【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 咲夜達の呼び出しに応じず、戦いの準備をしていた黒葉達。

 黒葉は焦りつつも着実に双剣の会得に近づいていく。

 だが、そんな黒葉を見た咲夜は決戦時、黒葉を閉じ込めておくと言ったのだ。

 不穏な空気が漂う中、最後の各々の修行が始まる。



 それではどうぞ!


第124話 樹海

side三人称

 

 家を飛び出した咲夜は森へとやって来ていた。

 この森ならば静かに修行することが出来る。そう考えてやって来たのだ。

 

 早速咲夜は近くにあった倒木に腰をかけ、精神統一を始める。

 能力の強さは霊力と精神力の強さによる。

 咲夜の精神力はともかく、霊力に関しては月刃に劣っていた。

 

 霊力を鍛えるために咲夜は自分の体を囲うように薄く霊力の膜を作り出した。

 体から出ると一気に操作が難しくなる霊力を一定に保つのだ。

 

(私は能力を少し奪われている。だから霊力で勝てなければ話にならない。そしてあいつを捉えられるほどの索敵能力)

 

 月刃のスピードは常軌を逸している。目で追うことなど不可能だろう。

 だから索敵能力を高めることにした。

 

 元々咲夜は霊力を感じ取るのには長けていた。そこをさらに伸ばし、さらに深く読み取って月刃の動きを捉えることができるようにならないかと考えたのだ。

 全ての物は必ず気配というものを放っている。

 それは意識の無い木の葉や物も例外ではなく、それらは微量ではあるが動くと必ず気配を放つ。

 

 ここは森の中だ。

 それ故に索敵能力の修行にはここがピッタリなのだ。

 

 咲夜は心を穏やかにして集中し、周囲に意識を向ける。

 風が吹き、草木を揺らしたり、近くの川の水の音が鮮明に聞こえてくる。

 まるで耳元で音がしているかのように、その存在をはっきりと感じ取ることが出来る。

 

「樹海か……熱心なこって」

「っ!」

「だが、 集中しすぎて気配を殺して近づいてくる人間を見落としていたら意味が無い。そうじゃねぇか? メイド」

 

 咲夜は驚いて背後へと咄嗟に振り返ってナイフホルダーに手をかけたところで自分に声をかけたのが誰なのかに気がついて警戒を解いた。

 そこに居たのは分郷威迅だった。

 いつからそこに居たのか。咲夜は草木や川のせせらぎのような僅かな音でも鮮明に聞き取れるほどに感覚を研ぎ澄ませていたはずなのに、威迅に気がつくことが出来なかった。

 

「それにしてもお前は樹海が使えるのか。俺は才能がないから羨ましいことだ」

「……知っているのね」

「あぁ、昔白愛から聞いた。能力を使える人の中でもごく一部の才能がある奴にしか使えない力、樹海。それは自身の力を拡張することが出来る力だ。霊力を周囲一帯に散りばめて索敵範囲を広げたり、逆に集中させれば、大きな力を使える。それこそ()()()()()()()()()()()()()な」

 

 威迅は咲夜の座っている倒木の近くの倒木に座ると刀を掲げた。

 それを見届けると咲夜は再び目を閉じて周囲に集中する。

 

「私は周囲の状況を探る程度しか出来ないわ。能力を付与したりなんか出来ない。今までも何度もやろうとしてみた。だけど、出来なかったのよ」

 

 樹海を使えれば周囲の状況を把握し、相手がどれだけ気配を悟りにくくしていても気づくことが出来るようになる。

 この力を使うことで天魔達の居た研究所では天音や月刃を回避して脱出することが出来た。

 

 確かにこの力ならば霊力を隠していて霊力を感じ取りにくい相手でも感じ取ることが出来る。

 だけど、樹海の真価は周囲に能力を付与することにある。こんなんじゃ咲夜は自分が樹海を使えると認めることは出来なかった。

 

 しかし、能力を周囲に付与する力というものは樹海を使える者の中でもほんのひと握り。

 樹海を使えるようになったとしてもほとんどの人は気配察知までしか出来ないので気負う必要は無いのだが、咲夜は強くならなきゃいけない理由が出来てしまったことから焦ってしまっていた。

 

(俺の周りには焦ってるやつしか居ねぇのか?)

 

 威迅は鬼気迫る様子の咲夜にどう声をかけたら良いのかが分からなかったため、何も返すことはなくただ静かに同じように瞑想をするのだった。

 


 

 咲夜が家を飛び出して言った直後、威迅も後を追うように出て行ったため、黒葉は教わる相手が居なくなってしまったが、それでも尚双剣の特訓を続けていた。

 それどころかとんでもない集中力で威迅が出ていったことにすら気がついていなかった。

 

 相変わらず刀に霊力を移した直後は保っているが、それも数秒で蒸散してしまっていた。

 

「黒葉君! 私も修行に混ぜてもらってもいい?」

「あ、茉衣さん。はい、いいですよ。一緒に強くなりましょう」

 

 誰かと言葉を交わす時は普段の穏やかな雰囲気に戻るが、修行を再開すると直ぐに鬼気迫る表情に戻った。

 そんな黒葉を心配そうに見ながらも茉衣も修行を始める。

 

「咲夜の言う通りにして本当にいいのかな」

 

 黒葉の特訓している姿を見てフランがそう呟いた。

 見ていると分かる。黒葉はみんなの役に立ちたくて、自分も戦うつもりで修行をしている。

 それだと言うのに、当人のやる気を削ぐようなことをしても良いものだろうかと。

 

「確かにさ、閉じ込めておいた方が黒葉は安全だと思うよ。でも、黒葉ってそれで負けたら負い目を感じちゃうんだと思うんだ。そうなった時は多分黒葉が居たとしても負けていたんだろうけどね」

「確かに、黒葉って優しいからね……」

 

 フランの意見にルーミアも賛成した。

 黒葉の安全を考えるならば安全なところに閉じ込めておくのが正解なんだが、それが果たして本当に正解かと言われるとはっきりと正解とは言えなかった。

 

 そんなこんなで修行の日々が過ぎ去っていく。

 不安が残る2日間ではあるが、各々全力で修行を行って決戦の日に備える。

 そしてついに決戦の日がやってくる。




 はい!第124話終了

 これで修行編終了です。

 次回、ついに天魔組が攻め込んできます!

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

  • 味方
  • 中立
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