合同訓練後、三番隊の隊舎にて三番隊と六番隊の食事会が開かれた。その食事会の主催者は俺と吉良副隊長、白哉だ。当初の予定では、合同訓練後は特になにもなく、ただ訓練して終わり!といった感じだったのだが、それを何とも味気ないと思った俺は、吉良副隊長と協力して食事会の計画をたてた。んでその事を白哉に伝えたら、あいつは二つ返事で了承した。まぁそれで食事会を行う事が決定した訳だ。
そんでもって迎えた当日。四番隊隊舎へ送った六番隊の隊士全員を回収した俺は、その足取りで三番隊隊舎まで離れた。その際、何やら副隊長を除いた六番隊の隊士全員が俺この事を恐怖の目で見てきたが、正直理由が分からん。‥‥俺、六番隊の人達には何も悪いようなことはしてないと思うんだけどな。まぁ今はそんなことどうでもいいのだがな。俺は六番隊の隊士と共に三番隊隊舎まで離れた。その時にはもう食事会が始まってたっぽいが、そこは間に合ったので良しとする。
「――――――主人様。」
耳元で誰かにそう囁かれ、俺は目を覚ました。
俺は起きると同時に辺りを見渡した。
ここは何処かの野原のようだが、何処かまでは分からない。
そこでふと、声の主はどこなんだ、と思い、辺りを見渡す。だが、そこには誰もいない。一体なんだったんだとは思った。でも、口にすることはなかった。いや、言えなかった。
「ッ!!い、たっ。」
頭の中を激しい痛みが襲う。それはもう、頭がかち割れそうな程に。そして、その痛みは、只の痛みというわけではなかった。痛みを受けると同時に、何かの記憶が入り込んでくる。その記憶っていうのは、多分俺のものだ。そんでもってその記憶を見ていると、一つだけ、きになった事がある。それは、どうにも記憶を見る限り、俺はさっきまで三番隊隊舎にいたらしいんだが、なんでか分からねぇがこんな場所にいたことだ。
正直、訳が分からん。
「どうなさったのですか、主人様。」
また、耳元で声が聞こえた。
俺は再度辺り見渡し、声の主を探す。だが、やはり誰もいない。一体、何が起こっているんだ、と。俺は心の底から思った。
「‥‥お前は、誰なんだよ。」
心の声というなの愚痴は、無意識の内に呟かれていて、それが野原に響き渡る。俺はさっきの言葉をボソボソと言った。だから、響き渡るなんて事は絶対にない。
そこで、俺は確証を得た。
何故さっきまで三番隊隊舎にいたというのに、今はこんな野原にいるのか。また、何故俺の声が野原に響き渡ったのか。
「‥‥ここは、夢の中なのか。」
だとしたら、それはあり得ない。夢がこんなにも鮮明な事なんて、今までに体験なんてしたことないし、そもそもそんな事例があったなど、聞いたこともない。だがもし、これが仮に本当にそうなのだとしたら、俺はとんでもないことを体験している、ということになる。
「それは半分正解で、半分間違いです。」
「ッ!?」
まただ。また俺の耳元から声が聞こえた。俺は再度辺りを見渡す。‥‥まぁ案の定、声の主は見つからない。
それにしても、半分正解で、半分間違い、か。
それはつまり、"ここは夢であって夢ではない"。ということか?だけど、そんなの本当に存在するのか?と、俺は思う。
「ねぇ、主人様。」
「ッ!?お前は、誰なんだ!!!そして、何処にいる!!」
「ここ、ですよ。」
ここ、と言わた場所を見る。声は確かに、そこからした。だが、いない。そこには誰もいないのだ。なのに、何故こんな場所から声がするのか。‥‥分からない。答えが、見つからない。コイツは、一体何者だと言うのか。
「‥‥もぅ、いつになっても分からないなんて、本当に、可哀想な主人様。」
ムギュっと、誰かが後ろから抱きついてきた。
この場所には俺と声の主以外にそれらしい人物はいない。(まぁ声の主に至っては、姿すらないので人物の括りにしていいのか、わからないが。)だから、必然的にそれは俺以外の人物。声の主になるわけだ。
俺は、自身の体に抱きついている人物の腕を退かし、後ろを振り返る。
そこにいたのは、俺の斬魄刀の李白だった。
「り、はく?なんでお前が、それにその姿は‥‥‥‥」
「これですか?‥‥まぁ色々あったのです。」
俺が百年前に対話を行った際、見た李白の姿は、謂わば子供のような姿。そして尚且つ、その身に穢一つ宿していなかった。‥‥だが、今俺の眼に写る李白は、百年前見た時とは姿が変わっていた。何と言うか、大人に成ったとも言うべきか。
そんな李白に対し、俺は頭を撫でてやる。姿が変わろうとも、性格は百年前のあの頃から相変わらずのようだ。
「えへ、えへへぇ~。主人様~、そんなに頭なでないでよ~。」
その後、暫くの間。俺は、李白と戯れた。
野原から場所が一転した『都』
