【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 咲夜と月刃の戦いは続く。

 相変わらず超スピードの月刃だが、咲夜は徐々に適応していく。

 咲夜が月刃が超スピードになる時、霊力が全く使われていないという事を指摘すると、ついに月刃はこれが加護の力によるものだと明かした。

 そして月刃は言う。

「加護は時に能力を超越する」



 それではどうぞ!


第133話 走馬灯

side三人称

 

「加護は時に能力を超越する」

「何を言ってっ!」

 

 その次の瞬間、月刃は消えて一瞬にして咲夜の眼前にまで迫ってきていた。

 咄嗟に咲夜は腕を胸の前でクロスしてガードするものの、真横から回し蹴りが飛んできたため、ガードすることは出来ずにそのまま蹴り飛ばされてしまう。

 

「くっ!」

 

 何とか何かにぶつかる前に踏みとどまることが出来たが、もろに食らった蹴りのダメージは大きく、骨が大量に折れてしまった。

 動くことは出来るものの、痛みで思考能力が低下してしまう。

 

「加護は極小数の限られた、選ばれた人しか得ることが出来ない。俺は手に入れたんだ」

「へぇ、でも加護も使い慣れてなきゃ意味が無いんじゃない? あなた、直線でしか使えないんでしょ?」

「確かにそうだ。だが、加護は能力なんかよりもずっと強力だ。能力の限界を超えることが出来る!」

 

 言いながら落ちてきて葉を咲夜へと殴り飛ばし続ける月刃。

 それを何とか斬り伏せているが、速度は銃弾、鋭さは刃物なそれを完璧に受け流すのは至難の業だ。

 そのため、咲夜は時を止めた。

 

「現世《ザ・ワールド》」

 

 月刃には自分と同じ能力を持っているため、時を止めても意味が無いが、飛んでくる葉っぱは違う。

 咲夜が時を止めたあとに投げたナイフが空中で静止するように、殴り飛ばされた葉っぱも空中で静止する。

 

 弾丸を普通の時間の進みで回避するのは容易ではないが、時を止めてしまえばあとは落ち着いて射線上から外れるだけで済む。

 

「考えたな。だが、忘れたわけじゃないんだろ? 俺が動けるってこと!!!」

「えぇ、もちろんよ」

 

 超スピードで接近してきた月刃の回し蹴りを咲夜も回し蹴りで応戦する。

 助走距離がさっきまでよりも短かったせいか、足で受け止めることが出来るほどの威力となっていたが、それでも速度の載った攻撃の威力は凄まじい。

 受け止めた際の衝撃に咲夜は苦悶の表情を浮かべてしまう。

 

「さて、その足はあと何回耐えられるか?」

「っ!」

 

 咲夜は取り敢えず距離を取ろうとバックステップをするが、即座に月刃が距離を詰めてくるため、距離をとることが出来ない。

 だが、距離を詰めてくるのに合わせて咲夜は月刃にナイフを突き立てた。

 

 ガギィィィン

 

 しかし、間一髪のところで月刃は腕を硬化させてナイフを防いでみせた。

 やはり表皮が鋼鉄にでもなったかのような硬さに咲夜は思わず苦笑いを浮かべてしまった。

 

「よぉメイド、絶対的強者の前に弱者はどうなると思う?」

「さて、どうなるのかしらね?」

 

 ぐっと鋼鉄化させた拳を振りかぶって力を込める月刃を見て咲夜も腕をクロスさせて防御の体勢に入った。

 だがしかし、思い切り放たれた月刃の拳は軽々と咲夜の腕を弾き飛ばし、顔面へとそのままの勢いで叩きつけられた。

 

「死、あるのみだ」

 

 ズダン、ドダンとものすごい轟音を鳴らして木を数本薙ぎ倒しながら吹っ飛ばされていく咲夜。

 

「ぐ、が、かはっ」

 

 意識を飛ばしそうになるものの、何とか堪えて月刃のことを見据える。

 もう既に咲夜は能力を解除してしまっていて、時間が進み始めている。

 

