万時常在のライオット(短編集)   作:Z-LAEGA

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DGDTokyo4~デモンストレーション・トゥ・ガトリングドラム・トーキョー4~

情報端末を確認する。

SNSで「#DGR4Tokyo」で検索すると、今日の東京におけるもっとも大きなイベント…デモンストレーション・トゥ・ガトリングドラムの開催時刻を今か今かと待ち構える暴徒たちの心の叫びが画面を埋め尽くす。

 

 

 

   モトロフ・テルカク @firemanVX                     

   #DGR4Tokyo ヒューッ待ちきれねぇぜ!バックドラフト開けた!

 

   テッπプ       @pipeis31415                     

   ガトリングドラム社代表はまだかーっ!#DGR4Tokyo

 

   ブレイグランド   @hoebraking                     

   ソリッドで栄養補給しておいたからいくらでも待てるぜ!#DGR4Tokyo

 

   点滅棒       @blinkbar                      

   #DGR4Tokyo

   我離島民、低みの見物

 

   バッドラッグス   @baddleaxe                      

   #DGR4Tokyo 後たった十分…十分もあるの!?

 

   マッァヵリ     @Torch_lighT                     

   #DGR4Tokyo

   ↑このタグ、とてもデモ用タグとは思えない気の抜けた投稿ばっかりで笑える

 

 

彼らが楽しみにデモの開始を待っているのを見ると、僕も気分を高揚させざるを得ない。胸が高鳴るね。

そんなことを考えていると、アナウンスが車内に走る。リニアが目的地に着いたようだ。

 

―――――――――――

 

5分ほど経過し、現在ガトリングドラム社の真ん前まで来ている。

現場は大混乱だ。ソリッドを慣れた手つきでキメる、見覚えのあるカボチャ頭のコスプレをする者、禁断症状が出たのか地べたに這いつくばって呻く者、初心者なのか、きょろきょろと辺りを不安げに見渡す者。僕も初めての時はあんなだったな、と苦笑を顔に浮かべつつ、ガトリングドラム社日本支部の高いビルを眺める。

 

そのビルには、ディスプレイが備え付けられていた。

巨大なディスプレイだ。心なしか年々その面積を増加させている気がする。その巨大なディスプレイには「3:32」という文字列が表示され―――――今、「3:31」になった。

ガトリングドラム社へのデモはそのあまりの規模によってデモを受ける側のはずのガトリングドラム社側にスケジュールを管理されているのだ。あのディスプレイはその一環で、普段は広告なんかに使用しているものを今は特別にデモ開始までのカウントダウンに使用しているのである。

 

 

   CGIBAT       @naguru_to_itai                   

   #DGR4Tokyo ああああああああと3分半ゥゥゥゥ!!!

 

   災ル遺弾      @teardroper                     

   #DGR4Tokyo

   ようし準備は完了だぁ‥‥…!!!

 

   泥運        @REMOCON                    

   メモリーキューブ装填ゥ!いつでも来い完璧にカメラに収めてやる

   #DGR4Tokyo

 

   六角戦車      @CapTure_Tank                   

   初参加だけど雰囲気がヤバい#DGR4Tokyo 

 

   罵詈剣道      @barricadest                     

   まだかまだかまdかかkま#DGR4Tokyo

 

   モトロフ・テルカク @firemanVX                     

   #DGR4Tokyo オイオイまだかよ!?ええいアンデッドも飲んじまえ!

 

暴徒たちのボルテージがだんだんと上昇してきている。もう誰にも止められはしないだろう。

僕は人の波を掻き分けて少しでも前に行こうとする。知り合いの後ろ姿が見えたりしたら声くらいはかけようかと思ったのだが、残念ながら今年は縁が無かったようだ。この熱気に包まれた人ごみの中で知り合いを探すのは、僕にとってはかなり難しい。

そうこうしているうちに、ディスプレイの表示が10秒を切った。

暴徒たちのアンコールが始まる。

「8」

横に立つ暴徒が叫んだ。

「7!」

前に立つ暴徒が手を振り上げた。

「6!」

どこからか手拍子が聞こえてきた。

「5!」

声がどんどん大きくなっていく。

「4!」

無数の看板が振り上げられた。

「3!」

ディスプレイの文字が金色に輝き始めた。

「2!」

気づけば客観的かつ冷静にこの状況を見ていた僕も叫んでいた。

「1!」

SNSのトレンド1位を「DGR4Tokyo」が占める。

「0ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」

 

地面が、揺れた。

いつの間にかディスプレイの前に備えられた壇上には三角頭巾の誰かが立っていた。

その誰か…社員であることは確かなそいつに、僕らは心を合わせて大合唱だ。

「ライオットブラッドが合法的な飲料であることを証明しろ!」「そうだ!」「そうだ!」「そうだ!」「証明!」「証明!」「証明!」「証明!」「証明!」「証明!」「証明!」

 

三角頭巾氏は大きなスピーカーと小さなマイクを通じて僕らに言った。

『では飲ませていただこう』

彼または彼女の両手ににいつの間にか出現(・・)していたライオットブラッド・トゥナイトとライオットブラッド・リボルブランタンを、氏は一切の躊躇を持たずにコップに半分ずつ継ぎ―――【ミックス】だ――――そのコップを一気に呷った。

もう暴徒たちのテンションは最高潮である。叫ぶもの歌うもの踊るものキメるもの、十人十色のライオットブラッドがこの場には存在するのだ。

 

『それではデモ参加者の皆さんには試供品として、今年発売された二本のライオットブラッドの米国版を配らせていただく』

 

熱気が熱気を呼んでいる。もはや暴徒たちは意思という物を失っており、ライオットブラッドを求めるのみの存在と化したのだ。僕も当然そうだ。

 

   〼九          @maskman                    

   #DGR4Tokyo イェェェェェェ遺!!!!!!!

 

   フLAG       @slowflag                     

   ああああああああはやくはやくあはあっはyかはやくこい#DGR4Tokyo

 

   ST-ON        @XSTONEX                   

   いいぞいいぞそのままままぞそそさ

   #DGR4Tokyo

 

   六角戦車      @CapTure_Tank                   

   えっ何これこw#DGR4Tokyo嗚呼ア嗚呼あまだかよクソが

 

   ロープヒャッハー   @ropeYeahhhhh                 

   早々それでいいもう少しで俺たちはああ#DGR4Tokyo

 

   モトロフ・テルカク @firemanVX                  

   #DGR4Tokyo 来た瞬間に両方飲むぞ俺は絶対に飲むライオットっとットッと

   ぶらぶらブララララ

 

 

狂乱の中、三角頭巾の集団によって整理券が配られ始めた。

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