Fate/GRAND Zi-Order ーRemnant of Chronicleー 作:アナザーコゴエンベエ
メイルゥが遂に死ぬので初投稿です。
「なんでぇ、この人だかりは! こっちは仕事が詰まってるってのに、通れやしねえ!」
棟梁が苛立たしげにそう言って、目の前の人だかりに舌打ちする。混雑を通り越してすし詰め状態。往来にも関わらずこんな状態など、祭りであってもそうじゃお目に掛かれない有様だ。
付き従う大工たちも何が何やらと目を瞬かせていた。もちろん、道具を担いだ蓮太郎も含めて。
「今日って何かお祭りでもあるんですかね?」
「んなもんねえって。あったら俺たちだって仕事なんかしてねぇや」
下総に来て浅い蓮太郎の疑問をばっさりと切り捨て、けらけらと笑ってみせる同僚。他の連中も違いない、と彼に同調して笑いだした。
まあ確かに原因が分かっているなら棟梁だってああまで苛立つ事はないだろう。
「あんたら知らないのかい? 最近よくある怪異討伐のためって、江戸からお侍様たちが派遣されてきたんだってよ!」
すし詰めの集団の中の女性―――恐らくは自分の知ってる情報を誰かに聞かせねば気が済まぬ性質の噂好きなのだろう。そんな女性が大工衆に向かって現状をよく教えてくれた。
はあ、と何とも言えない反応を返す大工たち。
「江戸のお侍様がねぇ……まあ城下は平和だから気にならねぇが、っと。悪いな」
「ああいえ……はは、あっしとしてはお上がそうしてくれるのは嬉しい限りで……」
どこぞから逃げてきたという事になっている蓮太郎に対し、軽率な事を言ったと同僚が頭を掻きながら軽く謝罪する。それを苦笑しながら流しつつ、話題の侍衆を見るために視線を大通りの方に向けた。
集団が壁になってはいるが、ちょうどいま馬上の侍の姿が通りがかり始めていた。人々の壁で遮られていても、馬の丈の分背が高くなっている侍衆の姿ならば見上げる事ができる。完全武装した侍衆による統制の取れた行軍、そこから感じるのは並みの兵とは一線を画す練度。彼らは一片の乱れも無く松平氏の治める土気城へと向かっていく。
「ここいらはシノビ様々って感じで被害もねぇが、お上も本格的に問題を鎮めに来たって事かねぇ」
江戸から来た侍衆が原因ならば、誰もこの通行止めに文句など言える筈もない。民衆はただ静かにその行列が過ぎ去るのを待つしかないのだ。
そんな状況で蓮太郎の目に留まったのは、集団の中ほどで馬を駆る高齢の男性。馬上にある鍛え抜かれた侍衆の中でも、明らかに彼だけが別格であると感じ取ったのだ。
(もういい歳だろうに……とんでもないな)
表情、態度に出さないようにしつつも驚嘆する。老いと言うのは肉体にとっての向かい風ではあるが、歳を重ねて洗練される強さもある。無論そんな事を分かり切った上で、その男が放つ剣気は余りにも鋭く、また活力に満ちたものであると感じた。確かにこれほどの武士であれば、今まで自分が相手にしてきた怪物など、木端のように散らしてみせるに違いない。
そうして男を気にしていたからか。ふと、老爺の側に影が増えた。普通ならば注意しても気付かないだろう、霧中に張った薄氷のような気配。その気質に同業のそれを感じて、蓮太郎は僅かに目を細めた。
(忍者……?)
馬の頭と騎乗した者たちしか見れない状況だ。老爺の近くに徒歩で侍っているだろう、その忍の姿はもちろん見えない。高所に移れば簡単に見えるだろうが、そんな事をすれば逆にあの老爺に気取られるのが必定。少なくとも大工姿でそんな事をするわけにもいかないし、忍者装束やシノビに変わってまでそんな事をする必要があるかというと、そういうわけでもない。あれだけ立派な侍衆なのだ、諜報隠密の忍者が所属していたとして何がおかしいわけでもない。
(けどこの気配、どこかで……?)
