【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ついに決戦の日当日。

 各々戦いに向けて準備をしていた。

 そしてやってくる天魔組。

 咲夜の言葉を無視して天魔を倒そうとした戦闘員は皆一瞬にしてやられてしまったのだった。



 それではどうぞ!


第126話 また……

side三人称

 

「うーん……」

 

 みんなからだいぶ遅れて冬夏黒葉は目を覚ました。

 外は大雨、雨雲が空を覆い尽くしていることによって真っ暗なので今がどれくらいの時間なのかがはっきりとは分からない。

 だが、どんどんと騒がしい声が一方向へと向かって行っているのが分かり、黒葉は寝ぼけた頭を覚醒させた。

 

「っ、今何時だ!」

 

 時間を調べようとする黒葉だが、この威迅の部屋には時計などない。

 そもそも時計なんて高価な物は各部屋に置いてあるわけが無いんだ。

 リビングにある時計がこの家唯一の時計だ。

 

「そうだ、僕も早く行かなきゃ」

 

 外から声が聞こえてくるということはもう既にみんなが起きている可能性が高い。

 もうみんな集まって準備をしているのだろうと考えて扉を開けて廊下へと出ようとドアノブへ手をかけた。

 ――だが、そのドアノブが回ることは無かった。

 

 鍵がかかっていた。

 何度も何度も何度も回してみても決して回ることは無い。鉄壁のドアノブ。

 

「な、なにかの冗談?」

 

 この部屋のドアの鍵は内側も外側も鍵を使って開けるようになっている。

 鍵がない状態では内側からでも鍵を開けることは出来ない。

 押しても引いてもスライドさせてもビクともしない扉。

 

 直ぐに黒葉は自分が寝ている間に自分を閉じ込めるために鍵を閉められたんだという事が思いつくが、そうするとなんのために閉じ込めたのかが分からなくなって頭を悩ませてしまう。

 咲夜の真意としては相手が天魔なのだから黒葉が出ていったら大変なことになるという事なのだが、記憶を失っている黒葉がそんなこと思いつくはずもない。

 

 黒葉からしたらなんかよくわからないけど、突然閉じ込められたという認識になるのだ。

 

「そ、そうだ窓!」

 

 そこで窓から出るということを思いつき、窓を開けようと手をかけるが、開くはずもなかった。

 当たり前だ。

 閉じ込めるつもりなのに窓は開けておくバカがどこにいるというのだろうか。

 

「どうして、どうしてなんですか!」

 

 黒葉は叫ぶ。

 だが、その叫び声はたった一人だけの室内に虚しく響き渡っただけだった。

 

「ん?」

 

 黒葉は目がいい。

 集中せずとも動体視力こそは並だが、かなり遠くまで見ることが出来る視力を持っている。

 そのため、そこそこ里の入口から離れているこの家の窓から里の入口が見えてしまったのだ。

 

「なに、あれ」

 

 里の入口の方に見える大柄の男。

 その人物からはとてつもなく巨大な霊力が放たれており、霊力に充てられた黒葉の足はガクガクと震えてしまった。

 

(怖い怖い怖い)

 

 その瞬間、黒葉は悟った。

 一昨日、咲夜が言っていた襲撃者とは奴のことなのだと。

 自分たちの敵はあんなにヤバいやつなのだと。

 

 その場所には咲夜達や里のみんなが続々と集まって行っている。間違いなく大男を撃退するために集まって行っているのだ。

 黒葉も行かなきゃと思って焦るが、焦ってこの部屋から脱出できるものでは無い。

 

「どうすればどうすれば……」

 

 そんなことを考えていると里のみんなが大男に刀を手に突撃して行ってしまった。

 一斉に仕掛けられる攻撃、これは普通ならなかなか対処するのは大変だ。

 だが、大男は一切動じることも無く、徐に天高く拳を突き上げた。

 

 間違いなく大男は何かをしようとしている。

 

「やめろ、やめろ!」

 

 黒葉はどんどんどんと窓を叩き叫ぶが、その声が戦場にまで届くはずもなく、里のみんなは大男の動きに気がついているか分からないが、そのまま攻撃を仕掛けに行く。

 

