つまり脂っこくて臭くてクセが強いです
この世界に男女平等という言葉は無い。
今から数十年前、日本に魔都魔都と呼ばれる異空間が出現した。魔都から収穫される桃により、女性は固有の力を得ることになり、男女のパワーバランスは崩れ去った。しかし魔都は祝福だけを齎したのではなかった。
「に、逃げろ!醜鬼だ!」
「ぐぎゃあぁぁ。あ、あしがぁあぁぁあ」
魔都には醜鬼と呼ばれる化け物が闊歩し時より現世に迷いでるのだ。醜鬼は人を襲い、止められるのは魔防隊と呼ばれる能力者達の集団のみだ。魔防隊の活躍で醜鬼は掃討され、魔都災害は未然に防がれている。
しかし魔防隊と言えど全てを防げる訳では無い。現世に現れた醜鬼は次々に人を襲っていく・・・
「食らえっ!どうだッ!って効いてない!」
1人の勇敢な高校生が醜鬼に石を投げつける。友達を救う為の行動だが、醜鬼には通常の攻撃は効かない。彼の健闘は虚しく挽肉が一つ出来た
「ふざけんなよ、あ。(俺・・・しんだ)」
振り返ったそこには醜鬼がいて彼を殺そうと腕を振り上げていた。走馬灯が流れる、彼が最後に感じているのは不条理。せめて自分にも力があればと、女みたいに力があればと・・・
正史であれば彼はここで死ぬ筈だった
何者かが走ってくる。右手に持ったゼツメライズキーを起動し、ベルトにセットした。すると巨大な機械仕掛けのバッタが出現し醜鬼達を吹き飛ばす。その男は少年の前に立ち彼を守るように醜鬼達に立ち向かう。
ベルトのレバーを引くとロッキングホッパーゼツメライズキーが強制展開され、疾風が巻き起こる。巨大なバッタがバラバラになってその男に装着されていく。
青い装甲を纏ったこの世界最初のリアルライダー
仮面ライダー1型が彼の前に立つ
「無謀過ぎるだろ!でも嫌いじゃない、んん。ぜ!」
「あ、あんたは?」
唖然とする彼は突如現れたそいつに驚く。そして思ったままの疑問を口にした。するとそいつは何かを思い付いたように笑いながら答えた。
「通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ!」
ベルトのレバーを操作すると首から赤い粒子が放出されてその場から消える。高速化したのだ。粒子の残滓がマフラーのように見えた・・・
「仮面ライダー、あの力があれば・・・」
緊張の糸が切れたのか彼はそこで気を失った。
魔防隊が到着した時には醜鬼は全滅していた。そして仮面ライダーは何処かに消えていたのだった。
「ふー、やっと終わったぜ」
魔都を防衛する部隊、魔防隊。その7番組の寮管理人をしている和倉優希は寮の清掃を今終えたところだった。
「あーいたいた。アンタ味噌ラーメン作りなさい」
タオルで汗を拭きつつ現れた少女、東日万凛は和倉を見つけるそう命令した。
「・・・ラーメン好きだよな」
数週間生活を共にしてみて日万凛がラーメンを注文するなことは多々あった。
「お兄ちゃんがよく、んん、いいから早く作りなさいよ!私今からシャワーだからっ!」
出るまで作りなさいよー!と誤魔化すように無茶を言い、その場を去っていった。
「何か言いかけたよな、お兄ちゃん?兄弟いたのか?」
まぁいいかと呟き、ラーメンを作りに行く。シャワーの時間を見積って、計画を立てる。出汁は夜飯用で仕込んでいたものを利用して・・・
「日万凛はラーメンこってり系が好きだぞ。ついでに俺のも頼む、ネギとメンマ多め、味玉ありで」
「はいっ・・・って誰ッ!男?」
背後を振り向くとそこには椅子を逆向きに座り、図々しくもラーメンを頼んだ男がいた。これが和倉と転生者、
