【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 という事でミズヤ6周年記念第2弾です。

 最後の第3弾は19時公開ですので是非見ていってください!



 それでは前回のあらすじ

 今から5年前。

 黒葉が初めて白愛のもとへ来た話。

 魔理沙が白愛に黒葉を託してどこかへと行ってしまった。

 白愛は最初は魔理沙に託されただけの感覚だったが、次第に本物の弟の様に可愛がるようになった。

 そして家に黒葉を置いておくということに反対だった烈夏を雪姫が無理やり説得して黒葉が冬夏家の正式な一員となった。



 それではどうぞ!


第116話 どこにいるっ!

side三人称

 

「まぁ、そんな経緯があったって感じね。魔理沙ちゃんがその後現れたのはそれから3ヶ月が経過した位の頃だったわ。正直凄い傷だったから大丈夫か心配だったんだけど、次来た時にはピンピンしてたから拍子抜けしたのを覚えているわ」

「あはは、魔理沙っぽいね」

 

 ルーミアとフランは魔理沙のことを思い出す。

 二人はそんなに魔理沙と関わったことがないため、そこまで魔理沙のことに詳しい訳では無いが、少し関わっただけでも何かしらの厄介事に直ぐに首を突っ込む性格なんだと言うことが分かった。

 

 そして今回も魔理沙は咲夜、フラン、ルーミアの3人を逃がすために1人で戦った。

 その事が気がかりだった。

 

「何があったんだろう……」

「魔理沙ちゃんは未だに何があったか教えてくれなかった。だから何があったのかは分からないけど、何かやばいことが起こっていたって言うのは確かね」

「いつも元気に振舞っていたけど、あれで色々と抱え込んでいたのかな……」

「多分ね」

 

 魔理沙は2人が出会ってからでも色んなことに首を突っ込んでいる。

 昔からこういう性格なのだ。

 

 魔理沙は雪姫にとって家族という訳でもなく、ただの白愛の親友といった存在なのだが、雪姫は家族同然に心配している様子だった。

 雪姫が黒葉を心配して家族に迎え入れたのにはただこの状態でどこかへ出すのが可哀想だという理由以外にも、雪姫がお人好しだってのもあった。

 その事にいつも烈夏が頭を悩まされている。

 

「そう言えば雪姫さんと烈夏さんってどうやって出会ったんですか?」

「あ、それ私も気になる!」

「ふ、2人とも!?」

 

 突然言い出したルーミアの言葉にフランも同意し、雪姫に詰め寄ると雪姫は動揺して後ずさるが、それと共に2人もさらに距離を詰める。

 すると、やがて観念したのか、雪姫は烈夏との馴れ初めを話し始めた。

 

「昔は私たちは遠くの人里で暮らしていてね。いわゆる幼馴染みたいな関係だったのよ」

「幼馴染!」

「幼馴染から恋に……いいねそれ!」

 

 幼馴染という言葉を聞いて引きこもっていた間に咲夜が持ってきた色々な本を読んでいたフランは王道的な展開だと考えて少し興奮していた。

 咲夜が持ってきた本は色々なジャンルがあり、その中には恋愛ものもあって幼馴染から恋に落ちるという内容のものもあったのだ。

 

「まぁ、幼馴染って言ってもあんまり気軽に会える関係じゃ無かったんだけどね。私は雪女のちょっといい所のお嬢様なんだけど、彼は里の普通の男の子。お父様に会うことは禁止されてたんだよね」

 

(き、禁断の恋だぁぁ)

 

 フランはドキドキし、頬を赤らめて口に手を当てる。

 だが、対するルーミアは雪姫の言葉に疑問が浮かんでしまっていた。

 

「でも、それならどうやって結婚したの?」

「実は私、お見合いをさせられそうになって……でも私は相手の男の人があまり好きじゃなかったのよね。でも、烈夏さんがさっそうと現れて私を連れ出してくれたのよ。それこそ里から出て遠い遠いこの人里まで……」

「そ、それって……」

「駆け落ち!!!」

「そう、あの時の烈夏さんはかっこよかったわ」

 

 雪姫は昔のことを思い出して表情を緩める。

 結婚してから15年は経過しているのだが、未だに二人は仲が良く、仕事の合間に時々デートをしている程なのだ。

 それは雪姫を烈夏が連れ出してお見合いから助け出したことによって雪姫が烈夏に強く惚れてしまったためである。

 

