フリーザ軍の残党達の働きでドラゴンボールによって復活し、4ヶ月の修行をへて憎き宿敵である孫悟空に戦いを挑んだものの、再び敗れて地獄へと落とされた…
再び宿敵にやられてからと言うもの、果たして何日が経過したのだろうか……。少なくともこの地獄では時間と言う感覚かないのでそんなことを考えても仕方がないのだが……。
天国とも言えるお花畑のような場所で桜の木にミノムシのような状態で吊るされながらかつての悪の帝王、フリーザはそんなことを考える
普段滅多にこう言う事を考えることがないフリーザがそんなことを考えたのには、ある理由があった
フリーザ「……はぁ…やれやれ、また、あの妙な光景ですか……」
そう。敗れて地獄へと落ちてからと言うもの、フリーザは時折、いや、かなり頻繁と言える頻度で不思議な光景を見るようになっていた。
それはある時は破壊神であるビルスに似た何者かが居て、ベジータと自分に似た誰かが戦っていて、そしてあの孫悟空とグレーのコートのような服を纏った戦士らしき人物が戦っている光景だったり…
ある時はあの孫悟空にそっくりな灰色の胴着を纏った孫悟空には似つかわしくなり笑みを浮かべて何処かの街を破壊していて、そしてその人物と孫悟空、そして自分をかつて真っ二つに切ったサイヤ人が戦っていてる光景だったり
ある時は何処かの舞台で名前も顔も知るよしもない赤と黒の服を纏った寡黙らしき戦士と、何故か自分と孫悟空がボロボロになりながらも戦っている光景だったり……
と、ある時からフリーザはこのように頻繁ととも言える頻度でこう言う不思議な光景を見るようになったのだ。
フリーザはこの光景はまるで未来予知のようだと思ったが、それを確かめる術は残念ながらなかった。
フリーザ「……本当に何なんでしょうね…この光景は…あの孫悟空そっくりの男が出てきたり……はたまた私と孫悟空が一緒に戦っていたり…本当に意味がわかりませんね…」
思わずこんな愚痴のような独り言が出てしまうほど、フリーザの心は実は少し疲弊していた。
そして更に彼を疲弊させているのは、その光景を見て何故かはわからないが、時折何かに捕まれるように心が痛むのである。あの男と…ブラックと呼ばれていた者と戦っていた時の孫悟空の怒り……そして他にも見えてしまう光景を見ると、どうしようもなく心が締め付けられるのだ。
そんなことを思い返している知らず知らずの内に、フリーザの頬には一筋の涙が流れていた。
フリーザ「……っ、ほんとうに、何なんですか…この、心の、痛みは……」
この心の痛みの意味が今まで感じたことがないフリーザにはわからず、だからこそ涙を止めようとしても止めることは出来なかった。
痛い、苦しい、悲しい
この3つの感情が心の内の支配し始めていた、その時ーー
ー知りたいか?
フリーザ「……え?」
ー知りたいか?その心の痛みの理由を……何故そんな光景が見えるのかを
聞こえてくる声には当然不信感を抱いたフリーザだが、問われた質問には、強くこう思った。
フリーザ「……何者かは、わかりませんが、知りたいですよ…知れるなら、ね……」
正直にそう答えると、声の主は何処か満足そうに笑ったように感じた。
ーよかろう。では、お前を蘇らせて地上へと送ってやる。答えはそこで見つけるといい
その声が聞こえると同時に、フリーザは自分の意識が真っ白に塗り潰されるのを感じたーー
そして、そんなフリーザを巡ってある出来事が、起ころうとしていた