あっ、ダンまちの世界なんだ…   作:あろえよーぐると

7 / 9
ルークはダンまちの本編の知識がある程度ありますが、ダンメモの知識はありません。ソード・オラトリアもちょろっとしか覚えてません。


第7話

「貴方のおかげで助かりました」

「気にしないでくれ。見過ごせない状況だったし」

 

 ルークはリュー達と協力して市民の救出活動を行い、今終わった所だ。

 

「貴方って凄いのね!建物の瓦礫なんかも手を向けるだけで次々と吹き飛ばしちゃうし!まるで手品みたいだったわ!」

「団長様ぁ、それは此方の魔導士の殿方に失礼ですよ?」

「すまねぇな、アンタ。これでもうちの団長はアンタのことを褒めてるつもりなんだ」

 

 アリーゼが想いのままに感想をルークに伝えるが内容が失礼だったので輝夜がそれに突っ込み、ライラが謝罪する。

 

「ははは…。君達の団長は明るくて元気な子だな」

「アリーゼが本当にすみません……」

 

 ルークは苦笑しながらリューの謝罪を気にしてないと伝える。

 

「それで貴方は何処のファミリアの人?あんな凄い回復魔法を使えるんだからディアンケヒトかミアハ・ファミリアなんだろうけど…」

「いや、今まで都市外で活動していて最近来たばかりの新参者だ。ギルドにも一昨日、女神と一緒にファミリア登録したんだ」

 

 彼女達はルークの言葉に驚いてしまう。ライラは思わずといった感じで呟くように声を出す。

 

「マジかよ、あんなすげぇ魔法使えるヤツが都市外とはいえ有名になってねぇなんて……」

「別に傷ついた人々を癒して回る旅をしてた訳じゃないからな?それに今回みたいな魔法を使ったのは片手で足りる位しかないし」

「私はアストレア・ファミリア団長、アリーゼ・ローヴェルよ!貴方の名前を教えて?」

 

 驚きからいち早く回復したアリーゼはルークに自己紹介して握手を求める。

 

「女神フローラの眷属、ルーク・ストレイだ。一応、俺が団長ってことになるな」

 

 ルークはアリーゼの握手に答える。リューもアリーゼに続く。

 

「私はリオンと呼んで下さい」

「ああ。よろしく、リオン」

「ええ、こちらこそ」

 

 先程の流れでルークはリューと握手した。他のメンバーとも挨拶をする。

 

 ちなみエルフは潔癖性な所があり、身内か心を許した者以外に身体を触れられることをかなり嫌う。アリーゼの流れで握手(・・)をしたため誰も気づいていないが、リューはルークに対して拒絶反応が出なかったのだ。後々に、このことをイジられるのをリューはまだ知らない。

 

 

◆◇◆◇

 

 ギルドは各ファミリアの代表達を集めて定例の闇派閥(イヴィルス)対策会議を行っている。連日のように襲撃は絶えず、先日には大規模の奇襲さえ許してしまったのだ。いいかげん、此方からも打って出たい所であるギルドと各ファミリアは敵の新たな拠点の情報をヘルメス・ファミリアの偵察によって手にする。

 廃棄された施設を利用しており、今まで潰したものとは違いかなりの規模が三つ見つかった。一般人を装った見張りの数も相当数いて、敵の本拠地ではないかと考えている。

 作戦を立案しているロキ・ファミリア団長のフィンは告げる。

 

「この三つの拠点を同時に叩く」

 

 アリーゼは我先に答えた。

 

「一つはアストレア・ファミリアが行くわ」

「まだ僕は何も言ってないよ?」

「本拠地に襲撃するファミリアを募るんでしょう?ロキ・ファミリアとフレイヤ・ファミリアが散らばるのは当然として、残り一つは余る。なら、私達が受け持つわ。機動力なら負けはしないもの!」

「フィン、我々もアストレア・ファミリアと連携する。それならば、頭数も充分だ」

 

 ガネーシャ・ファミリア団長、シャクティはフィンに進言する。

 

「いいだろう。ならば予定通り、一つは僕達が。もう一つを……オッタル、頼めるね?」

 

