【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 女の子を逃がすために妖怪と戦うことになった黒葉。

 しかし、黒葉は修行をして強くなったといえども、まだまだ弱い。

 夜、そして満月に近い月があってギリギリ渡り合える程度。

 その時、黒葉の不思議な力が目覚めた。



 それではどうぞ!


第13話 回復魔法

side黒葉

 

 俺たちはあの後、何事もなく真っ直ぐと紅魔館へと帰ってきた。

 

 帰ってくるともう既に辺りは何も見えないくらいに暗くなっており、吸血鬼の治癒力なのだろうか。力が湧き上がってきて徐々に背中の傷が癒え始めていた。

 だが、戦ったことによる身体的疲労はあるので、帰ってきた瞬間、疲れによって倒れ込んでしまった。

 

「黒葉!?」

 

 咲夜が慌てて駆け寄ってくる。

 だが、もう俺は疲れてどうしようもないようだ。もう指一本動かす力すらも残っていない。

 全霊力を使い果たしてしまったようだ。

 

 その時、俺たち以外の歩く音が聞こえてきた。

 この音はいつも聞くような足音ではなく、ものすごくゆっくりな足音だ。

 初めて聞く足音。この足音に警戒するものの、咲夜は全く警戒していないどころか、どこかに安堵の感情を感じることが出来たので、警戒を解いた。

 まぁ、警戒したところで俺自身は今は何も出来ないんだけど。

 

「あら、随分な状態みたいね」

「パチュリー様」

「ぱ、ちゅりー?」

 

 力を振り絞って顔を上へと向けるとそこに居たのは紫のパジャマ姿の女だった。

 とても不健康そうな肌の色。そして何より気になるのはその手に持っているものすごく分厚い本だ。

 この人、いつもこんな分厚い本を読んでいるのか。

 

「咲夜、ちょっとどいてもらってもいいかしら」

「はい」

 

 するとパチュリーと呼ばれた女性の指示に従って咲夜は俺から距離を取った。

 それを確認するとパチュリーはその手に持っていた本を開くと、どういう原理かその本が浮き始めた。

 

 俺が驚いていると、次は俺の方に右手をかざしてくる。何かをされると身構えたその瞬間、何やら温かいものが流れ込んでくるような感覚がした。

 落ち着く。まるで姉ちゃんに抱きしめられているかのような安心感がある。

 

「はい終わりよ」

「え?」

 

 パチュリーはそう言うと本を閉じた。

 何をしたんだろうか、そう思ったがその答えはすぐに知ることとなった。

 なんと、さっきまで指一本動かせなかったというのに、全然不自由なく動けるようになっていたのだ。更に、背中の傷も完治し、痛みが全く無くなった。

 

「い、今のは!?」

「パチュリー様の治癒魔法です」

「全く……レミィったら、私が回復魔法が苦手なことくらい知っているわよね」

 

 そう言うと奥の方からレミリアがゆっくりと歩いてきた。

 

「何度もありがとうパチェ。回復魔法が苦手なのは知っているわ。だけど、あなたしか頼ることが出来ないのよ」

「まぁ、レミィの頼みならいつでも聞くけど」

 

 なにやらこの紅魔館の主であるレミリアと親しげに話しているパチュリー。この人は何者なんだ。

 

「あなたは?」

「あぁ、名乗ってなかったわね。パチュリー・ノーレッジよ。レミィ……レミリアの親友で、この紅魔館の大図書館を管理しているわ」

 

 そういえば前にこの紅魔館にはものすごく大きい大図書館があるって言う話を咲夜から聞いたことがある。

 だけど、あんまり行く機会がなかったから一度も言ったこと無かったんだけど、そこにこの人がいたのか。

 

「最初に拾ってきた時の傷、いくら吸血鬼になったからってそんなに次の日に目覚めることが出来るほどに浅くはなかったの。だけど、パチェのおかげで完治したって言うことよ」

「そうだったのか」

「そうね、この恩はいつか返してもらうわ」

 

 あの人は魔法使い、吸血鬼二人に超人、複数の妖精メイドなど、この館はすごい勢力が集まっているな。

 パチュリーには二度も助けられてしまったらしい。この恩は確かにいつか返さないといけないな。

 パチュリーは助けてくれたから殺す予定は無いけど、この館を出ていくことを邪魔しようとしてきたら全力で相手になるだけだ。

 ただ、その前に強くならないとな。

 

「咲夜、あんな自我の無い妖怪相手に苦戦するのは悔しい」

「そうね、私たちを殺すと言うならば少なくともあれくらい瞬殺できないと話にならないわよ」

「あぁ、だから、もっと修行する。寺子屋に通っている場合じゃない」

「あら、寺子屋?」

 

 すると、俺と咲夜の会話でついつい俺が口に出してしまった寺子屋という言葉にレミリアは興味を持ってしまったようで、一度部屋に帰ろうとしていたところだったが、踵を返してこっちへ戻ってきた。

 

「なになに? 寺子屋ってどういうこと?」

「実は、黒葉は寺子屋に通いたいようなんです」

「違う! 俺は修行をしたいんだ!」

「いいじゃない、寺子屋」

「は?」

 

 パンフレットを見るなり、レミリアは興味深そうにそのパンフレットを食い入るように見る。

 そしてもう一つ、転入申請書を見ると、レミリアは俺を見るなり笑みを浮かべた。

 

「寺子屋に行きましょう。お金は出してあげるわ」

「え、ちょ、ちょっと待った! 俺は行きたいなんて一言も!」

「でも、行った方がいいと思うのよ」

 

 レミリアは遠い目をしながらそう言ってきた。

 その一言のみで俺は察してしまった。

 

 この前レミリアから聞いた妹の話を思い出した。恐らくその妹みたいに塞ぎ込んで友達を作らないって言うことになって欲しくないと考えているのだろう。

 このことを考えてしまうと、レミリアの好意を無下に断ることは出来なかった。というよりも、断る気は元からなかったのかもしれない。

 俺自身、寺子屋に通いたかったから。

 

「分かった、その好意に甘えるとするわ」

「本当!? じゃあ、寺子屋、楽しんできてね」

「黒葉、寺子屋には妖怪も通っています。なんとか、揉め事だけは起こさないように」

「分かってる。俺はところ構わず妖怪に喧嘩ふっかけるような馬鹿じゃない」

 

 俺がそう言うとレミリアと咲夜にジト目で見られてしまった。

 何が言いたいんだよ……。

 だが、これで俺は寺子屋に通えるようになった。

 

 念願の寺子屋だ。追い出されないように善処するつもりだ。




 はい!第13話終了

 黒葉が寺子屋に通うことになりました。

 そして寺子屋に通うことになるということは、本格的にこの小説のヒロインが登場するということになります。

 まぁ、この流れからどうやってヒロインになるのか、難しいところではありますが……。

 僕の小説にしては珍しいのですが、この小説の主人公はまだ子供の年齢です。

 ここから徐々に成長していきますよ。

 それでは!

 さようなら
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