てか、この子もエイシンフラッシュ同様に結婚RTA目指してない?
あとアグネスデジタル実装おめでとうございます。
それとツイッターで絵を投稿し始めました。投稿した時に通知を飛ばしたりします。
https://twitter.com/watanabeJu87
燦々と輝く太陽の下、漣を豪快に立てる海、陽の光で熱された浜辺が此処が海なんだなって実感させてくれる。ウォッカやテイオーといった同期や先輩たちと一緒に絶賛トレーニングをする。
トレセン学園の合宿トレーニングは基本的には大人数でやることになっている。別に専属トレーナーと個別でやっても問題はないのだけど、せっかく大人数でやれる機会だからと言っている。当然、大人数でのトレーニングメニューは複数のトレーナーが会議して作られているので効率的に鍛えられる。
「へへっ、どうしたんだよスカーレット。もうバテたのか?」
「はあっ!?そんなわけないし!」
「ふっ、次のレースは貰ったぜー!」
「あぁもう!負けないんだから!」
「にしし、すごい盛り上がってるねマックイーン!」
「そうですわね。やはり合宿は熱が入りますわね」
「秋の天皇賞はボクのものだ!」
「そうはいきませんわ。私が優勝してメジロの名を轟かせますわ!」
「いい覚悟じゃねーか!マックイーン!」
「ゴ、ゴールドシップさん!背中を指で小突かないでくださいまし!」
浜辺でのランニングが終わり、休憩タイムになる。
合宿にはいくつかの目玉イベントがあって、バーベキューや夏祭りや花火がある。けど意外と盛り上がるイベントがあって――――
「おっ、出てきた出てきた。よお、トレーナー!」
「やっほー!トレーナー!」
「トレーナーさん!」
「おう、皆元気だな」
「そうですね。まだ元気ですね」
「テイオー、無理はしないでな」
そう、それは各ウマ娘のトレーナーのバカンス衣装を見ること。実は専属トレーナーが合宿で大人数トレーニングを好む理由としてバカンスができるのがある。今トレーニングを担当しているのはウオッカのトレーナーで、担当トレーナーは日替わり制になっている。
テイオーのトレーナーとマックイーンのトレーナーは水着と薄手のジャケットを羽織り、ゴールドシップのトレーナーはウェットスーツを着ていた。ちなみにウオッカのトレーナーはトレーニングを担当しているからって普段の格好をしている。
好意を持っている人の普段見ることができない姿に皆が興奮して喜んでいるけど、その中にアタシのトレーナーは居なかった。
「にへへ、カッコいいなぁトレーナー」
「以前にあげたメジロの家紋入り水着、着てくださったのですね。嬉しいですわ」
「けどどうしてゴールドシップのトレーナーはウェットスーツなんだ?まあカッコいいけどよ」
「……あちゃー、ちょっとやりすぎたな」
「どういうことですの?」
「いやー、ちょっと合宿前に蹴り技と掴み技を連発しちまったから痕が残ったんだろうな」
やっちまったぜ、とゴールドシップは舌を出してとぼける。だけどアタシは気づいてしまった。ゴールドシップの瞳には
にしてもうちのトレーナーは何処に行ったのかしら。あそこにいるトレーナーたちとは仲が良かったはずなんだけど……。
「あー、あれってスカーレットのトレーナーじゃね?」
「どれよ」
「ほら、あれ」
「……うちのトレーナーだわ」
ようやくアタシのトレーナーが現れた。どこからか仕入れてきた赤いアロハシャツとグレーの水着、流石に首巻こそしてはないものの代わりに大きめのグラサンを掛けている。普通の人がやっても似合わないはずなのに、何故かうちのトレーナーは似合っていた。
「なんだか様になってんな」
「えぇ、映画の悪役に居そうですわ」
「あはは、ヤクザみたーい!」
「なんだかあのグラサン割りたくなってきたな。いっちょ割ってやっか」
「……スーツケースにはなかったのに、どうしてなのよ」
実はトレーナーは去年もアロハシャツを持参していて、同級生や先輩たちの前で恥をかいたことがあった。あの苦い記憶から、今年は着ないようにと注意したり今朝持ってこなかったのに、どうしてなのよー!
てか、絶対にアロハシャツを着るっていう意思はなんなのよー!いつもなら服装なんて適当なくせにー!
