仮面ライダーダークディケイド ~ダークライダーの世界~ 作:アカリマシン
蜂女がレイピアを振って攻撃を仕掛ける。蜂女の持つレイピアには毒が仕込まれており、どんな鋼鉄であろうと貫いてしまう貫通力を誇っている。
「ハァッ!」
目視でようやく見切れるスピードで繰り出されるレイピアを避けながらも、攻撃の隙を伺うゼロスペクターだが…隙が見当たらない。
相手はかのショッカーが作った改造人間を怪人化させた物。Dディケイドであるならば、様々なカードで対抗し得るが…
「(あぁもう!拳しかないのが凄く焦れったい!)」
ゼロスペクターは武器を持たずに戦う戦士。拳だけで戦う経験が少ない終夜にとっては、今の蜂女の相手はかなりやりにくいであろう。
しかも、こっちの動きが鈍ってきたせいか段々とレイピアが当たり始めてきた。このままでは貫かれてしまう。
「うりゃぁあ!」
「なにっ!?」
ここで何と、ゼロスペクターがそのまま真っ直ぐ突っ込んでいき蹴りを浴びせたのだ。これには蜂女もビックリしたのかガードが間に合わずそのまま喰らって後退していく。
「(今だっ!)」
ゼロスペクターがドライバーのレバーを引いて操作。低空飛行で体勢をそのままに、蜂女に連続キックを叩き込む。
【ダイカイガン!スペクター!オメガドライブ!】
紫色のエネルギーが足に纏われ連続でキックを叩き込まれた蜂女。彼女は、その必殺技の連撃で爆発し倒された。
そしてもう一つの戦いも佳境を迎えていた。
「ハッ!」
「くっ!」
バッタヤミーが縦横無尽に飛び回り、ネクロムへと攻撃を与えていく。バッタの特性を備えたヤミー故に驚異的なジャンプ力を与える足から繰り出されるキックは、侮れない威力。
アイコンを使う隙が見つからないネクロムだったが……仮面の奥で、突如として目を瞑る。
「トオッ!」
「…!そこか!」
【デストロイ!ダイテンガン!ネクロム!オメガウルオウド!】
エメラルド色のエネルギーがネクロムの拳に収束されていき、上から蹴りを喰らわせようと降りてきたバッタヤミーに向かって拳を突き上げた。
逃げ場の無い上空に向かって放たれたエネルギー弾がバッタヤミーに直撃し、敢えなく爆発し倒された。辺りにはセルメダルと呼ばれる銀色のメダルが溢れ落ちていた。
「アランさん!」
「終夜…」
二人がお互いの無事を確認したと同時に奥から音が聞こえてきた。ゼロスペクターとネクロムがその音のする方へ向かってみると、其処ではダヴィンチ眼魔とダークゴーストが戦っていた。
二人はダークゴーストへと向かっていき、その前に立つ。
「アラン…。それと君は…」
「えっと…「兄上、終夜は…わたしの友です。」!」
「そうか、アランの友か…。ならば、奴を倒すために力を貸して欲しい。」
「分かりました。」
直ぐにその場の状況を整理してダークゴースト、ゼロスペクター、ネクロムの三人のライダーがダヴィンチ眼魔を相手に構えの姿勢を取る。
「私に挑むとは愚か。神に逆らうとはどう言うことかをその身を持って知ると良い。」
「この世界に神は要らん!わたしが戻ってきたのは、この世界を良くするためだ!
貴様の好きなようにはさせんぞ。」
両者の睨み合いから始まった。先に動いたのは、ダヴィンチ眼魔だ。
ダヴィンチ眼魔が走り出したと同時に三人が駆け出す。ダークゴーストのガンガンセイバーの攻撃をスルリとかわして、打撃を喰らわせて追い撃ちをかけようとする。
しかし、其処でネクロムのガンガンキャッチャーのハンド部分が開かれ、ダヴィンチ眼魔を掴んだかと思うとゼロスペクターの飛び蹴りがヒット。ダークゴーストはこちら側に飛んできたダヴィンチ眼魔をすれ違い様に切り裂く。
「ぬぅっ!」
その切り裂き攻撃に一瞬だけ怯んだ隙は見逃さず、三人はさらに連撃を加える。どれだけ相手が強くとも、数の暴力で攻めた方が強いに決まっている。
三人ライダーの蹴りを同時に浴びたダヴィンチ眼魔は、たまらず、憑依主が取り込んでいた英雄アイコンの力を使おうとしたが反発されてしまい、力が使えなかった。
「そ…そんなバカな…!」
「これで終わりだ!」
【ダイカイガン!ダークライダー!オメガドライブ!】
【ダイカイガン!スペクター!オメガドライブ!】
【デストロイ!ダイテンガン!ネクロム!オメガウルオウド!】
三人が一斉に飛び上がりダヴィンチ眼魔に必殺キックを喰らわせる。それを耐えようとダヴィンチ眼魔は自身の力を出し惜しみせずに使い、ぶつかり合う。
だが、ダメージが溜まっているダヴィンチ眼魔とは力の差が出来ており…打ち消せる程の力は既に無くなっていた。
「「「ハアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」」」
三ライダー渾身の必殺技のキックを受けたダヴィンチ眼魔は爆発し、ダヴィンチアイコンは粉々に砕け散った。
取り込まれていたアイコンも辺りに散らばっている。こうして、眼魔世界での戦いは終わりを告げたのだ。
「聞いてるんですか!終夜さん!」
「ご、ごめんなさい…」
が、終夜が帰ってくると同時に舞の説教が始まった。終夜は正座のままでただ謝っていた。何故なら…舞から吹き出しているオーラ的な何かが見えるからだ。
「やれやれ…女の子って怖いね…。」
マインドが額縁を見るとそれは別の絵に変わっていた。そこに描かれていたのは、桜が舞う道にポツンと一人佇んでおり…集落のような場所から背を向けた一人の鬼がいた。
「この世界かぁ…中々に面倒なことになりそうだなぁ。」
マインドの呟きは…誰にも聞こえていなかった。