めぞん一刻 二次小説 時計坂通信   作:今津晶

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第03話  花見と共に

二人(五代と響子)の誤解も解け、幸せな日々をのほほんと暮らしている五代家。

二階堂君もようやく大工の資格を取りました。

そんな一刻館に春香ちゃんが来て、三年が経った。

春香ちゃんも立てるようになってからすぐに元気良く歩き回り、大分言葉も覚えてきた。

 

ある日、桜も満開に咲いた日曜日、今日はみんなで花見に行くことになったのである。

その日の朝・・・・・・・・

 

「管理人さん!あたし達、先に行って、場所取っとくから」

 

「お願いしますね、一の瀬さん」

 

「ほら、健太郎!荷物、持った持った」

 

「何で、俺が・・・・・・・」

健太郎君はブツブツ言った。

 

「何か言ったかい?」

 

「な、何も・・・・・」

 

「それじゃあ、行って来るね」と一の瀬さん。

 

「いってらっしゃーい」

見送った後、料理に取り掛かる響子さん。

 

「あなた、春香の面倒見ててくれる?」

 

「ああ、いいよ」

 

「春香~。こっちおいで」と五代君が優しく話し掛ける。

 

「うん」

 

「ママはね。美味しい料理作ってるから、邪魔しないようにね」

 

「うん。分かったぁ」

 

「春香は偉いな~」

五代君はそう言って、春香の頭を撫でた。

 

(今がほんとに一番可愛いのよね~。)

ニコニコしながら料理をする響子さん。

 

30分後・・・・・・

 

「あなた。出来たわよ」と響子さん。

 

「うん。じゃあ、行こうか。みんな待ってるし」

 

「パパ、おんぶして~」

 

「よし、いくぞぉ~」

と、いうことで五代君は左手で春香を支え、右手で料理を持った。

 

響子さんは惣一郎を連れて歩き出した。

 

「二階堂さん、資格取れて良かったわね」

 

「そうだよな。俺も保父の資格取るの随分と苦労したしな~」

 

「本当に色々あったわね、今まで」

 

「・・・・・・突然、どうしたの響子?昔のこと思い出して・・・・」

 

「何でもないけど・・・・・・。何かね、毎年、桜を見るたんびに時の流れを感じるの」

 

「ふ~ん。ま、時の流れの中、俺達は春香の教育に専念しなくちゃな」

 

「そうね」

そんな事を話していると、すぐに着いてしまうものなのだ。

 

「管理人さ~ん!こっち、こっち!」

五代君たちは早歩きで向かった。

 

「いいところじゃないですか。さすが、一の瀬さんだな~」

 

「そうだろ。それより、今日は、スペシャルゲストがいるんだよ。ワッハッハッハ!!」

 

「誰ですか?その、スペシャルゲストって?」

 

その時、五代君の背中をポンッと叩いた人がいた。その人は、

「や、八神っ!!」

 

「何で、そんなに驚くの。先生、ご無沙汰してました。こんにちは管理人さん」

 

「こ、こんにちは」

みんなはシートの上に座った。

 

「それにしても八神。おまえ、全然変わってないな~」

 

「失礼な!こう見えても、もう就職してるんですよ」

 

「どうせ、三友商事だろ?」

 

「バ、バレた?何とか、父のコネで・・・・・・。羨ましいでしょ?」

 

「別に全然。俺は今のこの仕事が一番気に入っているんだ」

 

「あら、そうなんですか。それにしても、うっわ~!春香ちゃんメチャクチャ可愛いですね~」

くるっと話題を変えた八神。

 

何となく、気まずい響子さん。ま、仕方ないだろう。

 

「ところで。何で八神がここにいるんだ」

 

「それがね・・・・・・・」

八神は悲しげな顔して、みんなに話し始めた・・・・・・・

 

「あれは確か、昨日の5時くらいだったわ・・・・・・」

 

 

~~ここから、八神いぶきの話に切り替わります~~

 

「ただいま~」

八神が会社から家に帰って来た。

 

母は台所で夕飯を作っている。

当然、父はまだ会社に勤務している時間帯だった。

 

「上がって・・・・・あ、『お邪魔します』は要らないから・・・・あ、それから靴も持って行って」

どうやら、誰かに話し掛けているようだ。

しかも、こっそりと・・・・・・・

八神と誰かは母に気付かれないように、そっと階段を上がり、自分の部屋に着いた。

 