 フレイヤ・ファミリア団長、オッタルは答える。

 

「いいだろう……」

「話の腰を折るようで恐縮ですが、罠の可能性は?」

 

 アストレア・ファミリア副団長、輝夜は疑問を投げかける。

 

「それを見越した上で動く。突入部隊に充分な戦力を割くことはもとより、他の区画にも目を光らせる。ヘファイストス、イシュタル、デュオニュソス……全ての有力派閥に協力を要請する。ロイマン、そちらは任せた」

 

 ギルド長、ロイマンは渋々といった感じで答える。

 

「仕方あるまい。都市に平和をもらたすためだ」

「ヘルメス・ファミリアは都市全域に警戒を。異状があった際、迅速な情報伝達を頼む」

「了解しました。派閥の者に徹底させます」

 

 ヘルメス・ファミリア副団長、アスフィは真剣な面持ちで了承する。

 

「さて。察しの通り、これは大規模な掃討作戦になる。拠点が発覚した今、放置の選択肢はない。こちらから打って出る。作戦の開始は三日後。敵に気取られないように準備には細心の注意を払ってくれ。ここで戦局を決定付ける」

「任せてちょうだい!やってやるわ!」

「それでは、解散」

 

 会議が終わると一人のギルド職員が何処かに向かう。彼女は闇派閥(イヴィルス)の信者で5年前からギルドに潜伏していた。

 作戦内容は敵側に伝わっており、歓迎の準備をして待っていた。

 

 

◆◆◆◆

 

「掃討作戦ですかぁ」

 

 フローラはルークが言った言葉を繰り返す。

 

「ああ。回復魔法を広範囲で使ってるのがギルドに伝わったらしく、レベル5だからってことで俺は緊急クエストとして参加になった。断る理由は無かったしな。まあ、流石にホルンとエリスはレベル1を理由にして作戦から外させたけどな」

「今の状態でも戦えんことはないが万全を期すなら仕方なかろう」

「まだ魔法もステイタスも完全に掌握していませんからね」

「2人は引き続き、ダンジョンでステイタスと魔法を慣らしておいてくれ。掌握が終わればフローラの護衛を頼む。エリスとホルンがフローラの傍にいてくれれば俺は安心して任せられる」

「旦那様、無事に帰ってきて下さいね?」

「兄さんのことは私に任せて!しっかり援護するから!」

 

 ルーク達は今後の方針を話し合う中、フローラとノーラの言葉にルーク達は気持ちがほっこりする。

 

ルーク(竜殺し)の命を脅かすほどの者など、想像もつかんがな」

「うふふ、そうですね。いつも安心して見送れるもの」

「自分で言うのもなんだけど、かなり非常識な存在になったもんだよ……」

 

 

 

 

 

 

────大抗争まで、残り2日……そして……当日

 

 

 

 

 

 

 

 各派閥はそれぞれ所定の位置に着く。ルークはアストレア・ファミリアが受け持つと宣言した現場に配属された。他の2ヶ所と比べると上級冒険者(レベル5)が居なかったことを鑑みるに妥当な考えと言えるだろう。

 

「団長。全員、配置についた」

「そう、わかったわ。敵には気付かれていない?」

「現状、そのような気配はない。逆に静か過ぎて、何かあると勘繰りたくなるほどだ」

「そう……。でも、行くしかないわ。今日、何としても闇派閥(イヴィルス)の拠点を落とす」

 

 輝夜とアリーゼは罠の可能性を思い浮かべるが、それでも目の前の拠点に敵がいることは確実なのでアリーゼは突入の意志を示す。

 

 残りの2ヶ所はフレイヤ・ファミリア、ロキ・ファミリアが受け持っており、そちらも配置を完了している。

 

 作戦決行の時間まであと僅かの所でロキ・ファミリア団長フィンの親指が震える。彼の親指は危険を感知すると、彼の意志に関係無く震えるという直感的な役割を果たす。同ファミリアにどうするのかと聞かれるも、フィンは作戦に変更はないと告げる。ここで潰さなければ事態が好転しないからだ。食い破るか、砕けて散るかの現状。どのみち進むしかない。

