【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 突如として現れた天音は恋と敵対し、恋の妨害を始める。

 恋に洗脳されてしまった下っ端たちを解放し、魅了されている咲夜をも解放してしまう。

 魅了の効果を打ち消し、恋の能力を完全に無効化した。

 果たして天音の真意は一体?



 それではどうぞ!


第105話 何とか

side三人称

 

「どうやらあっちは片付きそうだな。あいつは誰なのかは知らねぇけど、こうなりゃ好都合だ」

「ち、使えねぇやつだ」

 

 天音がやってきた状況を見た威迅は口角を上げ、芭露は恋を睨みつける。

 これで状況は元通り。さっきと同じように黒葉に全部の行動を読まれ、威迅達に反撃される。

 ――そう思われた。

 

 だが、芭露は恋が抑え込まれて面倒くさいとでも言いたげな表情はしたが、全く困っている表情はしていない。

 その事には威迅も気が付いているため、決して油断などせず、じっくりと芭露がいつ動き出すか観察するために見据える。

 

「あっちは何とかなりそうなので、私たちは私たちで、やるべきことをやりましょう」

「白髪、動けるのか」

「これでも鍛えているので、少し休めばあの程度の怪我は問題ありません」

「そうか……」

 

 あの灼熱の蒸気を浴びて大やけどを負っているため、本当ならば痛くて痛くて悶えたいくらいのはずなのだが、妖夢は意地でその場に立って刀を構えていた。

 それを威迅は分かっているため、これ以上不躾なことを聞こうとはしない。

 それは自分でも同じようにするため、妖夢の気持ちはわかるからだ。

 

「さて、お前はどうやら余裕のようだが、この状況でどうやって勝つ? さっきだってあいつに動きを読まれて俺たちに攻撃できなかったじゃねぇか」

「果たして、あれで俺の力の全部だと思うか? お前みたいにまだ力を隠しているとは思わないのか?」

「……そういうことか」

 

 芭露の妙な自信の表れはまだ力を隠していることによるものらしい。それを聞いた妖夢と威迅はその力がどんなものなのかわからなかったが、警戒を強め、いつでも攻撃できる体制に入る。

 あくまでも自分から攻撃を仕掛けにはいかず、芭露が攻撃してきた後のカウンターを狙うことに専念する。

 なにせ、先ほど、妖夢が攻撃を仕掛けに行って灼熱の蒸気によって大ダメージを負ってしまったからだ。つまり、芭露はカウンターに向いた攻撃を持っている。

 そのため、こっちから攻撃を仕掛けに行ったらカウンターを食らう可能性が高いため、攻撃を仕掛けに行くことは絶対にしない。

 

「そうかそうか、さっきの一撃でお前たちは俺がカウンターに強いやつだと思ってるのか。確かに熱はカウンターに強い。スピードも上がるし、蒸気も放てるし……じゃあ、冷気は?」

「「っ!?」」

 

 そう言った瞬間、芭露は妖夢と威迅の目の前から消えてしまった。

 いや、消えてしまったのではなく、超スピードによって視認できなくなってしまったのだ。

 だが、霊力の動きは二人にも読めるし、さらにどれだけの速度を出そうとも黒葉の目から逃れることは出来ない。

 恋の呪縛から逃れた黒葉は再び二人に指示を出す。

 

「威迅君、右から来るよ!」

「右だな!!」

 

 威迅はさっきまでと同じように右へ防御を兼ねて攻撃しようとして腕を右に振る――ことは出来なかった。

 その好きに芭露は氷のグローブを左手に生成した威迅を殴り飛ばした。

 

「く、かはっ」

「威迅さん!?」

 

 地面に倒れた威迅は吐血をすると、右腕へと視線を向け、状況を理解した。

 そして苦笑いを浮かべてしまう。

 

 妖夢は威迅のことを心配して駆け寄ってきたが、その威迅の腕を見て息を飲んでしまう。

 

「大丈夫……っ!?」

「あぁ……だが、まさか二度も凍らされることになるとはな」

 

 右腕が凍りついてしまっていたのだ。

 完全に内部まで凍っている訳では無いが、氷の膜が周囲に出来上がっていることで動かすことが出来なくなってしまっていた。

 それを威迅は力を入れて強引に割る。

 だが、それは今威迅が居る場所が熱気地帯のため、氷が若干熔けて柔らかくなっていたから出来たことで、この熱気地帯にいる状態でもそこそこ固かったため、冷気地帯にいた場合は割ることができなくなってしまうだろうと考えて、威迅は笑うことしか出来なかった。

 