気のせいである、と片付けてしまうのが一番正しい気がするほどに小さな、ほんの僅かな引っかかり。直視すれば真実に思い至るのか、或いは気の迷いだと笑い飛ばせるのか、それすらも曖昧な感覚。
そうして困惑している意識に気を入れ直し、蓮太郎は即座に大工の新入りに立ち戻る。
―――仮に何かがあったのだとしても、今は深入りは禁物だ。このような人のごった返す往来で探りを入れるなど論外。探るにしても相応の準備をしてから、相応の時間を選んで。
そこにどのような陰謀が秘められていたとしても、彼は彼の信ずる道のためにシノビとして刃を振るうのだ。
▽
藤丸立香の案内の下、オルガマリー・アニムスフィアを始めとするカルデアの面々はおつると名乗るサーヴァントの拠点に辿り着いた。挨拶もそこそこに彼女たちは情報を共有し、立香が一回生死の境を彷徨ったと聞いて、オルガマリーが頭痛を通り越してくらりと倒れかけたりしたものの、それほど時間もかけずにカルデアとおつるは、この地における協力関係を改めて結び直した。
「それでは皆様方もカルデアとは連絡が取れない状況、という事なのですか?」
「ええ、そういうことね」
すっかり冷めた緑茶を今頃啜りつつ、オルガマリーが溜め息を吐く。
その答えを聞いて、おつるは何とも言えない表情を浮かべた。
「おつるさん?」
「いえ、何でもありませんよ。何ともありませんとも」
この何でもない会話の中、一体何が何ともないと言うのか。
おつるは着物の裾で口許を隠しながら、立香から視線を逸らしてしまう。
「それにしても、まだ繋がらない?」
それはルビー、そしてサファイアに向けて放たれた言葉。存在証明は行われているものの、カルデアとの通信は未だ繋がらず。
「ダメダメですねぇ~」
「せめてこちら側にも呪術に詳しい方がいればいいのですが……」
頭からアンテナを生やしたステッキ二本はそう言って、落ち込む事を表現するように羽飾りから力を抜いた。
そんな浮遊物体から視線を外し、小太郎に問いかけるツクヨミ。
「呪術の専門家……小太郎は心当たりしない?」
「まったく無いとは言いませんが……流石にキャット殿に比肩するような呪術師となれば、この周辺どころかこの時代にはいないかと……」
並行世界ではあるがここは風魔小太郎が生きた時代だ。活動していた地域としても近しい。その上で彼はそれほどの呪術師には心当たりはないと、申し訳なさそうに口にした。
タマモキャットはそもそも英霊的にどういう存在なのかもまるでよく分からないが、それはそれとして超常存在、超級の呪術師なのだ。本人は仕方なく、本当に必要にかられた時にしか呪術など使おうとしないようであるが。
そんな彼女と同等の技量を持つ存在を探そうと思えば呪術師の全盛期、この時代から更に500年から1000年ほどは遡って探さねばならないだろう。
「それはそれで、逆に妖術師とやらがどこから出て来たのか疑問になるがな」
腕を組んで片目を瞑り、溜め息混じりにそんな事を呟くゲイツ。
リンボはいいのだ。サーヴァントである以上、この時代から逸脱した呪術師であっても納得がいく。だが妖術師と呼ばれる黒幕らしき人物は、英霊剣豪というサーヴァント召喚の起点であると思われる以上、この時代の人間だと考えるのが筋である。
仮に聖杯に匹敵する呪物があったとして、この時代の者が単独で英霊召喚ほどの大儀式に繋げられるとは流石に思えない。
「魔神が協力しているかもしれない……ってわけね、一応」
魔神の存在はどうにも怪しい、というより特異点ならぬ並行世界に引きずり込むのは如何に魔神と言えど無茶が過ぎる。ただ魔神の関与を絶対的に否定できる材料があるわけでもない。結局のところ状況の混沌さが異常すぎて何も状況証拠として機能しない、という酷い有様なわけだ。
「情報を整理しようにも手元にあるのは実際直面した事象のみ、ね」
さてどうしたものか、と顎に手を添えるオルガマリー。
そんな主の傍に控えていた小太郎。彼はふと家の外に聞こえるざわめきに反応すると、障子戸へと近づき手をかけ、薄く横にずらして外の様子を窺う姿勢を見せた。
彼が見せる忍の所作に首を傾げる面々。外の喧噪の原因は考えるまでもなく、此処に来る間にも聞いた江戸からの侍衆が理由だろう。それをこっそりと窺う事に何か意味があるのだろうか。
(……あの行列に忍が混じっているのはおかしくない。ただ、こちらの警戒線をすんでのところで踏み越えずに離れていった今の気配……)
思考を掠めるのは昨夜の怪人。紅のアナザーライダー、キバ。あの怪人が姿を消した直後に現れた源頼光との交戦を経てなお正体不明。正体を探るための情報はまったく無い、と言っても過言ではない状況ではあるが、ただ一点。