「ダメだ、ダメなんだ! 何か来るぞ!!! 逃げてくれェェェッ!!!」

 

 その次の瞬間だった。

 

 ズダーン

 

 大気が揺れたかのように感じる轟音が鳴り響き、複数の雷が同時に落ちた。

 そしてその全てが大男へと一斉に攻撃して行った人々に直撃。次々に里のみんなが倒れ始めた。

 

 この里の人々は別に特殊な訓練をしている訳では無い、剣術が扱えるただの一般人と言った感じだ。

 もちろん強い人はそれなりに修行していたりはするが、特別雷に耐性があったりするわけじゃないので、あんなふうに直撃したら一溜りもない。

 

「あぁ……ああぁぁぁ……」

 

 黒葉は絶望のあまり喉から掠れた声を上げてその場に崩れ落ちてしまった。

 やられてしまった人達のなかには黒葉のことを良くしてくれたり、親しかった人も含まれている。

 黒葉の目が良すぎたために誰がやられてしまったのかハッキリと見えてしまったのだ。

 

「ぐっ、ああぁ、くあああああああ!」

 

 その時、黒葉は頭の痛みを感じて頭を抑えて蹲ってしまう。

 割れるような痛み。

 まるで誰かに頭をハンマーでぶん殴られているかのような痛みが心臓の鼓動と同じペースで襲いかかってくる。

 じっとしているとどんどんと頭の痛みが増幅し、だんだんと意識が朦朧として行ってしまう。

 

「な、んだ。こんな、時に」

 

 ――ごめんね。お姉ちゃん、力を使い果たしてピクリとも動けないや。

 

(なんだよ、これ)

 

 ――うん、ありがとう。もう、限界だったんだ。

 

 黒葉の脳裏には走馬灯のようなものが浮かび上がってきていた。

 白愛が妖怪たちと戦い、黒葉を守って死んでゆく。

 自分の腕の中で最愛の姉の体温がだんだんと奪われていき、糸が切れたようにピクリとも動かなくなる光景。

 

「はぁはぁはぁ」

 

 全身から嫌な汗が滲み出してきて、過呼吸になる。

 

「"また"僕は大切な人を喪うのか……いや、"また"ってどういうことだ? 僕はいつ喪った?」

 

 脳がそれを認識するのを全力で拒むように、認識しそうになった瞬間にガツンと頭をハンマーでぶん殴られるような痛みが走り、気が逸れる。

 所謂拒絶反応と言うやつだった。

 

「ぐ、ああああああ」

 

 分からないけど、悲しい、悔しいという感情が黒葉の中で渦巻き、膨れ上がって暴走する。

 無意識で黒葉自身は認識していないものの、黒葉の体は真っ赤な炎で包まれていた。

 それは正しくフランの能力が暴走している時に見せる能力の爆発。

 能力が暴走し、能力者の制御を離れて勝手に暴れ狂う。

 

「ああああああああああああああああああああああああ」

 

 今の黒葉の情緒は不安定だった。

 悲しい、悔しい、でもどうして、こんなこと初めてのはずなのに既視感がある。

 そんなぐちゃぐちゃな感情が複雑に混ざり合い、そしてついに爆発してしまった。

 

 ボバアアアアアアアアーーーーーーーン!!!!!!

 黒葉の身にまとっていた炎は暴走し、ついには周囲のものを巻き込み吹っ飛ばす威力で大爆発を起こしてしまった。




 はい!第126話終了

 今回は黒葉が目覚めた後、という話でしたがどうでしたか?

 ちなみに炎が自分から出ているということは黒葉は気がついていません。
 それどころでは無い出来事が起こってしまっているので。

 黒葉の能力もフランの能力と同様に意識があるほどに強い能力だったのにも関わらず今まで暴走してきませんでしたが、ついに黒葉の情緒が不安定になった瞬間、暴走してしまいました。

 ただ、フランのとは違って人格が乗っ取られるような感じではなく、能力が制御不能になるって言う感じですね。

 果たしてここからどうなっていくのか?

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

  • 味方
  • 中立
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