【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 咲夜対月刃。

 月刃のスピードに慣れていく咲夜だったが、月刃はスピードを威力に変換することによって咲夜をぶっ飛ばした。

 その時、咲夜は走馬灯のようなものを見る。

 レミリアは咲夜に紅魔館の最後の砦になって欲しいと伝えていたのだ。

 そしてついに咲夜は気を失ってしまった。

 果たして咲夜はどうなってしまうのか?


 
 今回は茉衣たちの戦いです。

 それではどうぞ!


第134話 守りたいから

side三人称

 

「なんだ? 震えてんじゃねぇか」

「こここ、これは武者震いですよ!」

 

 足も手も、特に手は痙攣しているんじゃないかと思うほどに震えている。

 表情は今にも泣きそうなほど。

 天魔の威圧はそれほどまでに強く、余程肝が座っている相手じゃなければ怯えさせるには充分すぎるものだった。

 

 華奢な体、細い腕、あまり筋肉質とは思えない足。それに対して相手は筋骨隆々の大男だ。

 誰がどう見ても茉衣に勝ち目は無い。

 

(でも、私だって修行をしてきたんだ。もうお兄ちゃんに守られるだけじゃないよ)

 

 茉衣は脳裏に昔のことを思い浮かべる。

 自分が無力だった記憶、兄に守られるばかりで、兄が戦って傷ついていくのをただ見ることしかできなくて。

 ただ守られるだけじゃなく、みんなを守れるような人になりたかったから茉衣は威迅に頼み込んで刀を訓練するようになったのだ。

 

「ん!」

 

 茉衣は一瞬構えを取って体勢を低くすると、思い切り地面を蹴って天魔へと急接近した。

 これが茉衣が編み出した戦い方。

 ある程度の広さが無ければ出来ない戦い方だが、筋肉も体も未発達の茉衣が自分の限界を超えた速さで走ることが出来るようになる走り方。

 空気の抵抗を極限まで減らす。

 

(今までの戦いは見ていた。お兄ちゃんと黒葉君のお父さんの力ならあの大男とも押し合うことが出来るだろうけど、力が2人に比べて圧倒的に不足している私がまともに押しあったりなんかしたら一瞬でぶっ飛ばされるのが関の山。なら私が出来ることはただ1つ。付け焼き刃だけどやってみるしかない)

 

 天魔の目の前までやってくると刀に霊力を纏わせる。いや纏わせたのではなく、刀と同じ場所に霊力の刀を重ね合わせたのだ。

 

 ――双剣。

 

 妖夢に教えて貰ってもどうしても十字になってしまって困っていた双剣だ。

 襲撃までの期間で練習して居たのはこの双剣。

 それでもなかなかちゃんとした双剣を発動することが出来ずにいた。

 

「っ!」

「綺麗だ」

 

 だが、今の茉衣の太刀筋は天魔がそう呟いてしまうほどに綺麗な太刀筋だった。

 どうしようもなく綺麗で、そして儚かった。

 

 天魔の大剣と茉衣の刀がぶつかりあい、金属同士がぶつかる甲高い金属音を周囲に響かせる。

 茉衣は双剣を天魔は普通に剣を振っただけ。

 普通ならただの一撃で負けるならニ撃合わせれば勝てるのではないかと考える。だが、茉衣と天魔の力の差はその程度で埋まるほどに浅いものでは無かった。

 

「お前も、太陽も、お前たちのその体は戦うようには出来ていない」

 

 天魔のたったの一撃にぶつかっただけで体が浮き上がってしまった茉衣は直ぐにぶっ飛ばされて地面を転がってしまう。

 体は擦りむき、打撲して泥まみれになってしまう。

 これだけで済んだのは奇跡、茉衣の双剣が多少なりとも威力を緩和したからこそ起こった奇跡だ。

 

「くぅ……はぁっ!」

 

 一撃で双剣を粉砕されてしまった茉衣だが、その目からは希望が絶えることはなかった。

 自分がここで踏ん張れば必ず誰かが天魔を倒してくれると、そう信じているからだ。

 

 立ち上がって刀を構え直すと茉衣は再び天魔へと向き直った。

 今の一撃で茉衣は天魔の攻撃を止めることは絶対に不可能だとわかったはずだ。

 だが、それでもなお向かっていこうとしている。

 

「その勇気、賞賛に値する。だが小娘、勇気と無謀を履き違えると生き急ぐことになりかねんぞ」

「わかってます。これが生き急ぐ行為だって……でも、それでも! 私はこの里が大事だから、守りたいから、だから抗ってみせるんです!」

 

 例えこれが無謀な行為だったとしても、決して無駄な行為にはならないと、そう信じて、そう確信して再び天魔へとかけていく。

 茉衣には能力がない。

 だからこそ能力者みたいにトリッキーな戦い方をすることはできないし、烈夏のように筋力も筋肉についての知識もないから有効的に動くことも出来ない。

 

 じゃあ茉衣には何がある? どうしたら天魔を足止めできる?

