【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 黒葉、烈夏、雪姫が助太刀に来たことで、咲夜は妖夢と威迅の方に加勢しようと部屋の奥へと進もうとするが、いつの間にか展開されていた風の檻によって阻まれてしまう。

 このままでは威迅と妖夢のチームワークはガタガタのため、敗北を喫してしまう。

 だが、そこで威迅がプライドを捨てて黒葉に助けを求めたことで形勢逆転。

 黒葉の指示によって芭露に攻撃を与えることが出来た。



 それではどうぞ!


第102話 黒葉の危機

side三人称

 

(こ、こいつら急に動きがよく……)

 

 芭露は急に抜群のコンビネーションで妖夢と威迅が追い詰めてきたため、驚いていた。

 これ程モロに二人からダメージを貰ったのは初めてだった。

 それはついさっきまで二人のコンビネーションが最悪で、芭露に全く攻撃ができていなかったからだ。

 だが、それが急に修正された。

 

(っ! そうか、あの小僧か!)

 

 そう、威迅と妖夢の二人の動きが突然良くなった理由、それは黒葉の指示に従ったからである。

 戦い方で相容れない二人の信頼関係はガタガタで、こんな状態ではまともに息を合わせることなど出来るわけが無いが、そこにお互いを信頼出来るなにかが接着剤として現れることで二人の息はピッタリとなった。

 その接着剤が黒葉の指示だったのだ。

 

 指示に従ってさえいればお互いの信頼関係なんて関係ない。

 つまり二人はさっきまで出せなかった本領を黒葉が指示を出すことで発揮することが出来るようになったのだ。

 

「ふざけるな……ふざけるなぁぁぁぁぁっ!」

 

 この状況に激昂した芭露は掌に氷を出現させ、それを黒葉へ向かって投げ飛ばす。

 だが、そんな黒葉の周りには大勢の護衛がいるため、そう易々と攻撃が黒葉まで届くはずは無く、咲夜がナイフを氷に突き刺したことで黒葉には届かずに終わった。

 

「私はそっちには行けないみたいだけど、でも黒葉は守ってみせるわよ」

「このクソ共がぁぁぁぁっ!!!!」

「やけに焦っているみたいだな。どうやらお前も分かっているらしい。まともにやり合って俺ら二人に勝てるわけがないってな」

 

 焦り、口調が悪くなっていく芭露だが、対する威迅の表情には余裕が出てきて軽く芭露のことを嘲るように口角を上げている。

 だが、決して調子に乗っている訳では無い。何せ、どれだけ余裕の態度を見せていたとしても目だけは必ず芭露へと向いていて、常に相手の動きを観察している。

 

 そして妖夢はと言うと、さっきまでいがみ合っていた威迅が自分のことを頭数にちゃんと入れていたことに驚いていた。

 威迅の今までの態度を見ると一人で戦うつもりなのかと思うが、彼の本質は違う。

 実力はちゃんと評価しているのだ。そして妖夢が弱くないと言うのをこの少しの間の共闘で見抜いて頭数に入れたのだ。

 

「来ます!」

 

 突如黒葉が入口の向こう側から妖夢と威迅に向かって叫んだ。

 するとその声にコンマ数秒遅れて芭露が駆け出し、姿が見えないほどの速度で威迅と妖夢の周りをぐるぐると囲うように走り続け、そのとんでもない速さに残像のようなものが出来始めた。

 

「威迅君、上です」

「っ!」

「なに!?」

 

 威迅が上へ刀を突き出した瞬間、ガギィィィンと固いもの同士がぶつかり合う音が聞こえてきた。

 それは威迅の刀と芭露の氷のグローブがぶつかり合った音。芭露の氷のグローブは金属と言っていいほどに硬度が高くなっていた。

 

(スピードを拳に乗せているせいか威力がすげぇっ! だが、俺ばっかりに気を取られていると白髪に取られるぞ? その(たま)

 

 威迅に芭露が気を取られている隙に妖夢は芭露へと向かって駆け出し、二本の刀を構えて飛び上がった。

 霊力を刀に込め、威力を上げ、そうして威力を上げた二本の刀を芭露へ振るう。

 

「人符《現世斬》つ!」

 

 その攻撃に芭露は慌てて威迅から飛び退いて妖夢の刀を防ごうとするものの、妖夢の攻撃は連続攻撃となっており、芭露も防ぎきれず、何発かはもろに食らってふらつく。

 そしてそのままふらついた芭露と更に妖夢は距離を詰めて追撃を加えようと刀を振るった、その瞬間。

 

「熱気《灼熱の大気》」

 

 周囲にさらなる熱気が放たれて妖夢は思わず後ずさりしてしまった。

 

「あっつい……っ!」

 

