めぞん一刻 二次小説 時計坂通信   作:今津晶

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第02話  相変わらずの二人

それから、日は流れて、春香ちゃんが産まれて今日で、丁度一ヶ月が過ぎた・・・・。

二階堂もやっとの事で、一刻館に入室することを、母親から許しを得て、今では大工になる為、日々努力をしている。

そんな、ある日、一通の電話が来たのだった・・・・・・。

 

#ちりちりち~ん#

 

管理人室の桃色の電話が鳴った。その、電話は五代が出た。

 

「はい、一刻館です」

 

「あ~五代さんですか。わたしよ、わたし」

 

「誰ですか?・・・・・・え・・まさか、その声は・・・・・」

 

「そう、私。旧姓、七尾こずえよ」

 

「こ、こずえちゃん!」

五代は思わず、大きな声を出してしまった事に気付き、回りをきょろきょろ見回して、次は小さな声で聞いた。

 

「ど、どうしたの。突然・・・・・」

 

「うん。ちょっとね。五代さんと、お話したいんだけど、いい?お仕事とか・・・・・」

 

「うん、保育園は今日は日曜日で休み。それじゃ、駅前の喫茶店で・・・・・」

 

#ガシャン#

(どうしたんだろ、突然・・・・・。東京に来てるのかな)

 

そんな事を思いながら、五号室に向かい、着替えを始めようとしたし、階段を上がった。

そこには、響子さんが床を雑巾掛けしている姿があった。

 

「どうしたの、あなた?お出掛け?」

 

「う、うん。ちょっとね。昔の友達と・・・・・・」

何とか誤魔化して、着替えて、一刻館を出た五代君。

 

(本当に、どうしたんだろ~。ごずえちゃん。あ!もう、こずえちゃんって呼ぶのも変だよな・・・・・・・)

そんな事を考えながら、とうとう、待ち合わせの喫茶店に着いた。

 

#カランカランカラ~ン#

 

「五代さ~ん。こっちこっち!」

そこには、こずえちゃんの姿があった。

椅子に座った、五代君は聞いた。

 

「で、どうしたの。こずえさ・・・・・・・・いや、七尾・・・・・・・いや、何だったけ今の苗字・・・・・・」

 

「いいの。そんな事。こずえちゃんって呼んでよ、これからも」

 

「う、うん・・・・・・・・・・・。それで今日は・・・・・」

 

「それがね、ちょっと相談したいことがあって・・・・・・」

 

「何?相談って・・・・・・・」

 

「うん。それがね・・・・・・・・・・この前、久しぶりに、友達と会いに行って・・・・・・・・・」

 

 

~~ここから、こずえちゃんの話の内容に切り替えます~~

 

「ねえ、こずえ。あんた結婚したんでしょ」

 

「うん。そうだよ」

 

「どんな人?」

 

「私のこと、とても大事に思ってくれてるの」

 

「ふ~ん。で、どんな顔なの?」

 

「どんなって言われても・・・・・・・・・」

 

「んじゃあ、今度、連れて来てよ!」

 

「え~。あの人、来るかな~」

という事で、こずえちゃんは、その日の夜、夫にその事を話した。

 

「て、事なんだけど、今度の日曜日、来れる?」

 

「え!今度の日曜日!む、無理。ごめん、急に仕事が・・・・・」

 

「ほんとにぃ~」

 

「ほ、ほんとさ!」

こずえちゃんは、夫の目をじっと見た。

 

「うん、分かったわ。じゃあ、友達には行けないって行っておくわ」

 

「う、うん。本当に悪いね~。俺、風呂入るよ」

 

この場をササッと去ったように思えたこずえちゃんは、

(あやしい・・・・絶対何かあるわ)

 

鈍いこずえちゃんが、ここまで思ったのだから、相当怪しかったのだろう・・・・・。

そして、日曜日、こずえちゃんは夫の行方(ゆくえ)を付けたのだった。

 

 

夫の後を付けている、こずえちゃん。

(会社のカバンを持っているわ。本当に仕事なのかしら?)

 

やはり、夫を信じたいこずえちゃんだった・・・・・。

その内に、とうとう駅に着いた。

何と、夫は定期券を出さなかった。切符を買ったのだ。

 

(え、何で?しかも、会社と違う方向の電車に乗ろうとしているわ。どうして・・・・)

こずえちゃんは、すぐに同じ切符を買い夫の後を付けた・・・・・。

 

「まもなく○△行きぃ~。普通車が到着しま~す」

 

電車が到着し、こずえちゃんは夫と同じ車両に乗り、夫に気付かれないように人の影に隠れた。

(降りる駅は、どこかしら・・・・・・)

 

「まもなく○△駅ぃ~。左手のドアが開きまぁ~す」

 

夫はその駅に降りた。勿論こずえちゃんも・・・・・・

夫は駅から降りるとすぐに近くの喫茶店に入って行った。

 

(う、嘘でしょ!)