そこは正に、俺が百年前に李白と対話を行った際にみた場所である。その場所を見て、俺は懐かしく思う。俺と李白が初めて出会った時の事を思い出される。
それから俺は、都内を懐かしみながら李白と探索した後、『宮』へと入った。
「早速だが、李白に聞きたいことがある。」
「主人様が此方にいる理由、ですか?」
「あぁ、そうだ。」
「それは、私から主人様に渡したいものがあるからです。」
斬魄刀が俺達にもたらしてくれるのは、始解と卍解のみ。それはもう死神の中では常識だ。‥‥じゃあ、李白のいう渡したいものとはなんだ?俺はもう、始解も修得していれば、卍解も修得している。だから、受け取れるものなんて、ないはずなのだ。
「渡したいものって、一体なんだ?」
「それは勿論、力ですよ。」
「力?」
「そう、力です。」
李白が、俺に言う。
曰く、力とは「斬魄刀とその持ち主が真に心が繋がりし時、手にすることのできるものだ」と。俺はそれを聞き、そういえば、と思う。
始解の会得条件は、斬魄刀の名前を聞き出すこと。そして卍解の場合は斬魄刀を具象化し、尚且つ屈服させること。‥‥言われてみれば、斬魄刀と真に力を合わせる事が無いことに、俺は今更になって気づいた。卍解は李白の言うそれと同じように思えるが、実際は使用者が斬魄刀の力を一方的に使うものとなっている。
「んで、その力ってのは李白から俺へどうやって渡すんだ?」
「それは勿論、
――口づけ、ですよ。」
「は?何を言って‥‥‥‥」
「それじゃあ、いきますね。主人様。」
李白が急に俺の首の後ろに手を回したかと思うと、何故だか顔を近づけてくる。俺はその一連の行動に何か嫌な予感がし、抵抗する。しかし、それは李白の力によってあえなく失敗してしまう。李白の顔は段々と俺へと近づいてきており、もう鼻と鼻がくっつく位の距離感だ。
やがて俺との顔の距離が1mmまできたとき、李白により唇を塞がれた。俺は抵抗も何もできないまま、李白によってされるがままにされる。
そして李白が俺の唇を塞ぎ続け、約一分が経った所で、漸く解放された。
「‥‥無事成功したよ、主人様。」
「そ、そうか。」
なら良かった、言おうとした。
しかしそれは、次の瞬間に起こった出来事によって失敗する。
「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」
突然、俺と李白がいた空間が消えたと思うと、それが虚空より現れた。
全身をドス黒い何かで覆われており、見るだけでそいつはヤバイと思わされる程の圧を感じる。俺では、絶対に勝てない。
「姓ちゃん!?姓ちゃんなの!?」
「姓?あれが、姓だと!?」
姓は、俺の斬魄刀だ。
有する能力は、『消える』能力。
‥‥成る程。だからさっき、宮が"消えた"のか。
姓は、俺がまだ唯一卍解を修得できていない斬魄刀。いや、"していない"の間違いか。姓はあまりにも力が強すぎる。その為、姓の能力を使うにあたって、使用者である俺は何かを犠牲にしなければならない。
始解の場合は、消す能力を一回使う毎に『俺の中の何かが消える』。だから卍解の場合、条件は始解以上の何かということになる。始解を修得するとき、只でさえ俺が消されそうになったのに、卍解を修得するとなると、もしかすればもしかしなくとも俺が消える可能性がある。だから、俺は卍解を修得していないのだ。
「!?ヤバイ!!!主人様、逃げて!!!姓ちゃん、力が暴走しちゃってる!!」
「それは、まずいな。」
姓から雷のような何かが先程から漏れ出ている。そして肝心の姓は先程から顔を抑え、何かに苦しんでいる様子だ。そんな姓の手には黒刀が握られており、それに対し、何らかの力。恐らくだが、消す力が蓄積されているようだ。
「‥‥まずいですよ、主人様。あれが、きてしまいます。」
「あれって何だy「死んでちょうだい。」
突如刀を振りかざしたと思えば、次の瞬間には振り下ろしていた。やろうと思えば誰でもできるそんな動作。
俺はほんの一瞬、瞬きをした。
そんなたった一瞬の内に、黒き太陽は眼前に迫ってきていた。
激動の四日間について、詳細にやった方がいい?
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やってほしい。
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どっちでも。
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やらなくていい。
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作者の好きにしてください!!