「おいダスカ、真面目にやらんといかんぜよ」
「うっさいわね!いつも真面目でしょー!」
「わしらは他所で呑気に遊んでくるきに。昼はバーベキューじゃ」
ガハハと豪快に笑いながらトレーナーは他のトレーナーと肩を回してどこかへ去ってしまう。アタシのトレーナーは普段から粗暴で傲慢な態度を振る舞っているから仲が良いトレーナーが少ない。けど何故だかあそこに居たトレーナーたちとは仲が良い。どうしてなのかしら、不思議だわ。
「むー、ずるいずるい!ボクだってもっと遊びたい!」
「私だって遊びたいですわ!」
「おう、後でマックちゃんは一緒に屋台開こうな」
「えっ!?そんなの聞いてないですわ!」
「今言ったから当然だろ。さあ一緒にB級フードの覇権を獲るぞ!」
「あんまりですわー!」
「けどよ、何して遊ぶんだろうな。ビーチバレーとかビーチフラッグか?」
バカねウォッカ、そんなことないじゃない。いい歳した顔の良い男たちがすることと言えば――――
「……ナンパね」
「ええっ!?」
「ナンパ!?」
「は、ハレンチな妄想すんなよ!」
「けど漫画とかでそういう展開あったわよ。現にうちのトレーナーって、ほらアレだし」
「た、確かにスカーレットのトレーナーは遊び人だからしなくもないけど……」
「わ、私のトレーナーさんは誠実だからしませんわ!」
「相棒も明日そんなことしねぇよ!」
「……街中で待ち合わせをした時、トレーナーが逆ナンパされていたのを見た経験は?」
「……ありますわね」
「……うん」
「顔と性格はアタシのトレーナーを除いて良い。これでナンパされたら相手はコロリといくわ」
「オ、オレは相棒がそんなことしないって信じてるから!」
「……後でトレーナーに問いたださないと。大切なのはボクなんだってわからせるんだ」
「メジロ家で裏工作をしなくては」
「まあうちのトレピッピはアタシ以外の女と楽しめねーからな、安心安心」
……皆、トレーナーが本当に好きなのね。メジロ家の裏工作という物騒なワードを聞いたけど関わらないようにしよう。
まっ、うちのトレーナーは顔は良くても気性難だから安心ね。
「あっ、スカーレットのトレーナーがナンパに女性に声かけられてる」
「すごいモデル体型で顔もいいね」
「お、オレらのトレーナーを置いて連れていこうとしてるぞ!」
「ちょっと離れるけどすぐ戻るから」
「まあ程々にな」
盗られることはないから安心だと高を括っていたら、トレーナーが誘惑されて連れていかれそうになっていた。すぐさまトレーナーのもとへ向かうしかなかった。
どうしてアタシという担当ウマ娘が居ながらホイホイ連れてかれちゃうのよー!
「へぇー、此処に来たのは初めてか。だったらわしが案内してやるぜよ」
「ホントですか!楽しみです!」
「トレーナー」
「おん、どうした。あぁ、こいつはわしの担当ウマ娘で」
「あー、見たことあります!ダイワスカーレットさんですよね、いつも応援してます!」
「ありがとうございます。けど、すみませんが火急の要件があって今すぐ連れてかないといけないです」
「あぁ?そんなの聞いてないぞ」
「ということなんで、では失礼します」
「お、おいわしを引っ張るなあああ!」
アタシはアロハシャツの背広を掴んで引っ張ってトレーナーを連れていく。トレーナーは抵抗するもウマ娘の力には勝てず、ズルズルと引きずられて人気の少ない岩陰に着いた。
バカンスの邪魔をされたトレーナーは機嫌が悪かった。
「わしの休暇の邪魔をすんなや!」
「はあっ!?アンタがああやって遊んでるとトレーニングに身が入らないじゃない!」
「どういうことじゃ!第一、休暇で何しちょっても自由じゃろ!」
「うっさいわね!とにかく、そういうことは一切やらないでよね!」
「ふん、知るか」
トレーナーは苛立ちながらそっぽを向く。その何気ない仕草がアタシを全否定されたようでツラくて、悲しかった。今までだったら気にもしなかったのに。
「ッ!もういいもん、今までの付き合いはアンタにとって遊びだったのね!」
「何じゃ人聞きの悪う言い方しよって!」
「このバカ!アタシが一番って言ってたのに!」
「おまんが一番ぜよ!そこは変わらん!」
「どうせ嘘なんでしょ!」
「嘘なんか吐かん!信じろや!」
「ほ、ホント?」
「本当じゃ!」
「じゃあ証明、してよ」
「証明せんといかんのか!?」
つい真意を確かめるために無茶ぶりを振ってしまった。無理難題を押し付けられたトレーナーは動揺してオドオドしている。ちょっと悪いことしたけど、担当ウマ娘を不安にさせたバツなんだから証明してもらわないと。
「な、何をすればえいんじゃ……」
「た、例えばキス……とか」
「キスぅ!?おい、此処でするんか!?」
「……人目がないんだからいいじゃない」