こずえちゃんも築かれないように、喫茶店に入り、何とか夫が見える席に座ることが出来た。

すると、何と!夫は待ち合わせしていたと思われる女性と、楽しく話していたのだ。

 

 

~~ここから、五代君とこずえちゃんとの会話に切り替わります~~

 

「その後、すぐに喫茶店を出て行ったわ」

 

「こずえちゃん・・・・・・・・・よく尾行なんてしたね~」

あまりのこずえちゃんの行動に驚いた五代君。

 

「で、どうしたの?それから・・・・・・」

 

「その後って、今こうしてるの」

 

「え!今日だったの!」

 

「そこで、五代さんにどうしたらいいか、相談しに来たの」

 

「わざわざ、ここまで?」

 

「だって、こんなこと相談出来るの五代さんだけだもん」

 

「そ、そう。ありがとう。でもね、こずえちゃん」

 

「うん、なあに?」

 

「うん。その女性さんと主人さんが、どういう関係か、まだ全然何も分からないんでしょ?」

 

「まあね、すぐに喫茶店、出ちゃったから・・・・・・」

 

「もしかして、その女性が会社の人だったりして、会社の打ち合わせでも、してたかもしれないでしょ」

 

「ま、まさか・・・・・・・」

そのまま、こずえちゃんは、あごに人差し指を置きながら・・・・・

 

「う~~~~~ん・・・・・・・・・」

黙り合う二人。

 

「わかった。夫と五代さんを信じて、聞いてみる。本当のこと」

 

「うん。それが、いいよ」

そして、五代はコーヒーの最後の一口を飲み終えると、

 

「それじゃあ、帰ろうか」

 

「うん」

喫茶店を出た二人。

 

「それじゃあ、駅まで送って行くよ」 

 

「ありがと。やっぱり五代さんは優しいな~」

そのまま、歩き始めた二人だった。

 

その頃、丁度、響子さんがお肉屋で夕食の材料を買っていた。

 

「それじゃあ、豚肉200グラムお願いします」

 

「へい。毎度~。・・・・・・・きょ、響子ちゃん、あれご主人じゃないの?」

 

「え?」

振り向いた先には五代君とこずえちゃんの姿が目に飛び込んできた。

思わず、スーパーの袋を落としてしまった響子さん。

(な、何で。こずえさんと一緒なの・・・・・・・)

 

その夜、響子さんは夕食の支度をしていた。

(どうして、あの人、今日は昔の友達と会うって言ってたのに・・・)

 

「痛!!」

考え事をしていた響子さんは、包丁で指を切ってしまった。傷は浅いようだ。

切ってしまった指を口に咥えながら

(ど、どうして・・・・・・・)

 

一方、五代君は・・・・・・・・

こずえちゃんを見送って、帰って来るところだった。

その姿は、すでに一刻館の前であった。

 

 

「ただいまぁ~」

何も知らずにのん気に五代君が帰って来た。

 

(あれ?響子からの””お帰りなさい””って言う声が無いな~)

 

そんな事を思いながら、管理人室に向かった。

ドアを開けようとした、その時、

 

「入らないで!」と響子さんからの厳しい声がした。

 

いきなり言われてビックリした五代君。

「な、何で?」

 

「とぼけたりして。もういいわ!あなたは、5号室で寝て下さい!」

 

余りの怒り具合に、どっと勢い良く押されて圧倒されてしまった五代君は、しょうがなく懐かしの五号室に向かった。

 

(どうして、俺がこんな目に・・・・・・・)

五号室のドアを開け、電気を付け、押入れから来客用の布団をだし、寝転がった。

 

(ま、まさか。こずえちゃんとの事、バレたのかな・・・・・・・・・。まさかね~)

五代君は、目を閉じ、眠ろうとしたがやはりなかなか寝付けなかった。

 

 

そして、次の日の朝・・・・・・・

 

#ガチャ#

 

「いってきま~す」

やはり、返事が無い。庭掃きもしてない。

 

(本当に、何でだろ~)

こうして、五代君は保育園へ向かった。

 

一方、響子さんは・・・・・・・・

五代君が保育園に行ったことを確認し、庭掃きを始めた。

 

(どうして、あの人、こずえさんと会ってたんだろ~?まさか、浮気・・・・・)

 

すると、一の瀬さんが、家賃を払いに来た。

 

「はい、お家賃。それより、管理人さん!どうしたの?五代君に挨拶もしないで。しかも、昨日、五代君、五号室で寝てたみたいだけど・・・・」

 

「え、え~・・・・・。いろいろありまして・・・・・」

 

「それじゃあ、洗濯の時、お邪魔まするよ」

 

「はあ・・・・・」

 

#ゴトゴトゴトゴト#

 

洗濯機が回る・・・・・・

 

「で、原因は?」

タバコを吐きながら一の瀬さんが聞く。

 

「それがですね・・・・・・・・」

響子さんは、一の瀬さんに昨日の事を全部話した。

 

「それは酷い!管理人さん、あんたは間違っていないよ」

 

