ミストラルの言葉と共に放たれたそれらは、流れるように動き出した。実力者であるララノアですら『逃げ出す』という選択しか取れなかったそれに、だが少女は快活に笑う。
そして──真っ正面から剣と刃の嵐を受け入れた。
爆発音が響き、業風が撒き散らされる。そしてミストラルの目に映ったのは、少女の金色にせき止められギチギチと音を鳴らす剣や刃の姿だった。
「ミストラル! この際私に対する攻撃は良いわ! だけど、ララノアやガルシアに対するそれはダメね! この後はお仕置きよ!!」
「……やっぱりリーダーは凄い。けど、私にだって理由がある。『全てを貫き、対象を貫くまで止まることない槍』」
その言葉を認め、少女は少し眉を潜めた。これでは
「意味がないわね!! 昔にそのやり取りはやったでしょう?!」
「……知ってる。リーダーと、その同格の存在には私の力は届かないって……『行って』」
そして、未だ止まろうとしない刃に囲まれながら迫る槍に目を向け──少女の金色が一層強くなった。ゴウッ、と焰のように立ち上るそれが湧きたち──そして、槍と衝突した。
そして、全てが溶けた。グシュ、とあっけない音を鳴らし、全ての武具が溶け落ちる。
地面に広がるのは、
「条件を付与された武具は、それが武具である限りしかその条件を満たさない!! そこの対策をしなさいっていったわよね?! 貴女なら簡単な筈よ! なんでしないのかしら?!!」
そして、ミストラルがキッと目を吊り上げる。
「どうせそれも超えられる。それに、確認したかった──リーダーの力がどこまで落ちてるかを」
──シン、と一瞬世界が凍った。そして、少女はその硬直を抜け出すとスッと目を細める。
「……あら?! 誰か漏らしたかしら!! もしくはミストラル!!
──他の国との繋がりがあったりするのかしら?!」
ギラギラとした瞳が、初めて負の感情を持ってミストラルに向けられる。それにゾクゾクと背筋を凍わせながらも、ミストラルは淡々と続けた。
「……さぁ、分からない」
──チッと音が鳴った。
──金色が揺れた。
──次の瞬間、ミストラルは天空にいた。
「──っ!!!」
何が起きたのか分からない。轟々と唸る風と、眼下に見える荒野。流れる風景はミストラルが途轍もない勢いで飛ばされているがゆえだろう。
そして腹部に感じる微かな痛みが、なんらかの
そして、慣性に従うミストラルを追うように隣にいたのは、リーダーだった。業風の中にも関わらず、その声はハッキリとミストラルに届いた。
「さあ!! ちょっと壊しちゃったけど、ここなら周りを気にする必要はないわね!!! ──だけど風が煩いから、1回止まるわよ!!」
そして──再び視界が消し飛んだ。