風魔小太郎という人物による、推測と称するには情報の足りていないほとんど直感染みたもの。その感覚において導き出されたアナザーキバの正体は―――
「……いえ、あの侍衆付きの忍がいくらか周囲にいるようでしたので」
開けた時と同じように音も無く戸を閉める。
そう、と主であるオルガマリーは納得して、他の者たちも含めて思考に戻っていく。ただそこで唯一、小太郎と同じく気配を察していただろう胤舜。彼は数秒ほど思案顔を見せたものの、しかし何かに言及する事もなく、黙秘を通してくれた。
(仮に、本当に僕の想像通りであるとすれば侍衆も黒か? 全員ではないにしろ、妖術師の協力者が紛れている可能性は否定できない、が。だとしても、最早あの集団の登城は止められない)
この国、下総が丸ごと敵になる可能性。あの侍衆の登城がそのための下準備であるならば、相手はもう行うべき下準備を整えて、最後を見据えていると言う事なのだろう。
阻もうとするにはもう全てが遅いのかもしれない。
(―――……ならば逆に、か)
小太郎は状況の考察に勤しむマスターたちに視線を送る。相手の計画は止まらない、かもしれない。だがそれならば、成就した相手の暗躍の成果を真正面から食い破るのがカルデアの流儀だ。
そんな事を口にしたら
相手を阻むために時間を使うのではなく、こちらが万全を期して対抗するための準備に時間を使う。元より後手がスタンダードになるカルデアでは、そちらの方が有意義なのだろう。
(そもそも勘ぐっているのも、それに動揺しているのも僕だけ。切り替えるべきだ)
「とりあえず仮面ライダーシノビに会いに行ってみない? 本人もよく分からない状態でこの時代に仮面ライダーがいる、って時点で白ウォズも怪しいし。ゲイツが行ったら顔出すかも」
「出てきたとしてどうする気だ、縛り上げでもするのか? 望むところだが」
そもそも付き纏われている事実が未だに呑み込めていないゲイツの呆れた声。言ってしまえば白ウォズの目的、そのための行動が論理的なものとして解せていないのだ。ゲイツからすれば我が救世主と呼ばれても、彼の行動・言動いちいち全てに納得できない。
ついでにウォズ、黒ウォズと瓜二つな辺り八つ当たりの相手としては満点だ。怪しいから縛り上げる、というなら全力で取り掛かる事に否やはない。
「縛っておいてもいつの間にか消えてそうだけど」
「……まあ捕まえられるかどうかはさておき、ゲイツが接触したらあの白いのが顔を出すかどうか、確認しておくべきかもしれないわね」
ツクヨミとオルガマリーはそう言って肩を竦める。
「ただまだ外は大騒ぎだし大工の仕事もあるだろうし夕方くらいまで待った方がいいかも」
そんな二人に対し、立香は顔合わせ済みの蓮太郎を思い浮かべつつそう言った。日中の彼は大工仕事の新入りだ。前のように仕事をしている最中に呼び出す、というのを何度も行うのは迷惑だろう。太陽が落ち切るまで仕事詰めというわけではなかろうし、大人しく仕事終わりまで待つべきだ。
そうであるなら、と美遊が口を開く。
「先に買い物を済ませてしまうべき、でしょうか?」
「通信はルビーとサファイアに任せるしかないし、それしかやる事ないもんね……」
空中で奇妙な動きをしている相方を見上げるイリヤ。本当に任せていいのか悩むところだが、残念ながら任せる以外に選択肢というものが無い。
元々は青年一人に童女と赤子、加えて坊主と風来坊。そんな人数だった庵の密度は、カルデアの参加によってとんでもない事になってしまった。当然のように昨夜で備えは使い切られて、早急なる買い出しの必要性にかられているわけだ。それを聞いていた立香が、ふとおつるへと視線を向けた。
「……ねえ、おつるさん」
「どうぞお気になさらず、立香さんは皆様と合流して下さい」
自分には自分の役目がある、と。おつるは微笑みの柔らかさとは真逆、頑ななまでの意思を長くない言葉から窺わせ、立香が一緒に来ないか、と続けようとした言葉を遮った。
答えがそうなるのだろうな、とは思っていた。だが改めて声の強さからその頑固さを感じ取り、立香が困り顔を浮かべる。
「……そっか、そうだよね。おつるさんならそう言うと思った」
「ええ、そうですとも。まだまだ織らねばならない着物がありますので。世界の危機、人理の危機にサーヴァントとしては少々問題かもしれませんが、私に出来る事などこれくらいなものですし。
……あと正直、今カルデアと通じてもこう、何を話せばいいか纏まらない、みたいな。そんな心地ですので、いつ通信が繋がるかもしれない状況で長々と過ごすのは心臓に悪いというか……」
「え? なに?」
後半はやたらと小声だったために聞き逃してしまった。改めて確認しても、おつるは曖昧な顔をして何でも無い、と誤魔化してくる。