#カチャ#

 

「これで、大丈夫よ」

 

「大丈夫ってな~。こんなの見付かったらどうすんだよ!」

 

「しっ!大声出さないで」

どうやら八神の家にあがりこんだのは、男性のようだ。

 

「大体だな。何で俺がこんなところに・・・・・」

 

「何言ってんのよ!あんたが、家出してきて、私に相談するから、こういう事になったのよ」

 

「でっ、でもっ!」

 

「あのまま、いたら、あんたは飢え死にしてたのよ」

 

「そんな大げさな・・・・・」

 

「とにかく、今日はこっそり泊まってもらいます。」

 

「えーー!!」

 

「しっ!大声出さないでって言ったでしょ!」

その時、一階から、母が・・・・

 

「いぶき~。帰ってるの~。上が騒がしいけど、誰かいるの~?」

 

#バタバタバタバタ#

慌てて八神はドアを開けて、母のところまで行った。

 

「でっ、電話よっ。ママ」

 

「そう・・・・・。男の子の声がしたような」

 

「何言ってるの?わたしが男の人なんて勝手に入れるはずか無いじゃん!」

 

「そ、そうね。あ、お母さんね、卵を買い忘れたから買ってくるから、お留守番お願いね」

母は、そう言い残すと、行ってしまった。

 

八神も自分の部屋に戻った。

「ごめんね。でも、これで大丈夫だから。」

 

「・・・・・・・・・・・・俺、やっぱり帰る」

 

「どうして?」

 

「どうしたも、こうしたも無いだろ!普通こんなの親に見付かりでもしたらどうすんだよ!」

 

「何よ、それ。あんたが困ってるから、助けてやってんでしょ!」

 

「誰も、助けてくれなんて言ってないさ。」

 

「なっ、何よ、それ!!」

とうとう、喧嘩が始まってしまった。

 

丁度、その時、八神部長こと父が帰って来た。

「ただいま~・・・・・・・・・・・返事が無いな。誰もおらんのか」

 

しかし、二人の喧嘩の声が一階まで聞こえないはずが無い。

 

「うん?上が騒がしいな・・・・・」

父は真っ先に階段を上がっていった。

 

しかし・・・・・・・・

八神たちは勿論、喧嘩中なので、

父の『ただいま~』の声も階段を上がってきている音も聞こえてない。

さあ。一体、どうなるのか・・・・・・・

 

 

階段を上がって来た八神の父・・・・・・・・・・・

しかし、その事に気づかない二人・・・・・・・・

 

「いぶき~。開けるぞ~」

 

「!!!!!!!」

 

「!!!!!!!」

二人はビックリし目をパッチリ開け、目を合わした。

 

(なっ、なんで!!・・・・・・なんでパパがいるの・・・・・)

 

「開けるぞ!」

 

「ちょ、ちょっと待って。今、着替えてるから・・・・・・・」

 

「そ、そうか・・・・・・・・」

 

八神は男にクローゼットに入るようにジェスチャーした。

「いいわよ、パパ」

 

#ガチャ#

 

「おい、いぶき。何を大声出してたんだ?」

 

「ちょっと、電話で友達と喧嘩してて・・・・・」

 

「そ、そうか・・・・・・・・それじゃあ、早く仲直りしろよ」

 

八神は母を誤魔化したように父も何とか誤魔化せた。

と、思った。

その時、クローゼット中から・・・・・・・

 

「い、痛!」

どうやら、男は変な体勢で入っていたので、足を攣ったらしい・・・・・・。

 

「??今、そこから声がしたような・・・・・・」

 

「!!!!!」

 

「な、何言ってるのパパ。気のせいよ気のせい・・・・・・」

 

「そうかな~」

 

「そうよ」

八神の父が部屋から出て行こうとし、ドアを閉めようとしたその時、

 

「も、もう、我慢できな・・・・・・・・」

ついに、我慢ができなくなった男は、クローゼットから出てしまった。

 

#バタン#

 

「!!!!!!!!!」

 

(あちゃ~・・・・・・・・)

頭を抱える八神。

 

「いてててて・・・・・・・・・」

攣った足を抱え、ひたすら、もがく男。

 

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」

開いた口がふさがらない八神の父。

 

「パ、パパ。これには理由があってね・・・・・・」

ひたすら言い訳する八神。

 

