人を撃ちたい。
アトバードはふとそう思った。
「……ショットガンのリコイルはもうちょっと大げさにした方が良いな……あと反動は逆にデカすぎ、操作感が損なわれてる」
立ち上る硝煙を浴びつつ、まったく関係ないことを呟く……その実それはいわば
両手の銃器に落としていた視線を戻し、辺りを見回す。
「……こんな
サバイバル・ガンマンのオフラインモードは、今日もプレイヤーに
人を撃ちたい。
◇
「……
呟くと、アトバードはマスケットを構えた。
現在鋭意開発中の
デモ版をプレイした記憶を呼び起こしつつ、どれくらい
「GYEAAAAAAAAAAAAA!!!」
惨猿特有の一瞬音量調整を間違えているんじゃないかと錯覚するほどの絶叫も、ヤシロバードにとっては
「……リロードアクションはもうちょっと座標的にズラした方が忠実だな……」
怒涛の攻撃を回避し、撃つ。
「弾速は問題ない……けど、引き金を引いてから弾が出るまでに若干ラグがあるのかな?」
カウンターとして跳躍を行い、撃つ。
「屑癌はちょっと重力の影響を受けすぎかもな……調整しよう」
外見から言って最後の物になるであろう弾丸を、撃つ。
かくして事切れた惨猿と、十分に収集できた研究データを前に、それでもなおアトバードは
人を撃ちたい。
◇
森は暗かった。
右手に
「……ッ!」
ふと振り返り、その先に銃を突き付けてみる。そうすればそこに、自分をサイレント・キルしようと幼女が立っているかのように思えたからだ。
確かに森は
しかし、実際のところそこには誰も居なかった。
「……当然だよな」
そう、当然―――あまりにも当然なのだ。だってここは
それをわかっていても、アトバードは思わずにはいられなかった。
人を撃ちたい。
◇
「……閃いた」
そう、そうして彼は閃いたのだ。
アトバードは立ち止まった。
マガジンを取り出した。
装填した。
スライドを引き、独特のSEが伝える発射準備の完了を把握した。
あの頃から今までずっと変わらない、アメリカで聞いた
辺りを見渡した。
やはり当然のことながら人は一人としておらず、かといって代わりに己の行動を遮る
安全装置を解除した。
「……よし」
アトバードは満面の笑みを浮かべると、引き金を勢いよく引いて人を撃った。