少々気にかかりはしたが、無理に追求するほどの事でもないだろう。立香は小さな声故に聞き逃してしまったが、まず間違いなく小太郎はその言葉を耳に入れたはずだ。そんな彼が特に反応を示さないという事は、明かさねばならないような重大な秘密ではないという事。なら、自分は聞き逃してしまったという時点でこの話はおしまいだ。
「とりあえず皆で買い物して回って、一度ここに戻ってきて荷物を置かせてもらって、時間になったらシノビに会いに行って、終わったら荷物を取りに来て帰る……って事でいいのかしら」
「あ、だったら―――」
「こんな状況とは思えん随分のんびりとした一日だな」
ツクヨミが口にしたのは、まるで昨夜の交戦など無かったようなのんびりとした予定。それに対し少し遠慮がちに声を上げようとしたイリヤが、溜め息交じりに暢気さを指摘したゲイツの言葉に押し黙った。
と、図らずも少女を黙らせたゲイツに対し、ツクヨミが遠慮無く叱責の視線を飛ばす。彼はそれを正面から受け止めると声を詰まらせ、数秒ほどすると所在なさげに顔を逸らした。
「どうしたの、イリヤ?」
「あ、えっと……やっぱりいいかな、って」
「いいのよ、イリヤ。ゲイツの言うことは気にしなくて」
一斉に敵に回る女性陣、というかツクヨミ。
更に美遊から敵意が飛んできている。
つまり一組の主従がまるっと敵方に回ったということだ。
「……何で俺のせいになる」
むっつりと眉根を寄せたゲイツの肩を胤舜の手が楽しげに叩く。女、子供の我儘に振り回されるのは男冥利に尽きるだろう、とでも言いたげな顔だ。それが坊主からの慰めとして適当かどうかはさておき、ゲイツは鬱陶しげに胤舜の手を払い落とした。
考えた言葉を口にする事を些か迷っていたイリヤであったが、ツクヨミからの後押しもあって立香の方をちらりと見てから口を開いた。
「せっかくなら、立香さんみたいに着物で歩きたいなぁ、なんて……」
出てきたのは至極女の子らしい言葉。というか、少女たちの服装はこの時代で町を歩くにはまあ目立つ。実際に動くのであれば、衣装を整えるのも必要な行動の一環であるには違いない。一応は。
立香が確認するようにオルガマリーを見る。彼女はむっつりと表情を硬くしていたが、数秒も待たずに小さな溜め息と一緒に気を抜いてみせた。
現代人の衣服やカルデアの制服ではとても目立つ。ならどうしていたかと言えば、真っ当に魔術を修めた彼女が認識阻害を用いて周囲に自分たちを
で、あるが。
特に何かを言われるまでもなく、所長は少女の望みを聞いて勝手に折れていた。
立香の着物は対価を払って入手したものである。その取引はおつる本人さえ吊り合いが取れない、と断言した礼装の残骸とのシャークトレードであったが。
相応の対価をちゃんと用意できるなら、おつるはささっと着物を用意してくれるだろう。やろうと思えば一着が数分で仕上がるのは、この前の浪人侍の時に証明されている。
「おつるさ―――」
声をかけようとして、言葉を詰まらせる。なにせ数秒前までおつるがいたはずの場所に、今や誰もいなかったのだから。消えた、と驚こうとしてその前に家の奥からがったんごっとん音がする。前にも覚えがある状況だ。
立香以外が一体何ぞと目を瞬かせている間に、音が激しく、強く、加速していく。そしてスッと静まり返った次の瞬間、すぱーんと襖が開いて服を手にしたおつるが姿を現していた。
彼女が手にした衣装はピンクとブルー。キラキラ輝く、否。身に着けた少女を光当たる場所へと導いてキラキラと輝かせるため、夢と希望を詰めこんだフリフリのコスチューム。サイズからいってどの年頃の少女に着せる事を目的としたものかは明白だが、それを考慮せずとも誰のために作られたかはっきりと分かるほどに分かり易く、星と月をモチーフにした事を感じさせるデザインは、言うまでもなく当然のようにイリヤと美遊を対象としたものであるように見えた。
(また突然アイドル衣装が……)
再登場したおつるに対して視線を向ける立香。
その視線を気にする事なく、頬を上気させ、瞳孔をかっ開いたおつるは猛る。
「輝くべき者が望む衣装を、望まれるままに。新たな出会いは新たな推し活の始まり、そこに望まれた輝きと相まみえようものなら、この鶴の霊感は黙っておりません。感じ入るのは新たなアイドルの気配にテンションアゲアゲで、文字通り鳥肌立ててバリバリと機を織るのがこの私。
どうぞご覧ください。アトリエの扉を解放し、迸る熱いパトスのままに織ってみせたがこの衣服。アイドルに相応しい可愛らしいお二人に着て頂くべく、手前味噌ですが何にも恥じぬ最高の一品に仕上がりましたとも! さあ、さあ! どうぞ! どうぞ!」
「何が!?」