 

 ロキ・ファミリア副団長リヴェリアは時間になったとフィンに伝える。彼はそれに頷き各拠点にいるファミリアに合図を出した。

 

「……突入」

 

 

 

 

 

 

     ────『大抗争』……始動。

 

 

 

 

 

 

 

     ────さあ、始めよう────

 

 

 

 

 

 

 

 ルークは闇派閥(イヴィルス)達を杖術と体術を合わせたような武術で次々と沈めていく。杖はまるで身体の一部のように華麗に扱って時には突きを、時には豪快にフルスイングして敵を吹き飛ばし主力部隊の道を切り開く。

 

「すまないが拘束は其方で頼む。俺は引き続き、敵の無力化を行う」

 

 ルークはそう言うと敵の多い箇所に向かう。周囲の者達はその洗練さと暴力的な大胆さを兼ね備えた闘い方に戦士としての格の違いを見せつけられる。

 

『アイツって魔導士なんじゃ……』

『いやいや、あんな接近戦が強い後衛がいてたまるかよ』

『レベル5って聞いてたけど、本当だったんだな。俺、ホラ吹いてるのかと思った』

『俺も』

『私も』

 

 アストレア・ファミリアの面々もルークはてっきり後衛職の治療術士(ヒーラー)だと思っていたので、ここまで接近戦ができるとは思わなかったようだ。

 

「凄い……!」

「ヒュ~、アイツどんだけ強いんだよ!」

「さすがレベル5、というわけか」

「私達も負けてられないわね!どんどん進むわよ!」

「これは嬉しい誤算だな。このまま突っ切るぞ!」

「分かったよ、お姉ちゃん!」

 

 リュー、ライラ、輝夜、アリーゼ達だけでなく、シャクティや妹のアーディ達、ガネーシャ・ファミリアの主力部隊もルークが開いた道を進んでいく。

 

「数は多いが魔法を使うまでもないな。とりあえず、このまま彼女達の御膳立てでもしてりゃ良いかね?……というか絶対に罠あるよな、これ」

 

 質を量で補うとしても『量』の中に、ある程度の『質』が無ければ只の有象無象にすぎない。ならば何を持って補うのか?

 

「パッと思い浮かべるのは前世の自爆テロだけど、この世界にその考え方ってあるのか?」

 

 あ、そういえば貰った資料の中に火炎石と撃鉄装置がどうとかって書いてあったっけ………あれ、ヤバくね?

 

 

 

◆◇◆◇

 

 ルークが開いた道をアリーゼ達は突き進むが作戦があまりにも上手く行き過ぎて敵の狙いが見えず不安に煽られ、このまま進んでいいものかと話し合う。

 

「だとしても続行よ!相手も既に施設内の人員を大勢失ってる!このまま最後まで畳み掛けるわ!」

 

 アリーゼの言葉に一同は進むことを決意する。そして道が開けている場所、最深部に到着する。

 

「よぉ。来たな」

 

 闇派閥(イヴィルス)の幹部ヴァレッタが待ち構えていた。

 

「フィンがいねぇ……。ちっ、外れだぜ。あの(アバズレ)、てきとーな情報寄こしやがって。にしても、ここまで来んのがの早過ぎんだろうがよぉ。電光石火どころじゃねぇぞ、ったく……」

 

 ヴァレッタは悪態をつきながらも、顔からは笑みが溢れていた。

 

「言葉と顔が一致してねーぞ。(きた)ねぇ笑みくらい消しやがれ。何を隠してやがる?」

 

 ヴァレッタはライラの問いに茶化しながら答える。

 

「さぁな~?てめえ等をブチ殺すための算段じゃねぇか?」

 

 シャクティは前に出てヴァレッタに告げる。

 

「ヴァレッタ・グレーデ、施設内は制圧した!兵士もほとんどを捕らえている!大人しく投降しろ!」

「ヒャハハハハ!その台詞に〝ハイそーします〟と頷く悪党がいるかよぉ!出ろぉ、てめぇ等!」

 

 ヴァレッタの合図とともに伏兵達が現れた。

 

