どうも日本総大将と英雄の父で、トレーナーです   作:無課金チャレンジャー

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迫るデビュー!!


迫るデビュー

スペシャルウィークとディープインパクトのデビューに備えた2週間。この2週間、姉弟は厳しいトレーニングよりも大変だった課題が1つ存在している。というか、厳しいトレーニングに関してはさほど問題ではなかった。スペシャルウィークとディープインパクトは幼い頃からサンデーサイレンスが考案した、適切な練習メニューをこなしてしており基礎は出来ている。トレーニング施設が周囲にはないとは言え、流石は殿堂入りを果たしたサンデーサイレンス。北海道の立地を利用したトレーニングを考案し、今の妻の手伝いがあるとは言え2人の子供は立派に成った。

 

では今の姉弟に取っての大きな課題とは何なのか?それは…それは…

 

「はい!そこでワンツーステップ!!そしてポーズ!!」

 

ダンスと歌のレッスンである。サンデーサイレンスが現役だった頃のアメリカにはそんな文化は無かったが、日本の競馬は違う。日本の競馬はトゥインクルシリーズと呼ばれており、レースが終ると出場したウマ娘達は応援してくれた観客への感謝を超えてウイニングライブを披露するのだ。言わば、アスリートとアイドルを合わせた存在なのである。

 

レースに勝つのは勿論のこと、ウイニングライブもしっかり決めてこそ日本の競馬では勝利は完璧な物に成るのだ。故に、スペシャルウィークとディープインパクトはフジキセキ指導の元でダンスのレッスンを行っているのだ。

 

「「どうですか!?」」

「最初よりはマシに成ったね。サンデー先生もライブがバリバリ教えれたら良かったんだけどね…」

 

毎日ライブのレッスンを行った為か、日に日にスペシャルウィークとディープインパクトのライブの腕前は上がっている。これならウイニングライブに出ても問題はないだろう。

 

「えっ?お父ちゃん、ライブ出来ないんですか?」

 

フジキセキからサンデーサイレンスがライブを教える事が出来ないと言われ、驚くスペシャルウィーク。

 

「授業程度なら教える事が出来るよ。先生は日本で教員免許を取ったからね。でも、先生が現役だった頃のアメリカにはウイニングライブは無かったそうなんだ」

 

『ウイニングライブ?なにそれ、美味しいの?』

 

10年以上前、東京の大学で後輩のシンボリルドルフ相手にそう言ったサンデーサイレンスであった。

サンデーサイレンスが現役だった頃のアメリカには日本のトゥインクルシリーズと異なり、ウイニングライブは存在してなかった。確かにファン感謝祭やケンタッキーダービー等の大きな試合の開会式ではライブが行われているのだが、アメリカのアメフトリーグのようにプロのミュージシャン達がライブを行う為にウマ娘達はライブを行う必要が無かったのである。

 

「「アメリカには無かったんだ」」

「うん。因みに、タイキシャトルから貰った現役時代の先生がこれね」

 

フジキセキは1枚の写真を取り出して姉弟に見せる。

その写真はリギル所属の最強マイラー、タイキシャトルがフジキセキに渡した貴重な写真だ。勿論、その写真はコピーされた物だがあんまり出回っておらず、現役時代のサンデーサイレンスが写っていた。しかし…

 

「うわ…」

「昔のお父ちゃん…ガラ悪そう」

 

写真に写る若きサンデーサイレンスはそれはそれは、ヤンチャだった。ディープインパクトに瓜二つな少女と見間違える程の容姿であり、レース後なのかシスター服を模した勝負服を身に纏い、腰には何故かコルトガバメントが携行されていた。

目付きは此の世を怨んでますよっと言いたげに鋭く、カメラに向けて中指を立てていた。サンデーサイレンス、幼少期の体験故か物凄くヤンチャだった模様。

 

「だけどね。此方はグラスのお父さんが撮った写真だけど」

 

フジキセキは2枚目の写真を取り出した。その写真は影から撮られたのか、若きサンデーサイレンスはカメラに気付いておらず、ファンと思われる幼子の頭を優しく撫でる若きサンデーサイレンスの姿であった。

 

 

 

 

「へっぷし!!」

 

一方、サンデーサイレンスはフジキセキの手で現役時代の事が軽く暴露されている事を知らず職員室で仕事を行っていた。とは言え、誰かが噂をすればくしゃみが出てしまうのか、くしゃみをしてしまう。

 

「誰だ?噂してるの…」

 

されどサンデーサイレンスは仕事を続ける。スペシャルウィークとディープインパクトのデビュー戦が近付き、その次はダイワスカーレットとウオッカのデビュー戦た。それにゴールドシップは6月には2連覇が掛かった宝塚記念が近々に迫る。教え子達を支えて導くトレーナーとして、今は忙しいのだ。

 

(それに今年はスペのクラシック、来年はディープのクラシックが有るからな)

 

何より今年1年はスペシャルウィークにとって特別な1年と成るだろう。何故ならスペシャルウィークは今年からG1に挑戦する事が出来る上に、一生に1度しか挑戦できない三大クラシックが迫っている。

全てのウマ娘が中学三年生の時しか挑戦できない特別なレース、三大クラシックである皐月賞、日本ダービー、菊花賞。この3つは特別なレースであり、中でも日本ダービーはその中でも特別なレースなのだ。

