ダンまち外伝~悪徳の迷宮都市ロアナプラ   作:37級建築士

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 ダンメモはやったことないですが、コラボイベントあったらこんな感じかなあと、妄想全開で執筆します。

 前提としてあくまでダンまちが主役。ダンまちの世界に正反対ともいえるラグーンのキャラ、それが交わったときにおこる拒絶反応的なドラマ、それを描いていきます。

 目指すべきは、ブラックラグーンを未読でも楽しめる作品


02 Predator & Bunny

 

 

 

 

「おい姉ちゃん、良い飲みっぷりだなッ」

 

「おい、こっち酒追加だ、じゃんじゃん持ってこい!」

 

「久々のいける口だ。火酒の特上持ってこい!」

 

「……」

 

「ははは、なんだよここ!レゴラスにギムリ、そのくせ給仕にはキャッツダンサーときたもんだ。ロジャーラビットの夢を見るほど、あたしは草を噛んだ覚えはねえぞ。なあおい、お前がウサギだからか?何とか言ってみろっての」

 

「……ッ」

 

 酒気のこもった吐息が、あと顔に押し付けられたお胸が中々にボリューミーで弾力もあって、とっても気の落ち付け所が無い。

 

 非常に難解なスラングをベラベラと、正直もう帰りたくて仕方ないのだけど、どうにも逃がしてもらえる様子はない。ちびちびとお酒をなめながら、僕は時折助けを求めるようにシルさんを見る。

 

「……ふふ」

 

「!」

 

 どうしてか、笑顔なのに余計恐怖を感じる。ごめんなさい、理由はわからないけど不可抗力なんです。この人、まったく僕の言ってること聞いてくれないんです。

 

 不思議な武器を持つ、とってもおっかなくて綺麗なレベッカお姉さん、彼女との出会いはダンジョンの中で

 

 

  ×  ×  ×

 

 

「なあ、おい」

 

 気配を殺し、通り過ぎようとした僕は、とても冷え切った声を浴びせられた。

 

 冷や水で心臓が止められたような感覚、何故なら僕は今関わってはいけない人と関わってしまったからだ。きっかけは不自然な音、爆音とも、金属音ともとれないその音色に惹かれ、好奇心から足を運んだ。

 

 17蔵、そこはミノタウロスが群発する危険地帯。そんな中で丸腰の女性を見つけた。

 

 手足とお腹も大胆に露出した情熱的なファッション。けど、その目つきはモンスターよりも動物的で、とても普通の女の人には思えない。

 

 そして僕は見た。その女の人が、両脇に収めた何かを抜くと、周りにいたミノタウロスが一瞬で消え去った。

 

 理解できない戦い、僕はその場を去るべきと本能が察した。思えば、ベル・クラネルには女難の相が激しく付きまとう人生故、本能的に感じたのだろうが

 

 すでに、毎度のことながら手遅れという奴だったのだ。

 

 

「……あ、あはは」

 

 どうしよう、もうすでに機嫌が悪そうだし、なんで

 

「手前、ガキか?」

 

 質問をされた、まあ確かに、年は15にも満たないしと、ベルは黙って頷く。その際に手を上げていたのは本能的にか

 

「……ハンズアップか、ならこれを収めた方が良いな」

 

「?」

 

「おい、ガキ……ここはどこだ」

 

 手に持った何かを収め、女性は近づく。身長差もあって、ベルは首を上げた。目が合う、予想外にその尊顔は整っていて、原石のような美を感じさせる。

 

「おいおい、目を覚ませば地の底。ロックの馬鹿もいねえし、おまけに出会ったのはバニーボーイ、なあ教えろ。ここはどこで、お前は誰だ?」

 

「……それは、ダンジョンとしか」

 

「ダンジョン? おい、それはどこの隠語だ。」

 

「……ダンジョンは、ダンジョンです。ここはオラリオで、僕たちは冒険者、ダンジョンにいるなら、あなたも同業者じゃ?」

 

 至極当たり前の回答。ダンジョンにいるのに、どうして、まるで別世界から来たような謳い文句。ふと、過去に起きた事例がベルの脳裏によぎる。

 

 

……古城さんや雪菜さんと同じ、この人も、別の世界から

 

 

 かつて起きた異界との接触を思い出す。ではこの人は、一体何者で、何をもたらすのか

 

 

「えっと、あなたもしかして」

 

「……」

 

「え、ちょっと」

 

 興味なさげに、女性はベルの横を通り過ぎる。退屈そうに欠伸をかき、もう飽きたとばかりに

 

「あの、どこに」

 

「決まってんだろ、地上だ。あたしはガキのお守するほど暇じゃねえ」

 

……絡んできたのは貴方の方じゃないですか!