おつるは恐らく正気を失っているのだろう。そういうことにしておこう。
そんな彼女に語気強く迫られ、困惑するイリヤスフィール。
プリンスの衣装もプリンセスの衣装も、今のところは求めていないのだ。マタドールを前にした闘牛のようなおつるをどうどうと鎮め、少女が提案していた内容へと話を戻す。求めているのはこの時代、この環境に則した着物の類である。せっかく出歩くなら、という少女の抱いた稚気なのだ。
(……どちらにせよ、着替えたところで面倒を避けるため、わたしたちが異国人であるという事を意識させないという暗示は続けるんだけれども)
結局着替えても着替えなくても問題は無いし、問題を無くすための労苦は伴う。その辺りを口にする事もなく、オルガマリーは茶の湯と共に溜め息を呑み込んだ。まあ大した労力ではないのだから、どっちでもいいのだが。
▽
鋼の打ち合う火花が散り、その灯りが刀身を赤色に染める。剣の放つ鈍い輝きが眼前を過り、視界を閃光で覆ったその瞬間、女の眼に光の中を過る様々な光景が明滅して消えていく。
未だ実態を得ていない可能性、これから像を結ぶ現実の前兆、浮かんでは消える未来という泡沫。その情報の奔流、これから有り得る無数の道筋を前にして、女の眼はたった一つの目的のために必要な最適解を瞬時に選び抜いて他の全てを斬り捨てた。
天眼の輝きを以てして、剣士は執るべき太刀筋を絞り込み―――
「
時の王者は、女と同じものを見たとその剣筋に割り込みをかけた。
手にした剣はジカンギレード、装填されているのはゴーストのウォッチ。
切っ先の奔る様は、大剣豪・宮本武蔵を真似た無二のもの。
剣は視た筈の未来から外れ、正面からぶつかり合って鬩ぎ合う。鎬を削るのはジカンギレードと村正が鍛えた一刀。それに全霊を傾けつつ、女―――宮本武蔵は歯噛みした。
(あの布男の技量だけでこうなってるわけじゃない。ソウゴ自身の眼が、私の視界を先回りしている……!)
武蔵の眼は“天眼”と呼ばれる魔眼である。それは彼女の意思が『あれを断つ』、と決定したものを必ず切断するという結果に導く、目的達成に至るまでの最適解を選んだ未来を確定させる超抜の異能だ。
だがそんな異能の視界に対し、ジオウⅡは頭部のプレセデンスブレードを回転させて対応する。武蔵が選んだ
限定できない、収まらない。
時間さえ、空間さえ、捻じ伏せ斬り裂くのが宮本武蔵の天眼なれど。
時空の王者とその土俵でイタチごっこは、流石の彼女も分が悪い。
(それにしても、ホント。よくぞここまで……!)
いつまでも鍔迫り合いを続ける事はない。刃が弾け、火花が散る。言葉もなくお互いに愚直に剣を振り合う攻防。そうしながらも双方の視界にはまだ起こっていない、しかしいずれ必ず訪れる筈の光景が同じように映り、その情報を見据えながら対峙していた。
未来に起こる現象を片方が確定させ、片方が崩壊させる。結果として何の変哲もない衝突だけが現在へとやってくる。戦場は二人の視界の中にしかない未来で行われ、現在において顕在化するのは既に激突した後の残像だけ。
妖怪・宮本一反木綿とわざわざ剣を交わそうとしたのは、何も諸々の怒りだけが理由ではない。それが間違いなく自分の糧になるから、と嫌々ながらも認めているからだ。未完成で鈍らな自分と、完結したより鋭い刃である自分。その両者を正面からぶつけ合わせる事で研磨する。
それほどの事でもしなければ、今手にしている村正の剣を己に馴染ませ、あの源氏の頭領などを斬る事は叶わぬという確信があったからだ。
だが、今になって思えばそれは考えが足りていなかったと言わざるを得ない。
仮面ライダーゴーストの力によって引き出される布製宮本武蔵の剣技だけじゃない。技の代行者として振るっているジオウⅡ―――常磐ソウゴの眼は、武蔵の天眼と同じ領域で視界を広げていたのだから。
激突の反動で武蔵が地を滑り、彼我の距離を開ける。
互いに呼吸を入れ直すような一瞬の静寂。そのタイミングでジカンギレード、その剣に装填されたゴーストのウォッチが、まるで女を煽るかのように何度か赤く瞬いた。あの雑巾野郎が。
呼吸を止めて腹に力を入れ、両眼を見開き狙いを定める。時空を凌駕し未来を見透す権能染みた視界がジオウⅡを斬るための最善手を導き出し、その未来を果たすための軌跡を彼女の脳へと浮かべてみせた。
直後、未来で見据えていたジオウⅡの幻像、その頭部で時計の針を模したブレードが回る。未来の中で未来を視る時の王者の行動。今まさに武蔵が得た筈の最善手への道のりは、その時間が来る前に未来の中で攻略・対策され、実行する前から凡手へと下落した。
(斬れる光景が視えない……! いえ、どんな手段であろうと斬りつけるところまでさえ辿り着けない……!)