「ぬぉぉおお。う、腕を上げたな。ラブリーマイシスター」
「なんでここいんのよ。馬鹿兄貴!」
日万凛の子供の頃写真を和倉に見せてるところで、戻ってきた日万凛に飛び蹴りを喰らいそのまま胸倉を掴まれ、ぐわんぐわんと揺さぶられる。
「いやーロリババアに家追い出されてさ。はっはっはっ」
「馬鹿兄貴がいい歳こいてニートしてるからでしょ!」
耳が痛い。笑って誤魔化そうとするが、誤魔化せそうに無い。どうするかと考えていると・・・
「ん?何かあったのか「助けてー京香ちゃん」兄弟子何故いる?」
現れた7番組組長羽前京香を盾にして、ふしゃーと威嚇する日万凛から距離をとる。
「君にあいに「家を追い出されたみたいです」へい、君たち僕のはな「叩き出せ」「了解です!」待ってッ!俺が悪かった!」
流れるように叩き出されそうになり速攻で土下座する。2人の目が冷ややかだ。その様子に和倉は唖然としている。
「追い出されたのはマジだ。だから現世に戻る為の門借りたくてさ」
魔都に放り捨てるとか殺意しか感じない、何度醜鬼に出会ったことか。
7番組の寮まで歩くのしんどかった。
「あのえーとハジメさん、なんでここなんですか?」
和倉がもっともな質問をした。9番組の位置からなら明らかに1番か8番、10番組の方が近いし安全だからだ。むしろここまで無傷で来てるのが謎だった。
「兄弟子はワルワラ、8番組に嫌われてるからな」
「馬鹿兄貴、修行嫌だから絶対1番組には行かないでしょ」
「・・・仰る通りです」
2人の意見は的を射ていた。8番とは前に組長と色々あって、1番組にいったら確実に修行させられる。
「えっとじゃあ10番組は・・・」
「あのメスガキに頼み事するぐらいなら死んだ方がマシだわ」
「うわぁ」
その答えに和倉ドン引きし、2人は苦笑していた。いつかわからせたると叫ぶがスルーされた。
「ハジメさんは組長の兄弟子なんですよね?」
「そうだよ寧ちゃん。兄弟子って言っても一ヶ月差くらいだけどな」
写真見るかい?と携帯を取り出し当時の写真を見せる。幼い頃の京香を興味津々に眺める小学生、大川村寧。気恥ずかしく、止めたいのだが寧の表情を見るとなかなか言えない京香。
「馬鹿兄貴、あの頃すぐにサボってお母さんから怒られてたじゃない」
「おう、アニメ見たかったし、ゲームしたかったからな」
「オタクキモっ」
堂々とオタ活の為と答えると更に日万凛からの視線が痛くなった。なかなかこの世界、男のオタクに人権はない。男の穀潰しなど生きる価値はないのだ。男女の差が明確に出来ている為、前の世界に比べてそういう思想も活発化してる。
「あっ組長。醜鬼の軍勢です。距離6キロ場所、南南西から此方にきてます」
「クレアボヤンスか、透視いや千里眼のほうか」
寧の目が何かを捉えた。彼女の桃を食べて得た力は "
「待ち構えるぞ、日万凛達はここだ。私達はここに陣取る」
「「了解です!」」
敵戦力から見積もり、手慣れた様子で戦力を振り分ける京香。
ただ・・・
「なんでナチュラルに戦力に数えられてるんですかねー」
「無いのか?ベルト?」
「いやあるけどさ」
「なら手伝え!」
7番組にはもう1人駿河朱々という巨大・縮小化能力者がいるらしいのだが、休みでいないらしい。彼女の能力は広域を殲滅するのに長けていたのだが今は運悪くいない。代役として白羽の矢が立ったのだ。
「馬鹿兄貴が戦えるのか?って顔してるわね」
「そりゃあ、まあな」
和倉は怪訝そうな顔した。原則として男に魔都の恩恵は無い。和倉自身も京香が持つ"
