猫じゃらし号、大地を浮く
「……クソがァーーッ!!」
10勝に対し6敗を数えたところで、俺はついにキレた。
猫耳が強すぎるからだ。
「ようサンラク~!勝っちゃってごめんな?
知らない人がめちゃくちゃ嬉しそうにサムズアップし、地団駄を踏む俺からそっと離れていく。
俺はこのゲームそのものからそっと離れたい衝動に駆られた。
「……クソ……何が索敵性能100倍だよマジで……これがあればキングフィッシャーの高速機動はレーダー見れば見切れる確率が上がるし、フィドラークラブの透明化も意味ないじゃね~~かよ……」
俺は猫耳を憎みつつあった。「憎む」という言葉から猫耳を付けたフェアカスの姿が脳内に連想される……引っ込んでろ!
「……こうなったら……」
呟く。俺のアバターは表情とかそういう概念を持たないから、端からは真意を汲み取りにくいであろう呟きだ。だが……実際のところ、俺の目論見は余りにはっきりしていた。
システムメニューを開き、ロビーからフィールドに移動する準備をする。
新機体を作ろう。
◇
ランキング二位プレイヤー、スーパー玉男は困惑していた。
彼は猫耳イベントにおいて最も得るアドバンテージが大きいプレイヤーの一人である。
しかし、目の前で地面から数メートル上をホバリングする
「……サンラク、それは何だ?」
「見ればわかるだろ……
サンラクの操る新機体らしきもの……機体名『
「……その尻尾は?」
「ああ、スロット拡張の棒を腰につけて、そこにいろいろくっつけたらこうなったんだ……
どういう意図なんだ、考えても玉男にはわからない。ふと、
『跳弾猟犬 vs. 尾狗』
アナウンスが走る。インターフェースが変化する。そして……二匹の犬が、動き出す。
「オラァッ!」
スーパー玉男は初手でフレキシブルレーザーを放った。相手の機体は本体については軽量に見えるが、例の
空をつんざき、レーザーは尾狗目掛けて直線軌道を取る。サンラクは当然サイドブーストで回避を試みるが―――
「やっぱり、遅いな」
猫耳を装備した跳弾猟犬にとって、その行き先を予想するのは余りに容易い。極めて詳細に表示されたレーダーを見ながら、フレキシブルレーザーを軌道変更、確実に当たるよう調整して……
「……は?」
レーダーが、見えない。
いや……見えないのではない、
「……っ!」
玉男はメインモニターから前方を見る。そこには、こちらに向け突進する
「聞こえすぎる耳も、考え物―――ってな」
―――いつの間にか消えていた尻尾の後ろには、射出された大量の針が。
猫耳を