浦原喜助の大親友   作:ハッピーエンドの話をしよう

1 / 17
浦原さんって、カッコいいよね!


序章:尸魂界篇
プロローグ:古風定国という男


「あいつら、元気にしてるかな‥‥」

 

暗く閉ざされた空間。

そこは尸魂界の牢獄。

そこには、尸魂界内で重罪を犯した者達が幽閉されている。その中の一人に俺も含まれている。だが、俺は他の囚人達とは訳が違う。

死神。しかも隊長格の人物数名を殺害したとされる人物の逃亡を手助けしたという事で、四十六室より無限牢獄の刑に処された。

本来なら霊圧を0にして現世に追放。なんてのが普通なんだが、どういうわけか俺はそれにはならなかった。

大した霊圧を持っている訳でもない俺が、だ。

 

「‥‥はぁ、んなこと一人で考えたって、わかる分けねぇよな。」

 

なぁ、と言い俺は自身の左隣を見る。そこには、誰もいない。‥‥どうやらまだ、俺は癖が抜けていないらしい。もうかれこれ何十回、何百回この行為をしたのだろうか。そこには、誰もいないというのに。

 


 

「――、―助、喜助ぇ!!」

 

「は、はい!?な、なんスカ夜一サン?」

 

「‥‥はぁ~、お主まーた儂の話を聞いておらなんだな?」

 

夜一さんが此方をジト目で見てくる。

その目を見ると、夜一さんが呆れているのがわかる。

ボクは、そんなことないッスよ。と言い、自身の感情が読み取られぬよう笑ってごまかした。

しかし、夜一さんにはそれが効かなかった。

 

「また考えておったのじゃな、あやつの事を。」

 

夜一さんの言うあやつとは、ボクの大切な親友ッス。

たった一人の、かけがえのないボクの親友。

 

「‥‥まぁ、そうッスね。」

 

「まだ悔やんでおるのか、あのときの事を。」

 

「ボクのせいで、定国サンは尸魂界の無限牢獄に投獄されてしまった。」

 

「じゃが、あのときはあぁする他なかった。あやつがいたからこそ、儂らは今ここにおる。それにの、藍染を倒す為の念入りな準備だって無事に行うことが出来ておるんじゃ。」

 

夜一さんの言っている事は正しい。

確かに、あの人がいなければ、今頃捕まっていたのはボクらの方で、そして藍染を倒すための準備だってすることはできなかった。正に、あの人のお陰と言うわけッスね。

 

「大丈夫じゃ、あやつの事なら心配せんでもよい。」

 

ボクの肩をポンポンと何度も叩き、笑顔で此方を見ている。確かに、ボクも未だにあのときの事は後悔している。だから、だからこそ次また同じことがないように念入りに準備を行う。

藍染サン達と戦うのは、間違いないだろう。

それは確実だ。負けないために死ぬほどボクは努力する。どうやれば藍染に通用するか、倒すことはできるか。策を巡らす。藍染サンを倒し、そして彼を救うために。

 

「まぁ、そうッスね。」

 

ヘラヘラと笑い、ボクは夜一にそう返事した。

 

 


 

「山じい、彼の事本当にどうにかならないの?」

 

「まだ言うか京楽。儂は言ったはずじゃ、中央四十六室の命令は絶対じゃと。‥‥例えそれが、望まれぬものであってもな。」

 

苦虫を噛み潰したような顔をしている山じい。

まぁそれもそうだ。何せ、今もなお無限牢獄に囚われている"元"護廷十三隊十二番隊副隊長「古風 定国(ふるかぜ さだくに)」は、死神の中でも有数の人格者の一人であり、強さも折り紙つきといった人だった。

 

「本当にどうにかならないのですか!源流斎先生!!」

 

「どうにかなるなららんなどという話ではない。

これは中央四十六室の決定。儂が言った所で、意味はない。」

 

「そう、ですか‥‥。」

 

「行こう、浮竹。」

 

浮竹と共に一番隊隊舎を出る。

出る間際に見た山じいの顔は、怒りに満ち溢れていた。

 


 

「ふふっ。」

 

「どないしました、藍染隊長?」

 

「いや、何。彼の事を牢獄へと投獄することができたのが、未だに信じられなくてね。」

 

「なんかおったな、そんな人。」

 

私の計画の中で浦原喜助の次に障害となりうるであろう彼を、予定外ではあったが無限牢獄への投獄に成功できた。予想外。それ故に、彼は恐ろしい。

 

「あぁ、だからこそ彼は警戒しなければならない。

予想外。それはつまり、私の計画にとって不利益に働く事に繋がる可能性が最も高い。予想外な人物程、共通して予想外の事を行ってくる。浦原喜助が天才であるなら、彼は未知であると、私は考えるよ。」

 

「‥‥‥‥要するに、彼はよぉわからん人って事ですか。」

 

「あぁ、それであっているよ。ギン」

 

分かっているようで分かっていないギン。

やはり、彼は真に理解はできていないようだ。

ギンには話していないが、彼を私が恐れていた理由はもうひとつある。それは、彼の斬魄刀の能力だ。

 

「離れる」能力。それは何も変哲のないありふれた能力だと、誰もが思っているだろう。しかし、それは違う。

「離れる」とは、つまり空間を離す事も可能だとだという事だ。(ホロウ)反膜(ネガシオン)と似た同じ事ができるという事だ。

これこそが、私が彼の事を最も恐れていた理由だ。

 

「ただいま戻りました、藍染様。」

 

「よく帰ってきたね、東仙。それでは、

 

 

 

 

――そろそろ計画を進めようか。」

 

しかし、それでも彼らでは私を止めることなど出来ない。

私は、私の道を征く。

 


 

『主人様、私は貴方を』

 

『ずっとお待ちしております。』

 

彼の持っていた二振りの斬魄刀は、自身の主を待ち続ける。例えそれが、未来永劫解放される事が無かったとしても。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。