。

 それは今こちらが張っている守りにも言える事だ。

 物理保護やアイアスの盾ですら、あれにかかれば紙屑のように引き裂かれる。

 

 それがこちらに着弾するまでの残り時間は十分の九秒。

 瞬きの間にこちらは揃って惨殺される。

 その刹那、真っ先に前に出るのは短剣を握るフェルグス。

 

 クロエの解析によればあれもまた螺旋の剣(カラドボルグ)

 だがヘラクレスが今使用しているそれとは余りにも差がありすぎる。

 勝負になどなりはしない。守りと一緒に粉砕されるのが見えている。

 

 次いで反応するのはジャンヌ・オルタ。

 その速さが叶ったのは単純に戦場でありえない怪物を見てきた経験値か。

 彼女は即座に宝具を解放する。

 相手を串刺し、恩讐の炎で火刑に処する呪詛殺傷。

 そんな一撃を、本来相手を串刺す黒炎の槍衾を、彼女は単純に()()()にした。

 

 盾の前で折り重なる黒炎の槍。組み重なるそれは呪怨の壁。

 ヘラクレスの巨体を絡めとる目的で張り巡らせる即席の足止め。

 

 それにどれほどの意味があるかは分からない。

 だがそれ以外にやれる事も見つからないまま、大英雄の巨体がこちらに辿り着く。

 

 獲物がかかると同時に黒炎の柵が、溶けるように千切れていく。

 ドリルの起こす衝撃だけで、到達を前にして三枚の盾が割れていく。

 

 この状況から、ヘラクレスを止められるわけがない。

 どれほどデオンとフェルグスが巧くやっても受け流すだけが限界だ。

 だがそれでは避難民たちが多く死傷する。

 イリヤと美遊がインストールするカードを選ぶ余裕もない。

 いや、仮にセイバーとバーサーカーを選んだところで止められない。

 

 彼はヘラクレス当人であり、アーサー王当人を悠々と突破してきた怪物。

 魔法少女がどれだけ力を尽くしても足りはしない。

 

 だから、ここからヘラクレスを止める方法があるとするのなら。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ―――空を割り、腕が届く。瞬間に競り上がる怒涛の地層。

 炎の柵を千切りながら進むヘラクレス。その巨体を外から囲む大地の氾濫。

 黒炎ごと彼の体を呑み込む大量の岩盤が、彼の動きを阻害する。

 

「――――――――――――――」

 

 意に介さず。ヘラクレスはその岩盤を割りながら進もうとする。

 岩盤の山くらいドリルで直接砕かずともついでに砕ける。

 大英雄の突進力ならそれが出来る。

 

 この程度では、到達まで1秒の誤差も生まない。

 そうして前進を続行しようとする彼の足元に突き刺さる投擲された剣。

 

〈ギリギリスラッシュ!〉

 

 黒炎の柵を、隆起した岩盤を、更に上から覆う無数のバナナ。

 大地から生えて咲く巨大なバナナが、ヘラクレスを捕らえる鉤爪となって機能する。

 そこでようやく、大英雄の速度が翳る。ジャイアントフットとホッピングには黒炎が絡みつき、四肢は岩石に覆われ、それをバナナが更に強く締め付けてくる。

 ドリルはとっくに守りの盾を粉砕したが、それを持つヘラクレスが動かない。

 

 ―――その拘束に対し、ヘラクレスが選ぶのは咆哮。

 ビートのアストロスイッチを起動し、彼の咆哮によって周囲を薙ぎ払う。

 周辺一帯を更地にできるだけの暴威。

 アナザーフォーゼ、大英雄ヘラクレス。彼の行動は悉くが災害であり、大量破壊。

 何かを止めたところで続く破壊の嵐が吹き荒れるだけであり―――

 

 その前に、彼の頭部に激突する巨大なパイナップル。

 頭を丸々呑み込む巨大なそれを被った瞬間、口を開いていたヘラクレスの咽喉を満たすパイナップルの果汁。声なく気泡だけを漏らし、大英雄の行動に空白が生まれる。

 

 きゅい、と。その状況で立香の肩の上でコダマスイカが跳ねた。

 その意味を理解して、彼女はそれを掴むと即座に上へと放り投げる。

 

「ソウゴ!!」

 

 空中に放られるコダマ。

 それを頭に乗せながら、ジオウがパインの果汁に塗れた大橙丸Zを放り捨てた。

 無手となった彼がそのままドライバーに手をかける。

 

「ああ―――! 行くよ、ゲイツ!!」

 

〈コダマビックバン!〉

〈スカッシュ! タイムブレーク!!〉

 

 ジオウが全身にエネルギーを纏う。

 形成されるエネルギー球は緑に黒のスイカ模様。

 ヘラクレスも超える巨大な球体になった彼が、その場で高速回転を始めた。

 

「気安く呼ぶな、魔王!!」

 

〈ストライク! タイムバースト!!〉

 

 体を捻り、ゲイツが前へと腕を突き出す。そこに展開される赤い魔法陣。

 そうして張った力の結晶に、彼はそのまま足を突き入れる。

 魔法陣を通る事でその足が巨大化。

 前方にいた巨大なエネルギーを纏ったジオウへと叩き付けられた。

 

 射出される大玉スイカ。

 尋常ならざる巨大さの果実が転がりながらヘラクレスの横っ腹に激突。

 弾け飛ぶ果肉。噴き出す果汁。

 爆発するように乱れ飛ぶ赤い残骸に巻き込まれ、大英雄の体が拘束帯ごと一気に流される。

 

 剥がれた地表ごと強引に赤い津波に流されていく巨体。

 それを見送りながら二人の仮面ライダーが着地する。

 地面に突き立ったジカンギレードを引き抜き、鎧武アーマーが構え直す。

 

「ここからは、俺たちの――――!」

 

 そこまで口にして、彼が横にいるウィザードアーマーを見た。

 視線を向けられている事を察し、鬱陶しげに振り返るゲイツ。

 

「……ちっ、なんなんだ? こっちを見るなオーマジオウ」

「―――ショータイムだ!」

 

 仕方なく自分で続きを述べて、改めて構え直す。

 立ちはだかるのは無双の大英雄。立ち向かう者もまた英雄。

 まだ始まったばかりのこの特異点の攻略において、それでも紛れもなく頂上決戦。

 

 黒炎を千切り、岩盤を砕き、バナナを潰して復帰するヘラクレス。

 

 かつての決戦の再演にはならない。

 大英雄が例え更に強靭になっていたのだとして、彼らはそれ以上に力を増してきたのだから。

 

 

 




 
 英・雄・着・陸と書いてジャイアントステップと読む。
 アナザーライダーフォーゼ、タイマン張らせてもらうぜ!(ヘラクレス無双)
 このメガロスは起動条件が満たされない限り、宇宙のパワーを充電するために衛星軌道上でふわふわしています。毎回ワープドライブで帰還してその都度コズミックエナジー満タンにして動いてるので、エネルギー切れは実質ありません。やったぜ、玉手箱なんていらんかったんや。

 ゲイツ登場について決めていたことはひとつ。
 初登場話は敵としてゲイツ登場で引き、次の話で即味方としてソウゴと同時変身させる。
 こういう所で地道にひらがな(ちから)を高めていく。
 
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