 まともに戦ったって茉衣に勝ち目がないのは明白。

 だけど、茉衣にも1つ、たった1つだけアドバンテージとなり得るものが存在している。

 

(相手は私を雑魚だと油断している!)

 

 威迅や烈夏に対しては技を使ったものの、今茉衣をぶっ飛ばした時はかなり力を抜いて攻撃してきた。だからこそ茉衣がこの程度のダメージで済んだというのもある。

 茉衣が付け込めるとしたらこの油断しかない。

 弱さゆえのアドバンテージのため、茉衣は複雑な気持ちだったが、これを利用しない手は無い。

 

「《微塵切り》」

 

 千切りよりもずっと速く、ずっと鋭い連撃。

 その攻撃は天魔の剣も全てを防ぐことは出来ずに何発かは天魔に直撃する。

 しかし、やはり茉衣の攻撃じゃ天魔の肉体に傷をつけることは叶わない。

 だが、茉衣の目的は天魔を倒すことでは無い。時間を稼ぐことだ。時間を稼げれば天魔にダメージを与えられなくても別にいい。

 

 だが、茉衣の攻撃に少しイラついてきたようで、茉衣の攻撃を無視して茉衣に向かって刀を振り下ろしてくる天魔。

 この攻撃は茉衣では絶対に受け止めきれない。そんな事は分かりきっていることだ。

 

 ――なら、受け止めきれないなら受け止めなければいい。力を流し切る。

 

「《桂剥き》」

 

 直ぐに攻撃を中止した茉衣は天魔の大剣へと刀を振るう。

 その光景はまるでさっきのぶつかり合いを見ているようで、この場の誰もがまたぶっ飛ばされると思った。

 だが、茉衣は巧みな刀捌きでなんと、天魔の大剣を受け流し、大剣の軌道を自分の真横に落として見せたのだ。

 

「訂正する。お前は太陽とは違うようだ。太陽よりも自分のするべきこと、出来ることが理解(わか)っている」

「双剣《三枚おろし》!!!」

 

 再び双剣を発動した茉衣は天魔へと斬り掛かる。

 3本の横凪の一閃、今までの双剣とは違う完璧に合致した双剣。

 

「だが、無謀を履き違えている部分は減点対象だ」

「あ」

 

 天魔が軽く剣を振ったその瞬間、いとも簡単に茉衣の刀は弾き飛ばされてしまい、そのまま茉衣へと剣が迫って来る。

 茉衣の脳裏には死という文字が浮かび上がる。

 前のめりになっている。こんな体勢じゃ回避することは不可能だ。

 

 結局茉衣が稼ぐことが出来た時間は30秒にも満たない僅かな時間のみだった。

 

 覚悟をして茉衣は目を閉じた。

 あと1秒もせずに茉衣は一刀両断される。

 そう、思われたのだが、一向に茉衣へと剣が直撃する気配は無かった。

 

 その代わりに甲高い金属音が鳴り響き、茉衣は何かにタックルされて横に飛ばされて倒れ込んでしまった。

 

「ぐっ」

「え?」

 

 茉衣は何が起こったのだろうかと目を開けると、その光景に目を見開いて驚愕した。

 なんとそこにはさっき倒れたはずの冬夏烈夏が居て、天魔と攻撃をぶつけ合っていたからだ。

 

「ぐ、かはっ」

「お前、死ぬ気か?」

 

 烈夏の傷は深い。

 押しあっている2人ではあるが、明らかに少しずつ烈夏が押されていき、更には烈夏はダメージのせいか吐血までもしてしまっていた。

 傷口からは未だに血が流れで続けている。

 

 昔、小さくとも診療所をやっていた烈夏はどれくらい自分の体から血が失われてしまったらまずいかは把握している。

 そしてその量をもう超えようとしていた。

 

(はぁ、はぁ、出血が酷い。血管の損傷が著しいなこりゃ。だが、まだここで倒れる訳にはいかない。筋肉を使え。損傷した血管を筋肉で締め上げるんだ)

 

 烈夏にしかできない荒業だった。

 普通の人がこんなので止血をするなんて無理がありすぎる。

 だが、烈夏はどの血管が損傷が激しいかを把握し、そしてその場所の筋肉を膨張させて血管締め上げることによって擬似的に止血することを可能としているのだ。

 

「はっ、お前、普通の人間かと思ったら充分化け物じゃねぇか」

「そうかよっ!」

 

 そこで烈夏は刀の角度を調節し、天魔の剣を真横に受け流した。

 

「はぁ……はぁ……お前は僕が斬る」

「やれるものならやってみろ」




 はい!第134話終了

 なんとまだ烈夏は動けたみたいです。

 それにしても人体の構造を把握しているからと言って自在に筋肉を操れるのはもはやおかしいですよね。

 果たして天魔に勝てるのでしょうか?

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

  • 味方
  • 中立
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