つまり男が魔都の力を得るには女を介してしか現状存在しないのだ。京香のように無能力で戦う事も可能かも知れないがそれでも駿河の穴を埋めるには至らない。
「大丈夫よ。馬鹿兄貴は東家一の異端でアンタとある意味同タイプだから」
「えっそれって・・・」
何か和倉が言いかけた所でハジメがサイクロンライザーを取り出し装着する。ベルトを装着した反動がくるが我慢する。まだ、身体への負荷が大きいのだ。アドレナリンでも出てないとつらい。
「ッ!・・・フー。Let's、変身!」
気合を入れる為、ポーズをとり叫ぶ。ゼツメライズキーをセットしレバーを引く。バッタのロストモデルは出現しそのまま装甲に変わっていく。その様子を見て和倉は目を丸くした。
「追跡!撲滅!いずれもマッハ!ってな仮面ライダー1型見参」
「それいるのか?」
「必須だ!これだけは絶対譲らねー!」
いつの時代、何処の世界でも変身ポーズと掛け声は重要なのだ!浪漫なのだ!ビシッバシッとポーズを決める。
女性陣は呆れるように頭を抱え、和倉は表情には出さなかったが内心カッケェと思っていた。
「日万凛!散らせ!端から削る」
「命令すんな!馬鹿兄貴!」
腕をガトリングに変化させて弾丸を斉射する。固まっていた醜鬼達を穴だらけにする。お兄ちゃんは撃ち漏らしや生き残り確実に一突きいれ仕留めていた。
「殲滅力がやっぱり足りねーな。アタッシュウェポン作るか?」
「独り言なら後にして!馬鹿兄貴!」
戦闘中なのに呑気に発明品を考えてる。真面目にやってれば良いお兄ちゃんなのにいつもどこか甘くて呑気で優しい、本当に東の家らしく無い。日万凛自身は気づいていないがそういうとこが好きだった。急にお兄ちゃんが動きを止め此方を向いた・・・
「それもそうだな。あと・・・」
高速状態のまま日万凛に近づき地面を思い切り踏みつける。衝撃が流れ、間欠泉のように血が吹き出した。地面から醜鬼が接近していたのだ。
「ぼけっとすんなよ。常に感覚は研ぎ澄ませとけ」
「うっ。うっさいニート兄貴!」
はいはいと流される。仮面で分からないがおそらく笑ってる。なんかムカつく。むくれる日万凛をみて更にハジメはニコニコしてるのを日万凛は気づいていなかった。
「アイツら!」
「いいなピンチに合体!それっぽくて!」
醜鬼達が危機を感じたのか合体していく。巨大な一体の醜鬼化しようとより集まっていく。腕をガトリングからバーズカに変え撃ちまくる。醜鬼の体勢が崩れる。
「ライダーキック!」
お兄ちゃんはわざわざポーズを取ってから複数回レバーを引く。
高速状態で飛び上がり醜鬼の頭部に向かい飛び蹴りを喰らわした。
「八千穂は絶対、お兄ちゃんの影響受けてる」
日万凛の姉の能力の発動にはポーズが必要だった。お兄ちゃんのは完全にただのカッコつけだけど。
「ラブリーマイシスター!今お兄ちゃんって言ったか!」
「言ってない馬鹿兄貴!」
本当こういうとこは大っ嫌いだった。
お兄ちゃんといつものやりとりをしてると連絡が入った。
どうやら向こうも戦闘が終了し殲滅が完了したようだ。
「京香さん。本当にするんですか!」
「身体が勝手に動くんだ!」
半裸の京香は和倉を抱き寄せた。京香の引き締まっているが同時に柔らかい感触に思わず和倉は唾を呑む。
京香の能力"無窮の鎖"は代償が存在する。そうそれは働いた分を対価として奴隷に支払わなければならない!!つまり合法的強制スケベ展開が起きるのだ!!大体筆舌し難いフェチな世界が展開される・・・
「変態め・・・」
京香は最後に和倉に口づけしたところで身体の自由が戻る。2人とも顔を真っ赤にしていた。こうも毎回頭の沸いた恋人のような対価を潜在的に願う己の奴隷の変態的思考には驚かされる。こんなのを誰かに見られた日には・・・