「来やがれ!遊んでやる!」

 

 襲い掛かってくる手下達に輝夜とリューは二人組となり次々と倒していく。リューは敵の狙いが此方の連係をさせないための乱戦と捉える。

 しかし、そんな中でライラはきな臭さを感じる。

 

「やるじゃねぇか、ハハハハハ!」

 

 ヴァレッタをシャクティが相手をするも決定打を与えることができないでいる。他の面々も周りの手下達の対処に手助けする余裕がない。

 

「ああああああ!?」

 

 アーディは背後から殺気を感じて剣を振るい敵の攻撃を弾く。相手は子供だった。

 

「な、子供!?こんな幼い子まで巻き込んで!」

「ぁ、ぁぁ……」

「ナイフを捨てて!戦っちゃダメだ!君みたいな子に武器を持たせる大人の言うことなんか、聞いちゃいけない!」

 

 アーディは子供を救うために行動する。

 

「私は君を傷付けたりしないよ?さあ、こっちへ──」

 

 ゆっくりと子供に近付いて、自分は大丈夫なことをアピールする。アーディと子供の距離は段々と狭まり、手を伸ばせば触れられる距離になった。

 

 

 

 

 

 

「──ヒャハッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 悪意は小さく嗤い、子供は祈りを捧げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かみさま………お父さんとお母さんに、会わせてください……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の瞬間、激しい爆発の光にアーディは包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 その予期せぬ爆発に一同は硬直してしまう。光が収まると、地面には爆発の熱で蒸発した血の跡があった。

 

「え…………」

 

 誰かが発した声が辺りに響く。或いは全員で言ったのかもしれない。ただ、分かっていることは1つ。敵の自決によって仲間の命が喪われたということ。

 

「ヒャハハハハハハハハ!!見てるかぁ、死神(タナトス)の糞野郎!!!てめーが誑かしたガキが、冒険者を道連れにしたぞォ!!」

 

ヴァレッタの嘲笑は止まらなかった。

 

「ハハハハハハハハハハハッ!!」

 

「…そだ……うそだ、そんな……うそだっ……アーディ…」

 

 リューは身体を左右に揺らしてその場で倒れそうになる。

 

「おっと……大丈夫か?」

 

 倒れるリューの身体をいつの間にか現れたルークが腕で支える。

 

「ストレイ、さん……?」

「ああ。向こうは終わったから、ここを手伝いに来た。来て正解だったみたいだな」

「あれ、私……?」

 リューを支えてる腕とは反対の腕にはアーディが抱かれていた。

 

「ぁ……アーディ?」

「ギリギリ間に合って良かった。……自爆による相討ちを考えつくとか本気で狂ってるな」

 

 ルークはリューとアーディを彼女らの仲間に託して両手が自由になる。

 

「《ソニック(気絶しろ)》」

 

 倒れたまま襲う機会を伺っている敵全員に音をぶつけて気を失わせる。

 

「完全に気絶させたけど、近付かないようにな。爆弾を身体に巻いてるから。ちなみにだけど向こうにも知らせてるから安心してくれ」

 

 ピンチから一転、チャンスが舞い込んできた。

 

「ああん、何だてめーはぁ?」

 

 ヴァレッタは楽しみをぶち壊したルークを睨み付ける。敵ならば男や女など関係無く潰すことに容赦のないルークは答える筈がない。

 

「うるさい、【ソニック(黙れ)】」

 

 物理的に黙らせることを優先するルーク。しかし、ヴァレッタへの攻撃は別方向からの攻撃に防がれる。

 

「──【ゴスペル(相殺せよ)】」

 

 音同士の振動によって埃が舞い、その隙にヴァレッタの姿を見失う

 

「今のはいったい……?」

 

 強化を施していないとはいえ、レベル5で《竜殺し》でもあるルークの魔法を相殺されたことに思考を割いてしまい完全に逃がしてしまった。

 

 

 

 

 

 




◆原作変更点
・神エレン(エレボス)、ルークの介入により出番を削られる。
・アーディ生存。
・英雄マナー講師、魔法だけ介入。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。