太陽が昇っていた。
例えば、危牧で
例えば、ドブアイスの数少ない夜ステージをクリアした後、容赦も休憩タイムも無く襲い掛かってくる
例えば、ミナココロ大戦記のわくわく桃農家体験中盤辺りでふと現れて、「もうこのゲームやめよっかな」とすら思わせた
俺は今まで色んなゲームで色んな日の出を拝んできたが、どの日の出にも
俺はふと自分の
「なによ」
傍らの少女―――ウィンプは、視線に気づいたらしく振り向いて言った。あとついでにさっきからずっとウィンプを囲ってワイワイやってる着せ替え隊の連中も一斉にこっちを見た。やめろやめろインベントリから大量のアイテムを捨てた後にポーズ解除したら物理演算がバグって発生する物体Oみたいな挙動を取るんじゃない……若干ヒきつつ続ける。
「イヤさぁ……お前、ちょっと
「えっ」
「なァ~~~~にをおっしゃるんですかツチノコさァん!!!!?????」
「ウィンプちゃんはヘタレなのがいいんですよヘタレなのがァ!!!!!」
「おいバカ言葉を慎め、ヘタレじゃなくて『生存本能が強い』くらいにしとけ」
雑音を伴うウィンプの反応。俺は話を続ける。
「アレだよ、お前は建前上
「……サミーちゃんがいるじゃない」
「反論せずに初手で虎の威を借りに行くの、潔くて好きだな~~~~」
「虎の威ではないでしょサミーちゃんはあくまでもウィンプちゃんの眷属なわけだから」
「さんを付けるんだよさんをォ!!!!」
ごめんこのノイズ設定でオフにできない?辟易しつつ続ける。
「サミーちゃんさんが威厳に満ち溢れたすばらしきお方なのは知ってるよ。でもそれはそれとして結局本体はお前なワケだ」
「お前が何かのはずみでボロを出しちまうと、一気に諸々が瓦解する……その構造自体を変える方法が無い以上、お前をなるべく
「えっと……わかったわ」
「絶対ほんとは分かってないのに流れ的にわかったわしてるでしょ」
「可愛い~~~~~」
「とりあえずウィンプたそに似合う敵幹部っぽい服を考えたんですけど……」
へえどれどれ……俺は雑音とコミュニケーションする。……この肩のトガってるのは何?必要な物なの……必要?そっかぁとりあえず保留で。
「まあとにかく、お前に適当なアクセを付けて強そうに見せようって寸法だ……オーケー?」
「……だいじょうぶ」
よーし早速行くぞ……俺はインベントリアを掻き回した。何が出るかな~~~~~
「えい」
えーこいつは―――
「えい」
えーこいつは―――
「どう?」
「やめてぇ……もうくもはいや、いやぁ……」
トラウマを刺激してしまったようだな……引き直し。何が出るかな~~~~~
「えい」
えーこいつは―――
「えい」
えーこいつは―――霊角の残影か。ウーン強そうではあるけどウィンプは素手キャラだからガチで見た目装備以上の効果を発揮しない気が……引き直……
「まって……くもよりはまだ、そっちのほうがいいわ」
そういうことになった。
◆
ツチノコニーネが毒剣を明確に
ンでまあ、その
「えっ」
「サミーちゃんさんが光ってる!!!!すげえ!!!!」
「ウワッものすごく神々しい……それでいて優しい目!!!!すてき!!!」
「これステルス性能下がるのでは……いや効果アップ分で帳消しになるのか」
……この有様である。
まあアレだよね、という。ウィンプがとりあえず角付けるじゃん?
「……これいがいにないの?」
ウィンプが聞いてくる。自分の額から発せられる謎の光が眩しいようで、その目は細められている。
「お前魔法使える?」
「つかえないわ」
俺はちょっとインベントリを確認して答える。
「これが
「どれもよくないわよ!」
「一応この骨人形みたいな特にデメリットがなさそうな奴もあるけど……」
「いげんからはほどとおいわね」
ごもっとも。
「…………まあ何だ、アクセ路線は無理だな無理。とりあえずサミーちゃんを使ったステルス戦法でも練習するしかないだろう」
「ステルスせんぽう?」
「『なにもないところからあらわれるわたし』みたいな感じの」
「ステルスせんぽうというよりいっぱつげいね」
……俺は窓の外を眺め、溜息を吐いた。
サミーちゃんさんが光っていた。