「とりあえず服を「京香ちゃん失礼・・・したぜ!」待て兄弟子誤解だ!誤解なんだぁぁあ!」
ハジメは扉を開け、速攻で閉め廊下をダッシュした。直後扉が吹き飛び、上着を羽織った京香が追ってくる、刀を持って。あの人は絶対にネタにするそう確信が京香にはあった。
「不覚ッ!まさかッ!そういう関係だったとはなッ!」
「違う、アレは!」
「スピードワゴンはクールに去るぜ!」
「兄弟子ぃ!」
兄弟子は現世への門に直行するつもりだ。だが地の利は此方にある、壁を走り先回りして刀を構えた。驚愕する兄弟子を捉えた、上段からの振り下ろす。左に避け抜けようとしたところを刀の柄を回転させ無理やり斬撃の軌道を振り上げに変えた。直撃する所で兄弟子はバク転をし後方に距離をとった。
「燕返しすんじゃねーよ、殺す気か!」
「その減らず口を黙らすだけだ!」
「悪かったな、濡場の邪魔してよ!俺は帰って赤飯作ってくるから盛大に盛ってくれていいぜ!」
「殺す!」
「縮地からの振り下ろしらめぇ」
脱力と重心移動、振り下ろしの流れる動作で膾斬りにしようとする京香
ストロベリー!と叫びながら必死に白刃取りをするハジメ
組長クラスの全力戦闘だった。恐らく互いに醜鬼戦より全力で戦っている。
「スレイブ化の代償ってわけね。いてててて」
最終的にスタミナ切れで負けたハジメ、最近鉄火場から離れて研究してたつけだっだ。ボコボコにされ顔が膨れ上がっている。これ以上茶化すと本当に殺されかね無いので降参する。
「いやでも安心したな」
「あん?」
「これはマジでだよ。なんか昔っから根を詰め過ぎてたのがちょっとは解決しそうでよ。能力の件悩んでただろ」
京香は魔都災害の生き残りで必死に復讐の為、腕を磨いていた。それが痛々しかった。能力も拍車をかけていた。今でこそ和倉という奴隷を得たが前まではハズレ能力だと自虐していた。
「和倉、良い奴だな。俺が奴隷だったらもっと京香ちゃんをドチャクソにしてる」
「ドチャクソって、兄弟子な」
「本心だよ」
多分俺が奴隷だったらとっくに一線を超えてる。その自覚はあるしそれだけ彼女魅力的だ。逆にその程度で済んでるのは悪意が少ないからなのだと分かる。
「美人でおっぱい大っきくて凛々しい上司、うんそれなんてエロ「兄弟子ぃ」うーむギブギブ絞まってるよー、京香ちゃん」
ギロリと睨まれながら首を絞められる。呼吸出来ないのでタップするが、ギリギリまで攻められた。今日これ以上ボケたら死ぬな、また今度することにした。
「あーキッツイ。んで和倉を魔防隊員にするのか?」
「そうそう何度も特例は出さないさ」
「だよな。俺も・・・そう言えば忘れてたな」
懐からとある物を取り出し京香に渡す。もっと前に渡すはずだったのだが忘れてた。
「兄弟子、これは・・・」
「これは魔防隊に渡すんじゃあ無い。京香に個人的に渡すんだ、ただもう必要無いかもだけどな」
今の京香には無用の長物だが押し付けるように渡す。出来れば捨てないのと総組長には絶対に知られるなと付け加えて。
「兄弟子、感謝する」
「・・・じゃ。俺そろそろ行く、あんまり長くいると日万凛に噛みつかれそうだしな〜」
門を潜り目的地を目指す。目的地はハジメの会社ーーー飛電製作所
「プロジェクト01、完成まで後少し。"夢に向かって飛ベ"ってやつかな?」
プロジェクト01、それは新型のベルト作製。そうゼロワンドライバーを作り出す計画だ。
主人公のキャラが定まらない。
魔都精兵のスレイブのSS増えてくれー