【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 威迅は力を押さえ込みながら芭露と戦う。

 芭露は熱さを操って威迅をどんどんと追い込んでいく。

 そんなことをして時間をかけていると茉衣が危ない。

 威迅が力を解放して茉衣を助けに行こうとしたその瞬間、強力な助っ人、咲夜と妖夢が到着した。



 それでは!

 さようなら


第100話 信頼するために

side三人称

 

 妖夢と威迅が並んで芭露と睨み合いを始めた頃、茉衣は体勢を立て直して咲夜の隣に並んで刀を構えた。

 その事に咲夜は驚いた様子を見せた。

 咲夜は黒葉を誑かしたとして茉衣に敵対視されているため、自分の方へと来るとは思ってもいなかったのだ。

 

「グルルルル」

「あの……嫌だったら私を手伝わなくてもいいんですよ」

 

 咲夜の隣でグルルルルと威嚇する茉衣。

 一緒に戦う意志を見せてはいるものの、咲夜に対する敵対意識は持っている様子だった。

 そんな茉衣の姿にさすがの昨夜も苦笑いをするしか無かった。

 

 そんな二人へと四人の下っ端が走って攻撃を仕掛けてきた。

 

「そんなところでお話とはいい度胸だな」

「お望み通りにぶっ殺してやるよ!」

「おまえら全員皆殺しだ!」

「ヒャッハー!」

 

 全員やけにテンション高く二人へと襲いかかってくる。

 

「嫌です。あなたと共闘するのは非常に嫌ですけど、でも今だけは我慢してあげます」

「そ、なら良かったわ」

 

 それだけ会話すると咲夜はナイフを投げ、茉衣は刀を振った。

 そのナイフは三人の頭に直撃し、茉衣の刀は一人の胴体を切った。

 

 この一瞬の戦いで二人は四人の下っ端を倒すことに成功したのだ。

 茉衣が咲夜に敵対意識を覚えていてまともに力を合わせて戦えるのかと心配な二人だったが、この二人は問題ない。

 二人とも気持ちを切り替えることには定評があるため、戦いが始まった瞬間にそっちに気持ちを切り替えた。

 だが、心配なのはもう一組の方だった。

 

 妖夢と威迅。この二人は咲夜と茉衣とは違ってお互いに対抗意識があり、共闘する理由も相手の戦い方を否定するためというものなのである。

 そして二人とも咲夜と茉衣の様に冷静に物事を見て考えられるタイプではない。

 

「行きますよ」

「俺に命令するな!」

 

 二人同時に駆け出し、芭露に急接近をする。

 対する芭露は周囲を一瞬にして灼熱の温度に変化させ、瞬間移動にも感じるほどの速度で二人の背後に回り込んだ。

 妖夢も威迅も霊力を感じ取ることが出来るため、背後に回り込まれたことを感じて振り返って攻撃をしようとするのだが、同時に刀を振ったため、お互いの刀がぶつかり合って弾きあってしまった。

 

「お前ら何やってんだ」

 

 さすがにこの状況には芭露もツッコまざるを得なくなり、ツッコミながら左手を凍らせて妖夢を殴り飛ばすと威迅を凍らせた左足で蹴り飛ばした。

 二人とも壁に激突して地面に膝をついてしまう。

 氷のグローブを付けた攻撃はとても強烈なものなので、さすがにダメージが堪えたのだ。

 

「おい、足引っ張んなって言ったよな!」

「足引っ張ってるのはそっちじゃないですか! あのタイミングだったら私が攻撃した方が早かったですよ!」

「てめぇの反応が遅いのがいけねぇだろうが!」

 

 共闘しなければいけないというのに口喧嘩を始める妖夢と威迅を見てさすがに咲夜も頭を抱えてしまった。

 あの状況を見て本当は自分も一緒に戦うことが出来ればと考えるものの、さすがにこの場所を茉衣一人に任せるわけにはいかないし、共闘してみて咲夜は茉衣にあっちを任せるのは荷が重いと感じていた。

 茉衣は確かに戦えるのだが、咲夜と共闘している今の実力では少し戦える程度で芭露と戦えるイメージが付かないものだった。

 

(どうしたら……)

 

「お前ら、共闘って知ってるか? お互いの力を合わせないと共闘って意味ないんだぜ」

「うっせ」

「知っていますよ! ですが威迅さんが合わせてくれないのでね」

「あぁ? てめぇがちゃんと見えてないのが悪いんだろうが」

「見えてないのはそっちじゃないですか!」

 

 このままでは二人は芭露に負けてしまう。

 咲夜もそう思っているが、咲夜と茉衣のもとには次々と下っ端たちの波が押し寄せてくる。

 その対処をしなければいけないため、咲夜も茉衣も動くことが出来ない。

 

(二人をどうにかしないと勝てない……多分あれはお互いに信頼していないから起こっていること。だから何か信じられるきっかけのようなものがあれば二人は共闘できると思うのだけど……)

