【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 天魔に敗北し、このまま戦い続けても全滅するだけだと判断した面々は二手に別れ、雪姫は烈夏を医療班へと連れていき、威迅と茉衣で天魔を足止めすることにした。



 それではどうぞ!


第139話 今度は私が守る

side三人称

 

 スダン、ドダダダダダダダダダッ! ダンッ!

 

「なに!?」

 

 ここは医療班拠点。

 怪我をした人たちを次々と運び込んで治療をする場所。

 鈴仙はそこのリーダーとして運び込まれた怪我人達の治療をしていたが、突如として近くから聞こえてきた轟音。

 色んなものが破壊される音が外から聞こえてきたため、鈴仙はちょうど治療が一段落したというのもあり、慌てて外に出て音の正体を確認すると、驚きのあまり固まってしまった。

 

「もしかしてここまで敵が来たのか?」

「だとしたらまずいよ!」

 

 鈴仙に続いて音に驚いたルーミアとフランも出てきたが、その光景を見ると2人も鈴仙同様固まってしまう。

 

 3人が見たその光景とは、建物が里の入口へ向かって一直線に木っ端微塵に破壊されている光景だった。

 少しズレていたらこの医療班の拠点すらもぶち抜かれていただろうという光景に誰だってびっくりする。

 だが、3人が驚いた理由はそれだけでは無い。

 

 この光景に既視感があったからだ。

 

 最初に黒葉が天魔にぶっ飛ばされた時、中間の木々や竹などを全てなぎ倒して永遠亭へとぶっ飛んで行った。

 この光景はまさにそれだった。

 何かがここまで建物を破壊しながら飛ばされてきたと、そう頭をよぎった3人は周囲を見回してみる。

 

 すると、そこには居た。

 

「やっぱり……」

「っ!」

「あ、あれって……」

 

 瓦礫の山に埋もれて手しか見えていないが、そこには確かに子供が居た。

 

 三人は協力してその子供を瓦礫の下から救い出そうと瓦礫を次々と退けていく。

 人間の力だと結構時間がかかるものだが、三人の妖怪の力、そして体力ならばすぐに瓦礫を退けることが出来て、その下から子供が出てきた。

 

「黒葉君……」

「「黒葉!!!」」

 

 そこから出てきたのはやはり冬夏黒葉だった。

 三人ともその手が見えていたため、この瓦礫の下には黒葉がいると分かっており、特にルーミアとフランの二人は顔を真っ青にしながら焦って瓦礫を退かし、ようやく黒葉が出てきたところで同時に黒葉に飛びついたという方が正しいくらいの勢いで抱き着いた。

 

 ドクン、ドクン。

 二人とも黒葉の胸に耳を当ててみるとしっかりと心臓の音が聞こえてきてホッと一安心する。

 酷い状態だった。

 腕は変な方向へと曲がっており、体のいたるところから血が出ている。

 

 こんな状態でもちろん意識を保っているわけもなく、全く反応はないが、生きているのならばなんとかしようがある。

 鈴仙の持ってきている永琳の薬は万能の薬だ。永琳の薬に直せないものなど存在しないのではないかというほどにいろいろな効能がある。

 もちろん骨折もたちどころに直すことが出来る。

 

「このくらいなら結構すぐに治りそうだね……中に運びましょう」

「うん!」

「わかった!」

 

 ルーミアとフランが黒葉から離れると鈴仙は黒葉を担ぎ上げると医療班の拠点内へと運び込む。

 そこでフランはこの状況にしては黒葉の怪我が少ないことに気が付いた。

 

「やっぱり……この凄まじい惨状にしては怪我が少ない。やっぱり能力のおかげなのかな」

「どういうこと?」

「以前、私が手加減なしで壁に叩きつけちゃったことがあったんだけど、その時も壁が焦げただけで、黒葉のダメージはあんまりなかったんだよね。だから黒葉の炎は鎧とか盾とかにもなるのかなって」

「なるほど……その可能性はあるけど、どうして記憶を失っているのに能力を?」

 

 ここの医療班の面々は黒葉が錯乱していた現場を見ていないため、どうして能力を使うことになったのかがわからず首をかしげていた。

 だが、そんなことよりもまずは治療が先決。

 早速黒葉を拠点内に運び込んで永琳の薬を投与する。

 

