タイトルは同じで行くので前作は言っても一話しかありませんでしたが消去させていただきます。お気に入り登録や感想をつけていただいた方々に深くお詫び申し上げます。そして本作もよろしくお願いします。
雨がざあざあと乾いた大地に降り注ぐ。かつて荒れ果てた惑星は、日夜降り注ぐ大雨で既にほとんどが水没していた。風に揺れる波にぷかぷかと浮かぶ、かつてこの惑星に生息していた生物の死体、それを一つの人影が水面から拾い上げる。
「今日はこれだけ…バアのごはん…足りるかな」
彼は上半身は裸で、下半身にはかつて使われていたプロテクターがついた紺のアンダースーツを着用している。髪は黒く、肩まで伸びており、臀部からは猿のような尻尾が生えている。
男の名はブロリー。かつてこの惑星『バンパ』に追放されたサイヤ人である。
▽▽▽
何故惑星バンパがこのようなことになったのか…それは少し過去に遡る。
もともとこの惑星は、雨は降らず、日中は強烈な紫外線を放ち、日没から朝にかけては嵐が吹くという、そこは劣圧な環境だった。この惑星には雨どころか水滴一つない乾いた惑星だった。
そんな環境で育ったブロリーだったが、ある日突然惑星バンパが震えるように振動したのだ。ブロリーも、その他の生物たちも突如として起きた地響きに辺りを警戒する。そして次の瞬間、ポツ、ポツと、乾いた地面に水滴が斑点を作る。そしてそこからどんどんと雨の勢いは増していく。
そして異変が起きたのはその翌日の昼頃。地面の大きな穴に生息していた巨大生物が死に絶えた。その他にも、長時間雨を浴びた大きなダニも次々と息絶えていったのだ。
大きな気候変動に耐えられなかったのだ。湿度もガラッと変わり、雨にあたっていなかった生物も、次々と弱り果てていった。
そんな中、一人だけいつも通りに活動できるものがいた。それがブロリーだ。ブロリーは雨の被害を目撃したのと同時に、寝床の洞窟から飛び出した。
彼が向かったのはとある巨大生物の住処だった。住処はすでに半分ほど雨水が浸水しており、その住処に住むブロリーにとって唯一の友達である巨大生物、バアが衰弱しきっていた。
それに危機感を抱いたブロリーは、すぐさま自身の何十倍もの大きさのバアを抱え、まだ無事であるブロリーの洞窟まで運び込んだのだ。もちろん、そのままでは入りきらないため、気弾で大きな穴をあけている。
最初は雨を毒のようなものとブロリーは思っていたため、ずっと衰弱し弱っていくバアの傍に寄り添っていただけだったが、このままではバアが衰弱よりも先に餓死してしまうと察し、食糧確保へと向かう。
最初はバアを弱らせていた原因であったため、警戒していたが、自身には害がないものだと気づき、食糧確保のために奔走する。
初めのころはよかった。ほかの洞窟を探せば、避難していたダニなどが大量にいたからだ。そして日がたった今現在、外に出れないことで飢えた生物たちが同じ種族内で共食いを始めたのだ。これにより、生物の個体数が大きく減少し、食糧確保がさらに難しくなったのだった。
食事をすることにより、一時は元気を取り戻したバアだったが、また最近どんどんと衰弱し弱ってきている。食事の量も明らかに減少しており、そういったことに無知なブロリーでさえもバアの容態を頭の中の片隅で理解している。
そんなある日、洞窟の中にある、父パラガスが眠っているブロリーが作った簡素なお墓。そこにはパラガスが着ていた戦闘服と、スカウタースコープが置かれており、そこでブロリーが溜まった砂ぼこりを払い綺麗に掃除していると、耳に機械の起動音のような音が微かに聞こえてきた。この惑星に未知の何かが訪れたことを察知したブロリーは、一人で亡き父に挨拶をしてから洞窟から出る。
「あれは…光だ…」
洞窟の上空には、暗雲を突き破り太陽の光をバックに宇宙船が惑星バンパへと降り立った。
▽▽▽
それはとある一人の少女の我儘から始まった。
「カリッツ星の動物と友達になりたい!」
そして急遽、その願いを叶えるために部隊が編成される。カリッツ星の危険度はA、つまりは宇宙の中でもかなり危険な星という事だ。そのため、少女の護衛にと、デビルーク星人の中で随一の実力を持つ、王族親衛隊隊長のザスティンが抜擢された。
王族親衛隊…そう、何を隠そう、この少女の名はナナ・アスタ・デビルーク、かつて起きた銀河統一戦争を勝ち誇ったデビルーク星人の第二王女である。宇宙最強と名高い父親の力の一端を引き継いでいるというのもあり、この程度の我儘は簡単に通るのだ。彼女の動物と心を通わせるといった能力を持つというのもそれをさらに後押ししているのだろう。