「なかなか厄介な技を持ってるじゃねぇか」

「そうだろう。俺はお前ら程度ならあいつ()の助けが無くとも勝てるくらいの力はある」

「へぇ、なるほどなぁ。これがお前の隠してた技か」

 

 これはなかなかに厄介な力だ。

 威迅は何とこの技を攻略する方法はないかと考えると同時に、なぜ今までこの技を芭露が使ってこなかったのかを考えた。

 今、この時まで使用しなかった理由。それはこれが奥の手だからに他ならない。

 奥の手って言うのは基本的に最後の手段。これ以外に勝つ手段が無いって場合に使うもので、ある程度の代償を払うとしても負けるよりはマシだと考えて使う場合がほとんどだ。

 

 そうじゃなければ奥の手として封印しておく意味がわからない。

 

(つまり、この技には攻略法があるはずだ。弱点、決定的な弱点、致命的な欠点があの技にあるはずだ)

 

 この技の弱点、欠点を見つけ出さなければ敗北してしまう。そう考えた威迅は立ち上がり、注意深く芭露を観察する。

 

(くそ、俺じゃ集中力が続かねぇ)

 

 威迅の致命的な弱点は集中力が続かないことだった。そのため、集中して相手の動きを見極めるような頭脳戦が大の苦手だ。

 まさに今のこの現状である。

 その時、

 

「威迅君、上!」

「なに!?」

「遅い!」

 

 威迅が慌てて刀で上から降ってくる芭露の氷ブーツの攻撃を受け止めようとしたその瞬間、

 

「冷気《氷地獄》」

 

 周囲に瞬間的に冷気が広がり、威迅の腕を一瞬にして凍らせて見せた。

 芭露から放たれている強烈な冷気は遠くに居れば少し寒い程度だが、先程の熱気と同様に近づくとその影響をモロに受けるため、近くにいる威迅が凍らされるという事だ。

 

(一ミリも腕が動かせねぇ。割れねぇ)

 

 このままでは防御が出来なく、ダメージを食らってしまうのは明らかだった。

 近くにいるせいか、足までも凍りつき始め、足も動かせない。

 絶体絶命の大ピンチと言う他ない状況だった。

 

(どうしよう。このままじゃ威迅君が!)

 

 黒葉は思考をフル回転させていた。

 どうすればこの状況を乗切ることが出来るか。

 

(妖夢さんに助けてもらう? いや、そしたら共倒れする危険性がある。近づくと凍るんだから。なら、どうすれば……)

 

 ――俺達を信じろ。

 

(……僕は、威迅君を信じる!)

 

「…………威迅君! 何とかしてください! 絶対に死なないでください!!」

 

 思考が放棄された。他の人にはそう聞こえただろう。

 実際、咲夜達や妖夢も口を開けて呆然としてしまっていた。

 この指示はあまりにも無責任で、職務放棄に他ならないものだからだ。

 

「ちょっと、黒葉!?」

「その指示はさすがに」

「あはは、冬夏黒葉君って、面白いね」

 

 咲夜、茉衣、天音が黒葉のその指示に反応し、唯一天音だけが面白そうに笑っている。

 妖夢も例外ではなく、驚愕の表情を浮かべてしまっていたが、威迅は驚く訳ではなく、口角をあげた。

 

「そうか、何とかしろ……か。なら仕方ねぇな」

「この状況からなんとかなると思うな!」

 

 どんどんと威迅へ迫っていく芭露の蹴り。

 これは回避出来ないと誰もが思った。

 しかし、その次の瞬間、カキィィィンという金属同士がぶつかり合うような音とともに芭露が壁まで吹っ飛ばされていた。

 この状況を誰もが理解出来ずに居た。一人以外は。

 

「黒葉、これでいいんだろ? てめぇの言う通り、何とかしたぞ」

 

 そう言う威迅に対して黒葉はサムズアップをし、それを見た威迅も同じようにサムズアップをした。

 そんな威迅の手に持つ刀は長さが伸び、鞭のようにしなっていた。




 はい!第105話終了

 威迅は本気を出さずに勝てる方法を考えていたからやられていたのであって少し本気を出せばこの位簡単に出来るって言うことですね。

 ちなみに投げやりに聞こえる黒葉のあの言葉は威迅の実力を信じての言葉なんですよね。
 で、黒葉は威迅の能力を知らないので、指示の出しようがなかったんですよね。

 果たしてこの威迅の能力とは?

 そして天音の能力とは?

 あと少しでこの盗賊編が完結します。

 完結し次第、二章のラスボス戦へと向けて走り出します。

 多分大量の情報が出てきてこんがらがるかも知れませんが着いてきてくださると幸いです!

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

  • 味方
  • 中立
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