「そ、そ、そんな言い訳、聞きたくないわ!!」

ぶちぎれた父。

 

しかし、八神も引き下がるような娘ではない。彼女は八神いぶきなのだ。

このまま黙って収まる筈が無い。

 

「な、何よ!本当のこと言ってるのに!バカ!!」

 

「バ、バ、バカとはなんだ!バカとは!!」

 

「バカにバカって言って何が悪いのよ!!」

 

「な、な、な・・・・・・。お、お前なんて出て行け!うちの娘じゃないわ!!!」

 

「いいわよ!言われなくても出て行くわよ、こんな家!!!いきましょ・・・・・・」

男の手をきつく引っ張りながら、部屋を出て行き、階段を降り、玄関の前で一言、

 

「さ!よ!う!な!ら!!!」

 

#バタン!!#

 

ドアを思いっきり閉めた、八神であった。

 

 

~~ここから、元の話に戻ります~~

 

「それでそのまま・・・・・・・・・」

話終えた、八神であった。

 

「で、その男の人は?」

五代が尋ねた。

 

「家に帰った・・・・・・・・・。私達の親子喧嘩見てて、僕達の喧嘩なんて大した事ないって」

 

「あんたらの喧嘩が異常なんだよ」

一の瀬さんが突っ込む。

 

「それから八神さんは昨日はどこで寝てらしゃったのですか・・・・・・・」

 

「やだな、四谷さん。野宿なんてしてませんよ・・・・・・・・・」

それを見抜いた一之瀬さん。

 

「したんだろ。野宿・・・・・・」

 

「え!?何を言っているのですか・・・・・・」

しかし、みんなは『え!?』という発言を証拠に、一の瀬さんの意見が正しいと思った。

 

「な、何ですか?みんなして、じろじろ見て・・・・」

でも、もう言い逃れができないと気づいた八神だった。

 

「はい。そうです・・・・・・・・・・・・」

 

そんな、可哀相な八神の顔をしているのを見て、五代は、

「大変だったんだな」

 

「う、うん・・・・・・・・」

 

この気まずい雰囲気。

誰もがここから逃れたいと思った。

ところが、響子さんが、

「八神さん。一刻館にいらっしゃい」

 

「え!・・・・・・どうしてまた・・・・・」

 

「どうしてって、このまま放っておくわけにはいかないでしょ。空き部屋の3号室にいらっしゃい」

突然の響子さんの発言に、誰もが驚いた。

あ、あの響子さんが・・・・・・・

 

しかし、やはり一の瀬さんだ。

この発言の理由を、はっきりと見抜いていた。

(管理人さんは、五代君と一緒になって、自信がついている。

だから、八神さんを普通の女の人とみたんだ・・・・・・・)

 

「さあ、しーんとしないで。今日は花見だよ。パーといこーよ。パーとさ!!」

 

「そうですな。八神さんも入室した事ですし・・・・・・」

 

「それじゃあ、1番八神いぶき、歌いま~す♪」

すぐ立ち直れるところが、八神のいいところだ。

 

(一刻館・・・・・。何も変わってないわ。よ~し、ここで、当分の間、居着いちゃお!)

こうして、思わぬことで、八神いぶきが3号室し入室が決定した。(当分だけの予定?)

 

 

八神が一刻館に入室することが決まった、今日の夜。

花見に行って、たくさん飲んだはずなのに、一の瀬さん希望で、5号室で宴会することになった。

響子さんは管理人室の電話で、八神の母親とこの事を話していた。

五代君と春香ちゃんは管理人室にいた。

 

「・・・・・・・・・・・という事です」

 

「そうですね。いぶきもお父さんも頭が冷えるまで、その方がいいですね。それじゃあ、宜しくお願いします」

 

どうやら、OKのようだ。

「あ、それから、家賃の方は・・・・・」と八神の母親。

 

「いいえ、結構ですわ」

 

「いいえ、そういう訳にはいきません。払わさせて下さい!」

 

「そ、そうですか。それでは、10000円です」

 

「分かりました。それでは、今度、お伺いします。それでは・・・・」

 

#チン#

 

「おい、響子。10000円でいいのか。本当は20000円だろ?」

 

「いいわよ、どうせ、すぐ出て行くと思うし、そんなに高い家賃は頂けないわ」

 

「響子らしいな~」

 