ジオウⅡ―――あの鎧を斬れる斬れないは別として、だ。あの装甲に斬りかかる事さえできない。その程度の可能性すら今の武蔵の眼には映らない。
剣技では圧倒しているのだ。如何に武蔵の剣を真似ていても、やはりジオウがやるのでは再現度に難がある。仮面ライダーゴースト、天空寺タケルでさえ再現し切っていたわけではないのだ。その結果もさもありなん。だというのに、武蔵の剣はジオウの剣を凌駕できない。剣の腕ではなく、眼の扱いの差がもたらす結論の差。
己への焦燥と相手への称賛、数ヵ月前とはまるで実力が違う少年に対する、筆舌にし難い感情。果たしてこの差を覆す手段があるのか、天眼が視る未来に答えはない。“斬る”事に関しては論ずる事なく絶対の結論を出す瞳を封じられれば、必然彼女自身がとにかく思考を回すより他に無い。
斬れる可能性が零ならば、素直に逃げ出すのが彼女らしい。だが今回ばかりはそれはない。そもそも訓練であるのだし―――あの
「―――ッ!」
小さく喘ぐような呼吸の合間。そこから続く動作を待たず、ジオウⅡはジカンギレードの切っ先を地面に向け、軽く手首をスナップさせた。投げられ、さくりと地面に突き立つ一振りの剣。
剣を手放し空いた手で彼は、手にしていたものの今まで一切使わずぶら下げるだけだった、もう一振りの剣のハンドルへと手をかけた。
〈ジオウサイキョー!!〉
刀身にエネルギーを迸らせるサイキョーギレード。ギレードキャリバーのインパクトサインが切り替わり、必殺の一撃を撃つための待機状態へと移り変わる。その状態へと移行し終わった後、改めてジカンギレードを地面から抜いて構え直すジオウⅡ。
そう長くも無かった武蔵の思考。彼女が理性で選んだ手段は真っ向勝負。もうそれしかない、という玉砕覚悟の乾坤一擲である。そうしてぶつかって壁の高さを身を以て思い知るまでは、何度やっても同じ負けが待っていると考えた故に。
そうしてその結論を出した武蔵が突撃の体勢を整える前に、ジオウⅡは突撃を正面から叩き伏せる準備を完了していた。その結論は視えていた、と言わんばかりに。
抜き身の双剣を鞘へと納め、苦みを感じさせる表情で唇を上げる武蔵。
構えは無形。圧倒的な力の奔流を前に、剣気のみで立ちはだかる。
「生意気に育っちゃってまあ……!」
「そう? こういう所はあんま変わってないと思うけど」
飄々とした声でそう返し、ジカンギレードを前に出すジオウⅡ。
無手の武蔵の背後に浮かぶは巨大な仁王の姿。それこそが彼女の剣気の具現、具象化された剣圧の化身。その仁王こそは大気を押し出す闘気の渦であり、ただそこに在るだけで周囲の木々を揺らし、舞い落ちる木の葉を弾き飛ばす。
「
仁王の四つの腕に握られた倶利伽羅剣。それが武蔵の意志に呼応し、ジオウⅡに向かって振り放たれる。現実に剣を振るうまでもなく、ただ指向性を与えた剣気で以て敵を打ち伏せる初の太刀。
相手を測るために飛ばされる、一気呵成の四連斬に見えるだけの武蔵の闘志。この事象を経て辿り着く状況から、宮本武蔵は目指す結果に至るための零の太刀へと遡る。
〈ゴースト! ギリギリスラッシュ!〉
ただ一閃、散らされる剣気。
ジオウⅡは臨界状態のサイキョーギレードを下げたまま、ジカンギレードの一太刀で武蔵の初撃を切り裂いた。あまりにも当然のように、状況はけして武蔵の望んだようには進まない。
「
分かり切っている結果に驚く事もない。引き裂かれ威力を失い散華する剣気、薄れ消えゆく仁王の御姿。そんな中でも闘気は萎えず、彼女は納刀していた一刀を抜き放つ。
構えは無形より八相へ。鞘から解放されるその剣は、刀匠・千子村正が拵えた本来収まるべき人界の摂理から逸脱した妖刀の一振り。
「
放たれる斬撃はあらゆる悪縁をその因果ごと斬り伏せる空位の剣閃。武蔵一人ではまだ届かぬ零の果てに、妖刀の後押しを得て彼女は半歩踏み入った。
彼女が足を踏み入れたるは、その斬撃の存在そのものが時空を歪め、斬れるもの、斬れぬもの、在るもの、無いもの。ひいては斬ってよいもの、斬らねばならぬもの、斬ってはならぬもの。それら全てを平等に、隔たりなく、己が意思ひとつで斬り捨てる神魔の領域であり―――
〈覇王斬り!!〉
武蔵の放つ剣閃を予め逸らすように、後の先にて叩き潰すジオウⅡの必殺剣が唸る。
衝撃を巻き起こす激突は一瞬の出来事。
耳を劈く甲高い金属音と共に、武蔵の手から剣が弾かれていく。