 

「娘さんもクラシックに挑戦するんですよね」

 

そんな若い女性の声が聞こえ、サンデーサイレンスは2つ隣のデスクを見る。そこには使い古された『トレーナー白書』と題された書物を見る新卒と思われる若い女性が居たのだ。

彼女は桐生院葵。名門トレーナー一族、桐生院家の長女であり高等部3年生である葦毛の怪物オグリキャップを育て上げた父親からチームシリウスのトレーナーを受け継いだ若き天才だ。彼女は父親譲りのマニュアルを用いた教育を得意とし、高等部1年生で様々な距離適性を持つウマ娘ハッピーミークやジュニアC組のセイウンスカイを新たに導くトレーナーである。

 

「葵ちゃんとこのセイウンスカイも出るよな?」

「勿論ですよ。今年こそ…三冠馬、行けそうなんです!」

 

自信ありげにそう言った桐生院。三大クラシックを全て制したウマ娘は三冠馬の称号を得る。しかし、その三冠馬の称号を持っているウマ娘はたった5人だけ。

セントライト、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン。その中でも無敗でクラシックを制したのはシンボリルドルフただ1人。長い日本競馬の歴史の中でもたった5人しか誕生していない三冠馬。如何にこの三冠馬に成ることが難しいのかが分かるだろう。

 

「葵、サンデーさん。違うわよ…今年のダービーは貰ったわ」

 

新たな声が聞こえる。それはサンデーの向い側からだった。

 

「そっその声は東条先輩!?」

 

最強チーム、リギルを導く東条ハナである。東条は2年前、ナリタブライアンを三冠馬に導いた実績がある。

 

「おハナさん。グラスワンダーとエルコンドルパサ-、どっち?2人とも?」

 

リギルの中でC組に所属しているのはグラスワンダー、エルコンドルパサ-の2人。

 

「一先ずエルね。グラスはリハビリが未だ必要だわ」

 

グラスワンダーは怪我の影響で未だリハビリが必要だ。しかしフジキセキが負った怪我と比べればマシな物であり、時間がかかるが間違いなくレースに復活できる。東条としてはグラスワンダーにも三大クラシックに出て貰いたかったが、今後の為にも療養すべきだと判断したのだ。

なので、リギルから三大クラシックに参戦するのは帰国子女の1人であるエルコンドルパサ-である。

 

東条は日本ダービーは貰ったと言ったが三冠とは言っていない。という事はエルコンドルパサ-はダービーには出るが、皐月賞と菊花賞には出ないと言うことだ。

 

※当時、外国産馬は三大クラシック出ることが出来ず、地方から中央に移ってきた馬もクラシックには出れませんでした。オグリキャップはその為に三大クラシックには出ることが叶わず、もし出れたら三冠確実だと言われています。

その為か今では追加登録料を払えばクラシックに走ることが可能と成っており、そのお陰でテイエムオペラオーは三大クラシックに出ることが叶いました。

 

「いえ、違いますよ。今年の三冠馬はリギルでもシリウスでもスピカでも有りません。私達、カノープスのキングヘイローさんが貰います」

 

新たな声が聞こえる。サンデーサイレンス、東条、桐生院がその声の方を見るとスーツ姿の若い男が立っていた。

 

「南坂!?」

 

その若い男の名前は南坂。まだまだ駆け出しのチームであるカノープスを引っ張る若きトレーナーだ。

カノープスはスピカよりも規模が小さく、メンバーはまだまだ少ない。高等部3年生のナイスネイチャ、そしてスペシャルウィークと同学年でありクラシックに挑戦するキングヘイロー、ディープインパクトと同学年で有力視されるアドマイヤジャパンが所属している。

 

「キングさんは三冠馬を目指して、頑張っています。私は…彼女を三冠馬にしたいんです!!」

 

スペシャルウィークの同期であるキングヘイロー。彼女は唯のウマ娘ではない。母はアメリカでG1を7度も勝った凄腕であり今は超有名デザイナー、父親は陸上十種競技の頂点に立ったキングオブアスリート。血統は正に選ばれた存在なのだ。

※史実でもキングヘイローの両親は凄かった。母はアメリカのG1を7回制覇したグッバイヘイロー。父は最高峰のレース、凱旋門賞を制覇した欧州最強馬。

 

「いや…違うな…」

 

「ええ、そうです」

 

「何故なら…」

 

南坂の言葉に反論するように、サンデーサイレンス、桐生院、東条が立ち上がる。

 

「「「うちの子が勝つからだ!!」」」

 

しかし、その前に……

 

「いや、デビューが先じゃね?」

 

職員室に課題を持ってきたゴールドシップに突っ込まれる大人4人であった。

 

そして…スペシャルウィークとディープインパクトのデビュー戦が始まる。




アニメあるある、突っ込みも出来るゴルシ。

次回はデビュー!!スペ、ディープのデビュー戦はどうなるの!?

そしてアドマイヤジャパンの悲劇(同期にディープが居た)が始まる。ディープがもし居なかったら、アドマイヤジャパンは時代の覇者に成ってたかも知れませんね。リンカーンとアドマイヤジャパンは時代が悪かった…アドマイヤジャパンは凄い馬なんですけどね

番外編書くとしたら?時系列は無視です

  • YouTuberゴルシちゃん
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