それでは前回のあらすじ
天音の口から能力喰いについて語られたが、その最中に天音はぼろを出して咲夜の名前を呼んでしまう。
すると咲夜はそれを見逃さず、天音を問い詰め、目的を聞き出した。
その天音の目的とは?
それではどうぞ!
side三人称
「元に戻って欲しい? どういうことかしら?」
「まぁ、あたしも詳しいことはよく知らないんだけどね」
咲夜の問に対して苦笑しながら答える天音。
それからしみじみとした様子で語り始めたのを聞いて4人は口を閉ざして静かに聴き始めた。
「あたしが物心着いた時には既にあんな感じだったし、月刃お兄ちゃんも昔のことは覚えてないみたいだし……。よく知らないのに、なんでこんなことを思っているのか分からないや。今のお父さんが私にとってのお父さんだからね……でも聞いちゃったから」
複雑そうにしながらも、しっかりと覚悟の決まった表情をして言葉を続ける。
そしてあの天魔の姿を見たルーミア、フラン、咲夜の3人にとっては目が飛び出そうなほど信じられないことを告げた。
「お父さんはね、博麗選抜メンバーの1人だったみたいなんだよね」
「っ!?」
正直、この3人の中で博麗選抜メンバーについて知っているのは咲夜だけだった。
何しろ、ルーミアは博麗の巫女の関係者には興味が無いし、フランに至ってはつい最近まで引きこもっていたため、世の中の事情を耳に入れる機会などなかった。
だが、咲夜ただ1人だけは博麗選抜メンバーについてよく知っていたため、目を見開いて驚愕していた。
そんな姿を見てフランもただ事じゃないんだろうと考えて喉を鳴らした。
「ねぇねぇ、咲夜。博麗選抜メンバーって何? 博麗って言うくらいだから霊夢が関わってるって言うのは分かるんだけど」
「いえ、お嬢様。博麗選抜メンバーには霊夢は関わっておりません」
「え、どういう事?」
「博麗選抜メンバーのリーダーは、先代の博麗の巫女。博麗霊夢の実の母親である博麗霊華という人物になります。今は無きチームではありますが、わたくしも幼いながらに彼女の統率力は素晴らしいと感じていました。それこそ、今の博麗の巫女である博麗霊夢以上に」
「え、霊夢以上?」
「それって……かなりスゴイんじゃ」
ルーミアもフランも実際に目の前で霊夢が戦っているところを見たことがあるため、その霊夢以上に凄いという咲夜の言葉を聞いてようやく事態の重さに気がついたのだ。
そして、そんな霊華の仲間に
「うん。あたしは博麗選抜メンバーが健在だった頃はまだ産まれてないか生後1年も経ってない位の頃だったからあんまり知らないんだけど、あたしが聞いた話も概ねそんな感じなんだよね」
「でも、どうして? 納得がいかないわ」
「お父さんは本当は優しい人なんだって。家族を大切にし、人々を率先して守る。だから先代の博麗様はお父さんを仲間に選んだんじゃないかな。今でこそあれだけど、本当のお父さんは違うんだって、私は信じてるから」
今の天魔しか知らない三人からしたら信じられないような話だった。
天音にとってもそうで、物心ついたころには今の天魔になっていたため、天音にとっても天魔と言えば今の天魔のイメージが強い。
だから聞いた時は天音も同じような反応をしたのだが――
「信じられないような話だよ……でも、さ。私はもしそれが本当なんだとしたら見てみたくなったんだよ。この話が本当なのだとしたら今のお父さんは暴走状態のようなもの。だからその暴走を止めるために、私はお父さんを倒すことが出来るメンバーを探している。博麗選抜チームじゃないけどね。お父さんを倒せる、天魔討伐隊なるものを作ろうと思っているんだよ」
「なるほどね……今までのあなたの奇妙な行動の理由がなんとなくわかったような気がするわ」
今までどっちつかずの態度をとっていた天音だったが、その行動の理由はここに全て含まれていた。
つまり、天音はみんなのことを試していたのだ。
天魔を倒すことが出来るメンバーを探している時に咲夜たちがアジトへと乗り込んできたため、普段外に出ないでほかの人と関わりがなかった天音はこれを好機と考えて咲夜たちに接触した。
そこから天音の作戦は始まったのだ。
「で、私たちはあなたのお眼鏡には敵ったのかしら?」
「そうだね。正直、まだ足りないといったところだね。相手がお父さんじゃなければ大丈夫なんだけど、お父さんと戦おうと考えると正直不安しかないといったところかな?」
「でしょうね。私も正直あれに敵う気はしないもの。悔しいけどね」
「せめて博麗の巫女が仲間だったらありがたいんだけどね」
「あー、霊夢なら賽銭を適当に渡しておけば手名付けることが出来るんじゃない?」
「いや、博麗様はペットじゃないんだから」
そういう天音だが、咲夜と同じようなことを考えなかったかと言われたら嘘になる。
博麗神社の賽銭箱は年がら年中空っぽのため、霊夢にとっては死活問題。そんな中、賽銭をくれる人は命の恩人なわけで、霊夢としても助けを求められれば助けないわけにはいかないということになる。
それを考えていたから天音はこの里に来る前に博麗神社に行ってきたのだが、あの様子だと本当に助けに来てくれるのかが怪しいものだ。
「ねぇ、さっき
「ん? 一緒に戦ってくれるの?」
「まぁ、彼には借りがあるからね。その借りを返してあげたいと思って」
「そっか……そうだね……月刃お兄ちゃんの能力か……うん、知らないや」
「え、知らない!?」
天音の一言に咲夜は動揺した。
天音と月刃は兄妹で一緒に育ってきているはず。そのため、月刃が戦っているところを何度も目撃したことがあるはずなのだが、天音はそれを知らないと言ったのだ。
「あたし、月刃お兄ちゃんが自分の能力を使って戦っているところを見たことがないし、どんな能力を持っているのか聞いたこともない」
「そんなことって……いや、そうね。
「そういうこと」
そのため、わざわざ自分の能力を使う必要がないため、こういうことも起こってしまうのだ。
天音は例外で、この
「でも、お父さんの能力は知ってるよ。みんなももう見たことがあると思うけど、お父さんの能力は『雷を操る程度の能力』。その名の通り、雷を操ることが出来る能力だよ」
はい!第112話終了
天音が今まで奇妙な行動をしていた理由がわかりましたね。
つまり、天音の最終目標は昔の天魔に戻ってもらうということでした。
そのために今まで奔走していたんですよね。
盗賊団のアジトに乗り込んできたのも咲夜たちの力量を図るためといったところです。
ちなみに現段階で分郷宅にいるメンバーだけでは天魔には勝つことは不可能です。
それでは!
さようなら
銀河天音はどっち陣営だと思いますか?
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味方
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敵
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中立