「そ、そうですよね・・・・・」

 

その時・・・・・・・

 

#チリチリチ~ン#

 

桃色電話が鳴る・・・・・・

 

「はいはい、ちょっと待て下さ~い」

電話に話し掛ける響子さん。

 

「はい、一刻館・・・・・・・・・。え!こずえさん!」

 

「お久し振りです、管理人さん。五代さんいますか?」

 

「主人なら職場に・・保育園に行きました」

本当はこずえちゃんと電話したくない響子さん。

(でも、切るのも何だし・・・・・・・。)

 

「それじゃあ、五代さんに言っておいてくれませんか?」

 

「はい。何を・・・・」

 

「え~と、昨日はありがとうございました。五代さんの言う通り、うちの主人は浮気とかそういう人じゃ、ありませんでした。と言って下さい」

 

「あの~、すいません。主人が、五代が何かしたのですか?」

 

「え?ご存知なかったですか」

 

「え~、ま~・・・・・・・・・」

 

「え~とですね。五代さんがですね・・・・・・・・・・・・・・」

こずえちゃんは、昨日の話題を響子さんに話した。

(そういう事だったの・・・・・・)

 

一気に気が抜けて、今にも倒れそうになった響子さん。

「それでは、伝えておきます・・・・・・」

 

「お願いします」

 

#ガチャン#

 

「誰だったんだい?」

 

「こずえさんです。それで、昨日の事を聞いてみたら・・・・・・・・・・・」

響子さんは笑って、一の瀬さんに話した。

 

「あんた達、全然変わってないね~。誤解、誤解の騒ぎの中、過ごしてきたあの時と・・・・・・・」

 

その日の夜・・・・・・・

幼稚園から帰ってきて、玄関前で所在無さ気にウロウロしている、五代君の姿があった。

(今日も5号室かな~。やっぱり、こずえちゃんとの、前の事がバレちゃったのかな~。もし、それなら・・・・・・・・)

 

恐る恐るドアを開けて、

 

「ただいま~」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

やっぱり、返事をしない。と、思った、その時、

「お帰りなさ~~い!」

 

(!!!!!)

 

五代君は慌てて、管理人室へ走って、ドアを開けた。

 

#ガチャ#

 

「た、ただいま!」

 

そこには、キッチンで夕食を作っている響子さんの姿があった。

「どうしたの?そんなに慌てて」

 

「???」

 

急に一昨日までと同じように優しくなった響子さんに混乱する五代君。それを見た響子さんは

「全部、こずえさんから聞いたわ。隠すような事じゃ無いのに・・・・・・」

 

「で、でも。なんか、その・・・・・・・」と相変わらずの優柔不断な五代君。

 

「とにかく、嘘は吐いて欲しくなかったわ」ときっぱり断言するも、もう何も怒ってはいない響子さん。

 

「ご、ごめん・・・・・・・。それで、俺、今日は・・・・どこで・・・・」

五代君は少しばかり不安げに恐る恐る響子さんの意見を伺う。

 

それに対して響子さんは

「勿論、ここで寝るのよ。それとも、5号室が懐かしくて気に入ったの?」

 

「と、とんでもない。ここが一番さ!」と瞬時に即答する五代君。

 

「そ、そう。それより、昨日はごめんなさいね。ちょっとイライラしてたから・・・・・・」

ちょと俯き加減に上目遣いで響子さんは夫に話し掛ける。

 

「い、いや。俺が悪いんだから。響子は何も悪くないよ」

 

「そう。ありがと、うふふ」

こうして、仲直りした響子さんと五代君。早速、仲直りの甘い甘い舌を絡めたディープキスを交わしていた。

傍らに娘がいたが、まだ生後1ヶ月である。視線も何も気にする必要は全く無い。

 

「昨日はやっぱり寂しかったよ」

 

「うん、あたしも」

 

正面から抱き締め合って今宵の熱い夫婦の営みを高校生カップルのように指切りをして約束して、夕食を一緒に作り始める二人・・・のはずが、高校生などではないので・・・

待ち切れずに五代君が管理人室の鍵も掛けて戸口のカーテンを閉めてしまい、夕食前にたっぷりと1時間以上も仲直りの性行為に挑んでしまいました。

春香ちゃんの出産前後の3週間近く持てなかった夫婦の営み。それが最近やっと元通りにほとんど毎日行っていたものが昨夜は急なアクシデントで行えず・・・

その昨夜に交われなかった寂しさをようやく癒して夫婦の情愛を確かめ合った二人。

結局いつもよりも2時間近く夕食が遅れてしまったが、その後の夜の営みもお互いに暗黙の了解だけでなく・・・再び指切りして長々と接吻でも約束し、二人の熱い夜は濃密に更けていくのであった。

 

しかし、何か忘れているような・・・・・・・。

(そう言えば、こずえちゃんの現姓は何でしょう?五代君、結局聞くのを忘れてしまいました)

 

 

 

以下、次回

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