 今はなった熱気は瞬間的に100度を超えており、それがもろに直撃した妖夢の皮膚は火傷を負ってしまった。

 今もう既に温度差によって妖夢の体力は限界に近いというのに、更にダメージを負ってしまったため、さすがの妖夢もふらついて刀を杖代わりにして立つ。

 

「なんなんだあいつは! 俺の行動が読めてる!? まさか心が読めるのか!?」

「いや、ちげぇ。あいつにそんな能力はない。でも、もしかしたら()()()はいるのかもしれねぇな。まぁ、俺はあいつじゃねぇから知らないが……」

「見える? どういうことだ!」

「要するに、あいつは人知を超えた視力を持ってるってことだ」

「視力? 視力だと? 俺のスピードは目がいい程度で捉えられるもんじゃねぇ!」

 

 芭露は激昂して通常じゃ目で見えないほどの速度で異人館に突っ込んで攻撃を仕掛ける。

 それを見てダメージによって上手く動けない妖夢は焦りながら叫んだ。

 

「威迅さんっ!」

「下からアッパー!」

 

 黒葉の声が響き渡る。

 それと同時に放たれた顎へのアッパーを威迅は仰け反り回避し、そのまま今度は威迅がバク宙をして芭露の顎を蹴り上げた。

 

 何とか芭露はよろめくだけで耐えきったものの、口の中を切ったため、血を吐き出してしまう。

 

(俺が負ける? 俺が?)

 

 黒葉の力が加わった今、芭露が威迅に攻撃を与える術はない。

 このまま敗北していくしかないのか……。

 芭露はそんなことを考えるようになっていた。

 

 だが、このまま終わるわけがなかった。

 

「負けて、溜まるかぁっ!!」

 

 またまた目に見えない速度で走り始める芭露。

 だが、黒葉の指示がある限り、威迅には負け筋など無いに等しい。

 誰もがそう思っていたのだが――

 

「ぐあああっ!」

 

 突如として威迅に超高速の右ストレートが炸裂。

 そのまま殴り飛ばされて壁に激突し、灼熱の壁に激突したことで威迅の皮膚は焼かれていく。

 

「ぐぅぅ……黒葉、どうしたんだ」

 

 黒葉の指示が何も無かったのに威迅が突如として殴り飛ばされたことに驚いて全員が一斉に黒葉の方へと視線を向けた。

 すると、何やら黒葉の様子がおかしい事に気がついた。

 そしてもう一つ、

 

「こ、この子、いつの間に!?」

 

 雪姫が大声で叫んだ。

 なんと、なんの気配もなく、全員の中心、黒葉の真正面に一人の少女が立っていたのだった。

 黒葉はボーッとしており、その正面には少女が立っている。この状況、原因は誰が見ても火を見るより明らかだ。

 

「全員、そいつを殺れ!」

 

 威迅の叫びに反応し、咲夜、茉衣、烈夏、雪姫の四人は一斉に少女へ攻撃を放つ。

 だが、その四人の前には1人ずつどこからともなく下っ端が現れてしまったことで少女へ攻撃が当たることは無かった。

 

(れん)様の」

「壁と」

「なれるなら」

「本望」

 

 最後に言い残し、地に倒れていく下っ端たち。

 その目には心做しかハートが浮かび上がっているような気さえする表情だった。

 

「いやぁ……可愛くてごめんねぇ? 君たちの司令塔、私の魅力で《魅了(チャーム)》しちゃったみたい♡」

 

 パチンとウインクする少女。

 そんな少女に芭露は怒鳴り声を上げた。

 

「おせぇぞ恋!」

「ごっめんねぇ。でもぉ、女の子は色々と、準備しなきゃだから♡ ……そう、()()()()()ね? それじゃあみんな、よろしくね! この私、井神(いのかみ)恋の邪魔をしようとする奴らを逆に邪魔しちゃって!」

『恋様の仰せのままに!!』

「ち、相変わらず気持ちわりぃな」

 

 恋の号令によって次々とやってくる下っ端たち。

 さっきまでも少なくない数が来ていたのだが、この量はさっきまでとは比較にならないほどだ。

 そして揃いも揃って攻撃を受けているのにまるで恋の役に立てるなら本望と言わんばかりの幸せそうな表情で倒れていく。

 

「ふふふ、あなた、ちょっと厄介だから先に排除させて貰いますね」




 はい!第102話終了

 さて、まだ終わりません。

 ただ、盗賊編も後半へと入りました。

 ここからが本番です。

 どうやってこの二人を倒すのでしょうか?

 あんまり今まで本文中に♡とか使ったことないのですが、今回は使いました。

 恋はぶりっ子です。そして腹黒です。能力はもう予想出来てるんじゃないでしょうか?

 それでは!

 さようなら
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