【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

121 / 284
 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 夜の森に繰り出した黒葉と天音だったが、黒葉は天音の手によって崖下に落とされてしまう。

 しかしそれは月刃から黒葉を守るためだった。

 天音の真意を何となく察した咲夜は天音の事を自分一人だけでも信じてみようと誓うのだった。



 それではどうぞ!


第121話 守り抜く

side三人称

 

「あ、おかえりなさい……咲夜さん?」

 

 咲夜が黒葉を小脇に抱えて帰ると台所で洗い物をしていた茉衣がドアを開けて廊下へと飛び出して来て挨拶をすると、直ぐにその表情は冷たいものへと変化した。

 その元凶は咲夜が今現在小脇に抱えている黒葉の存在だ。

 

 茉衣は咲夜に黒葉と天音の事を監視して来るように言っただけなのだが、それが何故か咲夜と黒葉だけが帰ってきて、しかも黒葉は気を失って小脇に抱えられている。

 状況的に見たら咲夜の怪しさは天元突破している。

 

「色々あって黒葉が気を失ったから回収してきました」

「天音さんは?」

「あの子なら帰りました。あの子は元々ここに住んでいるわけでも、旅行しに来た訳でもないみたいだし」

 

 咲夜は天音が黒葉を崖下に落としたということや、その後に月刃が来たことなどは伏せておくことにした。

 ここにいるメンバーは咲夜のように割り切って考えられる人ばかりじゃない。

 それに、天音が月刃から黒葉を守ったシーンを見ていないと、口で説明してもあまりわかって貰えず、天音に敵対してしまうかもしれない。

 

 だから、天音にはどっちの仲間にでもなれるように、居場所を残してあげられるように伝えるのはやめた。

 

「そうなんですか……ちょっと料理を教えてもらいたかったんですが」

「美味しかったですからね」

 

 料理対決のあと、咲夜達出場者もそれぞれの料理を食べてみたが、茉衣はどうやら自分の料理は天音の料理に劣っていると悟ったようで、帰ってきたら料理を教えてもらおうと思っていたようだ。

 

 そこで咲夜はさっきの天音と月刃のやり取りを思い出し、茉衣に質問を問いかけた。

 

「そういえば、明明後日の天気予報ってもう出てる?」

「明明後日ですか? 確か今日の新聞に載ってたと思います」

 

 この幻想郷全土で読まれている新聞、文々。(ぶんぶんまる)新聞は最近あった出来事、号外などの他に、雲の動きや予想される天気なども載っている。

 記者が風を操る烏天狗だということもあり、これに載っている天気予報はかなり正確である。

 

「えーっと……明明後日は……あ! 一日中雨だそうです。もしかしたら雷も落ちるかもって……怖いですね」

 

 茉衣の言葉に咲夜は確信した。

 月刃が言っていた襲撃の日、そして襲撃される里とはココの事だと。

 最初咲夜は確信をもてなかったが、月刃がこっちに来ている。そして襲撃の日にちょうど雨が降る。

 こんな偶然が重なってたまるものかと。

 

「間違いない……」

「咲夜さん?」

「直ぐにある事実をこの里全体に知らせたいのだけど、いい方法はあるかしら?」

「え? そうですね……放送台がありますので、そこからでしたらこの里の所々にある放送スピーカーで声を届けることが出来ます。でも、今はもう夜も遅いので、明日にした方が……」

「……っ」

 

 茉衣の言う通りだ。

 もう夜も遅く、寝てしまっている人も大勢居るだろう。

 こんな状況で大音量で放送なんかしたら迷惑以外の何物でもない。

 この里の危機を伝えたとしても真剣には捉えてくれないかもしれない。

 

(私も頭に血が上って焦っちゃっていたのかもしれないわね)

 

 茉衣に諭されて咲夜は冷静さを取り戻す。

 だが、それでもこの里がピンチだと言うことは変わりない。

 

(準備期間は明日と明後日の2日間のみ。でも、明日みんなに伝えても直ぐに準備ができる訳じゃない。となると実質準備期間は明後日の1日だけ。どう頑張っても時間が足りない。あの天魔や月刃と戦うんだったらもっと時間が欲しいというのに……)

 

 咲夜は再び焦りを抱いてしまう。

 圧倒的に少ない準備期間、圧倒的な敵。どう考えても勝てるビジョンが思い浮かばない絶望的な状況。

 これで焦らない人なんか居ないだろう。

 

 完璧で瀟洒なメイドと言っても、人間であることには変わりないのだから。

 

 それから咲夜たちはそれぞれお風呂に入った。

 お風呂場を見てみると、なんと直されていたため、天音はここを出ていく前にお風呂場を直したのだと思われる。

 その後、就寝をすることになったが、咲夜だけは焦りと緊張から一睡もすることが出来なかった。

 


 

 翌朝。

 黒葉は朝には目を覚まし、特に体調には問題はなさそうだったが、昨日の晩の天音とのやり取りを完全に忘れてしまっているようだった。

 それならそれで咲夜的には都合がいいため、昨日の晩のことについて言及するのはやめておいた。

 

 そして咲夜はと言うと、茉衣に案内されて放送台にまでやってきていた。

 放送台は物見櫓も兼ねており、そこそこの高さがあって里中を一望することができるようになっていて、森の方も敵が攻め込んできたらよく見えるようになっている。

 ここにマイクが取り付けられており、里の至る所に設置されたスピーカーから音が出るようになっている。

 妖怪の山に住んでいるカッパ達がこう言ったものをよく作っているため、大体の人里には設置されているものである。

 

「えと、このスイッチを入れて、マイクの角度を調整したら使えるはずです」

「ありがとう」

 

 茉衣に使い方を説明してもらうとマイクの前に立って深く深呼吸をした。

 一体何人くらいの人達がちゃんと自分の言葉を信じて協力してくれるのかなどと不安が咲夜の頭の中を過ぎる。

 

 静かにスイッチを入れると、咲夜は深く息を吸い込んでマイクに向かって言葉を発した。

 

「この人里の全ての住人に告ぐ! これより2日後の明後日、強大な敵がこの人里へと攻め込んでくる! 敵は天魔組。己の腕に自信がある者は武器を持て! それ以外の者は逃げると良い。共に戦う気がある者は中央の噴水広場へ集まれ! 我々は必ず天魔組に勝利し、この人里を、人々を守り抜くのだ!!!」

 

 咲夜は言い切ると静かにスイッチを切る。

 何人が自分のこの言葉を信じてくれただろうか、どれくらいの人が来てくれるだろうか、そんな不安が咲夜を支配する。

 だが、そんな心配は無用だった。

 

「今の声のやつが誰なのかは知らねぇがこの里がピンチだと言うなら迷う暇はねぇ!」

「俺は戦うぜ!」

「俺もだ!」

「ここは私たちの大切な里ですからね!」

「絶対好きにはさせないよ!」

 

 咲夜にはこの光景は見えていない。

 だが、この里の人間たちはこの里を第一に思っているからこそ絶対に咲夜の言葉を無視するなんて選択肢は無かった。




 はい!第121話終了

 ついに天魔組との戦いがもうすぐで始まりますよ!

 で、僕は何回かこの里のラスボスの話をしてきましたが、もちろんラスボスは天魔組の連中になってます。

 果たして鍛冶師の人里を守り切ることが出来るのでしょうか?

 修行編開幕です!

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

  • 味方
  • 中立
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。