弾かれた剣は縦に回転しながら空中を舞い、落下してみれば切っ先から上手いこと地面へと突き立った。そうして落下した後、衝撃で強く撓っている鋼を前にして、その剣を鍛えた青年が片目を瞑る。さらりと状態を確かめれば、罅どころか刃毀れすら無し。ジオウⅡが完璧に近いカタチで弾いたのもあるだろうが、刀を握っていた武蔵が大した抵抗なく手放したのもあるだろう。
「…………」
武蔵が剣を弾かれた手を見つめながら、何かを確かめるように掌を開閉している。裂帛の気勢で放った全霊の一刀は、素気無く逸らされて終わった。元よりこの結果は視えていたと言えばそれまでだが。
彼女はそのままの姿勢で、考え込むように数秒ほど停止する。
「気になるんだ、お兄ちゃん?」
揶揄うような声をかけつつ、村正を見上げる少女の姿が目に映る。お兄ちゃん、という言葉を強調して呼ばれたことで、村正は少女に遠慮なく極まった変人を見る目を向けた。その視線に一瞬口許を引き攣らせ、しかし負けじと言葉を続けるクロエ。
「自分の剣が負けて悔しい?」
「今の打ち合いで勝ち負けねぇ……まァ、どっちにせよ勝敗なンてもんは武士どもが競って出す結果。生憎だが持ち手の勝敗と武器の善し悪しを測る物差しは別物でな、今回ばかりは物言いは無しだ。酷ェ話だが
―――見据えたモンを斬れるかどうかさえ試す事が出来ないとくれば、手にした刃の馴染み具合なんざ語るに及ばず。無聊に錆びついままとてんで変わりゃしねェな」
呆れるように、しかしどこか口惜しそうに。否定しながらも少女の煽りがどこかに刺さったのか、村正は神妙な顔をしながら剣へと背を向けた。そうした様子を見せつつも大した未練は感じさせず、彼はそのまま庵への帰り道へと歩を進め始める。
クロエはどうするか少し悩み、再び地面に刺さった剣へと目を向けた。彼女もまた戦闘の流れはほぼ見ていた。あくまで傍観者として、その流れを眺めていたのだ。彼女も
そもそもクロエ・フォン・アインツベルンには
(それでもアレに混ざれる気はしないかな)
先に飛ばした意識で行う斬り合い、或いは欲しい席の
ジオウの力は理解していたが、人ながらにそれと戦いを成立させる剣豪・宮本武蔵。そんな彼女でさえ命を斬れないばかりか、戦いにおいてさえ勝てると言い切れない英霊剣豪の剣士たち。
(……ま、劣化品じゃない通常規格のサーヴァントが相手じゃ、わたしたちが根本的に力不足なのは百も承知だったケド)
そっと溜め息を吐きつつ、目の前に突き立った刀を見る。そうしていたクロエの前に武蔵の手が伸びてきて、剣の柄を握ると地面から勢いよく引き抜いた。陽光を照り返し輝く刀身に瑕疵は無く、刃に毀れなど微塵も無い。今に斬り合いを再開したとして、十全の切れ味を発揮するだろう。
刀工村正、彼が越えてはならない閾を跨いで鍛えた一振り。
ふと思い立ち、目を凝らす。
―――その英霊。彼は千子村正ほどの刀鍛冶の代行体に選出される程に、魂も肉体も刀剣と言うモノへの適性が高いに違いない。であるならば、この聖剣さえも再現するこの規格外の能力にもある程度納得がいく。
そんな彼を宿している、と自覚した今のクロエにならよく視える筈だ。
目を眇め、睨むように白刃を見据える。
武蔵が手にしているあの刀。如何に逸脱しようと、人が作り出した至高の一振り。
その創造の理念を鑑定し、基本となる骨子を解明し―――そこで覗き込んではいけない場所に目を向けた代償として、バチリと眼窩に稲妻が走った。息を呑むより先に咽喉が焼け、悲鳴が溶ける。
―――瞬間、高速で飛んできてクロエの後頭部を直撃する金ダライ。
「うきゃっ!?」
ぐわーん、と甲高い音を立てて弾ける鈍い銀色の輝き。金縛りにあっていた少女はその威力をもろに受け、顔面から地面に突っ込みスライディング。思い切り泥沼に頭から突っ込む羽目になる。
タライの方は直撃するや、投影した者の意思で基本骨子が崩されて、現実からの圧力に耐え切れずに波に浚われた砂城の如く消え去っている。瞬く間の証拠隠滅であった。
「いっ……! たぁーいッ!?」
何事かとこちらに注目するジオウⅡと武蔵。だが現場に残っているのは、転倒して派手に地面を滑って泥塗れになった、後頭部を押さえて痛がるクロエの姿だけ。そうなった原因、タライを飛ばしてきた下手人の姿はもう庵の前まで辿り着いていた。
ぐぬぬと歯を食い縛りその背を視線で追うが、青年は気にも留めずに屋根の下へと去っていく。