 

 脳内で突っ込むも、それを口にできるほど蛮勇は持ち合わせていなかった。

 

「ま、待って、出口そっちじゃ、その先は18階層で」

 

「は、18? なんだそりゃ、おいおい、あたしはいつからダンテの妄想に浸かってんだ。たく、しゃあねえ」

 

「!」

 

 奇妙な絵柄が書かれた紙、それを胸のアーマーに叩きつけるように押し付ける。

 

「巡礼者になる程あたしは煉獄のカルマも、ましてやコズミックホラーにも興味はねえ。バニーボーイ、こいつでガイドしな」

 

「……これ、もしかしてお金なんですか?」

 

「はぁ! ドルも通じねえとか、いったいここはどこなんだよぉおお!」

 

 

 

  ×  ×  ×

 

 

 愚痴を聞かされ、たまに小突かれ、ベルはレヴィに振り回されながら今に至る。

 

「……なるほど、ベルさんも大変ですね」

 

「はい、そうです……ひくっ」

 

 気が付けば、宴も大盛り上がりで、ベルも何気に酔いが回ってきた。シルを隣に、遠めにバカ騒ぎするレヴィを尻目に卑屈なため息を漏らす。頭を撫でるシルさんがとてもやさしくて、癒される。

 

「本当に、一体何者なんですかね?」

 

 あの人はと、視線の先、荒くれの冒険者相手に酒を交わし、ドワーフすら打ち負かすように豪快な飲みっぷりを魅せる。

 

 

「……エールか、こんなのはピスと変わらねえ。バカルディはねえか?ジャックダニエルもないなら、あたしは火を噴くぞ、デビット・パーカーフィールドみてえに派手なのをな!」

 

「たく、なんだいそりゃ。坊主、あんたも厄介な客を連れて来たもんだね」

 

「……すみません」

 

 ミア母さんが絡む、けれど仕方ないんです。これはどうしようもなくて、はい後悔してます。シルさんの慰めが心にしみる。

 

「なあ、あんた。そんなに飲んでるけどね、ちゃんと支払いはあるんだろうね」

 

「安心しな、足の本数は足りてるよ。ミセス・ハルク」

 

「なんだい、意味は分からないが不思議とあおられてる気がするよ。ま、その気概はかってやる。ほら、あたしの酒だ」

 

 ボトルで置かれた銘柄の無いドワーフの火酒、特注品なのか、周りのドワーフ酒飲み達は歓喜の声をあげ、レヴィさんはその見るからにきつそうな酒をストレートで一口二口と

 

「いいねえ、いい火加減だ。それにこの店も、イエローフラッグほどじゃねえが悪くねえ」

 

「知らない店だね、まあ、誉めてんのなら受けとるよ」

 

「……」

 

「なんだベル、お前も欲しいのか?」

 

 いえ、それを飲めば僕の意識は明日に飛びます。

 

 やっぱガキだなと、レヴィさんはまた酒宴に戻る。ぼくよりも、ある意味冒険者らしい、この街の荒くれた空気にすっかり染まっている。

 

 

……ぼく、この人を連れ帰らないといけないんだよな。

 

 

 何度目かわからないため息、隣で楽しそうにしているシルさんの慰めを感じながら、ただ僕はこの宴が終わるときを待ち続ける。

 

「さあ、飲むぞ! 先につぶれた奴は、あたしのカトラスでケツの穴を増やしてやるからな!」

 

 沸き上がる歓声、あとから来る客も混ざり、宴はより大きな集団に

 

 

……帰りたい

 

 

 




次回、戦闘描写いきます。

レヴィのセリフの元ネタは全部アメリカ映画や文化の話です。雰囲気で楽しんでもらえれば大丈夫です。
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