 これで少し安静にしていたらある程度骨もくっつき、血も止まる。

 

「ひとまずこれで大丈夫。このまま寝かせて起きましょう」

「うん」

「でも、なんで黒葉が飛ばされてきたんだろう。黒葉って確か茉衣ちゃんの家に閉じ込められてたよね」

 

 そこで今のこの状況にフランが疑問を抱いた。

 医療班の拠点と分郷家は結構離れた位置にあるため、家を破壊して飛び出してきた黒葉にも気が付かなかったのだ。

 それに、天魔が雷鳴轟を使ってから止めどなく患者が運ばれてきているため、そんなことを気にする余裕はなかったと言うのもある。

 

「何が起こってるんだろう……」

 

 戦況が分からない医療班の面々は常に不安に駆られている。

 それは鈴仙やルーミア、フランも同じで祈るように入口の方へと顔を向ける。

 

 その時だった。

 

 ズバァァァァァン!!!

 突如として拠点入口のドアが弾け飛び、周囲に木片が飛び散って砂埃が巻き上がる。

 突然のことに驚く3人だが、直ぐに3人とも警戒態勢に入る。

 

「おい、ここに剣士の小僧は飛んできてねぇか? こっちの方に飛んで来るのが見えたんだが……」

「っ!」

 

 その声を聞いてルーミアは肩を震わせた。

 鈴仙とフランは何者が現れたのかが全く分からず、警戒を続けるがルーミアだけは今の声だけで誰が来たのかを理解し、頭を抱えてしまった。

 記憶が蘇る。

 

 自分のせいで黒葉が大怪我を負ってしまった、負の記憶。

 

「もし居るなら素直に渡しやがれ。じゃねぇと、ここにいるヤツら全員を敵とみなし、殺す」

 

 砂埃の中から出てきた大男。

 その手には大斧が握られており、顔には幾つもの傷がある。

 その姿は正しく以前ルーミアと黒葉が襲われた大斧使いの妖怪ハンターだった。

 

「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 そのことを認識したルーミアはその場で蹲って震えてしまうが、横目でフランのことを見てハッとなる。

 確かにこのことはルーミアの中でトラウマとして刻まれてしまっており、あの斧男を見るだけで震え上がってしまうほどなのだが、それでも今ここで引いてしまえばこの医療班が壊滅してしまう。

 ここはこの戦いでは重要な医療班だ。ここが無くなってしまえば一気に戦況は傾いてしまう。

 

(今は自分の感情を優先している場合じゃないっ! 今まで何度も黒葉には助けられてきた。でも、いつまでも弱いままじゃダメだ。今度は私が黒葉を助ける)

 

「おい、お前ら、俺は気は長くねぇ。さっさとしないとどうなっても知らねぇぞ」

 

 ルーミアは立ち上がると、フランと目配せをして覚悟を決めた。

 そして――

 

「「たぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁっ!」」

「んなっ!」

 

 2人同時に斧男へと突撃し、医療班拠点の外へと飛び出していく。

 2人の手のひらに突き飛ばされた斧男は少し離れたところで踏みとどまると、一緒に外に出てきたルーミアとフランを睨みつけた。

 

「そうか、分かった。回答はそれでいいんだな」

「鈴仙は治療に専念して!」

「私達はこいつをやっつけるよ!」

 

 ルーミアとフランの2人は改めて斧男を見て最大限の警戒をする。

 ゲン程の霊力は感じられないが、それでも凄まじい霊力をその体から感じる。

 更にはルーミアはこの斧男の能力を知っているため、どれだけ強い相手なのかも分かっている。

 黒葉もボコボコにされていた程だ。

 

「あなたなんかに負けないから!」

「うん、あなたのことをギュッとしてドッカーンしてあげるよ!」




 はい!第139話終了

 ついに始まった医療班防衛の戦い。

 敵はあの重力使いの斧男ですが、今回対峙するのはルーミアとフランです。

 果たしてどちらが勝つのでしょうか?

 ちなみに斧男の強さもあのままじゃないですよ。

 黒葉達が修行して強くなっているので勿論斧男も強くなってます。

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

  • 味方
  • 中立
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