ナナは、カリッツ星にて無事には友達となった動物を、デダイヤルという仮想空間と繋げる道具で登録し、仮想空間へと送り込む。
仮想空間の中は電脳サファリパークとなっており、様々な動物が快適に暮らせるように色々な環境が用意されている。
そしてその作業が終わったのを確認し、ザスティンに目的を達成したことを伝え、ナナは乗って来た宇宙船へと乗り込む。
ザスティン等親衛隊たちもナナに続き宇宙船へと乗り込み、急いで母星へと帰還する。
「あー、まずいまずい!約束の日にちが過ぎちゃう!!もっとスピード出ないのかよ!?」
「申し訳ございません!今最短ルートで帰還しております!」
ナナは焦っていた。危険度が高いということもあり、今回の友達作りには期日が設けられていた。それは1週間である。予定と違い、目的の動物となかなか出会うことが出来なかったため、危険な最短ルートを使わないと間に合わない状態となっている。
「父上の説教ながいんだよなー…母上にも説教されるだろうし…くー、こうなったらなんとしてでも期日内に帰るぞ!」
そんな時だった。
「救難信号の確認、救難信号の確認!!場所は…なんだこの星は…!!該当する惑星がありません!未確認の惑星です!」
「何を馬鹿なことを!ここ周辺は何度か通っているはずだぞ!」
「そ、それが…わかりません!突如新しい惑星が生まれたとしか言いようがありません!」
救難信号、さらにはそれがこれまで未確認だった惑星から送られている事に宇宙船内は軽くパニック状態になる。
ナナのそばに佇んでいたザスティンは問い掛ける。
「どういたしましょうか」
「助ける」
「しかしそれは危険では…」
「ここで一旦帰ってこっちに戻って来て、救難信号を送った人間がその間に死んでたらなんつーか気分悪いだろ。というかデビルーク星随一の剣士がいるんだから楽勝だろ。な?」
「むぅ…それを言われてしまわれますと返す言葉がございません…畏まりました。このザスティン、必ずや期待に応えて見せましょう。
鎮まれ皆の者!これより未確認惑星へと着陸する!まずは惑星の磁場と天候を調べろ!着陸が可能ならすぐに着陸準備に移動する!急げ!!」
「「「「ハッ!!」」」」
宇宙船内が緊迫感に包まれる中、ナナはしめしめと心の中で笑った。もしかしてもしかすると帰った際に、これが遅れる理由になって軽い注意だけで済むんじゃ無いか、そして新種の動物に会えるかもしれない、まさに一石二鳥では?と悪い顔をする。
「解析完了しました!磁場に関しては何も影響もありません!天候は雨、ですが着陸は可能です!」
「よし、それがわかれば充分!未確認惑星だ、気を引き締めていくぞ!」
ザスティンの喝に吠えるように部下達が答えた。
宇宙船は深く濃い雨雲をかき分け着陸する。警戒しながらも外に出ると、この星の異様さを見て一同は困惑する。海のような広大な水面は泥水で、さらには異臭を放っている。そして水面にはこの星の生き物であろう腐り果てた死体が浮かんでいた。
「これはひどい…」
誰が発しただろうか。今ここにいる全員が同じことを思っているだろう。さらにナナは不可解な点に気付く。
「なあ、普通こんなに水が豊富な惑星なら木とか植物とかがないのはおかしいよな?」
そのナナの言葉に周りの護衛たちも首をかしげる。確かにそうだと。しかしここには緑色の、出来立ての苔しか存在していない。地面もよく見れば、それは雨が多い地域のとは異なり、どちらかというと、雨が滅多に降らない乾燥地帯のものだ。おかしい。明らかにおかしい。
まるで雨が最近になって降り出し、この巨大な水たまりを作り出したかのような…
「ナナ様、お下がりください」
ザスティンは腰に帯刀していた愛剣、イマジンソードに手をかける。それと同時にザスティンの部下たちもそれぞれ戦闘準備を迅速に行う。
「ど、どうしたんだよザスティン⁉」
状況についていけずあわあわと混乱し、ザスティンに問いかける。
「そこに何者かが潜んでいます。何者だ!姿を現せ!!」
ザスティンはイマジンソードを抜刀し、何者かがいるであろう岩陰へと突き付けた。
するとのっそりと岩陰から何者かが姿を現す。
「…………………………」
それは宇宙船を見て警戒し、近くで様子見していたブロリーだった。
パラガスは死んでます。死因は深く考えていませんが、おそらく次話で書きます。