 

 その最後のピースである信じられるきっかけとは何なのか全く思いつかないことに咲夜はだんだんと焦ってきて、それと同時に咲夜の戦い方はだんだんと雑になってしまう。

 茉衣を寄せ付けないほどの動きにこっちもチームワークというものが一切なくなってしまっていた。

 

(お兄ちゃんと妖夢さん……私が何とかしないと……っ)

 

「ま、茉衣ちゃん!?」

 

 咲夜が全ての下っ端を相手し、手が空いてしまった茉衣も妖夢と威迅の戦いを見て焦ってしまっていたため、自分が戦っても勝てないということは分かっていたはずなのに混乱して芭露に攻撃を仕掛けに行ってしまった。

 すぐに咲夜はそれに気が付いて止めようとするものの、さすがに一人となった場合、そんな余裕がなくなってしまったため、茉衣を引き留めることが出来ず、茉衣は芭露のもとへと向かってしまった。

 

「本気で行きます」

「おお、小娘。俺に勝てるのか?」

「わかりませんが、やってみる価値はあると思います」

 

 言いながら茉衣は霊力を足に纏わせて脚力を強化して高速で芭露に急接近し、刀を構えた。

 

「スピードと言えば白愛さんですが、私だってそこそこ速いんですよ! 《繊切(せんぎ)り》」

 

 その瞬間、超高速の斬撃が芭露に襲い掛かり、芭露をいくつもの斬撃が斬りつけていく。

 茉衣の剣の腕は凡人程だが、凡人ゆえにもっと強くなれる方法を考え、そして編み出したのが相手が反応できないほどの速度で斬りつけることである。

 現に芭露は防御しきることが出来ずに茉衣の斬撃をいくつかもろに食らってしまっていた。

 

 だが、茉衣に筋力はあまりないため、深い傷を作ることはできずにいたところ、芭露に準備をする時間を与えてしまった。

 

「お前の攻撃は弱っちいな!」

 

 威迅や妖夢を殴り飛ばした時よりも巨大な氷のグローブでおおわれた拳が気が付いた時には茉衣の目の前に存在していた。

 

「茉衣ぃぃぃぃっ!」

 

 茉衣が攻撃を仕掛けたときから慌てて戦いに戻ろうとして体制を立て直して走り出した威迅だったが、間に合わずその叫びもむなしく、その拳は茉衣を襲って殴り飛ばしてしまった。

 その一撃は威迅や妖夢を殴り飛ばした時のものよりもずっと重く、茉衣の小さい体には岩でもたたきつけられたかのような衝撃が走った。

 

 そんな一撃を茉衣が耐えきれるはずもなく、壁に激突し意識を一瞬で飛ばしてしまった。

 幸い致命傷は防いだものの、茉衣にとっては決して軽傷ではないため、早急に治療をしなければいけない。

 

「きぃぃぃさぁぁぁまぁぁぁっ!」

「っ!?」

 

 周囲に解き放たれる殺気。

 さっきのよりももっと濃密でそして、はっきりと相手に死を感じさせるほどのとてつもない殺気が周囲に放たれてしまい、この場にいる全員がその殺気に震え上がる。

 

 そう、兄である威迅が茉衣が殴り飛ばされる姿を見て我慢できるはずがなく、怒り任せに刀を構えて力を解放して芭露を攻撃しようとしているのだ。

 威迅の周囲には真っ黒に霊力が視認できるほどにあふれ出している。

 もう威迅は正気ではなかった。いや、兄にこんな光景を見せて正気を保てという方が酷なのかもしれない。

 

「もう、どうでもいい。お前を破壊する!」

 

 だが、その力は確実に暴走をしてしまっていて、誰が見ても操り切れているとは言えないほどだった。

 この力が解放されてしまったら近くにいる自分たちも巻き込まれてしまうかもしれないと考えて咲夜と妖夢は一歩、また一歩と後ずさる。

 

 その瞬間だった!

 

「みなさーん!」

 

 入口の方から声が聞こえてきた。

 それと同時に下っ端たちとは違う、走ってくる音が聞こえ始めた。

 そして暗い廊下から徐々に徐々にそのシルエットがはっきりと見えてきて誰なのかわかるようになり、その人物を見て咲夜と妖夢は目を見開いて驚いた。

 その人物はここに居るはずのない人物だったからだ。

 

 その人物とは――

 

「黒葉、どうしてここに!?」

 

 冬夏黒葉だった。




 はい!第100話終了

 ついに100話突破しましたけど、実はまだ2章の半分くらいなんですよね。

 この話はTwitterでも何回か言っていますけど、全部で4章構成となっているため、このままのペースだと200話行きますね。

 この話は結構頑張っているので最後まで読んでくれたらうれしいなと思っています。

 それでは!

 さようなら
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