【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 烈夏と天魔の戦いは続く。

 どれだけ攻撃しても傷すらつかない天魔の肉体。

 ついに烈夏は双剣を使って天魔の体を斬ることに成功するが、同時に烈夏はやられてしまう。

 烈夏の次の狙いは黒葉と雪姫。

 雪姫は天魔を凍らせることで動きを止めようとするが、それは無駄に終わってしまった。

 もうダメかと思った時、天魔の前に茉衣がたちはだかった。



 それではどうぞ!


第132話 神速

side三人称

 

 咲夜と月刃は同時に構え、そして走り出した。

 今度の月刃の速度は咲夜と同程度――かと思いきや、咲夜の目の前まで来た瞬間に超加速して姿をくらませた。

 突然の加速に一瞬戸惑った咲夜だったが、直ぐに周囲に霊力を張り巡らせて集中し、樹海を発動する。

 

 樹海を使えばはっきりとは位置が掴めないものの、霊力の動きが分かるため、どこに来るかのアタリをつけることが出来る。

 更には目を閉じた方がもっと鮮明に霊力を感じ取ることが出来るため、咲夜は目を閉じた。

 

「以前より樹海の精度が上がっているようだが、俺にダメージを与えられなければ無駄だぞ? しかも俺は自己治癒が出来るからな」

 

 そこで突然真横から飛んでくる月刃の蹴り。

 だが、その一撃は咲夜も読んでおり、ギリギリで飛び退いてその蹴りを回避した。

 

 月刃の言う通りだ。

 ただでさえ月刃は目にも止まらぬ速さで動けるので、なかなか攻撃が当たらない上に自己治癒までする。

 咲夜も正直どうやって倒そうかと頭を悩ませていた。

 

(く、ダメね。考えようとしても考える暇がないほどに強烈な攻撃がとてつもない速度で飛んでくる)

 

 今のところ回避出来てはいるが、樹海を使うのには高い集中力が必要になるため、体力はガンガン減っていく。

 いつかは体力が切れて体が動かなくなってしまう。

 

「ぐっ!」

「おっと、考え事をしてると直ぐにお前を殺すぞ?」

 

 考え事をしていたせいで咲夜は月刃の攻撃を完璧に回避することが出来ず、月刃の蹴りが腕をかすってしまい、血が出てきてしまう。

 今の月刃の肉体はスピードが速すぎて全身刃物みたいな鋭さを誇っている。

 まともに防御もせずに食らってしまったら体に風穴が空いてしまう。

 

 だが、咲夜もタダじゃ終わらない。

 

「いっ、てめぇまた……っ!」

 

 再び月刃は腕に痛みを感じたため、一旦止まって左腕へと視線を向けた。

 するとその腕を見て月刃は目を見開いて驚き、更には少しだけ咲夜に対して恐怖の感情を抱いた。

 

 やはりそこにはナイフが刺さっていたのだ。

 しかもその数なんと、3本。さっきよりも明らかに多い数のナイフを見て徐々に順応してきているということを感じる。

 ただ、やはり速すぎて正確に狙いをつけるのが難しいのか、バラバラに刺す暇はなくて同時に3本突き刺したらしく、ほぼ同じ箇所に3本突き刺さっていた。

 

 さっきと同じように月刃は咲夜から距離を取って腕からナイフを抜き、自分に治癒をかける。

 

 ずっと咲夜は月刃の動きを観察し続けてきた。

 だからこそ徐々に慣れてきている。人間とは慣れることが出来る生き物なのだ。

 相変わらず目で捉えることは出来ない。だけど、それを補えるほどの戦闘技術が咲夜にはある。

 

「ふぅ……あなたがその超スピードを使えば使うほど私はあなたのスピードに慣れていく」

「その、ようだな」

「でも、妙ね。ほかの力を使う時は霊力を感じるけど、その超スピードを使う時は霊力を感じない」

 

 人が能力を使う時はまず間違いなく微量でも霊力を周囲に放つことになるため、樹海を使っている咲夜がその放出を感じ取れないわけが無い。

 それだと言うのに月刃が走る時には霊力を感じないことに咲夜は違和感を抱いていた。

 そしてそれと共にある可能性が頭を過ぎってきた。

 

 咲夜は初めて月刃が紅魔館に現れてゲンについて言及した時のことを思い出していた。

 あの時、ゲンは咲夜達が能力だと思っていたゲンの能力の事を加護と言った。

 

「もしかして、それが加護ってやつなのかしら?」

「……」

「無言は肯定ととるわよ」

「……お前は本当に厄介なやつだな。ほんの少しの情報だけでここまでたどり着いたか……」

 

 咲夜の問に月刃は肯定と取れる返答をし、咲夜を睨みつけた。

 

「確かにこの力は加護と呼ばれる力だ。神速の加護と言う。神速と呼べるほどに超高速に到れる力だ」

「やっぱりね。能力じゃないなら道理で霊力を感じないはずね。でも、ゲンのものから比べるとしょぼいわね。それにあなたは完全に扱いきれてはいないようだし」

 

 ゲンの加護は名付けるとしたら『炎の加護』。

 詳細は全身を炎に変化させることが出来る力という事で、物理攻撃を無効化することが出来ていた。

 それと比べるとどうしてもこの加護は見劣りしてしまう。

 速くなるだけ。

 さっきまで戦っていたため、その驚異はわかっているつもりだった咲夜だが、少し気が抜けてしまった。

 

「確かに俺のは速くなるだけだ。だが、俺のは走るだけが取り柄じゃない」

「え?」

 

 その次の瞬間、一瞬月刃の右腕がぶれたかと思ったら、突如として降ってきていた葉っぱが目にも止まらぬ速度で咲夜へと飛んできた。

 さすがに突然のことすぎて反応することは出来ずにその葉っぱを顔面にモロに食らってしまう。

 

「くあはっ!」

 

 直撃すると思いっきり殴り飛ばされたかのような衝撃が咲夜に加わり、耐えきれずに少しだけ吹っ飛ばされてしまうが、何とか踏みとどまる。

 しかし、今のはそこそこダメージが大きく、鼻血が出てきてしまっていた。

 

「普通は木の葉を殴り飛ばしてもそうはならない。理由は木の葉が軽すぎて、ヒラヒラしていて衝撃を受け流しているからだ。だが、スピードをあげることによってその衝撃を受け流せなくなる。流動体も同じだ。俺のスピードでゲンは殴り飛ばせる」

 

 水を殴ってもただ拳が濡れるだけ、沈むだけだ。だが、高いところから落ちたり、高エネルギーを持った状態で水にぶつかると、それは水に沈むことなく水に激突することが出来る。

 それはまるでコンクリートを殴っているのと同じで、コンクリートを殴れずに拳がすり抜けるって人は居ないだろう。

 そんな人が居たらその人が幽体なだけだ。

 

 そしてそこから更にスピードを上げて殴ることによってパワーが膨れ上がり、木の葉でも弾丸のような速度で殴り飛ばすことができるようになる。

 

「いいか? 速さはパワーだ、重さだ、エネルギーだ。スピードがあれば大抵のことならなんでも出来る」

「そうね。確かにその力があればゲンなんて余裕なんでしょうね」

「あぁ、ただ、それだけじゃないぞ?」

「それだけじゃない?」

「加護は時に()()()()()()()




 はい!第132話終了

 今回は咲夜対月刃でした。

 そして月刃の超スピードが加護によるものだと判明しましたね。

 果たして咲夜はどう戦っていくのでしょうか?

 次回も咲夜対月刃です。

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

  • 味方
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