普段は横柄で傲慢な態度を取るトレーナーが珍しく赤面してアタフタしている。ざまぁみなさいと言いたい。
「目を閉じてあげるから早くして」
「こ、この関係がバレたらどうするんじゃ!」
「カラオケであんなに抱き合ったのに今更何よ」
「ぐぬぬ……」
まっ、もっとも他の子たちだってトレーナーと関係持ってるけどね。それこそG1に出場している子なんてほぼ全員がそうだし。なんならアタシとの関係だってバレてると思うんだけどね。
アタシからの難題に苦悩したトレーナー、だけど覚悟を決めたのか真っすぐした目でこっちを見つめてくる。芯がある目は毎回慣れてなくてドキリとする。
「おい、スカーレット」
「ひゃ、ひゃい」
「……いくぜよ」
「う、うん」
トレーナーが両肩に手を置いてきてビクリと体が反応する。服越しならそれほど驚かないのに素肌に触られるとビックリする。目を閉じて何も見えないけどトレーナーが近づいているのは気配でわかる。抱き合ったことはあるけどキスはしたことなかったから、すごくドキドキする。
これがファーストキッスになるんだって思うとより緊張してソワソワする。
「おーい!スカーレット、そろそろ再開だぜー!」
「ッ!?」
「いっ!?」
近くからウオッカの声が聞こえたからすぐに距離を取った。仲が良くてルームメイトのウオッカでもキスシーンを見られたくはない。流石にトレーナーも同じ感性を持っていた。
「スカーレット、何処に行ったんだよー!」
「……おい呼んでるぞ。そろそろいけ」
「う、うん。わかってるわ」
「キスこそできんかったが、わしはおまんを一番だと思っちょる」
「……そうよね。アンタがアタシを裏切ることなんてないわよね」
「あぁ、信じとくれ」
「うん、わかってる」
そうよね、嘘をつかれるのが嫌いなトレーナーが嘘を吐くはずないわよね。変に疑ってしまって申し訳ないわ。
そろそろトレーニングを再開する時間だからウオッカと合流しようとしたらトレーナーに手を掴まれた。ふと振り向くとトレーナーの顔が近くにあってビクッとなる。
「な、何よ」
「キスはできんかったが、これで許してくれ」
「ひゃっ!?」
そう言ってトレーナーはアタシの額にキスをした。アタシの額に柔らかい触感を感じて耳をピンと立てるぐらい驚いた。トレーナーは顎に手を置いてしてやったり顔をしていて、普通なら蹴飛ばしてやろうと思うのだけど今はそんな気にならなかった。
てか、恥ずかしくてまともに顔を見ることができなかった。
「はっ、フジキセキのトレーナーが教えてくれてのう。どうじゃ」
「……」
「おい、聞いてんのか」
「……はっ、うん!聞いてたわよ!次のレース場のクセについてよね!」
「そんなこと言っとらんぞ」
「じゃ、じゃあねトレーナー!トレーニング頑張るから!」
「お、おう。気ぃつけてな」
真っ赤になった顔を見られないように顔を逸らしてウオッカのもとへ行く。
「ごめんウオッカ、遅くなっちゃった」
「おっ、そこに居たか。てか、顔メチャクチャ赤いぜ」
「う、うん!日焼けしちゃったかもしれないわね!」
「まだ初日なのに皮膚弱すぎんだろ。きちんと日焼け止め塗っとけよな、貸してやるから」
「ありがとうねウオッカ」
「いいてことよ」
よかった、キスされたから赤くなったとは思われなかったわ。
「ったく、テイオーたちもスカーレットみたいに去っちまうしよ」
「へっ、皆も?」
「自分らのトレーナーを見るなり別れてな。休憩中、独りで暇だったんだ」
「……あー、なるほどね」
どうやらテイオーたちもアタシみたいな心配をしていたみたいね。てか、マックイーンさんやテイオーならまだしも意外にゴールドシップも気にするのね。体に蹴り痕を残すぐらい独占欲強そうだし。
「アンタはそのままでいてよね」
「それってどういうことだ?」
「別に知らなくていいわ」
「まっ、いいか。んじゃ、とっととトレーニングに戻ろうぜ」
テイオーたちと合流してトレーニングが再開する。テイオーたちはなんだかスッキリした感じになっていて、各自で
自分のトレーナーは盗られないって思っていても、心の底では盗られるかもしれないって不安なのよね。まっ、今回の件でトレーナーはそんなことしないってわかってよかったわ。
こうしてトレーニングは再開した。
ゴルシ「おい、お前はゴルシちゃんが居るからナンパなんてしないよな?」
ゴルシトレーナー「……はい」
トウカイテイオー「トレーナーはボク以外の女の人見ないよね?」
テイオートレーナー「……もちろん」
マックイーン「トレーナーさんはメジロ家のためにしないですわよね?」
マックイーントレーナー「……当然」
実は女の子を口説こうとしていたトレーナーたち、無事ウマ娘に阻止される。
なおウオッカトレーナーはすごく純粋なのでナンパをしない模様。