「うーん……クロ、何したの?」
「なにしたのー、って何よ。そこは、どうしたの? 大丈夫? でしょ」
「村正に何かしたからどうにかされたんでしょ?」
痛む頭を押さえながら泥だらけ、涙目の少女に対し、しれっとそんな決めつけを行ってくるソウゴ。この物言いは女の敵、乙女心を踏み荒らす野蛮な王だ。事実とは言え、可憐な少女に歯に衣着せぬ無遠慮な発言。そもそも内容以前に泥んこになった女の子相手に「また何か変な事してるー」くらいの反応、これを許していいものか。いや、許すまじ。
転がった体を腕一本で起こして跳躍、空中で回転しながらいつもの双剣を両手に投影して、武蔵の隣へと華麗な着地を決めてみせるクロエ。
泥塗れになった小学校の制服であった筈の彼女の姿は、いつの間にやら紅い外套の戦装束。
「行くわよ、武蔵。こうなったらソウゴの方こそ泥だらけにしてやるわ!」
「……まあ、それが出来たら苦労は無いわけだけどね」
がるる、と野獣のように唸る少女に対して、苦笑しながらも武蔵も鍛錬を続行する意思を見せる。周囲の一部は昨日の土砂降り決戦のせいで泥沼となっている。クロエが頭を突っ込んだのもそのエリアだ。
ジオウⅡをどうにか変身解除まで追い込みつつそこに叩き込めば、ソウゴはそれはもう酷いことになるだろう。もちろん逆も然り、自分たちも落とされる事になれば、これまた酷いことになる。
軽やかに黒白の夫婦剣を手元で回し、バシリと決めるクロエ。
(……あの感覚、似たモノを感じた事を憶えてる。いえ、そう……どこかで途切れたような中途半端な記憶の中の話。いつか8枚目のカードである
あの英雄王の
ただアーチャーのカードは、その剣に匹敵するだろう聖剣、エクスカリバーは記録しているし、模倣が可能となっている。神造兵装であっても剣であるならば、アーチャーのカードの能力の範囲内ということだろう。英雄王のアレは、形状が剣のようであっただけで全く異なるものだった、と考えればいい。
だがその英雄王の宝具と同じ反応が、人間である村正の鍛造した刀から出るとはどういう事なのだ。創造の理念からして、アーチャーの眼でも理解できないというのはおかしい。クロエがオリジナルほど能力を引き出せていないと考えてなお、流石におかしさの方が勝る。千子村正は刀工であるというのに、刀ではない何かを造っているとでもいうのだろうか。
(気になるのはわたしの中にあるアーチャーのクラスカードのせい? それともわたしもイリヤみたいにただお兄ちゃんの事を気にしているだけ?
―――どっちにしろ、気になっちゃったんだからもう遅い。お兄ちゃんがあの剣を武蔵に渡す事を選んだって言うのなら、武蔵がアレを使いこなした時にこそ、この疑問も少しは晴れるはず……!)
ジオウⅡの顔が確認するように武蔵に顔を向ける。
彼女は僅かに眉を顰め、しかし手にした剣を握り直す事で応答した。
村正の刀の切っ先を突き出し、ジオウⅡへと突き付ける武蔵。
(今の私が太刀打ち出来ないそもそもの問題は、未来を視てるソウゴじゃないし、まして完成してる二天一流の剣筋でもない。ただ単純に、この
大壁一枚、挑んだ経験ひとつで舞い上がれるなら苦労もないけど……それしかないでしょ、少なくとも今の私には)
内容は違えど揃って強い目的意識の許、双剣を構えに入る女性二人。
その姿を前にして、ジオウⅡもまた双剣を握り直した。両方の剣先を地面に向けて垂らした無形、力を感じさせぬゆったりとした構え。その状態から、彼は頭部の時計の針に似たブレードを回す。
開始される構えと同じくゆったりとした歩み。ただその姿だけ見れば隙だらけと言っていい。気の抜けた、油断しているとさえ映る様子。だというのに、それは正しく魔王然とした余裕の態度。魔王を魔王たらしめる原因は、彼は既に視た未来で現在の隙など全て塗り潰しているから。
「じゃあこのまま続けよっか。
ただ悪いけど……俺が泥だらけになってる未来は、俺には視えなかったかな?」
時の王者が一定の速度で歩んでくる。
剣士の天眼は斬撃に至れる道筋を未だ映さない。
聖杯は勝利に繋がる願いを成就させるための内容量不足。
無策吶喊以外に道の無い闘いの幕開けに、二人の女傑はやけくそ気味の笑みを浮かべた。
ティンペーとローチンの基本戦術にも似たエンドサベージの構えを超融合1枚で解決される冬の時代がやっと終わる…?
ただ仮に採用減るのだとしてもさっさと準制限以上に帰って欲しい