「そうかしら」

 

 

一方、五号室では・・・・

「八神さん。あんたは今日から一刻館の住人なんだよ」

 

「何だか、照れるな~。・・・・・・・・あれ?一の瀬さん、朱美さんは?花見にもいなかったみたいだけど・・・・・」

 

「あ~。あんた、知らないんだね。あの人は茶々丸のマスターと結婚したんだよ」

 

「へぇ~。知らなかった。で、茶々丸で暮らしての?」

 

「うん。そうさ。茶々丸の二階でね。でも、6号室に荷物置きっぱなしみたいだけど・・・・」

 

その時、一階から五代君と響子さんが上がってきた。

当然、春香ちゃんも。

「入りますよ~」

 

#ガチャ#

 

「何してたんですか?五代先生?」

 

「何って、八神。お前の母親に話をつけてきたんだよ」

 

「で、どうでした?」

 

「OKだって。それから、おまえのお父さん、すっごく怒ってるらしいぞ」

 

「それじゃあ、一刻館入室、本当に決定ね。やった~!」

 

「やった~、じゃないだろ。それから、当分の間だからな。忘れるなよ!」

 

「は~~い」

 

春香ちゃんは当然この話の意味が分からないでいる。

それより、八神のことを少しも知らないのだから。

 

「ママ~。この人、誰~?お花見の時からいたけど・・・・・」

 

「この人はね、八神さんって言うのよ」

 

「宜しくね。春香ちゃん」

そう言うと、八神は春香ちゃんと握手した。

 

「宜しくね。八神お姉ちゃん!」

 

一の瀬さんはお酒と扇子を持ち出した。

「そうと決まれば、パーといこう。パーとさ!」

 

一刻館の入室が決定すれば、必ずやる入室祝いの宴会。

結局、今日の宴会は夜0時まで続いた・・・・・・・・・。

 

 

そして、次の日の朝。

 

#サッサッサッサ#

 

響子さんはいつもの通りに庭掃きしている。

(はあ。今日から、住人も一人増えて賑やかになりそうね)

 

#ガチャ#

 

玄関のドアから五代君が出て来た。

 

「それじゃあ、行って来るよ」

 

「あなた、お弁当は持ったのかしら?」

 

「あ!」

慌てて管理人室にお弁当を取りに帰った五代君。

 

(昨日、あんなに遅かったのに・・頑張って2回もエッチしたから・・・・・・寝不足よね。大丈夫かしら・・・・?)

(・・まあ・・・あたしも・・八神さんが来るもんだから何かこう・・・対抗したくなっちゃったから・・ね)

 

お弁当を取ってきた五代君は再び、

「いってきま~す」

 

「いってらっしゃ~い。しっかりね~」

笑顔で見送った響子さん。

 

こうして、五代君は職場の保育園に行った。

続いて、二階堂君は大工へ

健太郎君の父は知らぬ会社へ

健太郎君(20歳)は大学へ

四谷さんは???へ

そして、八神は三友商事へと向かった。

 

(八神さん、大丈夫かしら。何しろ、部長が自分の父だからね~)

(それにしても、一刻館にいるのは、春香と一の瀬さんだけなのね~。昼間は静かなのよね一刻館って・・・・・)

 

「バウ、バウ!」

「そうね、惣一郎さんもいるわよね」

響子さんは惣一郎さん話し掛けた。その時

 

#チリチリチ~ン#

 

黒色電話が鳴っている。

慌てて、電話へ向かう響子さん。

「はい、一刻館ですが」

 

「あたしよ、あたし・・・・」

 

「お母さん!?」

 

「そんなに、驚くことないでしょ」

 

(今日は何なんだろう・・・・・。何か嫌な予感が・・・・・)

響子さんは、お母さんから電話が来るたびに、嫌な事が起きる。

と、そういう気持ちで電話をするのが、習慣になっているのである。

 

しかし、今思えば、

もう、母に何も言われることも無いはず・・・・。

 

音無家からも籍を抜いて千草響子に一旦戻った。

五代裕作と言う男性と再婚もした。

可愛い子供も無事産まれて、すくすく成長している。

 

全て、結果的とは言え母の望んだことを無事こなしているはずなのに・・・・・・

今回はどんな事が起きるのか・・・・・・・

「で、今日はなんなの、お母さん?」

 

 

 

以下、次回

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