 葉の間から漏れ出る月光に照らされながら弱者である咲夜を見据える絶対的強者の月刃。

 

 これは勝てない、そんな弱気なことを考えながら咲夜は走馬灯を見ていた。

 

 黒葉が紅魔館に来る前の事。

 咲夜はいつものようにレミリアに紅茶を持ってきていた。

 

「失礼します。紅茶が入りましたのでお持ちしました」

「入ってちょうだい」

 

 部屋の中からレミリアの許可が聞こえてきたため、咲夜は静かに部屋の扉を開いて部屋へ入ると静かに扉を閉めた。

 レミリアはいつもと同じように部屋の窓際にあるテーブル席に座って窓の外を眺めていた。

 

「お嬢様、最近お外をよく眺められていますが、何か気になることが?」

「いえ、なんでもないわ」

「ん? あぁ、あれですか?」

 

 レミリアと咲夜の視線の先には空に浮かぶ巨大な島。

 数年前に突如として地面がでっかくえぐり取られて浮き上がった人里で、どういう原理だか落ちることはなくそのままずっと浮き上がり続けている。

 その名は天空都市『スカイ』。

 

「ずっと浮き続けていますよね。どういう原理なんでしょうか?」

「私もあれほどに巨大な島を浮かせられる人に心当たりはないわね」

 

 レミリアはここ最近ずっと窓からスカイを見続けている。

 あの島が出現した当初は物珍しさから見物人が多く、なぜ落ちないのかと気にする人も多かったが、最近ではあれは既に日常化してしまって物珍しく思う人も居なくなってしまった。

 咲夜も原理が気になりはしていたが、最近では特に気にすることも無く日常を送っていた。

 

「ねぇ咲夜、私でも勝てない相手が現れた時、この紅魔館ってどうなってしまうのかしら?」

「……それは霊夢のことですか?」

「いや、霊夢程の相手はそうそう現れはしないと思うけど、でも、現れるかもしれない」

「もし、そうなってしまったとしたら、お嬢様が敵わない相手に対抗出来る人はこの紅魔館には居ません。蹂躙されてしまうのでは無いかと」

 

 咲夜は申し訳なさそうに、少し言いづらそうに考えられることを伝えた。

 だけど、そんな咲夜の言葉にレミリアはゆっくりと首を振った。

 

「私はそうは思わないわ」

「と言いますと?」

「私がやられたら咲夜、あなたがこの紅魔館の最後の砦になるのよ」

「私が……ですか? お嬢様、お言葉ですがお嬢様が勝てないような相手に私が勝てるとはとても……」

「いえ、私はあなたならできると思っているわ」

 

 やけに自信満々なレミリアの発言に首を傾げることしか出来ない咲夜。

 

「だってあなたは樹海の扱いに関しては私を超えているもの。期待しているわ」

「お嬢様……」

 

 レミリアの言葉に、レミリアが期待してくれているという事実に感動して咲夜は目尻に涙を浮かべる。

 そんな咲夜を見て少し言いづらそうに苦笑いを浮かべながらレミリアは口を開く。

 

「ところでそれ、とっくに冷めちゃってるみたいだけれども」

「あっ! 申し訳ございません! ただいま新しいものを淹れ直してきます!」

 

 紅茶が冷めている事を指摘されて気がついた咲夜は慌てて時を止めてその場を後にした。

 

「あんまり慌てなくてもいいわよ。ふふふっ」

 

 もうあれから随分経ち、黒葉という人物も紅魔館へやってきた。

 黒葉がやってきてから色々あったが、内心では咲夜も楽しんでいたのだ。

 

 そんな楽しかった日々を思い浮かべながらついに咲夜も体力の限界が訪れてしまい、気を失ってしまった。




 はい!第133話終了

 咲夜と月刃の戦い。

 咲夜が気絶してしまいましたね。

 そして黒葉が来る前の咲夜とレミリアの会話はどうでしたか?

 初公開の天空都市『スカイ』。

 なぜレミリアはあれほどまでに気にしていたのでしょうか?

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

  • 味方
  • 中立
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