(いいなぁ……白馬の王子様みたいでかっこいい。私もそんな人、現れないかなぁ……って)

 

 フランは羨ましく、そう考えたとき、ある一つのことを思い出した。

 

(私に根気強く接してくれた黒葉も、私にとっては白馬の王子様みたいなものだったなぁ)

 

 部屋に引きこもっていた時、レミリアからの指示があったとはいえ、根気強く自分と接してくれた黒葉のことを思い出していた。

 あの時のことを思い出すとフランはにやけてしまいそうになる。

 

「そう言えば、咲夜さんから黒葉のことは聞いたけど、あなたたちが黒葉とどういう関係なのか聞いていなかったわね」

「え、か、関係? と、友達、かな」

「関係かぁ……考えたこともなかったな」

 

 ルーミアは黒葉と一緒に寺子屋に通っているし、よく一緒に遊んでいることから、胸を張って友達だと言える間柄ではあるが、フランの場合、少し関係ということに悩んでしまった。

 自分は果たして友達と言えるのだろうか、黒葉はよく自分にかまってくれるが、それは果たして友人としてなのか、黒葉は友達って思ってくれているのか、そんな思いが頭の中をぐるぐるしてしまう。

 

「咲夜さんからいままで何があったのか軽く聞いたけど、あなたたちの口からも聞きたいわ。黒葉が居なくなってからというもの、ずっと心配していたけど、咲夜さんから聞いた話だと、なんだか元気にやっていたみたいだから安心したわ。だから今は今まで黒葉が何をしてきたのか、報告するというものではなくていいの。ただ、二人には思い出話をしてほしいと思って、ね?」

「思い出話かぁ」

「いろいろあったから長くなるね」

 

 ルーミアとフランは顔を見合わせてふふふと笑ってから今までの思い出を話し始めた。

 雪姫にとっては自分の大切な息子との思い出話のため、興味深く、真剣に話を聞いていく。

 ただ、二人とも黒葉のことが大好きなため、ほとんど黒葉をほめるようなことしか出てこない。黒葉の母親の前だから気を使ってとかではなく、二人の頭の中には黒葉の悪かった思い出なんてないのだ。

 そんな二人の話を雪姫は微笑ましく、ニコニコと笑いながら聞いていく。自分の息子を褒めてくれる二人に対してうれしくなり、雪姫は二人のことをすっかりと気に入ってしまったのだ。

 

「ふぅ……あたしは上がるよ」

「もう上がるの?」

「うん、あたしはあんまりお風呂得意じゃないんだよね。だから先に上がってるよ」

 

 天音は咲夜と一緒にお風呂に入っていたのだが、お互いに様子をちらちらと伺ったりとかはしていたが、特に会話をすることなく湯船から上がると脱衣所に向かってしまった。

 そんな天音の様子を見て咲夜は張りつめていた気分を緩めてお風呂にダラーんと体を預けた。

 さすがに咲夜とも言えども、まだ仲間だって確信しきれていない天音と一緒にこの無防備な状態でいるのはかなり緊張していたのだ。

 

 そしてそれは天音も一緒だった。

 

 脱衣所で自分の服を着ると、天音はふぅ……と短くため息をついた。

 それもそのはず。天音にとっては自分を仲間だと信じてもらえていないという四面楚歌の状態で無防備な状態になり、一緒に入浴をしていたのだ。

 気が気ではなかった。

 

「ひゃっ」

 

 天音が脱衣所から出てくると、突如として天音のほほに一瞬、冷たいものが当てられる。

 それが何なのか確認するために、天音は首を回してそれを見てみると、その冷たいものの正体は瓶の牛乳だった。

 

「あ、あなたは」

「よぉ」

 

 そこにいた天音に牛乳を当てた人物は、分郷威迅だった。

 威迅はいつもの和服を着用し、首にタオルをかけている。そして髪が完全に乾いていることからずいぶん前に風呂から上がってこの場所に居たということが状況から分かる。

 つまり、ずっと威迅は天音を待っていたのだ。

 

「それはやる。変な薬とかは入れてねぇよ。そんなことをするくらいなら俺はテメェの首を正面から正々堂々斬り飛ばす」

「ありがとうございます」

 

