絶対最強王様系金髪美少女(余命十年)   作:るてにうむ

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宣言

 「……またまたぁ、元首さま冗談キツいっすよ。あたし達が『聖国』攻略の要? そこはおいといても、あたし達だけ別に呼ぶ理由がないっす。いろいろ矛盾してるっすよ。あんまりなジョークは、いくら元首様と言ってもあたし的にNGっすよ」

 

 当たり前のように己より上の者への口答えをする。それもかなり適当な口調で。

 

 それ自体は本来ならあまり褒められた行為ではないのだが、閉め切った雰囲気を打破し、引っ張っていく脳天気さと度胸がララノアにはあった。

 

 今だけはそれに感謝しながら、ガルシアは言葉を紡ぐ。

 

 「そうです、ボス。我々に聖国攻略主導の任を任せようとしているのでしたら、それは重すぎる責です」

 

 「その任ならば私達のような『二桁』ではなく、せめて『一桁』を動員するのがよろしいかと……兵の心情的にも、能力的にも、です」

 

 『二桁』。彼ら彼女ら四人に振り分けられた、あまりに単純に『上位者』を区切る仕組みに基づいて決められたその順位。

 

 少女の下、『平等』を謳うこの国ではあるが、しかし差異を作らざるを得なかった故のその仕切りを持ち出され、しかし少女は笑みを見せる。

 

 「あら! 冗談ではないわよ!! ──特に!!ララノア! 貴女なら分かってるでしょう?!!」

 

 ビクッ、とララノアが震えた。温厚な雰囲気を消し去り、焦りが表装へ現れ始める。

 

 頬を掻き、視線をゆらゆらと動かしながら、やがてララノアは観念した。

 

 「え……えー、元首様それ持ち出すんすか?……いやまぁ、やれと言われたらやりますけど……でも、聖国は一人一人が鍛えられた重装歩兵並の戦力になるヤバイ国っすよ?」

 

 「──ララノア……はぁ……貴女何を言っているんですか。貴女にそのような重責背負わせるには信用と力がなさ過ぎます。せめて貴女より上の位である私に任せるべきでしょう」

 

 思わず口を次いで出たコノの言葉。それを嬉しそうに少女が見遣り、すぐにララノアに視線を戻す。

 ララノアは困った顔をすると、何度かうんうんと唸り、やがてため息を付いた。

 

 「コノちゃん、今回は譲ってくれないっすかねー?ほら、今回の『聖国攻略』、達成すれば順位上がること間違いなしっすよ! あたしいつもコノちゃんに頼り切りじゃないすか……そろそろ順位上げて元首様と好きなときに会えるようにしたいなーって……どうすか?」

 

 それを聞き、コノは酷く剣呑な雰囲気を漂わせ始めた。青色の髪が揺らぎ始める。

 

 「──つまり、私とはもうこれっきり、と言うことですか?」

 

 「違うっす! 違うっす! いやただ、コノちゃんに迷惑掛けすぎたからそろそろ権力が欲しいなって──」

 

 「その言い方は止めた方が──はぁ……兎に角、そう言う理由でしたら私に言ってくれれば、そのたびにいつも通り『直告』しますよ。仮にも『十三位』──二桁でもそれなりなほうですから」

 

 《直告》。十七位より上の位を持つ者は、如何なる時でも少女に直接の懇願が出来ると言う制度。

 なんかもうララノアにとっての『都合の良い女』その物に成り切ろうとしている──と言うか元々そうだった──コノだったが、それでもララノアは渋い顔を止めない。

 それを目にし、コノはそれをどう取ったのか。別の方面から攻めようと切り口を変える。

 

 「……そもそも、四十二位の貴女が聖国攻略の旗印になったとして、どこまで順位が上がるかは──」

 

 「──それについては問題ないわ!! 聖国攻略の主軸となり得たなら、私はその者に『第五位』の位を授けましょう!!」

 

 ──鋭い目が一瞬少女に向けられ、だが次の瞬間霧散した。

 

 コノがその目を少女に向けたことに、ララノアとガルシアは軽い驚愕を抱く。

 微かな驚きを胸に、ララノアはコノに近づき肩に手を置いた。

 

 「……その、別にコノちゃんとの関係どうこうじゃなくっすね……あたしの個人的な事情もあるんす──」

 

 「分かりました」

 

 淡々とコノが言葉を紡ぐ。俯いた顔は見えず、だが爛々煌めくのはその瞳。

 

 「──ララノア、私は貴女に位階戦を申し込みます」

 

 「……コノ、貴様このタイミングで何を──」

 

 「ガルシアさんは黙ってて下さいっす……それで、コノちゃん。本気なんすね?」

 

 「ええ。私より上の力があるのなら、その者は私よりこの任に適任でしょう……ですが、もし貴女が負ければ……その時は聖国攻略の任務から完全に外れて貰います。

 勿論、その時の貴女の代わりは私の部下から出すので安心して負けて下さい」

 

「……いいっすよ。なら、やろうじゃないっすか」

 

 至近距離で、二人の瞳がぶつかる。一触即発のその雰囲気の中、それをぶち壊したのは、相も変わらぬ一人の少女。

 

 「──決まったわね!! 貴女達の『運命』の下に、位階戦成立を宣言するわ!! 形式上ララノアからコノへの申し込みになるのはよろしくね!!

 時刻は明日の夜中の十一時!! なるべく秘密裏に行いたいからそこは容赦して欲しいわ!!」

 

 朗々と宣言されたその言葉は、部屋一杯に響き渡った。

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