 威迅は天音に牛乳を渡すと、もう片方の手に持っていたフルーツ牛乳を飲み始めた。

 それを見ると天音もちびちびと少し警戒しながら威迅から受け取った牛乳を飲み始める。お風呂上がりで体が火照っている状態のところにこのキンキンに冷えている牛乳は非常においしく、天音は笑みを見せた。

 

「で、なんですか? 乙女のお風呂上りを待ち伏せして」

「てめぇには聞きたいことがある」

「なるほど、これは情報代っていうこと?」

 

 その天音の問いに威迅は答えないが、天音の中で沈黙は肯定だと認識して話を続ける。

 

「なにかな?」

「確かてめぇは銀河の姓を名乗っていたな」

「確かにあたしの名前は銀河天音だけど……あり、もしかして聞こえてた?」

「当たり前だろうが。同じ部屋にいたんだからよ。むしろよく同じ部屋にいるのにてめぇらは俺たちにも聞こえるような声量で会議なんてできたもんだな」

 

 昨日はすぐに自分の部屋にこもってしまった威迅だが、今回はおんなじ部屋にいた。

 とはいえ、威迅は部屋の端っこの方で本を読んでいただけだが、それでもみんなが自分の家に泊まるというこの状況を威迅なりに受け入れたのだ。

 

「で、ここからが本題なんだが、さっき月刃って男の話をしていたよな」

「うん、月刃はあたしの兄なので……」

「そいつはどこにいるっ」

 

 天音が自分の兄だと告げた瞬間、威迅から周囲に濃密な殺気が放たれた。

 霊力によって周囲の小物ががたがたと震えてしまっている。そして正面にいる天音は当然、その殺気に充てられてしまって顔をしかめてしまう。

 普通の人だったら一瞬で戦き、戦意喪失して失禁してしまってもおかしくないところだ。それほどの殺気が周囲に放たれてしまっているため、まずは天音は威迅を落ち着かせることにした。

 

「こ、怖いよ。どうどう、落ち着いて」

「で、どこにいるんだ」

 

 天音の言葉によって自分の状況に気が付いた威迅は少し殺気を引っ込めたことによってさっきよりはよくなったが、やはり未だに殺気が漏れ出ている。

 だが、このくらいならまだ大丈夫だと判断して天音は話をつづけた。

 

「どこだろうねぇ……あたしも数日会ってないからわからないよ。で、それがどうしたの?」

「いつか必ず、あいつは俺の手でぶっ殺すって決めてんだ。それだけだ」

「ふーん、何か因縁でも?」

「少しな。居場所を知らねぇなら知らねぇでそれでいい。あんまり俺のことに首は突っ込むな」

 

 この話を軽く聞くだけで、特に天音を問い詰めたりなどはすることなく、おとなしく威迅は帰って行ってしまった。

 そのことに天音もあっけにとられてしまって、暫く動くことが出来なくなってしまった。

 天音が再び正気に戻ったのは咲夜たちもお風呂から上がってきたときに咲夜に軽く肩を叩いてもらって正気を取り戻した。

 

 これで烈夏と雪姫とは別れ、烈夏と雪姫を見送ってからみんなで分郷家へと帰った。

 分郷家に帰ると、威迅の靴は玄関にあったが、リビングには姿がなかったため、もうすでに部屋に閉じこもってしまったのだ。

 それを見て天音は何があったんだろうと自分の兄が関わっていることなので、気になるのだった。




 はい!第116話終了

 お風呂回でしたね。

 雪姫、ルーミア、フランの三人による思い出話回。どうでしたか?

 ちなみに雪姫はかわいいもの好きのため、一目見たときからルーミアとフランの二人には一目ぼれをして気に入っていたんですよね。

 あと、男性陣の描写はありませんでしたが、威迅は最初ちょっと湯船に浸かるとそのあとはずっとサウナで瞑想をしていました。

 その後、黒葉と烈夏が揃ってサウナに入ってくると、入れ替わるようにして威迅はサウナから出てお風呂場を後にしたという感じです。

 ちなみになんで天音がお風呂が苦手かというと、別にお風呂が苦手なわけではなく、大浴場が苦手という感じなんですよね。
 とはいっても、別に潔癖というわけではなく、今までずっと戦い続けてきた人生だったため、無防備な状態で他人の前に出るのに抵抗があるといった感じですね。

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

  • 味方
  • 中立
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